母集団と標本

Last-modified: 2008-07-01 (火) 21:21:39

統計的なアプローチでデータを解析するとき、明示的に、または暗黙のうちに「母集団」を想定する
ことになります。この母集団とは、分析の対象とする全体の集団を指します。
たとえば、「日本の成人男性の身長」について考察したいときには、母集団は「日本人の成人男性」全体
となります。また、「東北地方における一日あたりの食塩の摂取量」を考えれば、「東北地方に住んでいる人全体」と設定されることになります。このような場合は、母集団ははっきりとわかります。

いずれにしても、母集団は非常に大きく、全体を調査することは困難な場合が常です。もし何かの平均を
考えるとき、その対象者が十分少ないとすると、全ての人について調べてしまえば、難しい統計に基づいて推測を使う必要はありません。既に母集団を調べ上げたことになるのでしょうから。

もし全体調査ができなければ、母集団の一部分を取り出して、その一部分に対して何らかの分析を行い、
母集団ではこうなるだろう、という推測を行うことになります。
その一部分は、つまり分析者の手元にあるのは、標本(サンプル)と呼ばれます。

母集団に対して何らかの推測を行い、または判断を下すためには、標本が母集団と似ていなければ
なりません。したがって、良い感じでデタラメに標本を集めてくることが理想的です。