ネタ/ビッチ/離れていても

Last-modified: 2013-03-11 (月) 17:41:34

彼女は僕を連れて、電器屋に行った。といっても、ネットのじゃなくて、街にある店だ。

B「こーゆーのは足で買うところがいいの。で、お金はちゃんとある?」
A「こないだ言ってた金額は入れてきたよ。4階? 福祉・健康家電? ババアか君は。」
B「あんたが使うものを買うんだよ、おじーちゃん。」

歩行補助外骨格やヘルスメーターのコーナーを通り抜け、彼女が止まったのは、マッサージ器具のコーナーだった。
棚の一角を示して彼女が言う。

B「こんなかから好きなのを選んで」
A「そうそう最近肩こりがひどくてねぇ…っなわけあるかー!」

僕の祖父がこういうのを腰に貼っていた記憶がある。
マッサージシートだ。
てのひら2つぶんくらいの大きさで、厚さは1mmくらい。

A「何に使うんだ…って聞いても教えてくれないんだろうな」

彼女はニヤニヤしながら黙っていた。
僕は、値段が安くて色が地味なものを選んだ。
この階に限ってなのか、レジに人間がいた。
僕が金を払うとき、レジの店員は、にっこり、というかニヤリとした。


その夜、僕は自分の部屋で、彼女と通話していた。
僕の机には、マッサージシートとその説明書。

A「でもこれ、完全に想定外の使い方だよな。肩・腰・脚以外には使うなとか、当社製以外のソフトウエアで駆動するなとか」
B「説明書にはそーいうふうに書いとくんだよ、責任逃れのためにね。」
A「よし、ソフトは入れた。次は?」
B「じゃあチソチソに巻いて」
A「えっ…聞こえな」
B「じゃあペ二スに巻いて。in-K, コック、Dick 、ほかには…」

きっと今、彼女の部屋では、彼女が本かなにかを丸めて、その表面を手で触っている。
本がそれを電気信号に変換し、ネットに送り、マッサージシートに入れた改造ソフトがそれをデコードし、
シートの人工筋肉が信号に従って動き、僕の固くなった体の