ターン16(海興暦16年)発行
特産品貿易の実装とそれに伴う仕様変更
Discordの方では既に告知していますが、T型輸送船がリバース・エンジニアリングされ、「藍洋の再興」世界が輸送船を建造することができるようになったことを受けて、各都市の特産品の貿易を導入します。合わせて、商業市場及び黄の氏族の能力者が持つ効果をよりこの特産品貿易に特化した効果に変更します。ただし、各国(特に商業市場を有するエル・ルクス・マグナ大皇国)がこの変更によって大きな不利益を被ることがないように、後者の変更は海興暦25年の収入処理から実際に適用する予定です。
特産品貿易
これまで、<輸送>コマンドは廃墟で採掘された鉄屑を都市に対して輸送するためだけに使用されるコマンドでした。これを都市と都市の間の貿易に対して拡張します。各都市はそれぞれの特産品を生産しているという設定となり、貿易によって他の都市で生産される特産品を輸入することで経済を発展させる(=税収を増加させる)ことが可能となります。<輸送>コマンドを輸送船に対して入力することで輸送ルートを2都市間に設けることができ、各輸送ルートは5フェルの追加収入を2つの都市双方にもたらします。輸送ルート1本には10フェルの価値があるということになります。現在鉄屑は10トン当たり15フェルで取引されているため、廃墟―都市輸送ルートは1本あたり15フェルの価値があることになりますが、都市間の特産品貿易ルートはこれよりやや収入が少ないということに注意してください。廃墟―都市輸送ルートは廃墟の数までしか設置することができないこと、鉄屑の価格は需給によって大きく変動すること、後述するように特産品貿易には商業市場からボーナスが発生することから、特産品貿易が廃墟―都市輸送ルートに必ずしも劣るわけではありません。
特産品貿易は自国内の2つの都市を結ぶことも当然可能ですが、自国の都市と他国の都市の間で行うことも可能です。このような場合、2つの都市を所有する国それぞれに対して5フェルの追加収入が入ることになります。輸送船の維持費を払わなければならないのは引き続き輸送船を所有する国なので、両国間で利益の分配について調整しなければならないこともあるかもしれません。
また、重要な効果として、特産品貿易ルートには忠誠度に対する効果が発生します。ある都市の忠誠度を判定する際に、その都市に特産品貿易ルートを持つ自国の都市1つごとに忠誠度+1ポイントのボーナスが与えられます。各都市は貿易によって他の都市との経済的結びつきを強め、その都市と同じ国に所属することをより強く望むようになります。現在その都市を領有する国の立場から言えば、自国の他の都市と輸送ルートが繋がっていることはその都市の自国に対する忠誠心を高め、逆に他国の都市と輸送ルートが繋がっていることはその国に都市を調略されるリスクを生じさせることになります。
商業市場と黄の能力者の仕様変更
現在、商業市場は「最大の税収レベルが1高くなる」(実質的に税収が10フェル多くなる)という能力を有する施設ですが、海興暦25年の収入処理からは次のような仕様に変更されます。
- 商業市場を持つ都市は、輸送ルートから得られる追加収入が2倍になる。
商業市場を持つ都市に輸送ルートが1本通っているならば10フェル、2本通っているならば20フェルの追加収入が得られることになります(商業市場がある都市とない都市の間での貿易の場合、商業市場がない都市からは5フェル、ある都市からは10フェルの追加収入があるということになります)。商業市場の効果は輸送ルート1本当たり5フェルであるということになるので、輸送ルートが2本通っていれば仕様変更前と同等の効果をもたらし、それ以上の輸送ルートがあれば仕様変更前と比べてより多くの税収が得られることになります。
黄の能力者が持つ能力は「統治する都市から1レベル高い税収を『忠誠度』の損失無く得ることができる」ことでしたが、海興暦25年の収入処理以降は次のような仕様に変更されます。
- 統治する都市は、特産品貿易ルートによる他国に対する忠誠度補正が発生しなくなる。
他国から<調略>コマンドが実行された際に、その国の都市と特産品貿易ルートが繋がっていると相手国に忠誠度判定に際してルート当たり+1ポイントの補正が入ることは先に述べた通りですが、黄の能力者の統治する都市はこの損失を被ることなしに貿易を行うことができることになります。商業市場を有さない都市でも有効な能力ですが、大量の輸送ルートを受け入れることが望ましい商業市場を有する都市ではさらに強力になる効果です。
商業市場を有する都市を領有する各国は、上記の仕様変更から発生する利益を享受するために、海興暦25年までにこれらの都市間に輸送ルートを設定することを推奨します。
研究開発に関する新コマンドの実装
輸送船のリバース・エンジニアリングが完了し、完全な形の設計図が手に入ったことを受けて、ユニットを「研究」し、より高性能なユニットを開発するためのコマンドを複数実装します。各国はユニットの装備を<研究>し、研究した装備を組み合わせて新型ユニットを<設計>することで、より強力なユニットを建造するための設計図を獲得することができるようになります。
ユニットの装備
各ユニット(輸送船、戦闘艇)は、いくつかの部品を組み合わせて建造されています。それらの部品のうち各国が改良することが可能なものを特に装備と呼び、各国は<研究>コマンドによってより強力な装備を開発することができます。
輸送船は船体と機関、戦闘艇は船体、機関、2つの兵装が改良可能な装備です。例えば、T型輸送船はT型輸送船の船体とT型輸送船の機関の2つの装備を有しています。T型輸送船のリバース・エンジニアリングが完了した時点で、研究を行った聖ウラジ王冠領スミッコはこれら2つの装備の設計図を獲得したということになります。この2つの設計図は<技術譲渡>コマンドによってT型輸送船の設計図を譲られた各国にも渡されます。
各装備は何らかの「効果」と、建造に必要な「コスト」を有しています。例えば、T型輸送船の船体は輸送船に耐久力2ポイントを与えます(効果)が、建造費用を5フェル増加させます(コスト)。
<研究>
研究所を有していて、各装備に対応する設計図を有している国は、<研究>コマンドによってより強力な装備の設計図を獲得することができます。<研究>コマンドは1回ごとに現在設計図を持っている装備の「効果とコストの両方を上昇させる」か、「コストを低下させる」ことができます。効果を上昇させた場合、コストは「上昇する効果の2倍」増加します。一度に2段階以上効果を上昇させたりコストを低下させたりすることも可能ですが、そのための費用は現在の設計図から進歩させる段階の3乗となります。
例えば、T型輸送船の船体を<研究>して、耐久力3の新たな船体を研究するためには1フェルの費用が必要です。改良した「新型船体」のコストは5+(1×2)=7となります。逆に、耐久力は2のままでコストを3フェルに低下させるためには(5-3)^3=8フェルの費用が必要ということになります。
研究された新たな装備は、次の<設計>コマンドによって新たに建造されるユニットの設計図に含めることができます。なお、<研究>コマンドはターンを消費します。
<設計>
自国が保有する装備の設計図を組み合わせることで、新たな種類のユニットを設計することができます。このコマンド自体にはコストはかかりませんが、ターンを消費しますので、頻繁に実行することが想定されているコマンドではありません。新たに設計されたユニットは各装備の「効果」を持ち、各装備の「コスト」の合計を建造のために必要とするユニットとなります。
例えば、先ほど考えた「新型船体」(耐久力3、コスト7)とT型輸送船の機関(速力1ポイント、コスト5フェル)を組み合わせて、新たにU型輸送船を設計するとしましょう。U型輸送船は「耐久力3、コスト12」となります。コストは資金・鉄屑の両方に適用されるので、U型輸送船を建造するためには資金12フェルと鉄屑12トンが必要になります。