476 名前: チビギコの悩み 1/4 投稿日: 2003/07/25(金) 11:42 [ JyufKfj. ] 遊びだった。 相手もそれを知っていたはず。なのに。 (デキチャッタ) 先程のチビしぃの嬉しそうな声がチビギコの脳裏に蘇る。 チビギコは思い切りチビしぃを睨みつけた。 チビしぃはそれに気付かないのか、大きくなったお腹をさすっている。 そのお腹には紛れもなく、彼女とチビギコの子供が宿っている。 全く、しばらく姿を見せないと思ったら… チビギコは溜息を吐いた。 恐らく、もう中絶は出来ない。 もし出来たとしても、彼女は死に者狂いで抵抗するだろう。 (本当に厄介デチねえ…) 「ネエ、チビタン」 チビしぃの言葉に、彼は我に帰った。 「コドモモデキルコトダシ、ケッコン…トカ、カンガエテクレナイカナ」 チビしぃは、少しためらいながらそう言った。 「…カノジョトモ、ワカレテクレルヨネ?」 チビしぃの言葉に、チビギコの体温が上がった。 477 名前: チビギコの悩み 2/4 投稿日: 2003/07/25(金) 11:42 [ JyufKfj. ] 「何で、彼女と別れなきゃいけないんデチか?!」 チビギコには彼女がいた。 富豪の娘で、とても優しい。 「お前のこと、遊びだって何度も言ったデチよ!?」 チビしぃは流石にムッとした顔になって言い返す。 「ナニヨ!アソビノオンナヲハラマシトイテソノイイブン!」 「うるさいデチ!」 「アンタナンテ、ソノカノジョサントツリアワナイノヨ!サッサトワカレチャエ!」 その瞬間、チビギコはキレた。 「黙れ!」 ネコパンチもいい所の拳がチビしぃの頬を襲う。 「キャッ」 「黙れ黙れ!!」 思わず倒れこんだチビしぃをマウント状態で殴りつける。 弱いパンチであったが、妊娠中のチビしぃはそれを避ける体力がなく、ただヤメテと喚くだけだった。 ひとしきり殴って、背中で息をしながらチビギコは立ち上がった。 「こいつが悪いデチ。こいつが悪いデチ。こいつが…」 ぶつぶつと呟きながら、回りを見渡す。 そして、手近にあった大きな石を持ち上げた。 「ナニスルノヨ…!!」 「こいつがあああ!!」 チビギコは石を持ち上げ、チビしぃのお腹めがけて振り落とした。 「ギャアアアアア!!!」 何度も、何度も。 「ギャッギャアッアアッ」 そして、にやりと笑うと石を思い切り投げつけた。 「―――!!」 チビしぃは体を痙攣させるとそのまま動かなくなった。 その途端、チビギコは我に帰った。 「ちょっと、チビしぃたん…っ」 駆け寄りかけたが、床に広がる血と可愛い子供になるはずだった肉塊を見てチビギコはその場にしゃがみ込み、嘔吐した。 478 名前: チビギコの悩み 3/4 投稿日: 2003/07/25(金) 11:43 [ JyufKfj. ] 「ミタヨー」 その声に、チビギコはばっと顔をあげた。 「わっ!」 そう叫びながら、茂みからモララーが飛び出てきた。 固まったチビギコに、モララーが文句をいう。 「駄目だよ、ちゃんと驚いてくれなきゃー。ノリ悪いね」 ちらり、とチビしぃのほうを見やった。 目をカッと見開いている。苦痛にまみれた最期だったようだ。 「あーあ、殺しちゃった」 ビクッとチビギコが肩を震わせる。 モララーがつかつかとチビしぃの死体に近づく。 そして、ひょいと彼女の体を摘み上げた。 「ネエ、チビタン。ドウシテワタシヲコロシタノ?」 死体の口をパクパクさせながらモララーが裏声で言う。 腹話術のようだ。 「決まってるよね。子供が出来たからだろ?」 死体をまるでゴミのように放り投げながらモララーが笑う。 どこに隠していたのか、はさみを取り出した。 「やっぱりさ、こういうのは駄目だと思うよ?」 しゃきん、とはさみが音を立てる。 「お前みたいな奴の子供もやっぱりこういう風に育っちゃうかもしれないし」 女を孕ませて、ついでに殺しちゃうような。 モララーはくくっと笑った。 チビギコの目にははさみしか映っていない。 足が萎えたように動けなかった。 「これはね、予防なんだよ」 チビギコは叫ぼうとした。口にハンカチを押し込まれる。 はさみが光った。 「―――――!!!っ!!」 チビギコの性器のあった場所から血が吹き出ていた。 モララーはそれを放り投げた。 「今日も犯罪の芽を摘み取りましたあ!」 そう愉快そうに言い、ゆっくりと歩きながら姿を消した。 しばらく転げまわって悶絶していたチビギコだったが、 痛みが治まってきたのでうめきながら立ち上がった。 「チビたんの…チビたんの…」 チビギコは泣きながら、病院に歩き出した。 479 名前: チビギコの悩み 3/4 投稿日: 2003/07/25(金) 11:43 [ JyufKfj. ] 「ハニャーン、コウビシタイヨウ」 一匹のしぃがうろうろしていた。 彼女の頭には交尾しかない。 「ダレカ…ウン?」 彼女の前を泣きながらチビギコが歩いていく。 「…ショタモオッケーナノヨネ」 しぃは呟き、そしてチビギコに走りよった。 チビギコが叫ぶ前に、無理矢理茂みに押し込む。 「コウビコウビート…アレ!?」 チビギコの足の付け根には、あるはずの物がなかった。 「ナニヨアンタ!ムカツク!キタイサセトイテ…!!」 「ギャアアア!?」 チビギコの頭をしぃは思い切り殴りつけた。 「ッタクト…ヤダ!シンジャッタヨ!」 しぃは辺りを見渡し、誰もいないことを確認すると逃げ出した。 その場には、性器を切り取られた死体が打ち捨てられていた。 哀れな男の末路だった。 オシマイ