ダブルキラ(キラとデュランダルの出会い)
ユニウス条約が締結されて1ヶ月が経った頃だろうか、プラントの議長ギルバート・デュランダルが書類整理をしていると、秘書が入ってきて困った表情で議長室に入ってきた。
「議長に会いたいと言う人物が来ているんですが」
「今日はそんな予定は入っていないのだが。ふむ困ったな。で、どんな人物なんだい?」
「たしか名前は、キラ・ヤマトと仰っていましたが」
議長の表情が変化した。
秘書は内心驚いた。いつものデュランダルはポーカーフェイスだからだ。
秘書がデュランダルを見ているのに気づいたのか、キラ・ヤマトを部屋に通すように命令した。
デュランダルは部屋に入ってきた少年に驚いた。本当にあのキラ・ヤマトその人物だった。
デュランダルはキラを椅子に座らした。デュランダルもテーブルを挟みキラの向かいあって座った。
「君はたしかラクス・クラインと共にオーブに戻ったのではないのかい?」
少年キラ・ヤマトはデュランダルの質問に何も答えない。
「どうして何も答えないんだい?」
「僕はキラ・ヤマトですが、彼ではありません」
デュランダルはキラの言葉の意味が理解できなかった。
キラ自身何処から見ても、フリーダム強奪の時の少年にしか見えないからだ。
デュランダルは一度その映像を見たことがあった。
「なら君は一体何なんだい?」
「ムウ・ラ・フラガとラウ・ル・クルーゼ見たいな関係ですかね」
「目の前にいるキラ・ヤマト、オーブにいるキラ・ヤマトどちらがどっちなんだい」
「どっちでもあなたは関係ないと思いますが」
デュランダルは少年の瞳に憎悪を渦巻いているの感じた。
「そうだな」
「あえて答えるなら僕は、アスラン・ザラの初恋の相手を知っています」
「ほう、ラクス・クラインではないのかい」
「違うと答えておきましょう」
二人は失笑した。
突然部屋の空気が変化した。
「私に何か用なのかい?ただ話しをしに来た訳ではないだろう」」
キラの瞳を見つめ、デュランダルは核心たる言葉を吐いた。
「僕をあなたの計画の駒に加えていただきたいのですが」
デュランダルはキラの言葉を聞き顔をしかめた。
「何を言っているんだい?」
意味がわからないと感じにデュランダルは首を左右に振った。
キラは、ポケットから数枚の紙を取り出しテーブルの上に置いた。
紙を手に取り、中身を確認するとデュランダルは目を見開いた。
「君は何処までしっているんだい?」
何もかも見通してしまいそうな冷たい目でデュランダルはキラを見つめた。
「僕が生まれた場所で、見つけてきました。そして一を聞き十を知りました」
「知っているのら何も言うまい。キラ・ヤマト、君を私の計画に加えよう」
「ありがとうございます。でもどうして僕を信じてくれたのですか?」
「私はキラ・ヤマト、君を信用している訳ではないのだよ。あえて理由を挙げるなら君の瞳だよ。」
「わかりました。私はアスラン・ザラにはなりませんよ」
デュランダルはその言葉を聞き、苦笑した。
「ふむ。そうだな、そうならない事を祈るよ。その時は・・・」
「覚悟はしています。」
二人はその場から立ち上がり握手を交わした。
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