99%の誘拐

Last-modified: 2009-10-14 (水) 15:18:02
 

岡島二人 『99%の誘拐』 講談社文庫

 

末期ガンを患っている男が息子にある手記を残す。そこにはまだ幼かった息子が誘拐された事件のてん末が記されていた。
しかし、この手記は息子の母親によって保管され、息子はこの手記の存在を知ることなく成長する。
そして、息子が24歳の時、男の死から11年後にこの手記を読むこととなり、
息子はその手記から過去の事件の犯人を知ることになる。
そして、息子が誘拐された事件の関係者を中心とした新たな誘拐がおこる。
その誘拐は犯人の緻密な計画とコンピュータによって制御されていることで、誰も手出しが出来ない状態である。
警察は犯人を捕まえることが出来るのだろうか。それとも犯人がうまく逃げきるのだろうか。

 

15年前の作品とあり、コンピュータの仕掛けや機会の説明などが古いと感じる方もいらっしゃるかもしれない。
しかし、読んだ本人はそういったことに疎いのであまり気にせずに読み進めることができたので、
気にならない方は気にならないだろう。反対に古いと感じるどころかこんなことが出来るのか?! と感銘を受けたほどだった。
そして、本書をめくるたびに次々と出てくるトリックとそのトリックが幾重にも重なって
こちらに向かってくるスピード感に圧倒させられ他のことは気にせずにいられる。
本書を読み進めるたびに次はどうなるのかという期待が膨らみページをめくる手が止まらなくなる。
久々に時間を忘れて読んだ本だった。

 

時間に縛られたくないのというあなたにおススメ。

 

担当者 - 太刀魚