弄り遊戯

僕は未だに時々思い出す事がある。
それは千切れた綺麗な蝶のハネ。
子供の頃、どうしてあんなに綺麗なものが飛んでいるのか不思議だった。
だから、捕まえて調べてみた。
広げてよく見てみようと思ったのだけど、力の加減が分からなくて、千切ってしまった。
蝶は、飛べなくなって、落ちた。
僕の手には、綺麗な蝶のハネと、虹色の粉が残った。
可哀想だとは思わなかった。
だって、僕にとって蝶は綺麗で不思議なもので、生きて痛みを感じるものじゃなかったから。

無知だから、残酷だと言うんだろうか？
違う、それは僕ら動物の本能だ。
僕らは常になにかを殺して生きている。
強いものが弱いものを犠牲にして生きてゆくのは自然な事だって、昔学校で習ったもの。
それは人間同士だって同じ。
一人一人、生まれた時から持ってる力が違うのは、この弱肉強食の法則。
僕は、弱い方だった。
だから、食べられちゃうのは、仕方ないんだよね。

誰かに言われた事がある。
きみは、本当によくなぶり者に生まれついたって。

バイトを首になり退屈していた主人公、陸の元に届いた同窓会の知らせ。
そのとき陸の頭にはいじめられていた嫌な思い出がよぎる。
二宮の言葉の虐め･･･
香坂の心理的な虐め･･･
穂高の肉体的な虐め･･･
思い出すだけで震える思いのする陸であったが、何一つ変化の無いつまらない日常を抜け出すきっかけになるかと思い行く事を決意する。

いじめっことの再会は陸に何をもたらすのか？そしてそれを見守る親友、辰巳の思いは･･･

• 結城陸(ゆうき りく)　cv：ボイスなし
  身長：165cm。主人公。小柄で痩せ型、長めの髪や眼鏡が暗い印象の陰気な学生。いじめられっ子にありがちな性格で、表面はおどおどしていて弱気だが内側では嫉みや恨みが渦巻いている。他人と意志の疎通をする事が苦手で、いつも俯き背中を丸めている。服装は何の飾り気も無く、いつもジーパンとスニーカー。
  　　「どうして、僕なんだよ…」
• 辰巳一馬(たつみ かずま)　cv：ボイスなし
  身長：182cm。大学での陸の数少ない友人。存在感の無い主人公と違って華があり、明るく好青年で友人も多い。ガラの悪い学生にカツ上げされそうになっている主人公を助けた事で知り合い、それ以来何かと世話を焼いてくれる。しかし、主人公にとって隣にこの友人がいる事は屈辱的であり、あまり付き合いたくないと思っている。大衆の中にいても目を引く容姿で、服装はカジュアルでシンプルだが清潔感があり見た目の爽やかさを引き立てている。数年付き合った彼女がいる。
  　　「おれはお前の味方だから」
• 二宮颯人(にのみや はやと)　cv：ボイスなし
  身長：178cm。中学時代に主人公をいじめていた内の一人。「ダセェ」が口癖で、頭の回転が早く口がよく回る。明るく軽く浮ついた今どきの青年。中学から校内で有名なほどモテていた。彼女もいた。見た目も鈍くさく、暗い主人公に苛ついて、笑いものにしていた。現在彼女はいないがいつも見た目のいい女友達を連れている。デザイン系の専門学校に通い、流行に敏感でおしゃれ。ピアスやアクセサリーをじゃらじゃらさせている。
  　　「飽きるまで遊ぼうぜ」
• 香坂葵(こうさか あおい)　cv：ボイスなし
  身長：180cm。中学時代に主人公をいじめていた内の一人。中学から学年トップの成績で今も一流大学の法学部に行っている。見た目は冷たい美貌で落ち着いた物腰の理知的な印象。おどおどした暗愚な主人公を嫌悪し、心理的な攻撃や陰湿ないじめを繰り返していた。特定の彼女はいないが過去に付き合った女性は年上ばかり。服はモノトーンを好みモデルのようにすっきりと着こなしている。
  　　「馬鹿は可愛いな」
• 穂高響(ほだか ひびき)　cv：ボイスなし
  身長：187cm。中学時代に主人公をいじめていた内の一人。豪快で闊達、スポーツ万能で各種武道の有段者。スポーツ医学を大学で専攻している。彫りの深い精悍な顔立ちには聡明な雰囲気が漂う。 体育会系のノリで昔からリーダー格だった彼は、協調性が無く陰気な主人公を蔑み、事あるごとに暴力を振るっていた。年下の女の子が好きで頻繁に付き合うが、短気な性格のためか回転が早い。大柄な体躯によく似合うストリート系ファッション。
  　　「逃げられると思ってんの？」