Reconstruction Times 第2号

Last-modified: 2023-05-15 (月) 22:03:15

ターン7(海興暦7年)発行

海賊の襲撃!

このターン、「藍洋の再興」開幕後初めての戦闘イベント、海賊による襲撃が発生しました。攻撃されたのは文津国?の輸送船《鰹丸》で、非武装の輸送船では海賊船にかなうはずもなく、文津国?とその友好国であるエル・ルクス・マグナ大皇国は「海の支配者であり裁定者」などとたいそうな名乗りを上げた海賊に《鰹丸》の解放と引き換えに身代金を巻き上げられる結果となりました。海賊の存在は前々から知られていたとはいえ、全く抵抗することもできずに貴重な資金を巻き上げられてしまったことはなかなかショッキングな出来事かもしれません。そこで、今回はゲームマスターのメタ視点から今回の事件がなぜ起きてしまったのか、海賊をどのように対策したらいいのかについて解説していきたいと思います。この記事を読めば、もう海賊なんて怖くなくなるでしょう。

戦闘艇の行動半径と<迎撃>コマンド

今回、GMから<攻撃>コマンドの宣言があったように、海賊船PT-PS-P-01(《地獄行き》号)は(4,4)海域の海賊の拠点に配備されており、その周辺を航行する輸送船を<攻撃>コマンドによって襲撃します。実際、今回海賊が実行したコマンドは「<攻撃>PT-PS-P-01、《鰹丸》を(2,4)において攻撃」であり、海賊もプレイヤーと同様に、コマンド一覧に書いてある<攻撃>コマンドと全く同じ行動をとったことが確認できます。つまり、海賊船による<攻撃>も、プレイヤーのコマンドとしてのそれと全く同じように対処できるということです。これに関して、コマンド一覧に次のように記載があります。「他国は<迎撃>コマンドによって<攻撃>コマンドを妨害することができる。」ここで言う「他国」とは要するに海賊以外のプレイヤー国家全員ということなので、プレイヤー国家は海賊の<攻撃>に対して<迎撃>を実行して、海賊船の襲撃を食い止めることができた、ということになります。なお、GMは海賊の<攻撃>コマンドをターン7のコマンド受付期間が始まった直後に入力しましたが、これはプレイヤーに<迎撃>を行うかどうかの選択肢がある場合の考慮時間とするため、NPCの<攻撃>コマンドはなるべく早い段階で宣言するようにしたい、というポリシーによるものです。
ただし、今回の場合は海賊船を<迎撃>するという選択肢はありませんでした。これは、海賊船が《鰹丸》を襲撃した(2,4)海域の周辺に、この海域を行動半径に含めているプレイヤー国家の武装ユニットが1隻も存在しなかったためです。現在海域に存在する唯一の武装ユニットであるK型戦闘艇の行動半径は3HEXで、(2,4)から3HEX以内に戦闘艇は存在しませんでした。これにより、海賊はプレイヤー国家の妨害を気にすることなく悠々と《鰹丸》を襲撃することができたのです。……ここで、ちょっと待ってほしい、と感じた方もいるかもしれません。(6,0)海域の聖ウラジ王冠領スミッコの首都ウラジーミルには、初期の探査で海域から発見された戦闘艇《アーニャ》が配備されています。(6,0)から(2,4)まではちょうど3HEXの距離ではないでしょうか?答えは、残念ながらNOです。確かに、ウラジーミルから(2,4)海域までは直線距離では3HEXですが、コマンド一覧の冒頭には次のように記載されています。「コマンドのルールにおいて、「〇〇HEX以内」と書かれている場合、それは探査済みHEXのみを通るルートでそのHEX数以内の距離であることを意味する。」ところが、ウラジーミルから(2,4)まで3HEX以内の距離で移動しようとすると、どうしても間の未探査HEXを通過せざるを得ません。この海域において未探査HEXとは、旧文明による汚染が除去されておらず、安全に通過することはできない海域を指します。つまり、未探査HEXを通過して移動することはできない、ということになります。
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《アーニャ》がウラジーミルから(2,4)まで探査済みの海域だけを通過して移動しようとすると、上記の図で赤い矢印で描かれた4HEXの移動がどうしても必要です。ウラジーミルに艦隊基地があれば別ですが、そうでない限り戦闘艇は3HEX以上離れた場所への<攻撃>を迎撃することができないので、今回の海賊船による<攻撃>を《アーニャ》が阻止することはできなかった、というのがここでの結論になります。逆に言えば、今回の海賊の襲撃が再現されずに済むためには、間の未探査HEXを探査しておく、ただこれだけで十分だということかもしれません。《アーニャ》がウラジーミルから(2,4)まで移動できるためのルートを確保してさえおけば、次に同じ形での襲撃があった場合は《アーニャ》によって迎撃ができるということになります。
もちろん、《アーニャ》が海賊船を迎撃できることと、海賊を撃退できることは別です。K型戦闘艇は海賊船《地獄行き》号より戦闘力に優れていますが、その優位性をもたらしているのは海賊船が装備していないミサイルを積んでいること、ただその一点に過ぎません。ミサイルは聖ウラジ王冠領スミッコに1発、エル・ルクス・マグナ大皇国に2発の計3発が海域から発見されているにすぎず、我々の技術力では新たに製造することもできないので、景気よく使っていけばいずれは使い果たしてしまうでしょう。海域の探査を進めればミサイルが新たに発見されることもあるでしょうけれども、海賊と戦うことには費用とリスクがかかっているのだ、ということを忘れないようにしましょう。

都市の支配と海域の安全性

このターン、エル・ルクス・マグナ大皇国は(5,5)海域に発見された中立都市に対してその軍門に下るように調略をしかけました。現時点でエル・ルクス・マグナ派が優勢の模様であり、都市はおそらく来年にはエル・ルクス・マグナ大皇国の領土に組み込まれていることでしょう。この都市の支配は、海賊対策と海域の安全性の観点からも重要な影響があるでしょう。都市は税収を増やし、国家の、ひいては海域全体の経済を発展させるということは言わずもがなですが、都市には(廃墟とは異なり)ユニットを配備することができるということも忘れられがちかもしれませんが大きなポイントです。先ほど紹介したように、戦闘艇の行動半径は3HEXです。つまり、最寄りの都市から4HEX以上離れた海域は、戦闘艇で安全を確保することができません。例えば(5,4)地点の廃墟は3ヶ国すべての首都から4HEXの距離にあり、この場所を戦闘艇の行動半径に入れるためには(5,5)の都市をプレイヤー国家の支配下に入れることが不可欠である、ということになります。今後海域の中心に向かって探査が進められていく際にも、都市を確保し、その都市にユニットを配備することは海域を安全に開拓し、収入を増やしていく上で最優先で進めていかなければならないでしょう。
ここで述べたような都市の重要性は、都市を押さえた国家が有利になるということと表裏一体であることも注意しておきましょう。都市は海域を探査する際にも容易には発見できず(近隣に未発見の都市がある場合に何らかのサインがゲームログに表示されることがありますので、それを見落とさなければ少しは簡単になりますが)、都市を確保する競争で後れを取った国家は、収入の面でも「支配する海域」の面でも不利になるかもしれません。もちろん、都市1つ2つの差がそれだけで展開を決定づけてしまうことはありませんが、「誰が現在優位に立っていて、海域の覇者に近づいているのか」を判断する上で支配している都市の数と場所は重要なファクターです。