The Making of -nomine.mp4-/環境解説:使用したツールやパーツ

Last-modified: 2021-05-20 (木) 09:21:01

この記事は、Web企画「ゴーストマスカレード3」の参加ゴースト「nomine.mp4」に関する一連の技術および創作論等の解説記事の一つです。



本項では、nomine.mp4の制作にあたって使用したツールや、素材サイトの紹介をしておきたいと思います。
本筋からはやや外れた内容とはなりますので、お急ぎの方はひとまず先に進んでいただき、ツールの名前が記事中に出てきたときに見返すのでも十分かと思います。

gimp2

いわゆる「ペイントソフト(画像の加工編集ソフト)」というカテゴリーのフリーウェアです。
前身であるgimpも含めると、1996年から開発が続いているので、その歴史は伺かよりも古いですね。
フリーウェア文化全盛期を彩る偉大なソフトの一つと言えるのではないでしょうか。

gimpはドロー系ツールではないため、「絵を描く」ことについては今どきのソフトに使い勝手の及ばない面があると思いますが、フィルタをかけたり、カラーチャネル間の操作をしたりといった「加工」については、フリーウェアとは思えない多様な機能を備えているため、特にフォトショがない環境だと他ツールとの併用も含めて現役使用されている方は多いかと思います。
今回はシェル側の作業のみならず、バルーンやゴースト側で使うアイコンなど小物の作成でも色々画像の小物が必要になったため、非常に幅広い工程でお世話になりました。
特に下記3つについては、gimpがなかったら納期に間にあってなかったと断言できますね……
・カラーチャネルに関する操作
・ランダムノイズの生成
・全レイヤーをそれぞれ別の画像としてエクスポート(有志のプラグイン使用)
みなさんも普通の女性の顔を加工してやたら赤い化け物にしたり、シェルにランダムノイズっぽいエフェクトを付けたりする都合がある場合には是非gimp2をご利用ください。
いや、そうじゃなくてもほんとうに無料でいいんですかねという機能の充実具合なので……。起動はめちゃ重だけど。

cmd_shiori_tester

今回SHIORIとして採用した「灯」の開発元でもある夜天灯火で配布されているコンソールアプリですね。
何ができるかというと、簡単に言えばSSPの代わり……というと語弊がありますが、SSPの「SHIORIと接する部分」の代わりをやってくれます。
つまりSHIORIに対して「OnMouseClickだぜ Reference0はこれでReference1はこれで...だぜ」という具合に任意のイベント呼び出しを行い、SHIORIが返してきたスクリプトをそのまま表示するというだけの、ある種非常にシンプルなツールです。
このツールが何がありがたいかというと、まあ実際やってみないと中々伝わらないと思うのですが、ともかくちょっとした動作テストなんかについては、いちいちSSPを立ち上げてやるよりもずいぶん楽に、かつ余計な要素を除外した環境でできます。
開発の最終盤ではもちろんシェル側、バルーン側の挙動も含めた総合的なテストが必要なので、その際はSSPを立ち上げないわけには行かないのですが、ちょっと辞書に追記して関数がちゃんと動くかどうかだとか、バグが有ったときにどの記述に原因があるのかを洗い出したりだとか、そういう小さい範囲の細かなテストを繰り返すにあたっては大変お世話になりました。
正直、基本的なシステムが未完成だった4月半ば頃までは、ほぼSSPを立ち上げずにこのツールだけでずっとテストしていた記憶があります。

コンソールれしば

里々のログビューアである「れしば」のコンソールアプリ版です。残念ながら配布終了。
私の環境では本家れしばも「れしば.NET(れしばいぬ)」もどうしたことかうまく動かないため、バックアップデータから引っ張り出して使いました。

後の記事でも解説しますが、nomine.mp4では里々を「SAORIとして」使っているのですが、この場合もしっかり呼び出し/返答のログを拾ってくれます。
開発初期~中期にかけては先述のcmd_shiori_testerと、このコンソールれしばと、コンソールアプリ2つをほぼ常に開いて作業していたので、
画面がドラマや映画に出てくる「ハッカーが何かすごいことをやっている場面」のステレオタイプみたいになっており中々楽しかったです。

素材配布元:pixabay

今回いくつかの素材サイトを使いましたが、特に背景から小物から人間の顔まで各種素材についてお世話になったのがpixabayです。
nomine.mp4は演出上「実写のような」素材が大量に必要でしたが、フリー写真素材を探すにあたっては極めて有用なサイトだと思います。
使用した素材はreadmeにもURLを記載していますので、是非ご確認ください。
ただ、実のところライセンス的にはそのURLの記載すら不要な素材が大量にあるのが、pixabayのすごいところです。
とりあえずpixabayで探して、なかったら絶望的な気持ちになりながら他所のサイトを探すというのがもっしょくしが写真素材を漁る時の基本的な動線になっています。

SSP

すべてゴーストはSSPの手のひらの上で遊んでいる存在に違いないので今更何をツールとして語るのかというところですが、ここで一言触れたいのはやはり,SSPのデバッグ/開発者向け機能の充実ですね。
開発にあたってSHIORI呼び出しログの出力、エラーログにスクリプトログ、その他開発用パレットの各機能…… 何から何までお世話になりました。
詳しい説明はSSPのヘルプに丸投げしますが、使ってないゴースト作者さんは本当に使ったほうがいいですよ。

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