丸耳とぞぬ

Last-modified: 2021-01-03 (日) 17:41:45
772 :1/10:02/02/23 00:28 ID:BkpyOvZY

~丸耳とぞぬ~


        ∩∩
        (,,・д・)  
      ~(___ノ

 滅多に人の訪れない、ある辺境の寂れた村に、
 一匹の丸耳ちびギコが住んでいました。 

773 :2/10:02/02/23 00:28 ID:BkpyOvZY


 キエテホシイデチネ            アサッパラカライヤナモノミタデチ           
   ∧ ∧                    ∧ ∧      
  ミ,,・∀・ミ        ∩∩         (・∀・,,)     
 ~ミ___ノ        (,,・д・)         (___)@    
            ~(___ノ                       
  ハヤクシンデネ               ムラノオテンハッケン    
    ∧∧                    ▲∧    
   (,,゚ー゚)                   (゚ー゚=)    
 ~(___ノ                   (___)@

 丸耳ちびギコは、いつも村の住人にいじめられていました。

774 :3/10:02/02/23 00:29 ID:BkpyOvZY


│ なんで生まれてきたんだよ!│  
 \_ __________/
   ∨
   ∧∧        
  (,#゚Д゚)っ )) 
  ( つ ノ  ))  ∴..∩∩        イイコ、イイコ           
   )   つ 彡 ..※>д<,,)         ∧ ∧          
 ~(  /' 彡   ∵(___)   ~′ ̄ ̄(*゚ー゚)  ハ,,ハ  ミュー 
   (,ノ               UU ̄ ̄ U U  (・o・,,),,)~  
                   
 丸耳ちびギコは親にも虐待されていました。
 かつて、この地が邪悪な荒らしに襲われたとき、
 丸耳は真っ先に寝返り、その後弾圧され、絶滅したのですが、
 ごくまれに丸耳の子供が生まれる、俗に「チェンジリング」という現象が起きるのです。
 丸耳ちびギコは、親からも子供とみなされず、いわば義理で“飼われている”ようなも
 のでした。

775 :4/10:02/02/23 00:30 ID:BkpyOvZY


 ミカンタベルデチカ?              チビサママンセー!            
   ∧ ∧                    ∧ ∧      
  ミ,,・∀・ミ        ∩∩         (・∀・,,)     
 ~ミ___つ○      (,,・д・)         (___)@    
            ~(___ノ                       
  アーソビーマチョ               チビタンダイスキ!    
    ∧∧                    ▲∧    
   (,,゚ー゚)                   (゚ー゚=)    
 ~(___ノ                   (___)@

│ お前は私の誇りだ! │
 \_ _______/
    ∨               イイコイイコ
    ∧∧               ∧ ∧ 
    ( ゚Д゚)              (゚ー゚*) 
   (|  |)       ∩∩     |  ∪  ミィ~ミィ~ 
  ~| |      (・д・,,)     |  |    ハ,,ハ   
    U~U      (___)     U U   (>o<,,),,)~ 
        
 ある日のことです。
 それまで、冷たかった、村の子供達や、両親が
 突然、丸耳ちびギコに優しくなったのです。

776 :5/10:02/02/23 00:31 ID:BkpyOvZY


 ケシテワスレナイデチ!                          
   ∧ ∧                  
  ミ,,・∀・ミ        
 ~ミ___ノ       
                          
  ガンバッテネ                         
    ∧∧                 ∩∩ 
   (,,゚ー゚)                (,,TдT) 
 ~(___ノ               ~(___ノ 
        
 リッパニオツトメハタシテクルノデスヨ
    ∧∧                  
    (*゚ー゚) 
    ∪ │ 
    |  |      
    U U    
 
 しかし、その理由はすぐにわかりました。       
 村外れの山に住む、恐ろしいぞぬが生贄を要求してきたのです。
 丸耳ちびギコは、ひとり村を追い出され、山へ行かされました。

777 :6/10:02/02/23 00:31 ID:BkpyOvZY


 │長い間待った甲斐があったぞぬ。         │
 │恐怖と憎しみが良い具合に熟成しているぞぬ。 │
  \___ _______________/
        ∨

    / ̄ ̄ ̄ ̄\
   /     ●  ●、  
   |Y  Y        \
   | |   |        ▼ | ゾヌーリ
   | \/      _人.|
   |       ___ノ        
   \    ./             ∩∩  
    | | |             (TдT,,)  
    (__)_)             (___)~ 

 村を出て、暫くすると、ぞぬ自らが出向いてきました。
 ぞぬは待ちきれない様子でした。

778 :7/10:02/02/23 00:32 ID:BkpyOvZY


    / ̄ ̄ ̄ ̄\
   /     ●  ●、  
   |Y  Y        \
   | |   |        ▼ | ウマー
   | \/      _人.|
   |       ___ノ        
   \    ./             
    | | |             
    (__)_)            

 ぞぬは一飲みで丸耳ちびギコを食べてしまいました。

779 :8/10:02/02/23 00:33 ID:BkpyOvZY


 │さて、面倒だが、次回の為の“仕込み”に逝くか │
  \___ _______________/
        ∨

    / ̄ ̄ ̄ ̄\
   /     ●  ●、  
   |Y  Y        \
   | |   |        ▼ |
   | \/      _人.|
   |       ___ノ        
   \    ./             
    | | |             
    (__)_)            

 ぞぬはなにやらひとりごちると、村のほうへと山を降りていきました。

780 :9/10:02/02/23 00:33 ID:BkpyOvZY


│ 私は旅の神父ですが、生まれてくるお子さん │
│を祝福してもよろしいですかな?         │
 \_ _________________/               
    ∨                               
   .__             ゼヒオネガイシマス 
  J_†_|             ∧_∧  三/   
   (,,゚Д゚)            (゚ー゚*) 三/l::  
  ハ ̄ ̄`つ          (⊃_ ⊂) 三/_l:::  
  し ╋|          (  ` _/ /     
   |___|         / ∪^∪ /       
   ∪ ∪

781 :10/10:02/02/23 00:35 ID:BkpyOvZY



                  ,,,,, ,,,,,,,,,,,  
                ,,.;:(;::':(,,;Д;),,.;:.;:,.;.


                その数年後・・・・・・
 

                               ~FINALY~