結婚とは全く関係のないネタを投下して申し訳ない。
『ママチャリの系譜』38-64の続きです。
フュンフ 「さてさて第1レースも大詰め、エルトシャンとラケシスの兄妹対決は山岳コースにもつれ込む!
迫る兄、逃げる妹っ、勝負の行方はどうなる!? そして、AKJの運命やいかにっ!?」
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ノイン 「かっぱ予備選! やめられない止まらない! エルトシャンSTEγは誰にも止められないのかっ!?
既に前方にワルキューレが姿を現している! ここまで来たら、小細工なし!!」
エルト 「捉えたぞ、ラケシス!」
ナンナ 「お姉様、来ました! もうすぐそこですっ!!」
ラケシス 「遂に来ましたわね…お兄様」
エル──→
ラ
ノイン 「来た来た来たあああああああああっ!! 黒き獅子王が、サーキットの女神を射程圏内だぁッッ!!」
セーラ 「いけいけいけーーーっ!!」
ドロシー 「ゴーゴーッ!!」
ノイン 「勝てば全てを得、負ければ全てを失うALL or NOTHINGの兄妹対決!
漆黒の獅子王の力と技が勝つか!? 白銀の女神のKINSHINパワーが勝つか!?
さああああああっ、運命の一騎打ち!!」
エルト 「行くぞ、ラケシス!」
ラケシス 「エルト兄様、私、負けません!!」
ノイン 「1on1最強対決の火蓋とねぶたが切って落とされたっ!! KINSHINの女神ラケシス選手、
ブロックする気配すらありません! この登山でスピード真っ向勝負だっ!!
正々堂々たる様に観客からも清々しい拍手が送られます!」
エルフ 「自分から挑んだ勝負ですからね。流石に卑怯な手は使わないでしょう」
ノイン 「スピード対スピード! 加速度VS加速度!
兄と妹の信念とプライドを賭けた真剣勝負に微笑むのはどっちの勝利の女神だッ!?」
エルフ 「……。……え? どっちの……って、沢山いるんですか?」
ノイン 「いるともいないとも言われる! しかし、そぉんな事とは関係なく!
今、黒き獅子王STEガンマがジリジリと並び……追い抜いたかッ!?」
グォッ!! エル──→
ラ
エルト 「貰ったッ!!」
ラケシス 「ッ!?」
ノイン 「行ったあああああああああああああああああッッッ!!!!!
白銀の女神ここに沈む!! 漆黒の獅子王が遂にワルキューレをオーバーテぃぃぃぃぃイクッ!!」
セーラ・ドロシー「「キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!」」
ラケシス 「ッ! まだまだよっ!!」
ノイン 「いやっ!? ワルキューレも引き下がらないぞっ!
ラケシス選手、抜かれた直後にスリップストリーム(真後ろを追走)に入るっ! 凄い執念だっ!」
エルフ 「確かに凄いですが、登りでスリップストリームからのオーバーテイクを行うのは難しいですよ」
エルト 「しまったっ!?(ズルッ)」
キュアン 「エルトッ!?」
セーラ 「うわっ、こんな所で!?」
ノイン 「おおっと、ドリフトでタイヤのグリップ力も落ちていたかっ、僅かにスリップっ!
獅子王エルトシャン選手らしからぬミス! やはり、相当疲れているのか!?
ここに来て痛恨のエラーッ!! ここがチャンスとばかりにワルキューレが、
スリップストリームから今、抜けだして抜きにかか………」
ラケシス 「よしっ! ……えっ!?(ズルッ)」
ナンナ 「きゃあっ!?」
ドロシー 「こっちもミスした!」
ノイン 「滑ったぁッ! なぁんてこったぁッ!! ラケシス選手にもミスが出た!
各ドライバー、大詰めに来て相当疲れている!!」
セーラ 「あんなスピードで走ってたら、普通バテるわよ」
ドロシー 「体力(スタミナ)の問題ですから、疲労がたまらないリーフさんでもペース落ちしてますね」
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ノイン 「両車、車間の空け詰めを繰り返しながら、ナーガ神像給水ポイントで豪快にドリンクタイム!
何とも素早い展開だ! まるで、おおっとテレポーター! 山の中にいる!!」
エルフ 「リセット、リセットを……」
ノイン 「犬リセットか、猫リセット! バーハラ商会、名誉会長のアズムール様は
人生をリセットしたいと思った事はありますか?」
アズムール「いつだって、やり直したい事だらけじゃよ……」
ノイン 「会長が! 会長が! やり直す事が出来たなら!! ユン川の流れか、レースの流れか、
遥か後方に流れを追いやって、山岳コースを下ります!」
エルト 「(ハァ…ハァ)流石に飛ばしすぎたか…」
キュアン 「だが相手も疲れているし、シグルド達も来ている。ここからが正念場だ」
ノイン 「差は徐々に開きつつあるが、1周目のようなキレとコクがありません、
獅子王エルトシャン! 肉体的疲労か、精神的疲労か!?」
ラケシス 「(ゼェ…ゼェ)エルト兄様……くぅっ!」
ナンナ 「お姉様! 頑張って下さいっ!!」
ノイン 「そして白銀の女神・ラケシス選手! こちらは明らかに、アキラーカーンに、ペースが落ちている!
後続のアルヴィス選手が見えてきているぞ! だがしかし、譲れないものがある!!」
アルヴィス「ようやく追いついたか…」
シグルド 「…エルト……ラケシス…」
AKJ会員A「ダメです! このままでは…」
AKJ会員B「もうアレを使うしかありません!」
AKJ会員C「プリシラ様! ご命令をっ!!」
プリシラ 「わかっているわ、でも会長は…」
AKJ会員D「プリシラ様! ですが、会長が負けたらAKJは…!」
ノイン 「たんぽぽ小道のロングストレート! 水龍のウォーターバンク! 山岳コースの山の神!
1つ1つをクリアーする度に、白銀の女神のアドバンテージが削られていった!」
プリシラ 「…………」
ノイン 「それはさながら……さながら妹の兄への想いも削られていくが如しッ!!
そして、そのアドバンテージを削っているのは他ならぬ兄自身ッ!!」
エルト 「…………」
ノイン 「しかし、それでも! そうだとしても! そこが安らぎの地であるならばッ!!」
ナンナ 「…お姉様」
ノイン 「勇気を持って向かうと言うのか、AKJ会長・ラケシス!?」
ラケシス 「…………」
ノイン 「あなたの安らぎの地は……そこに、あるのですか?」
ラケシス 「……はい」
シグルド 「…………」
エルト 「言ったな……!」
ギュイーーーン!!
ノイン 「エルトシャン選手、ここで加速したっ! 早く兄離れをして、普通の恋をしろと言う
兄からのメッセージとも取れるっ! KINSHINの女王の想いは兄には届かないのかッ!?」
エルフ 「せめてKINSHINでなければ良かったのですが…」
プリシラ 「ッ!! 会長…ごめんなさい。ですが、ここでAKJを終わらせる訳にはいきませんっ!
魔法部隊に伝令! 誘導型遠距離魔法『プロミネンス』発動! 目標、STEガンマ!!」
AKJ会員E「了解っ!!」
プリシラ 「会長…AKJは既に貴女だけの組織ではないのです……」
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ノイン 「妹相手でも容赦なし、まさにたの○ん全力投球だッ!!
そして、目の前に見えてくるのは最後の難関、悪魔のヘアピンっ! 前門の悪魔、後門の妹っ!!
未だ諦めを知らない最強兵器『妹』が迫って来るぞっ!」
エルト 「最後か、ここは慎重に…」
キュアン 「待て、エルト! 何か来るぞっ!?」
ラケシス 「そんな…どうして!?」
ナンナ 「え…何アレ?」
/ ̄\
. | ^o^ | ゴオォォォォォォォォッ!!
\_/
┌─────────
│
│ エル
│ ┌─────
アルヴィス「何だあれは? メティオ…ではなさそうだが」
シグルド 「あの軌道は…エルト、キュアン!!」
ノイン 「何だああああっ、あの炎の塊はっ!? メティオか、いや、違うっ!
だが、直径10mはあろうかという大火球が、エルトシャン&キュアンペアに
まっすぐ向かって行ってるぞ!! しかも同ペアはカーブの最中! これは危険だぁッ!!」
セーラ 「な! 何よアレ!?」
ドロシー 「犯人はラケシスさん…じゃなさそうですね」
キュアン 「ちょっと待て! あの火球、こっちを追って来ているぞ!」
エルト 「なっ!? どうなっているんだ!!」
エルフ 「あれは…まさか!?」
ノイン 「知っているのか、エルフ解説員っ!?」
エルフ 「私が知っている限りでは、おそらく『プロミネンス』ですわ。
ある組織がメティオを破壊力と命中率の向上に重点を置いて、錬成・改造した武器だと聞いてます」
セーラ 「何なのそれ? 初めて聞くわよ!!」
ドロシー 「それで、その性能は?」
エルフ 「ファラフレイムに匹敵する破壊力と、目標を追い詰めるように飛ぶ高い誘導性能があるそうですが、
発動に多大な魔力を要する為、数十人単位の魔道士が必要だという欠点があります」
ノイン 「練成屋ダニエルさんもビックリの違法改造であります『プロミネンス』!
ですがエルフ解説員の言っている事が本当ならばエルトシャン&キュアンペアは…あああっ!!」
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/ ̄\ ゴオォォォォォォォォッ!!
. | ^o^ | ┌──────
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エルΣ(゚д゚;)……
キュアン 「だ、第一級対魔法防御っ!!」
エルト 「せめてミストルティンがあれば…」
ラケシス 「エルトにいさまあぁぁぁぁっ!!」
ナンナ 「いけません、お姉様!!」
シグルド 「エルトーーーーーっ!!! キュアーーーーーンっ!!!」
アルヴィス「シグルド、落ち着けっ!!」
アレス 「エルト兄さんっ!!」
リーフ 「ダメだよ、アレス!!」
フィン 「キュアン様ぁっ!!」
シャルロー「2人とも逃げて下さいっ!!」
エスリン 「キュアァァァーーーーーンッ!!」
ディアドラ「いけません、このままでは2人とも…」
アルテナ 「キュアン殿っ!!」
マナ 「いやあぁぁぁーーーーーーーーーッ!!」
ドッゴオォォーーーーーーーン!!
エルト・キュアン「「アーーッ!! コノヒトデナシー!!」」
セーラ 「( д ) ゚ ゚」
ドロシー 「(;゚д゚)………」
ノイン 「直・撃っ! 大量破壊兵器『プロミネンス』が獅子と紳士のSTEガンマを直撃だあぁっ!!
あの威力ではマシンはおろか、搭乗者すら危ないぞ! 救護はーーーーーーんっ!!」
エルフ 「フィーアさん、急いで下さいっ!!」
フィーア 「わかってますわっ!!」つワープの杖
キュアン 「くっ…もはやこれまでか(ガクッ)」
エルト 「許せ、アグストリアの民よ……(ガクッ)」
ラケシス 「エルト兄様っ!!」
シグルド 「しっかりしろ! 2人とも!!」
ノイン 「マシンを降りたラケシス、ナンナ、シグルドの3選手が慌ててエルト&キュアン両選手の周りに
集まります! そして、後から来たチームもレースを中断し、彼らの下に集まります!!
トラバント選手の時とは大違いですっ!!」
エルフ 「救護班がワープで来たみたいですね」
セーラ 「誰一人としてゴールに向かう人はいないわね…」
ノイン 「仲間の窮地に一丸となる! それがユグドラル魂だッ! 観客スタンドからは拍手が巻き起こる!!」
ドロシー 「つまり、トラバントは全員から敵だと認識されてた訳ですね」
セーラ 「そのトラバントをリタイアさせたキュアン様も結構酷かったけどね」
エルフ 「只今、救護班がエルトシャン&キュアン両選手の応急手当、
及び搬送を行なっておりますので、しばらくお待ち下さい」
……
…………
………………
続く