JR四国/実車情報
Last-modified: 2020-10-08 (木) 08:27:50
実車情報
2000系
- JR四国が鉄道総研と共同開発したディーゼル特急気動車。振り子式気動車としては世界初、制御付自然振り子式車両としては日本初の車両として生まれた。第30回ローレル賞受賞車両でもある。(但し、試作車のTSEのみ。)
- 2000系をベースにして生まれた特急気動車もいる。JR北海道のキハ281系と智頭急行のHOT7000系である。(いずれも製品化されていない車両。)
- 2000系といっても3タイプあるので以下にまとめる。
- 試作車「TSE」*1
- 1989年に富士重工業で3両のみ製造された。冷房の吹き出し口がキハ185系の流れをくんでいるものだった。(イメージ的にはバスについている吹き出し口を思い浮かべると分かるだろう。)また、前面展望を見られるようにAV装置を取り付けるなど、団体運用に適した車内設備だった。
- 登場当初は高松運転所に配属。特急「南風」と「しまんと」の臨時運用から始まった。運用の走行データを反映させて翌年には量産車が随時投入されていった。
- 当時の編成は以下の通りである。
- 1990年には編成ごと方向転換し、量産化改造を行った後、松山運転所に転属された。運用は「しおかぜ」の増結用として使用された。
- 3年後の1993年には、8000系電車の投入により、再度方向転換して高松運転所に戻っている。運用は特定の「あしずり」や「しまんと」に限定された。さらに量産車と連結したうえで「うずしお」の運用に入ったこともある。
- 2003年には松山運転所に戻り、量産車の2200形を1両組み込んで、「宇和海」の運用のほか早朝の「いしづち」にも入っている。
- 2006年からはTSE編成のみの編成に組み替えられ、一部の「宇和海」の運用に就いていた。
- 2018年3月17日をもって運行を終了。2001については、以下の編成で3月31日まで「宇和海」の代走として運行していた。
- 2101が非貫通先頭車なので、増結する際には2200形の前後に増結する。
- 製品では各先頭車の形が異なるので、再現できない。
- 量産車
- 1990年から富士重工業で量産された。キハ181系とキハ185系を置き換える目的もあった。
- TSE編成にはなかった列車愛称表示器を設置し、ライト周りに警戒色の黄橙色をまとっているのが特徴。
車内設備もTSE編成とは異なるものとなった。
- TSEでは2001が普通車だったのを量産車の2000形ではグリーン車と普通車の合造車となった。また、2200形も2201にあった業務用室、車販準備室、車掌室、電話室を廃止し、定員を若干増やした。
- さらにTSEにはなかった2150形が新しく製造された。2000形に搭載されていた振り子制御装置を取り付けている。*3
- 量産車の落成で土佐くろしお鉄道もこの2000系を所有している。*4整備・管理はJR四国が受け覆っている。
- 運転開始当初は宇多津~高松駅間は入線しなかった。1991年にはJR西日本広島支社に貸し出され、芸備線で試験走行を行っている。
- キハ181系とキハ185系の運用だった「しおかぜ」と「南風」の大部分を置き換えた。この為、キハ181系は8000系電車の量産車登場までは一部の特急の運用に入っていた。キハ185系はJR九州に譲渡されたのもあるが、現在は3000・3100番台化改造を受け、普通列車仕様*5となって現在も内子線・予讃線で活躍してる。
- 量産車の内、2008と2218は2005年にあった宿毛駅の衝突事故で大破、解体処分されてしまった。これが2000系の始めての廃車となった。ステッカーにこの2両だけ収録されていないのは、これが理由である。*6
- この事故を受けての代替え製造はされていない。運転所間での転属で補っている。*7
- N2000系*8
- 1995年に先行車2両(2424+2458)が製造。その2年後の1997年に中間車の2500形、1998年には量産車の先頭車が登場した。
- 高徳線高速化のために2000系量産車とは機関*9、ブレーキ装置が異なる。冷房装置も環境問題を配慮したものになっている。
- また、トンネルに高速で進入したときに起こる「耳ツン」現象の軽減対策をしているのと、客用扉が気圧の差で浮き上がらないようにロック機構*10を設けているのも特徴である。
- 先行車の2424+2458は2100形、2150形と同様の車体のである。登場時は貫通扉と客用扉が赤色、黄色の前面警戒色の帯が太いことで区別されていた。後に量産車と同じ塗装になっている。
- 量産車は高運転台構造となり、前面のデザインもスタイリッシュなデザインとなってる。
- 運用としては主に高松~徳島間の「うずしお」の運用に就いている。車両の都合によっては予讃線・土讃線の運用に入ることもある。*11
- アンパンマン列車
- 2000系量産車の一部車両にアンパンマンのラッピングを施し、車内設備、車内チャイムもアンパンマン一色にした、子供向けの列車である。
- 2000年に土讃線にブルー1号が登場をしたのを皮切りに、2001年には予讃線でピンク2号が登場。次々とラッピング車を増やしていった。*12
- さらに土佐くろしお鉄道所有の2000系30番台もこのラッピングが施された。
- 幾度のリニューアルをして現在は4代目となる。一部はヘッドマークの使用を停止してしまった車両がある。
- アンパンマン列車に対応している車両(アンパンマン列車を使用してる列車)はWikipediaを参照にするとよい。
運用
各車両の配置
- 高松運転所(四カマ):23両*19
- 2100形:4両(2120~2123)
- 2150形:3両(2153~2155)
- 2400形(N2000系):6両(2424~2429)*20
- 2450形(N2000系):6両(2458~2463)
- 2500形(N2000系):4両(2520~2523)
- 松山運転所(四マツ):25両
- 2000形:3両(2001、2004、2005)
- 2100形:9両(2101、2107、2109~2114、2118)
- 2150形:4両(2151、2152、2156、2157)
- 2200形:9両(2201、2204、2207、2208、2210、2214~2217)
- 高知運転所(四コチ):30両
- 2000形:8両(2002、2003、2006、2007、2009~2011、2030)
- 2100形:11両(2102~2106、2108、2115~2117、2119、2130)
- 2200形:11両(2202、2203、2205、2206、2209、2211~2213、2219、2230、2231)
- 2000系・N2000系は所属運転所にほとんど影響されずに運用に就くようになっている。*21
- そのため、編成中に3つの運転所の車両が入ることも珍しくはない。