しぃガム

Last-modified: 2015-06-11 (木) 21:40:18
167 名前: ナヒャ(yWVxXezQ) 投稿日: 2003/04/07(月) 17:58 [ izV/VtIQ ]
「この商品はヒットしますよ」
できあがったCMを見て、興奮した面もちの社員。
「あぁ、商品そのものの実力と、このCMの効果で、大ヒット間違いなしさ」
「来月には、発売とCMの放映が出来るんですよね」
社員一同は、嬉々としてCMを見つめていた。
では、そのCMの内容を紹介させてもらおう。

数人のしぃが、暗くて狭い部屋に押し込められている。
ギュウギュウなので、座ることすら出来ない。
と、部屋に光が射し込み、一人のしぃが無理矢理連れ出された。

出されたしぃは、まず、身ぐるみ剥がされ、毛をむしられた。
「ヤメテーッ、イタイッ。ユルシテッ! シィチャンノ ブロマイド アゲルカラァァ!!」
ブチィッと生々しい効果音が流れる。その効果音と共に、毛根から毛の束が引っこ抜かれていく。
「イギャァァァッ! ヤメッ、ヤメテヨォォォッ!!」
無様な姿と化したしぃ。体は赤みを帯び、所々血が滲み出ている。
そのテラテラとした傷口に、毛が数本、汚らしく付着していた。

そして、しぃはヌメヌメとした、なま暖かい部屋に放り込まれた。
「ココカラ ダシテェッ!! ナニ スルノォォ!?」
その叫びも虚しく、しぃの体を一本の触手が捕らえた。
「キモチワルイッ。イヤァッ、ハナシテ!! ハナセェェェッ!!」
ブリッ子する余裕もなくなったしぃの体を触手は断頭台まで器用に運んだ。
「オナガイ!! シィゾクハ ホカニモ イルデショ? チビギコヤ オニーニ、ィョゥモ イルデショ?
 コノ シィチャンヲ コロサナイデ!! ホカノ ヤツヲ コロセバ イイデショ!? ネェッ!?」
その断頭台は風変わりで、なんと下にも刃がついていた。
上の刃が落ち、下の刃が迫り上がる。しぃの首を斬るために。
しぃの首が、あっけなく胴体から離れた。うるさくしゃべっていた名残か、口がかすかに動いていた。
切断面はまるで骨付きソーセージを切ったようだ。小さな白い脂肪の塊と骨が、赤にアクセントをつけている。
が、断面はあまりジックリとは見られなかった。
血が、ホースの水のように勢い良く吹き出たからだ。
CMなので映像だけのはずなのに、あまりにもリアルで血の臭いがしてきそうだ。

切断されたしぃの体は、今度は天井と床が狭まる場所に置かれ、何度も何度もすり潰された。
ミンチのようにすりつぶされ、目玉、脳、臓器も肉と共にすり潰される。
原型を留めないほどに潰されると、やっと部屋の外に出られた。ただし、死体でだが。
しぃの惨殺死体は、銀色のシートで被われて、ゴミ箱に投げ捨てられた。
ここでテロップが流れる。

 『しぃガム 新発売
  ガムは包んで捨てましょう』

「絶対売れますよ」
社員は目を輝かせて言った。
この商品が、彼らの思わく通りに大ヒットするかは、定かではない。

 完