ネタ/メガネ

Last-modified: 2013-04-13 (土) 22:33:27

M男「授業のときはメガネかけるんだ?」
F女「うん。あと本を読むとき。」
M「近視とか乱視? *1
F「ううん、ディスレクシア」
M「あー、小学生のときクラスにいたな、それ。字が読めないんだっけ。」
F「読めないというか、脳が文字を認識してくれない。」

 

メガネ内側のセンサが使用者の眼球を識別し、視線にあわせてカーソルを動かす。
外側のカメラが文字を取り込み、つるに内蔵されたSoCが文字認識から音声合成し、
結果をこめかみへ振動として伝える。骨伝導スピーカーだ。
彼女はこうして、メガネを使って、文字を「聞く」。

 

楽譜を認識して、音に変換するソフトウェアもある。音感はすごいが楽譜を読むのが苦手な人は、そのソフトを使って音大の受験をするらしい。

 

M「文字を認識できないってのは、なかなか想像しがたいな…どんな感じなんだろ。」
F「そうだねー、うちのクラスの女子にもよく言われるんだけどね、それは。例えば…」
彼女は教科書で社会のファイルを開き、指を滑らせて、アラブ世界の民主化、というページを開いた。
F「じゃ、この写真を10秒間見て。」
その写真では、自動小銃や電話を振り上げた人々が、乾燥した気候の町並みを歩いていた。1、2、…10。
彼女は教科書を閉じて、僕に問いかけた。
F「いまの写真、なにが写ってた?」
M「たくさんの人が、マシンガンや電話を持って、町を歩いてた。」
F「お店の看板とかは?」
M「あったような気がするけど…よく覚えてない。」
F「そう、そんな感じ。仮名も漢字もアルファベットも、それにアラビア文字も、私にとってはそんな感じ。」


*1 金はかかるが治療できる