きらめくオーロラ紀行(アイプロ)

～事務所～
肇「みなさん、お疲れ様です。プロデューサーさんとの打ち合わせから戻りました。」
みちる「ふごっ？あ、おかえりなさい、肇ちゃん！麗奈ちゃんとお茶しながら待っていたところです！」
麗奈「お茶するっていうより、ほぼパンよ、パン！むしろ「パンしてた」って言うのが正しいわ！」
麗奈「次から次へと皿にパンを……うっぷ。」
みちる「パンが乗っていないお皿を見ると、悲しくなるじゃないですか！パンは心と体の栄養です！」
みちる「はい、次は季節限定の雪解けパンです！」
麗奈「ハチミツたっぷりのグレーズが……って、もう要らないわよ！」
麗奈「で、肇。今度の収録の話は聞いた？」
肇「はい、旅番組のお仕事だそうですね。素敵なお仕事がいただけて、嬉しいです。」
肇「色々な景色を見て、様々な体験ができそうで……。」
麗奈「はぁ……アンタはお気楽でいいわねぇ。」
肇「麗奈ちゃんは楽しみじゃないんですか……？」
麗奈「そりゃ、楽しみじゃないワケじゃ…………。でも、場所が場所っていうか……。」
麗奈「だって、ノルウェーでしょ？飛行機で半日以上かかるわよ？」
みちる「フゴフゴ！フゴフゴゴゴッ！モグ……ゴクン！」
みちる「あたしは楽しみですよ！だって、ノルウェーはパンの国！」
肇「資料には確かに、ノルウェーの主食はパンだと書いてありますね。」
肇「穀物がたっぷり入ったものが好まれているそうです。」
みちる「国や地域によって、好まれるパンは異なりますからね！」
みちる「いずれにしても、ノルウェーのパンはとても楽しみです！」
肇「私は、ノルウェーの陶磁器が楽しみです。」
肇「良質なメーカーが多くありますし、最近は日本でも北欧食器は人気がありますよね。」
麗奈「ふーん。アタシはどっちも興味ないけど……北欧、つまり雪国よね。」
麗奈「ククク……雪でなんか面白いイタズラを……。」
？？？「オーロラですっ！」
肇・みちる「きゃっ！？」「ふごっ！？」
幸子「ノルウェーではオーロラが見られるんですよ！学校の授業で聞きました！」
みちる「オーロラですか。いいですねー、オーロラ！」
みちる「オーロラソースがかかったパンを、オーロラの下で食べるのもいいかもしれません！」
麗奈「っていうか、もしかして今回のメンバーってアンタも一緒なの！？」
幸子「プロデューサーさんたってのお願いで、ボクもみなさんに同行してあげることにしました。喜んでいいですよ。」
麗奈「マジィー？ったく、アンタが一緒だと騒がしいのよね。」
肇（麗奈ちゃんも人のことは言えないような気が……）
みちる「あはは！幸子ちゃんは、オーロラが楽しみなんですね！」
幸子「ちっ、違いますよ！」
幸子「なんでもオーロラは、「夜空の奇跡」とか「カワイイ」とか、みんなに褒められてるじゃないですか。」
みちる「そうでしたっけ？」
幸子「そうなんです！けれど、そんなオーロラもカワイイボクには遠く及びません！」
幸子「今回は、それをファンにも知ってもらうための旅なんです！」
みちる「そうだったんですね。それはいいですね。あたしはとにかくパンが楽しみです！」
みちる「モグ モグ モグ モグ モグ モグ……。」
麗奈「あーはいはい。」
麗奈「それじゃ、旅行の準備をするわよ！アタシ、イロイロと用意しなくちゃいけないし！アンタたちにかまってるヒマは無いの！」
肇「そうですね。異国の地に行きますし、準備はしっかりとしましょう。」
幸子「ボクのカワイさに圧倒されないよう、みなさんも準備は怠らないでくださいね！」
幸子「それでは、オーロラ紀行のはじまりです！フフーン♪」

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～雪原～
肇「見渡す限りの銀世界……すごい……。なんて、綺麗な色……。」
麗奈「ったく、肇はのんきね。うっとりしてる場合じゃないわよ！」
麗奈「ハ、ハ…ハックション！！寒っ！！」
みちる「寒いときこそのパンです！はい、どうぞ麗奈ちゃん！」
みちる「モグモグモグモグモグモグモグモグ……」
麗奈「はぁー……アンタたちマイペースすぎ！まぁ、パンは貰うけど。」
麗奈「モグモグ……って、パン食べてる場合じゃなかった！」
肇「どうしたんですか、麗奈ちゃん。」
麗奈「アイツよ、アイツ！アイツと合流するために、わざわざこんな寒いところで待ってやってんのよッ！」
麗奈「ああもう、早く来なさいよねッ！」
みちる「アイツってまさか……伝説のパン職人ですか？」
みちる「あの橋を渡って、ここまで来てくれたんですね！」
麗奈「違うわよッ！誰よ、そのパン職人って。」
麗奈「アイツといったら一人しかいないわ。いるでしょ、この旅のもう一人のメンバーがッ！」
肇「そういえば、そうでした。私ったら、つい美しい景色に夢中になってしまって……。」
肇「そろそろ到着する時間に……」
？？？「皆さん、お呼びでしたか？」
？？？「そうですよね、首をながーくして待ちわびていましたよね！このボクの到着を！」
麗奈「……来たわね。」
幸子「はい、ボクです！」
幸子「いやぁー、ボクがカワイイあまり、ノルウェーの空港も大興奮でした。」
幸子「セキリュティゲートが離してくれないもので！」
麗奈「どうせポケットにアクセサリーか何か、突っ込んだままでしょ。」
肇「幸子ちゃんも揃ったので、いよいよ撮影も後半戦に突入ですね。」
肇「今日からの撮影は、たしか……」
みちる「犬ぞりです！」
みちる「犬ぞりの体験をしながら、オーロラ観測ポイントまで向かうんです。楽しみですねー、犬ぞり！」
幸子「い、犬ぞり……！？」
幸子「そういえば、見渡す限り雪原ですし、なにかおかしいです。ノルウェーの街を観光するロケは……」
麗奈「終わったわよ。」
幸子「え……？」
肇「幸子ちゃんはあとから合流するから、街ロケは私たちだけでって。」
肇「……もしかして、聞いてなかった？」
みちる「今日からは、犬ぞりとオーロラ！北の大地を堪能するロケです！」
みちる「ちょっと寒いかもしてませんが、パンがあれば乗り越えられます！」
麗奈「アンタのパン欲には、呆れるわ……。」
麗奈「まあ、いいわ。ともかく、オーロラとやらを見に、犬ぞりに乗っていくの。」
麗奈「覚悟はいい、アンタたち！」
肇「はい。でも……オーロラは自然のものですから、私たち……本当に見ることができるでしょうか。」
肇「少し心配で……。」
幸子「その点ならご心配なく！なにせカワイイボクがいるんです！」
幸子「この空も、オーロラで歓迎してくれるはずです！」
肇「そう……ですよね。ふふっ！幸子ちゃん、頼りにしています。」
幸子「フフーン♪カワイイボクにお任せください！」
みちる「みんなで楽しい旅にしましょう！」
みちる「パンの準備はOKですか？」
みちる「それでは、出発ーっ！」
　

TO BE CONTINUED...

～プレスト湖～
肇「オーロラ……とても綺麗でした。」
肇「写真では映せない、美しい色……。」
みちる「番組撮影はもう終わったのに、ついずっと見ていたくなりますね！ちょっと首が痛くなってきました！」
みちる「でも、見たい！」
麗奈「どうせたいしたことないんでしょッ！……って思ってたアタシがバカだったわ。」
麗奈「なかなかやるじゃない、オーロラッ！」
幸子「まぁ、ボクのカワイさには負けますけど、たしかにキレイでしたね。」
幸子「カワイイボクとキレイなオーロラの、まさに夢のコラボです！」
肇「この美しい景色を、私たちは番組を見てくださるみなさんに、お伝えできたでしょうか？」
幸子「もちろんです！ボクのカワイさのあまり、お茶の間の皆さんが涙を流すとおもいます！」
みちる「たしかに、このオーロラを見たら、うるっとしてしまいますね！いやー、すごい！」
幸子「オーロラじゃなくってボクのですね……まぁいいです。」
幸子「カワイイボクに出会えたオーロラも、みなさんも幸せ者ってことです。」
麗奈「アンタも、十分幸せ者ね……。」
麗奈「まっ、それはいいとして、いつまでも空を見上げてるわけにもいかないわね。」
肇「はい、そろそろ帰り支度を、とスタッフさんもこちらを見てますし。名残惜しくはありますが……。」
みちる「それじゃあ、最後にみなさんで、パンを食べましょう！」
麗奈「またパン！？どんだけ食べれば気が済むのよッ！」
みちる「パンはいいですよ。おいしいですし、お腹も満たされますし、あとおいしいです！」
みちる「オーロラにもピッタリです！」
肇「まあまあ、麗奈ちゃん。せっかくですから、いただきましょう？」
肇「最後に素敵な思い出ができそうですから。……ね？」
幸子「仕方ありませんね。カワイイボクに似合うパンを、ちゃんと用意してくれました？」
みちる「似合うかどうかわかりませんけど、おいしいパンを用意しました！さぁ、みなさん召しあがれ！」
みちる「あーん、モグッ！フゴゴフゴフゴ！」
肇「あむ……ふふっ、おいしいです。」
肇「今回の旅は、いろんな体験ができてよかった……あらためて、そう感じます。」
みちる「おいしいパンをいっぱい食べられましたし！」
幸子「カワイイボクとオーロラが見れましたし！」
麗奈「ノルウェー征服もできたわッ！」
みちる「征服できたかどうかわかりませんけど、おいしい思い出がたくさん出来ました！あたし、お腹も心も満たされましたよ！」
肇「この思い出を胸に、またお仕事がんばりましょう。」
一同「はーい！」
幸子「ボクのカワイさにオーロラが嫉妬するんじゃないかって思いましたけど、いい対決ができました！」
幸子「認めてあげますよ、オーロラさん♪」

• END-

＠雪原ステージ

＠プレスト湖