ダブルキラ(デスティニーの最終回)
崩れ行くメサイヤの中で司令室に向かうキラ。
「待っていたよ」
司令室に入るキラを迎えたのはデュランダルの声ではなかった。
「ラウ・ル・クルーゼ!?」
「第一声がそれか? 残念ながら私はラウ・ル・クルーゼではない」
キラはあたりを見回す。
「探し人は私の横で眠っているがな」
キラが仮面の男の横に視線を移すと、そこにはデュランダルは血を流して倒れていた。
「用済みの駒はもう必要ないのでな」
「あなたって人は!」
キラが仮面の男に銃を向ける。
「私を撃ったら世界はまた混迷の闇へと逆戻りだ」
「あなた一人殺したぐらいで、世界は変わらない!」
「なら撃ちたまえ。殺す覚悟も無いのにそんな言葉を・・・」
「僕の大切な者を守るためなら撃つ覚悟はあります」
キラがトリガーを手を掛けようとした時、仮面の男がその場に崩れ落ちた。
「アスラン・ザラ!」
仮面の男は口から血を吐きながらも叫んだ。
キラの背後から、アスラン、レイ、タリアが姿を現した。
「ギル・・・」
レイとタリアは議長の側に駆け寄った。
「キラ、ここから出よう。」
アスランとキラは指令室から出て行った。
「レイ、外にストライクが待機してある。それで三人は早く脱出するんだ。」
仮面の男はレイにここから出るように促す。レイとタリアは動こうとしない。
「議長をも本当に殺す気か!彼はまだ生きている。手遅れになるぞ!」
男は二人を怒鳴りつけ、倒れているデュランダルを連れて行くように命令した。
「君は馬鹿な男だよ。なぜ私を殺さなかった」
「あなたは、この後の世界に必要と思ったからです。今のままいけば
クライン派が世界を支配するでしょう。そのための抑止力ですよ」
「そうだな。その期待に応える事にしよう。ここでお別れだ。キラ・ヤマト」
三人の姿が消えると仮面の男はその場に倒れこんだ。
仮面の男が黒幕みたいなことになっています。
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