鳥篭

Last-modified: 2015-06-23 (火) 00:13:48
102 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/11/30(日) 00:03 [ BMFnsGgY ]
     【 鳥篭 】

「おはよう」
嫌な笑顔だね。いつもいつも、何故そんな鳥篭の中で笑っていられるの?
何故こんな事をした僕を嫌わないの?何故?何故?
そうか、君は弱虫だから。僕に話し掛けることが出来ないんだね。
だから、何もされないように、笑顔でいるんだね。
それでも・・・何故君の笑顔に僕はこんなにも心が揺らぐんだろう?

「・・・・んぐ・・・ふぐ・・うぅぅ・・・・」
君は喋るのが苦手だね。いつもいつも何言ってるかわからないもの。
それでも必死で何かを伝えようとしているよね。何故?
君は何がいいたいの?・・・あぁ・・・ごめんよ、喋れなくしたのは
僕だったよね。その君の可愛い口に、針と糸で縫いつけたのは僕だったね。
あぁ、でも手だけは残してあるんだから、よだれくらいは拭ってよ。
自分で鳥篭汚してたら、世話ないじゃないか。

「・・ふぉ・・・ひゃぁぁ・・ふぁぅ・・・」
なんだい?今日はいつもに増して発言が多いね?あぁ、お客さんがいるからか。
君も喋りたいんだ?でもダメだね、君はマナーがなっちゃないから。
え?違う?そう・・・じゃぁ何かな?・・・・水?あぁ、お水ね、どうかしたの?
・・・取り替えてくれ・・・?もう飲めないの?腐っちゃったのかな、最近変えてなかったし
でもそれよりか僕は君が水を飲めることが不思議だよ、口を縫ってあるのにね、器用だね

「・・・ひぇ・・・ひぇぁっふぉ・・・ひふぇ・・・」
ダッコ?ダッコしてって言ったの?・・・でもなぁ、君お風呂に入ってないじゃない。
僕が汚れてしまうよ、・・・・それでもいい?わがままだなぁ、そんなにわがままいうなら
今度は舌を切ってしまうよ、悪い子に舌は必要ないからね。
・・・・・・静かになったみたい。

酷い?僕が?・・・例えばどこが?・・・口を縫ってるから?
おいおい、冗談はよしてくれよ、これはただの躾だよ?
え・・・でも足を切ってしまうのは可哀相?それは君には分からないだろうね。
これは僕の支配感さ彼女は僕以外に微笑んではいけない。
彼女は僕以外のものになってはいけない。
彼女は僕以外のものに触れてもいけない。
彼女は僕以外の人と接してはいけない・・・・。
え?君?接している?・・・うん、まぁそうなるねw
だけどこれはいいんだ。・・・まだ気付かない?
君もこれから、僕のものになるんだよ。
そんなに怖がらないで、僕は虐殺厨みたいに酷い事はしないよ
ただ・・・僕をずっと見てて欲しい、
僕だけを、見てて欲しい、僕以外はだめ。
全部ダメ。

「・・・ただいま」
今日も僕の帰りを待つ、2匹のしぃがいる。
二人はいつも笑っている。
僕のために、僕のためだけに存在する。
僕は君たちの鳥篭。

永遠に外には出しはしない。