Microsoft GS Wavetable SW Synth

Last-modified: 2010-01-02 (土) 23:39:44

Microsoft GS Wavetable SW Synth

 通称 MSGS。

Contents

説明

 OS 標準装備のMIDI音源。正確には OS ではなく DirectX5.0 以降の付属物らしい。2000/XP では確実に搭載されているが、 98/ME だとドライバによって搭載されていないことがある。そのあたりは、次のサイトが詳しいので参照のこと。

 【ブルーライトノヴァ - 所有音源レビュー - Microsoft Synthesizer(Microsoft GS Wavetable SW Synth)

 OS 標準装備ということで 「所有者の数 = Windows PC 所有者の数」 となり、現状最も普及しているMIDI音源であると言っても過言ではないだろう。ある意味、最も MIDI に適した音源であると言える。

 Vista以降では名称がMicrosoft GS Wavetable Synthとなった。

代理発音機能

 なぜか XP では 代理発音機能 がある。一見便利になったようにも見えるが、それは大間違い。なぜなら 98/ME/2000/Vista/7 には 代理発音機能 は無いわけで…。結果的に、MSGS の唯一の強みであった 「互換性」 を失うという何とも おマヌケな仕様となってしまった。

 ※ 「XPでしか 正しく再生出来ない MIDI」 なんてものが生まれてしまったわけです。

 XP で作成される方は、公開前に 「TMIDI Player」で楽器選択のミスが無いかチェックする ことを強く推奨します。

仕様

 機能的には GM 標準 と考えて良さそうだ。音色MAP は Roland VSC55 相当と言われている。

機能一覧

 簡単にまとめてみました。

リセット

OK
GM System ONF0 7E 7F 09 01 F7
GS ResetF0 41 10 42 12 40 00 7F 00 41 F7
NG
(音が一切鳴らなくなる)
GM System OFFF0 7E 7F 09 02 F7
GM2 System ONF0 7E 7F 09 03 F7
無効
XG System ONF0 43 10 4C 00 00 7E 00 F7
System Mode SetF0 41 10 42 12 00 00 7F 00 01 F7

音色MAP

GM System ON 受信後
Bank Select MSB と Bank Select LSB が無視され、全て GM音色 で鳴る。
GS Reset 受信後
ほぼ SC-55 互換。
(SC-55MAP の Bank Select MSB 126 と127 以外は全て鳴る = VSC-55 互換?)
ただし、Bank Select LSB は 1 ではなく 0 。
存在しない MAP の扱い。
OS が 98/ME/2000 の場合は、存在しない MAP を指定すると音が鳴らなくなる。
(GS の MIDI を鳴らそうとするとドラムしか鳴らないのはこれが原因)
XP の場合は何故か代理発音機能があるようで、存在しない MAP は GM音色 で鳴ってくれる模様。

RPN

名前RPN MSB
CC#101
RPN LSB
CC#100
Data MSB
CC#6
Data LSB
CC#38
Pitch Bend Sensitivity00000 ~ 48 *1-
Master Fine Tuning00010 ~ 1270 ~ 127
Master Coarse Tuning00020 ~ 127-
RPN Null127127--

CC

有効
0、1、6、7、10、11、32、38、64、100、101、120、121、123、126、127
無効
5、65、66、67、71、72、73、74、75、76、77、78、84、91、93、94、96、97、98、99、124、125

エクスクルーシブ

名前エクスクルーシブ
Master VolumeF0 7F 7F 04 01 00 DT F7
USE FOR RHYTHM PARTF0 41 10 42 12 40 1x 15 DT CS F7
Rx.CHANNEL *2F0 41 10 42 12 40 1x 02 DT CS F7

GM規格

  • GM規格 で受信が義務づけられているメッセージ
【参考】
+++ b-sharp_com +++
 (MIDI → MIDI規格1.0 → GMとは/GM音源仕様)
項目有効備考
ノートオン/ノートオフ
プログラムチェンジ
コントロールチェンジモジュレーションデプス [1]
ボリューム [7]
パンポット [10]
エクスプレッション [11]
ホールド1(ダンパー) [64]
データエントリー [6/38]
RPN [100/101]
RPNピッチベンドセンシティビティ [00/00]
ファインチューニング [00/01]
コースチューニング [00/02]
ピッチベンドセンシティビティは 48 まで有効
モードメッセージリセットオールコントローラー [121]
オールノートオフ [123]
ピッチベンド
チャンネルプレッシャー
GMシステムメッセージGMシステムオン(F0 7E 7F 09 01 F7)
GMシステムオフ(F0 7E 7F 09 02 F7)
GMシステムオフを受信すると音が一切鳴らなくなる

 よく誤解されているが、必ずしも GM 以下というわけではない。

 それどころか、GS より優れている面もある。

 指し当たって ピッチベンドセンシティビティ が 48 まで有効な点がそうだが、他に ドラムCH の追加が挙げられる。

ドラムCH の追加

 次のエクスクルーシブを用いることで、ドラムCH を追加することが出来る。

CHエクスクルーシブ(Drum1)エクスクルーシブ(Drum2)
A01F0 41 10 42 12 40 11 15 01 19 F7F0 41 10 42 12 40 11 15 02 18 F7
A02F0 41 10 42 12 40 12 15 01 18 F7F0 41 10 42 12 40 12 15 02 17 F7
A03F0 41 10 42 12 40 13 15 01 17 F7F0 41 10 42 12 40 13 15 02 16 F7
A04F0 41 10 42 12 40 14 15 01 16 F7F0 41 10 42 12 40 14 15 02 15 F7
A05F0 41 10 42 12 40 15 15 01 15 F7F0 41 10 42 12 40 15 15 02 14 F7
A06F0 41 10 42 12 40 16 15 01 14 F7F0 41 10 42 12 40 16 15 02 13 F7
A07F0 41 10 42 12 40 17 15 01 13 F7F0 41 10 42 12 40 17 15 02 12 F7
A08F0 41 10 42 12 40 18 15 01 12 F7F0 41 10 42 12 40 18 15 02 11 F7
A09F0 41 10 42 12 40 19 15 01 11 F7F0 41 10 42 12 40 19 15 02 10 F7
A10F0 41 10 42 12 40 10 15 01 1A F7F0 41 10 42 12 40 10 15 02 19 F7
A11F0 41 10 42 12 40 1A 15 01 10 F7F0 41 10 42 12 40 1A 15 02 0F F7
A12F0 41 10 42 12 40 1B 15 01 0F F7F0 41 10 42 12 40 1B 15 02 0E F7
A13F0 41 10 42 12 40 1C 15 01 0E F7F0 41 10 42 12 40 1C 15 02 0D F7
A14F0 41 10 42 12 40 1D 15 01 0D F7F0 41 10 42 12 40 1D 15 02 0C F7
A15F0 41 10 42 12 40 1E 15 01 0C F7F0 41 10 42 12 40 1E 15 02 0B F7
A16F0 41 10 42 12 40 1F 15 01 0B F7F0 41 10 42 12 40 1F 15 02 0A F7
※GSリセット(F0 41 10 42 12 40 00 7F 00 41 F7)受信後に有効。

 GS と同じエクスクルーシブなので、仕様も GS と同じかと思いきや少し違う。実は、ドラム追加に関しては GS より優秀で、どうも CH によって独立している模様。

 例えば、A10 ~ A16 を Drum1 に指定して7種類のドラムを同時に使用することが可能。

 (この場合、GS だと最後に指定した1種類のドラムにしかならない)

レイヤーの使用

 驚いたことに、いわゆるレイヤーを使用することが出来るようだ。

エクスクルーシブ説明
F0 41 10 42 12 40 1x 02 DT CS F7x:CH 指定(0 ~ F)
DT:CH 指定(01 ~ 10)
CS:チェックサム
※GSリセット(F0 41 10 42 12 40 00 7F 00 41 F7)受信後に有効。

 ただし、DT の指定が GS とはズレるので、これを用いると GS との互換性が無くなり MSGS専用の MIDI になる。

マスターボリュームの仕様

 どうも 「ノートオン時に確認」 みたいな仕様になっているようで、発音中の音量がマスターボリュームによって変化しない。そのため、長く伸ばしている音があった場合にマスターボリュームによる フェードイン/フェードアウト が綺麗に決まってくれない。エクスプレッションを加えるなど、工夫した方が良さそうだ。

他にもこんな機能が…

 あるかもしれないし、無いかもしれない。

 情報よろ!


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*1 GS音源 や XG音源 は 「0 ~ 24」 であることに注意が必要。
  MSGS の方が有効範囲が広い。

*2 GS (XG音源 の TG300Bモード 含む) との互換性は無い。