5-2-20 本当の姿

Last-modified: 2025-09-29 (月) 02:17:34

メインストーリー5-2-19 彼岸の記憶

キキョウ 百花繚乱紛争調停委員会
彼女が……大預言者クズノハ?
ユカリ 百花繚乱紛争調停委員会
なんだか不思議な場所ですの……それに、こんなに可憐な方がクズノハ様だったのですね……。
クズノハ
ふふ、驚くのも無理はないのう。
クズノハ
百花繚乱の初代委員長として、戦術にも精通しておるからのう。これほど才色を兼ね備えている者は、長き百鬼夜行の歴史においてもそうはいないじゃろうて。
[s1] "君が……クズノハ?"[s2] "ちょっと、雰囲気がナグサに似てるね。"
クズノハ
ほう?悪い気はせぬが、順序が逆というものじゃな。
クズノハ
妾がナグサに似ているのではない。ナグサが妾に似ているのじゃ。
クズノハ
こう見えても、数百年以上生きておるからの。
クズノハ
ふむ、其方(そち)がシャーレの先生か。
クズノハ
積もる話は沢山あるのじゃが……。
クズノハ
遅いわ!
クズノハ
いつ便りを送ったと思うておる。
クズノハ
それとも……妾のような存在にとって、時の流れは他と違うとでも?
[s3] "わ、わざと遅れたんじゃないよ!"[s4] "色々あって……ごめんなさい……。"
クズノハ
ふむ……まあよい。
クズノハ
「助けたい者がいるのなら」と言ったのは妾じゃからな。其方を待つ生徒が沢山いることも、知っておる。
クズノハ
それに……どうやら答えは出せたようじゃからのう?
[s] "クズノハ、私は――"
シュロ 花鳥風月部
はぁい、挨拶はそのへんでぇ。
シュロ 花鳥風月部
手前さん方お忘れなくぅ。ここまで連れてきたのは手前ですよぉ?
シュロ 花鳥風月部
手前はクズノハと怪書の話がしたいのですけど……席を外してもらえますかぁ?
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
シュロ……。
シュロ 花鳥風月部
何ですぅナグサちゃん?睨んだって怖くないですよぉ?
シュロ 花鳥風月部
百蓮のない手前には、何もできないんですからぁ。
シュロ 花鳥風月部
ま、おかげで黄昏の寺院は見つかりましたしぃ?命だけは助けてあげても――
シュロ 花鳥風月部
ぎゃっ……!い、今のは……?
クズノハ
(わっぱ)、話の腰を折るでないわ。
クズノハ
下がらんか。
シュロ 花鳥風月部
う、うそだぁ……百蓮もないのに、怪書を無効化するなんて……!
クズノハ
やれやれ……。
クズノハ
そも、百蓮は妾が編み出したもの。あれにできることが、妾にできぬ道理はなかろうて。
クズノハ
まったく、鈍い童じゃ。
クズノハ
ここは俗世と異なる「黄昏の寺院」。黄昏では何が起こっても不思議ではない……よい勉強になったの。
シュロ 花鳥風月部
う……ううううっ……。
シュロ 花鳥風月部
こ、コクリコ様に言いつけてやるんだからぁっ!!
クズノハ
ふふ、泣きつきに行くところも、童じゃの。
クズノハ
して、後輩よ。なにゆえここを訪れた?
クズノハ
シャーレの先生を連れてくるだけが目的ではあるまいて?
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
……。
クズノハ
妾の存在を否定していた其方が、また寺院(ここ)に顔を出したということは……少しは信じる気になったのかのう?
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
……うん。私はもう、あなたの存在を否定しないよ。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
あなたが私を百花繚乱を継ぐ者にふさわしいと認めたことで、百蓮を握る資格を得た……。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
でも……。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
……どうしてアヤメじゃなかったの?
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
私よりもずっと優秀で、あなたを待ち続けていたのに……アヤメは会えなかった。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
どうしてあなたは、弱くて未熟な私の前に姿を現したの?
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
あなたが彼女を認めて、百蓮を持つ資格を授けてたら……。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
……アヤメも、百花繚乱のみんなも、誰ひとり傷つかなかった。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
……全部、変わらずにいられたのに。
クズノハ
――本当に、誰も傷つかないと思っておるのかえ?
クズノハ
アヤメが妾と出会い、百蓮を扱えていれば……いつまでも幸せな日々が続く、と?
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
それは……。
クズノハ
勘違いしておるようじゃが、妾は「黄昏の寺院」に入る者を選んでおらぬ。
クズノハ
黄昏の寺院(ここ)は、遙か昔に流れ去った過去の残滓。妾の存在にせよ、この景色にせよ、今や記憶する者はほとんどおらぬ。
クズノハ
過去は、影の中に溶けていくものじゃ。
クズノハ
ゆえに、過去の光を追う者は、過ぎし影が目に止まらず。
クズノハ
己の闇を直視できぬ者は、他人の灯火となれぬ。
クズノハ
じゃが、光を背にし、前に進める者ならば……己の目の前に落ちる影を追うことができる。
クズノハ
……ゆえに、其方は妾とまみえた。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
でも……このままアヤメを放っておけないよ。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
教えて……。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
どうすれば、アヤメを「元」に戻せる?
クズノハ
……元に、か。
クズノハ
其方の思う「本当のアヤメ」はどんな姿をしておった?
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
本当の、アヤメ……。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
彼女は……いつも穏やかな日差しのように温かくて、どんな頼みも断らない、完璧な百花繚乱の委員長……。
クズノハ
誠に、それがアヤメの全てだったのかのう。
クズノハ
本当に表も裏も変わらない……透明な人間であったと?
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
それは……。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
今日もありがと、ナグサ!良い試合だったよ。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
でも、幸せな夢から覚めたら、現実と向き合わなきゃいけない。
アヤメ 百花繚乱紛争調停委員会
友達だと思ったことなんて、ない。
クズノハ
世に生きる者はみな、仮面を被っておる。
クズノハ
嫌われたくない、見捨てられたくない――その一心で、周囲が望む形と色をした、仮面を被るのじゃ。
クズノハ
これは生きていく上で、当然のこと。
クズノハ
じゃが……ぴったりと張りついた仮面の方こそ、素顔と思われている者もおるかもしれぬ。
クズノハ
その者が今、どちらなのかを判断できるのは――本人のみ。
クズノハ
もう一度聞こう。其方の望む本当のアヤメは、どんな姿じゃ?
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
私が望む、アヤメ……。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
私には……分からない。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
私はアヤメじゃないから……。
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
でも……分からなくても、アヤメが私を求めていなくても――
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
アヤメのそばに、いたい。
クズノハ
一度起きたことは元には戻らぬ。死者が蘇らないのと同じじゃ。変わってしまった存在を元の姿に戻す方法などありはしない。
クズノハ
花はやがて散り、実をつけ……その実は地に落ち腐りゆく。それが世の理……因果なのじゃ。
クズノハ
だがそれでも……助けたい者が居ると申すのなら……。
クズノハ
……ふふ。[USERNAME]先生は、もうわかっているようじゃな。
シロコ
でも、私はもう大丈夫。
シロコ
……ホシノ先輩が、どうして反転した状態から戻ってこられたのか。
シロコ
たぶん、まだ不完全な状態だったからじゃないかと思う。
シロコ
それに、先輩は自身の本質の一部を棄てたから……
シロコ
……だから、前に進めたんだと思う。
クズノハ
どんな姿の他者も、己も、否定せずに受け入れ、認める。
クズノハ
そうして初めて、明日に向かって踏み出せるのじゃ……。
クズノハ
後輩よ、アヤメを助けたいか?
ナグサ 百花繚乱紛争調停委員会
……どんな手を使ってでも。
クズノハ
ならば、うたかたの夢に浸かるのを止め、あやつと向き合うことじゃ。
クズノハ
今の彼女……そして、これまでの自分からも目を逸らしてはならない。
クズノハ
さすれば黄昏のなか彷徨っている其方の友も……伸ばしたその手も――旅路の中で再会するじゃろう。
シュロ 花鳥風月部
はい終わりですぅ!やめやめぇ!
シュロ 花鳥風月部
そんな説教を聞きに来たんじゃないんですよぉ!
シュロ 花鳥風月部
正直に向き合ったら、誰かとわかり合えるなんて、絶対、ぜーったい、嘘……。
シュロ 花鳥風月部
それが誠であるのなら、誰が噂なんて気にするんですかぁ!
シュロ 花鳥風月部
仮面の下で誰もが薄ら笑いを浮かべてるかもって……不安になりながら、こんなにすごいって証明するんですよぉ!じゃないと、見向きもされなくなっちゃいますぅ……!
シュロ 花鳥風月部
だから……怪書も取り戻せない手前はぁ……稲生物怪録(いのうもののけろく)を失くしたあの時に、もう……。
クズノハ
「稲生物怪録」?
クズノハ
あのようなものに一体何の意味があるんじゃ?ただのボロボロの本じゃろうて。
シュロ 花鳥風月部
あ、あのようなものですってぇ……?
クズノハ
せっかく黄昏の寺院(ここ)まで来たんじゃ。ひとつ、童にも御言葉をくれてやるかの。
クズノハ
本は装丁や表紙だけではない。それに伴う内容があってこそじゃ。
クズノハ
童にはまだ難しいかの……?これがわかった日にはきっと、其方だけの書を手に入れられるはずじゃ。
シュロ 花鳥風月部
そんなの詭弁ですぅ!!!
クズノハ
詭弁……?どんな物語も、詭弁を弄するところからじゃよ。
クズノハ
その調子では、優秀な語り手になるのはまだ先じゃな。
シュロ 花鳥風月部
うぅぅぅ……。
シュロ 花鳥風月部
百花繚乱なんて……本当に本当に大っ嫌いですぅ~!

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