ターン0(海興暦0年)発行
序盤の開拓について
「藍洋の再興」のゲームシステムを読んだ上で、ゲーム参加序盤にどのようなプレイが可能なのか、どのようなプレイがゲームを有利に進めることにつながるのかが分からないよ!というプレイヤーを対象に、特にこのゲームの序盤戦(ゲーム開幕直後)において各国がどのようなことができるかについて、この記事で紹介したいと思います。本当は、GMとしてはゲーム上で何が起きるかは実際に「起きる」までプレイヤーには秘密にしておいて、予想外の出来事に直面した各国がどのように対応するかを見てみたいのですが、それは中盤戦以降の楽しみとしたいと思います。
まず、このゲームにおける、各国の「目標」が何なのかは特に決めていません。資金備蓄、年間の収入、海軍の規模、領土の広さなどいくつかの種類のランキングを作って上位の国を表彰するようなことをすることは考えていますが、「これをすれば勝ち」というような決まりごとがあるわけではありません。各国が「何を目指して」国家運営を行うかについては自由に考えてください。そうはいっても、これから「序盤戦略」についての記事を書くにあたっては、その戦略が「何を目指す」ための戦略のかを明確にしないと書きようがありませんので、ここでは「できるだけ多くの資金を稼ぐ」ことを目標にしていると考えることにしましょう。
ゲーム上のフェルを単位とする資金を稼ぐための手段は、大雑把に言って2種類あります。1つは「首都」や「都市」から5年(5ターン)に1回入ってくる収入によるものです。もう1つは、いろいろな場所から手に入る鉄屑を海域内の民間業者に売却することで売上を得ることです。これらの収入を増やすためにはどうすればいいのでしょうか。
まずは、何かが見つかるまで探査をしよう
探査は、それ自体から鉄屑を1トン得ることができるので、ダイレクトに収入になります。それだけではなく、さらに収入を増やすために必要なものが発見されることもあるので、困ったときはとにかく探査しましょう。探査から発見されるものは、マップの中心に近づくほど「高ティア」になりますので、ひたすら中央に向かって突き進んでいくことも考えられるでしょう(ただし、「高ティア」なら必ず「より良い」かは分かりません。例えば強力な海賊団とかを引き当てる可能性も内側の方が高くなります)。序盤の探査の過程で見つかる可能性があるものをいかにざっと並べておきます。それぞれの役割についてはこの記事の中で次第にわかってくるのではないかと思います。
陸地
- 都市
- 廃墟
- 海賊の拠点
- 平地
艦船
- 輸送船
- 戦闘艇
設計図
- 輸送船の設計図
- 戦闘艇の設計図
- ???の設計図
廃墟から鉄屑を採掘しよう
ここでは、あなたの国は探査の過程で廃墟を発見して占領したとしましょう。しかし、この廃墟は、それだけでは直ちに資金収入に変わるわけではありません。廃墟から採掘された鉄屑はそのままではただその場所に積み上げられていくだけなので、都市おそらくはあなたの国の首都)に輸送する必要があります。この輸送を行うことができるのは輸送船だけです。首都に輸送船を配備して、廃墟との間を往復するように指示すれば、輸送船は首都と廃墟の間を5年間かけて往復し、5年あたり10トンの鉄屑をあなたの国のストックに加えてくれるでしょう。この鉄屑を売却すれば、あなたの国は鉄屑1トンあたり1フェルの資金を得ることができます。
しかし、ここで問題になるのは、ひょっとするとあなたは輸送船を持っていないかもしれないということです。輸送船がなければ、いくら廃墟を確保していたとしても何にもならないのでしょうか?そうではありません。多分、あなたが輸送船を持っていないとしても、他の誰かは輸送船を探査の過程で発見しているでしょう。その国と交渉して、首都と廃墟の間の輸送を代行してもらう契約を結びましょう。当然あなたは鉄屑の売却から得られる資金の一部をその国に支払わなければならないでしょうけど、それをどの程度の金額に抑えるかは交渉の手腕次第です。
もう1つの選択肢は、造船所で輸送船を建造することです。あなたの国が造船所を所有しており、さらに輸送船の設計図を持っていれば、一定量の鉄屑を最初に消費することで輸送船を建造することができます。輸送船は数ターンの建造期間の後に完成し、それ以降は自由に使うことができるでしょう。この方法を採用すれば、初期投資が必要なことと引き換えに、あなたは誰かに定期的に輸送船の使用料を支払う必要がなくなります。もちろん、あなたは造船所か輸送船の設計図のどちらかを所有していないかもしれないので、その場合は誰かの造船所を使わせてもらえるように交渉したり、輸送船の設計図を持っている国にコピーさせてもらえるように頼む必要があるかもしれません。
では、無事輸送が始まって、輸送船が毎年鉄屑をあなたの首都に運び込むようになれば、それで万事OKなのでしょうか?そうとは限りません。あなたの経済を支える輸送船は武装しておらず、近くの海域を荒らしまわる海賊船にとっては格好の餌食です。海賊が輸送船に気がついて船を襲撃すれば、あなたは身代金を払うか、輸送船を諦めるかしなければならないかもしれません。このような「事件」を防ぐためには防衛能力が必要です。幸い、海域からは海賊船と対抗できる武装したボート、戦闘艇が発見されています。あなたは輸送船の輸送ルートを戦闘艇の航続距離の範囲(3HEX)に入るようにして、海賊船が襲撃してきた場合に備えましょう。もちろん、隣の軍事大国に「ボディーガード代」を支払って防衛を肩代わりしてもらうこともできるでしょう。しかし、一度関係が悪化すればその国はボディーガードからあなたの輸送船の航路を脅かす敵に変じるかもしれないことは忘れずにおきましょう。あなたはそうなる前に「自主防衛」のために自前の艦隊を整備する必要があるのかもしれません……。
新たな都市を領土に加えよう
ここでは、あなたの国は探査の仮定でどの国の領土でもない都市を見つけたとしましょう。都市は、既に住民が住んでいて、占領すれば5年ごとに10フェルの収入を自動的にもたらしてくれる、このゲームにおいて核となる地形です。さらにつけ加えると、「都市」は輸送船や艦隊の基地としての機能も備えているので、あなたの国はより遠くの「廃墟」から鉄屑を運び込んだり、艦隊を配備することで遠方の他国のボディーガードを引き受けたりすることもできるようになります(もちろん、それはその国を攻撃できることも意味します)。都市を発見したプレイヤーは直ちにその都市を占領して領土に加えることができるでしょう。
しかしながら、都市の住民はあなたの国に完全に忠誠を誓っているわけではありません。他のプレイヤー国家から<調略>コマンドによって扇動を受ければ、反乱を起こして独立し、その国家に寝返ってしまうかもしれません。そのようなことを防ぐために、都市に統治者を派遣しましょう。<配置>コマンドによってあなたの能力者をその都市に送り込み、その能力者があなたの都市住民に対して権威を有していれば、その都市はより強固な忠誠心を持つことでしょう。
あるいは、制海権を確保することで軍事的にその都市をしたがえることも考えられるでしょう。そのためにはその都市を占領した後にそれなりの艦隊を派遣する必要があるかもしれません。
他国と交流して強力な後継者を手に入れよう
各プレイヤー国家が建国時に与えられる能力者は、最も基礎的な能力をただ1つだけ持っています。(各国は最初に後援を受けた氏族に対応する「施設」と「能力者」を有していることから)首都の統治者としては有能な人物ですが、それ以外の場所で活躍することは難しいかもしれません。したがって、各国は能力者2人の間からより強力な「能力者」を生み出すことを考えるべきでしょう。例えば、青(艦隊基地)の能力者と赤(造船所)の能力者の間からは青赤両方の能力を兼ね備えた子孫を生み出すことができます。能力を兼ね備えていれば、自らの支配する都市の性格(有している「施設」)に応じた統治者を各都市に派遣し、忠誠度の向上や、各種のボーナスを得られるようになるでしょう。