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全作品レビューさんの第2回トナメ3回戦感想
第2回/1068 『かくして平和、しかして秩序.』
- 前回指摘した文字の詰め込み具合が無くなっていて非常に読みやすい。
- 2話のヒキをいきなり放り投げたのは面白いけど今ひとつ。
結局瀬広ちゃんの謎だけ解けないままだったのは悪くもあり良くもあり…可愛いままでいてくれたのは嬉しいが。 - 倉田くんのストレッチ自己紹介が面白い。が、分かりやすいギャグらしいギャグはここだけなのが寂しい。
- 3話使った森迫さんのラザニア話は超ロングパスのギャグで大好き。
- 書記の人の上手くない例え話は、2話でも思ったがフキダシ外で簡単にでもいいのでツッコミが欲しかった。
- 22Pの見開きは、全体の展開上必要な見開きだと思うがあまり効果的な見せ方になっていない。
ここが決まっていれば3話の読後感がかなり変わっていた。前ページ最後のコマのセリフは見開きに入れて良かったかも。 - ラストページはギャグとしては弱いが、タイトルを最後に使ったのは上手い。
- 3話はギャグとして見なければ高い構成力を見せた話で良い。
- 「第4和にご期待下さい!」とあるが、さすがに続けるのは難しいと思わざるを得ない。
ただ、そう思わせた1話からの2話が見事だったので、続けられるものなら続けてみて欲しいとも思う。 - 高い構成力を持っているので、「ギャグだがストーリーがある」というマンガよりも
「ストーリーものだがギャグがある」というマンガが合っているかも知れない。 - 瀬広ちゃん可愛い。
1~2話の不条理さから、起きそうで起きないという展開にしたのは面白い。ただ展開としては良く出来ているがギャグとしては
やはり弱い。作品としてのパワーが落ちてしまった感が拭えない。1~2話のネタを総動員した大団円的な話で上手いのだが…。
巻馬が混沌を日常として受け入れる決意をしてしまったので続きが期待しにくいことも良くない。次回作に期待。
第2回/1051 『俺とヒーローと魔法少女』
2話でかなり厳しい意見を書いたが、今回もあまり変わらない。よって細かい指摘は省略。すでにweb漫画作品として
人気を得ていることと見栄えする画力が強力な武器だが、こと「マンガの技術」に関しては3回戦作品中で目立って劣っている。
もちろん水準以下というわけでは無く他の技術が高いという意味。画力があるので技術が上がればかなりプロに近い。
第2回/1137 『間宮さんといっしょ』
- 1~2話にあった誰が言ってるセリフか分からないということは無くなっている(登場人物がほぼ3人だけのせいもあるが)。
- 全体的にセリフの密度は高いが、言葉選びやテンポの良さなどで読みづらさは余り無い。
が、やはり文字が多いというだけで敬遠されがちなのは勿体無い。しかし減らせばいいとも思えない言葉選びの上手さだが…。 - ラストのみっちゃんはヒキとして弱い。というより取って付けた感が強い。
今回一番評価がしづらい作品。好きなんだがそれを上手く言語化出来ない。2話とは正反対に、3回戦全作品中で良くも悪くも
一番期待を裏切った話。2話までの構図をひっくり返したのは見事とも言えるが、唐突でもある。完全に好みが分かれる作品。
絵の見せ方、セリフの読ませ方は非常に上手い。3回戦全作品中で一番「作者が描きたいものを描き切った」と感じる。
第2回/1072 『初めての料理教室ゥアッ!!』
- コックコート姿の茶山がメインのページではやはり画面が白いが、それ以外ではかなり画面の白さが目立たなくなっている。
- 明子がAとBの皿を間違えるというのは無理にギャグをねじ込んだ感が強い。しかも分かりづらい。
- 基本的に茶山と明子だけでの進行を飽きさせないように描いているのは本当に上手い。
- デザート担当は少なくとも3話まではネタ要員にして、このマンガに足らないヒキを担当させたほうが得票に繋がったと思う。
最終ページでデザート担当を中央に描いたのは、その意味で良くない。大団円感というか描き切った感が出てしまった。
1話で双方向性をうたっていたにも関わらず、これでは読者から見て「読むだけの料理マンガ」が終わったに過ぎない。
「料理をしない人に聞きたいが、次の話で何を題材にして欲しいかを書いてくれ!」ぐらいしたほうが、このマンガらしいと思う。 - ↑1話のアンケートが予想以上の反響だったので、良心がとがめて同様のことはしづらいだろうとは思うが…。
「料理を全くしない人向け」にしては、今回は「ちゃんとした料理を出すこと」に焦ってしまった感じがある。
家庭菜園部分は面白かったが、それ以降は急ぎすぎ。もっと基本的な部分を丹念に描いて欲しかった。料理をしない人は
塩と砂糖を間違えるなんていうベタなことを本当にやるので、味付けひとつでも1話を使って描くぐらいしても良かった。
第2回/1095 『有線戦線』
- 1~2話での青っぽい色が無くなって画面が引き締まった。
- 1~2話にあった「~stage Clear」が無い。1~2話は無いほうが良かったが、むしろ今回こそあったほうが良かった。
- 前回指摘した、「凝った書き文字のせいでの画面の分かりづらさ」は完全に無くなっている。
- 6P「私のバッグ蹴り飛ばしたの覚えてる?」からの一連のシーン、2話を読み直して意味が分かった。
2話中で特に印象的に描かれた訳ではないので、簡単な回想などがあったほうが良かった。 - 11P「兄弟もみんなこうバカなの?」から溜めを作った14P「馬鹿にするな」は一番のキメのコマだが、溜めの演出が今ひとつ。
12P2コマ目の瞳のアップは大きくないコマのほうが溜めが強い。出来れば全く顔を見せずに感情の高ぶりを表現して欲しかった。
8Pで大ゴマのアップがあったことも溜めが弱くなっている理由のひとつ。
11Pの「バカ」も14Pに合わせて「馬鹿」の表記に統一していたほうが良かった。 - 敢えて個性を出さなかったんだとは思うが、養父があまりにもステレオタイプなハゲ親父だったので
せっかくの登場も一瞬誰か分からないのが難点。1P・13Pでの回想で顔を出していたほうが良かった。
特に13Pの回想は11P~14Pの溜めに当たる部分で、ここで養父や兄弟をハッキリ出していたほうが感情移入に繋がった。 - 鯨好きの兄の名前が2話の「竜哉」から「達哉」に変わってる。
前回は書き込み量は凄いが背景に対して人物が埋もれ気味だったが、今回は見せるべき場所を見せることが出来る絵になっている。
9P1コマ目など非常に上手い。3回戦組の中で一番トナメを通して成長していると思う。1~2話で密かに印象付けていたマスカラを
使ったり、死んだと思われた理想的な養父の立場を変えての登場など、1~3話を通した話作りも非常に考えられている。
第2回/1039 『ラブ・ボーイ・ラブ』
- 2話でも指摘したが相変わらずタイチのアップが多い。コマいっぱいのアップが多くてちょっと一辺倒。
- ロングも使ってはいるが、アップも含め全体的に構図が単調とまでは言わないまでも変化に乏しい。
- 上記もあり、柔らかい絵柄とキャラクタの魅力が強いのに救われているが、全体的に意外に動きを感じづらい。
- 13P3コマ目の「元気そうだな…」は哀川のそばに書き文字のほうがいい。
- 18Pの女装タイチはもっと全身絵を目立たせたほうが印象が強かった。
- 30Pはタイチのアップの見せ方が良くない。もちろんこの3話で一番の見せ場だが、それだけに1コマ目ではなく
このページ最後のコマにするか、前ページにもっと溜めを作るなどして印象を強める見せ方が欲しかった。
2話のヒキを無視したことに引っ掛かりはあるが、3話単体の完成度が高い。むしろヒキの続きにしなかったことで安定感が出た。
麻愛さんの話から哀川が色々気付く構成は上手い。1話で語られた「来る者拒まず 去る者追わず」を破った所は盛り上がるが
1~3話を通して見ると出来れば2話でもこの文面は欲しかった。すずかのヒキをまた使ったのはちょっとズルイ。
第2回/1089 『Helck』
安定したヴァミリオの可愛さとヘルクの存在感で読んでいて楽しい。2話で期待した「いい意味での裏切り」が3話で出た感じ。
ヘルクの過去、翼を持った兵士の謎など、盛り上がりを持ったヒキになっている。先を期待せずにはいられない。
細かい部分の問題点も特に見受けられなくて、「素晴らしい」以外に書くことが無い。本当にプロレベル。
第2回/1041 『懲役339年』
- 3Pで四代目が手紙を読んでいるところから始まるが、「…というわけで」で始まっているのは
1~2Pのシナトのモノローグと繋がっているようにも読めてしまう。明確に分けたほうがいい。 - 6P1コメ目のフキダシの1文字目が読めない。誤字修正の跡っぽいが。
- 7P4コマ目、8P3コマ目、9P2コマ目の雲形フキダシ。9P3コマ目のセリフ内のカッコ書き。以上は説明過多。
説明を少なくしすぎて可読性が悪くなるのもまずいが、上記は無くすか違う表現にしたほうがすっきりする。 - 16P全体のコマ割りが悪い。セリフ配置や視線誘導なども悪く、このページだけ力が抜けている感じがする。
大きな区切りを持ってきて、さらにここから大きな話の転換があることを予想させていて、文句無く構成が上手い。
ただ完全にヒキの話。次の話に向けての静かな盛り上がりの力を持ってはいるが、3話自体の起伏は少ない。
1話の二代目の死や2話の三代目の償いの意味など、明確な山場は無い。だが前話があったからこその強いヒキとも言えるが。