概要
特に競技シーンDota2における要素。ファームの優先度、役割(ロール)、担当レーン、コアとサポートを定めたリファレンスとして2012年に提案された。5人のプレイヤーをポジション1,2,3,4,5と呼び合う。
ファーム優先度
チーム内のファーム優先度。1番が最もファーム優先度が高く、5番が一番低い。
役割
キャリー、サポートの他イニシエーター、デュラブル、ヌーカー、ディスエーブラーなど
ポジション1は通常キャリー、
担当レーン
コアとサポート
3コア2サポート:現在の主流
構成
プッシュ構成
スプリットプッシュ構成
ガンク構成
レートゲーム構成
各ポジションのそれぞれ大まかなロール(役割)と担当レーン、責任は以下の通り。
ポジション | ロール(役割) | 担当レーン | 責任 |
---|---|---|---|
1 | キャリー | セーフレーン | ファーム |
2 | ソロミッド | ミッドレーン | ミッドレーン制圧、ガンク |
3 | オフレーナー | オフレーン | 敵キャリーのファームの妨害、スケーリング |
4 | ソフトサポート、ローマー、ジャングラー | オフレーン、ジャングル | ローミング、ガンク |
5 | ハードサポート | セーフレーン | ワード、ヒール、Disable、サポート |
歴史
Dota-Allstars黎明期、サポート/キャリーといった概念はなかった。あるのは属性のみで、STR=タンク、AGI=DPS、INT=メイジといった概念しかない。
基本的にミッドとジャングルを除くレーンで4人がLHを取り合い、時にディナイし合う。誰もがコアアイテム目指して非効率なファームを行っていた。
DotA Allstars初期から存在。
最初期は皆が好きなようにゴールドを稼ぐ状態であった(5キャリー状態)。それに対して特定のプレイヤーに優先的にゴールドを配分したほうがゲームに勝利できるという考えが自然発生した。
レーン構成
2-1-2
現在の主流。Pubでもプロシーンでも9割見られる。
2-1-1-1
ジャングラー構成。最も現在の中立ユニットはレーンを放棄ししてまで狩るメリットは殆どない。
一部ヒーロー、EnigmaやEnchantressなどが
3-1-1
トリレーン。現在もプロシーンで見られる構成。
ポジション1
ポジション1を担当するヒーローはゴールドの優先順位が一番高いコアヒーロー。一般的にはセーフレーンを担当するキャリーが選択される。
キャリーの殆どはAgilityヒーローであるが、これはAgilityを伸ばせば攻撃力とともに攻撃速度も上昇し、他の属性のヒーローよりもダメージスケールが圧倒的に伸びるためである。
https://www.reddit.com/r/DotA2/comments/likios/quadratic_effect_of_agility_on_dps_visualized/
キャリーはゲーム中盤まで弱いためポジション5のヒーローの助けを受けながら成長し、ゲーム中盤終盤の圧倒的破壊力にて勝利を目指す。一方でファームの遅れはチーム全体の破滅に繋がる。
またキャリーはいつ戦うか?いつファームをするか?という判断を必要とされる。
- ハードキャリー
序盤中盤のレーン戦が非常に弱いが育つと加速度的に強くなっていく。レイトゲームにおいては立っているだけで敵を倒すヒーロー。
かなり時間をファームに依存するためそれまでチームは4vs5で戦わなければならないという苦しい状況を迫られる。ゲーム時間が60分を超えると自動的に勝利する。
Specter、Phantom Assasine、Phantom Lancer、Medusa
- セミキャリー
移動技があったり強力なアルティメットスキルを持つなどハードキャリーよりレーン戦は強く、成長も早い。ただし後半の圧倒的な爆発力はハードキャリーよりは劣る。
Faceless Void、Sven、Drow Ranger、Anti-Mage
ポジション2
二番目にゴールドの優先順位が高いコアヒーロー。一般的な2-1-2構成ではミッドレーンを単独で担当する。
ミッドレーンはレーン戦においてタワーとの距離が近く安全な位置に退避しやすいことからサポートヒーローを必要とせず、単独で経験値を独り占めでき、早くレベルアップする。ゲームをコントロールし、ガンクに勤しむのが仕事。そのためチームファイトやNuke力が強く、またレートゲームでも失速しないヒーローが望ましい。
一方単独で戦わなければならないため、実力差が如実に現れる。ミッドプレイヤーはAPMとミクロ、マクロを必要とする。
対面が何を選ぶかに依存するためヒーローの選択が難しい。比較的単純な選択肢としてはSniper、Magnus、Kunkkaなど。担当ロールはヌーカー、キャリー、
- テンポミッド
序盤からゲームを支配する。初期ダメージが高く、Lv6になれば即ガンクで全レーンに顔を出す。Blink Daggerが入った段階でファームは終了。
これらのヒーローはゲーム展開が早く1,2個のコアアイテムで30分程度で試合を決めるほど。
TI2はメインメタだったが、近年はファームミッドのほうが人気が高い。
試合が長引けば失速するのでそれまでに決着をつけたい。
Puck、Nyx、Zeus、Magnus、Viper、QoP、Invoker
- ファームミッド
レーン戦が強くレイトゲームに勝つためのキャリー型ミッド。ヒーロー。テンポミッドと比べてGank力は低い。
現在においてはポジション2はゲーム後半の脅威と見なされる傾向にあり、テンポミッドからファームミッドへとメタが変化している。
AoEが強力なShadow Fiend、Templer Assasine、Kunkkaなどのクリープ処理型
OD、Invoker、Morphiling、など
- カウンターミッド
特定のヒーローのカウンターとして選択される。
Broodmother、Razor
ポジション3
一般的には残っているレーンであるオフレーンのコア担当。相手pos1のファームを妨害するのが仕事。
オフレーン(ロングレーン、自殺レーン、ハードレーン等の別名もある)
歴史的にあらゆる属性、役割の多種多様なヒーローが試行錯誤されたポジション。
3-1-1構成時代は自殺レーンと呼ばれ、誰の支援もなくソロでプレイすることを意味した。
現在のメタでは担当ロールはデュラブル兼イニシエーターという2つの役割を同時にこなすヒーローが選ばれる。
7.28においてはpos3はコアではなくサポートとの主張もある。
またオーラスキル、アイテムを所有するヒーローはPos3に選ばれやすい。
Mars、Underlord、
Vladimir、Mekanism、Pip、Crimsonguard、Lotus orb、Linkens
- タンク
Mars、Blistal - オーラ
Underlord、Necro - イニシエーター
Tide、CW、SK、EarthShaker
強力なAoEスタンスキルを持ち、集団戦に持ち込むきっかけを作るロール。
- 過去のメイン
Doom、Tidehunter、Underload、Abaddon、Magnus、Omniknight
ポジション4
担当ヒーローはサポート系、ローマー系、ジャングラー、ディセーブラー。
ポジション5と違って序盤に少しマップ内を歩き回る傾向がある。
Earth SpiritやEarthshaker、Tuskなど長距離からスタンを与えられるヒーローがよく選ばれる。
- 万能型
TP、DW、Skyrath、Phoenix
トレントプロテクター、ダークウィロー、スカイラスメイジ、フェニックス
- ローマー
タスカー、スピリットブレイカー、バウンティハンター、クロックワーク
- ジャングラー
現在はほぼ消滅。通常ジャングルクリープはレーンに所有されている。
ポジション5
ハードサポート。ポジション1に楽しい時間を与え、タワーの近くでクリープコントロールを維持する。
回復、Disable、緊急回避等。
ハードサポートヒーローはアイテムがなくともチームに貢献できるようなスキルセットを持つ。
7.22以前まではポジション5のヒーローはBootsとWandしか持たない状態(ベビーシッター)も多々見られた。7.23よりワード無料化と1人1クーリエ所持により多少の装備を揃えることができるようになっている。
- ヒーラー
オラクル、アバドン、ダズル、クリスタルメイデン、KotL
Jakiro、CM、
役割:ワード、スタック、でワード、プル
参考文献
Dota 2ロールガイド:各ポジションをプレイして最大限に活用する方法
https://dotesports.com/dota-2/news/dota2-role-guide-23954