225.5
エフラム 「これより、オペレーション『ママチャリの系譜』を開始する。
俺達の使命は前回のあらすじを読者に伝える事。エイリーク、準備はいいな?」
エイリーク「はい、兄上! いつでも行けます!」
エフラム 「よし、ならば早速、前回45-25の要点を整理していこう!」
前回終了時点の状況、順位
~ウォーターバンク~
┌───────────────────────┘
│ ジャン デル →
│ エーデ ベオ アレ →
│ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
│ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
順位変動 マシン名 搭乗者 現ドライバー 単勝倍率
1位:4 フェニックスアロー レスター&デルムッド デルムッド 8.1倍
2位:2 緑三号 アレク&ブリギッド アレク 12.3倍
4位→3位:1 影の伝説 ファバル&ジャンヌ ジャンヌ 10.9倍
5位→4位:3 お ジャムカ&ベオウルフ ベオウルフ 11.7倍
6位→5位:9 謎のユングヴィ城 エーディン&ミデェール エーディン 3.4倍
3位→6位:8 黒王号 ラナ&ユリア
7位:7 プリンツェーッサ デュー&パティ
8位:5 SDL551バゼラート アサエロ&ロドルバン
9位:6 世界ひろし号 ヴォルツ&リデール
・3チームがリタイアし、残り6台での戦いとなる。
・アレクとラナの2位争いだが、地力の差でラナが徐々に差を広げ、トップの待つウォーターバンクに進入。
・ウォーターバンク中腹にてラナとデルムッドの首位争い。開始早々ユリアがトレイカッターEXを発動させるが、
誤ってトレイを落としてしまい、ラナが避けきれずドボン。
・これが原因でラナとユリアが仲間割れ。レースなんぞそっちのけで個人の恩讐の戦いが始まり、レース中断。
・なお、ここでユリアがナーガの魔導書……もとい、神器を持ち込んだ為、ラナチームは失格になる。
・危険を察知した実行委員会が最終決戦兵器(アイク)を送り込み、ラナとユリアを速やかに排除する。
・これで残るは5チーム。なお、この騒ぎの間に全チームがトップに追いつき、レースは振り出しに戻っています。
エフラム 「ふむ、ラナオウが落ちたか。チームワークに難ありと見た俺の予想は正しかったな。
となると、この次は……」
エイリーク「兄上、何をしてらっしゃるのですか?」
エフラム 「今後の展開を予想している。一応、賭けているからな」
エイリーク「なっ!? 兄上、まさかギャンブルに手を染めているのですか!?」
エフラム 「賭けていると言っても、三連単…1、2、3位を正確に当てるものを一点、10Gだけだ。
駿馬を見定めるのも武士たる者の心得。それに加え、勝負の流れを読む力を養っていると言った所だ。
まあ、ヘクトルやリーフは結構本気でのめり込んでいるが」
エイリーク「ヘクトル兄上やリーフもやっていたのですか!? 後でお説教です。無論、兄上もですよ!」
エフラム 「そうは言うがな、エイリーク。これは別に違法なギャンブルではないし、
自分の経済力の範囲で楽しむ分には何ら問題はないと思う。お前の清廉潔白たるは賞賛に値するが、
度が過ぎれば狭量な女である事を喧伝する結果にもなりかねんぞ」
エイリーク「確かに……ですがっ!」
エフラム 「まあ、ギャンブル依存症という言葉もあるし、お前が心配する気持ちも分かる。
それに、俺とてギャンブルに限らずとも、何らかの要因で道を踏み外す可能性はゼロではない。
もし、俺が道を踏み外したその時は……その時はお前が俺を正しい方向へと導いてくれるか?」
エイリーク「分かりました。まずはシスコンロリコンを治してくれと、そう仰るのですね、兄上」
エフラム 「ん? 何か微妙に話が噛み合ってないような……?
って、ちょっと待て、エイリーク! 俺をどこへ連れて行く気だ……アーッ!! コノヒトデナシー!!」
226
ノイン 「これで残るは5チーム、舞台は勇者の泉ウォーターバンク。
騎馬民族の誇りをかけて、再び灼熱のペダルを闘志を込めてグリーンフラッグが
振られるのを待ちます。フェニックスアロー、緑三号、影の伝説、『お』、謎のユングヴィ城」
エーディン「ミデェール、後は任せましたよ」
ミデェール「了解です、エーディン様」
エルフ 「この機に乗じて、謎のユングヴィ城はドライバーチェンジをしていますわね」
搭乗者交代 エーディン→ミデェール
ノイン 「さあ、全車揃って、レース再開っ!
おおっ、まず飛び出したのは姐御の下僕、アレク選手が駆る緑三号!
2番手には熱きスタートを見せたベオウルフ機『お』!」
アレク 「下僕じゃないぞ!」
ベオウルフ「よし、いい位置につけたぜ!」
ノイン 「続いて黒きレジェンド・シノビ、ジャンヌ選手の影の伝説!
4位につけるのは謎のメイド執事、ミデェール選手の謎のユングヴィ城!
最後尾と出遅れたのはデルムッド選手が操るリカンベント、フェニックスアロー!」
デルムッド「しまった、出遅れた!」
セーラ 「何か可哀想な落ち方ね…」
ドロシー 「地味に頑張ってたんですけどね」
ノイン 「5台が縦一列に連なって勇者の泉ウォーターバンクを後にします!
所変わって、ナーガヒル山岳コース。5つのマシンが野山に分け入るぞっ!
竹を取りつつ万の事に使うぞっ、歌って笑って、ナガ山ホットブラザーズ」
エルフ 「フェニックスアローのみ、違うルートで行きましたね」
ノイン 「謎のユングヴィ城がいよいよ脚をかけた山岳オフロードコースが更なる波乱を呼ぶか!?
残りの武器を考えても敵が減るのは好都合! 万全の体制で先行車を叩くか!?」
~山岳コース登り~
ベオ
ミデ アレ
ジャン
エーディン「ミデェール、避けて下さいねっ!」
ミデェール「はいっ」
ノイン 「登坂コースの半ば、ここでエーディン選手が動いたっ! 謎のユングヴィ劇場第2幕っ!
終幕に待ち受けるのは悲劇か喜劇かっ、『お』と影の伝説も友情出演だっ!」
エルフ 「友情……」
ノイン 「レースでは傍若無人な振る舞いが目立ちますが、
普段は優しいお姉さんとして多くの人から慕われていると聞きますからね、エーディン選手は。
面倒見がいい人ですね。だからモテるのか、くそっ!」
セーラ 「ケッ…そんなの自分を良く見せるための演技じゃない!」
ドロシー 「セーラさんがやさぐれてきています!」
ノイン 「さて、そんな与太話をよたよたしてる間に、エーディン選手が取り出したのは……
ああああああああっと驚くタメゴロウっ! 水を泳ぐはゲンゴロウっ!」
エーディン「ブラギ神108の魔法の1つ、ブルーオーブっ!!」(ポイッ!!)
ノイン 「水風船を前方に向かって投擲だっ!! 夏目投擲1000円札っ!
投げる投げるっ、バンバン投げますっ、謎のユングヴィ城、水のブラギマジック発動っ!!」
ピューン ピューン ピューン……
アレク 「んっ……!?」
ブリギッド「ありゃ…?」
ノイン 「おおっと、しかし、水風船はアレク選手の頭上を越えて前方の道に落ちるぞ!?
勢い余ったか手元が狂ったか、水のブラギマジック不発っ!」
エーディン「うふふ……」
ファバル 「……いや、エーディン姉さんのあの顔……何かある」
ジャンヌ 「ファバルさん……」
ジャムカ 「ベオ、気を付けた方がいい」
ベオウルフ「みたいだな」
227
ズルッ キキーーッ!!
アレク 「っ!? 何だっ!?」
ブリギッド「うわっ!?」
ノイン 「ああっと、トップを走行中の緑三号、スリップっ! これは何とした事かぁっ!?
水風船の割れた場所が、一面泥の海となっていたっ!」
セーラ 「出たっ、ブラギマジックッ!!」
ドロシー 「相変わらずセコいと言うか…」
ノイン 「たっぷりと水を含んだ滑りやすい粘土質の土が緑三号の足下をすくう!
大地と水のマジックっ!! ユングヴィの女帝、時間差魔法の発動だっ!!」
アレク 「いかんっ!」
ブリギッド「アレクっ!」
エーディン「おーっほっほっほ、滑っちゃいなさいっ!」
ベオウルフ「(ズルッ)うおっ!?」
ジャムカ 「やばいっ!!」
ノイン 「おおっと、滑った緑三号を避けようとした『お』も泥に足を取られたっ!
これは悲惨な複合クラッシュッ!! 絶望的な展開だぁっ!!」
アレク 「そらぁっ!」
ベオウルフ「よっとっ!」
エーディン「あら?」
ノイン 「リカバリーーーーーーっ!! 立て直したっ!! あの不安定な体勢の上に
2人乗りのハンデを物ともせず立ち直ったぞっ、お見事、アレク&ベオウルフ両選手!!」
ジャンヌ・ファバル「「あ」」
アレ・ベオ・ブリ・ジャム「「「「えっ?」」」」
~山岳コース登り~
ミデ
ジャン→アレ・ベオ
ノイン 「スーパーウルトラ大ちょんぼぉっ!!
立て直したはいいが、その目の前には影の伝説が突っ込んで来ていたぁっ!!」
六人 「「「「「「え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!」」」」」」
ジャンヌ 「な!」
ファバル 「ど!」
アレク 「わ!」
ベオウルフ「そ!」
ブリギッド「しちゃいなよ」
ジャムカ 「何がだ!? ……って」
六人 「「「「「「アアアアアアァァァァァァーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!」」」」」」
ドンガラガッシャーーーーーンッ!!!!
ノイン 「滑って転んでこんにちはっ、坊ちゃん一緒におネェさんと遊ばないっ!?
何とエロスな歌でしょうっ! しかし、転んでいる方はそれどころではありません!」
エルフ 「やってしまいましたわねえ……」
ノイン 「3台揃って奈落の底へ一直線っ! 絡まり転がる6人に昔日の姿なしっ!!
無様な負け犬達であります!! 負ける戦いはしないぜ、負けるな魔○道っ!!」
セーラ 「これシャレになってないわよ!」
ドロシー 「レース再開直後から大惨事ですね…」
ノイン 「がんがらがっしゃんがらがっしゃん!! どんでんがんがんどんでんがんっ!
頑張れロボ○ミーっ! 何か思いついたけどヤバいから自主規制っ!!」
エルフ 「どうにか転落は止まりましたが……というか、結構落ちましたけど、それよりケガが心配ですね……」
フィーア 「おーーーっほっほっほっほっ!! わたくしはいつでも出撃できますわよぉっ!!」
228
リング 「ブリギッドォっ、ファバルゥっ! 大丈夫かぁっ!! 父は…父は心配だぞぉっ!!」
ノイン 「観客席からユングヴィ家当主の悲痛な叫びが上がるっ!
実に心配そうっ、身の上に心配アールの3乗でありますっ!!」
リング 「2人にもしもの事があったら……私は……私は……」
アンドレイ「父上……」
リング 「2人を殺して私も死のうっ!!」
スコピオ 「意味がわかりませんっ!!」
ノイン 「もう言ってる事がわやくちゃです。大丈夫でしょうか、ユングヴィ家当主?
閑話休題キューダイン、死傷者は6名っ! 犯人は謎の姫君エーディン選手っ!!」
エーディン「ごめんなさいね☆」
ミデェール「お先に失礼します!」
ノイン 「しかし、これは悲惨な大事故だっ! あまりに悲惨だ! ひサンダーエーディンと
謎のユングヴィ城!! 犯人は転がっていった先行集団を後に山を登っていくっ!!」
ノイン 「めげない負けないくじけないっ!! さあ、死傷者6人衆がむくむくと起き上がって参りました!」
ブリギッド「あたた……ん?」
アレク 「…………」
ブリギッド「アレク、アンタあたしを庇ってくれたのかい? くぅーっ、1度ならず2度までも助けられるたぁねえ、
こりゃ本気で惚れちまいそうだよ」
ジャムカ 「ブリギッド、何を言っている。そいつは君を庇ったんじゃなくて、
たまたま君の下にいただけだ。勘違いしないでくれ」
ベオウルフ「いやまあ、そういう俺達もアレクの上にいるんだけどな」
ジャンヌ 「あ、あのー、もしかしたら私を庇った……とかいうオチはないでしょうか?」
ファバル 「流石にそれはないんじゃないのか…?」
アレク 「どうでもいいから、早く俺の上から降りてくれ……重くて潰れる」
エルフ 「アレク選手が全員の下敷きになっていますわね」
セーラ 「1人の犠牲で5人の命が救われたのね」
ドロシー 「彼死んでませんよ。とりあえずは」
ブリギッド「ほら、あんた達どいたどいたっ! いつまでもうちの相方潰してんじゃないよっ!」
ファバル 「ああ、そうだった」
ジャンヌ 「す、すみませんっ!」
ベオウルフ「悪ぃ悪ぃ」
ジャムカ 「さて、レース再開と行くか」
ノイン 「全車問題ないようです、先を争って車体を起こし、栗おこし、レースに復帰して行きます。
おこし、あられ、煎餅(せんべい)はアグストリアの銘店、イナズマあられっ!!」
ジャコバン「フッ、我が手作りの味、たっぷりと味わってくれ」
ノイン 「未だに手作りの味にこだわる我がユグドラル地区の誇りっ!!
竜王家御用達の超うまうまあられ屋、イナズマあられだっ! 栗おこし1袋70Gっ!!」
エルフ 「協賛ありがとうございますわ」
ノイン 「ビバ、イナズマあられっ!! ユグドラル地区の皆さんはイナズマあられを応援しておりますっ!!
さあ、観客席の応援を背に、停まっていた歯車が再び回り始めるぞっ!」
ブリギッド「ここまで飛ばしてきたし、皆に潰されたから一旦交代するかい?」
アレク 「是非そうしてくれると助かる」
エルフ 「緑三号はドライバーチェンジをしてきますね」
ノイン 「坂を昇り往く各車、泥ゾーン23に再び差し掛かろうとしているが……
いや、流石に迂回します。遠回りだが仕方なしっ!」
搭乗者交代 アレク→ブリギッド
229
ノイン 「さあ、謎のユングヴィ劇場の舞台から3台が転落し、
トップ争いは謎のユングヴィ城、フェニックスアローとの2台に絞られたぞっ!」
エルフ 「このまま行きますと折り返し地点付近でかち合いますわね」
ノイン 「2度目の登坂コース、ルートは違えどミデェール、デルムッド両選手、
かなりスムーズに道を登って行きます! 間もなく合流地点に到達だっ!」
~山岳コース登り~
|
└─→デル
ミデ
エーディン「来たわね…」
レスター 「やはり姉上が生き残りましたか…!」
ノイン 「エルフさんの言った通り、謎のユングヴィ城とフェニックスアローがここで対峙っ!
旧チャンピオンのフェニックスアローが、
現チャンピオンの謎のユングヴィ城の謎の天守閣に攻め込んだっ!!」
ミデェール「速い!」
デルムッド「そうさせたのはあなた達だ。それを誇りに思い、ナーガヒルの森に沈むがいい!」
エーディン「沈むのはあなた達よっ!」
ノイン 「大言壮語か有言実行か、残り5台ユウゲンジャー! うち3台が沈み、2台が臨戦態勢!
山道でのテールトゥノーズ! いかなる攻撃にも対応が出来る姿勢のデルムッド選手!」
エルフ 「殆どのチームがやられていますからね。ここは注意深く、しかし、大胆に行っています」
ノイン 「ダイターンスリリング・デルムッド選手! しっかりと目を凝らして、
エーディン選手の動向を窺いつつも、オーバーテイクの体勢だっ!! 飛び出したぁっ!!」
エーディン「第6の武器、クリスタルランページ!」
ピカーーーーーーーーッ!!
デルムッド「何ぃっ!?」
レスター 「ッ!?」
ノイン 「出ええええええええええええええええええええたああああああああああああああああああああッ!!
謎の必殺武器が一閃!! これはッ、これはぁッ、閃光弾だぁっ!!」
セーラ 「うおっ、まぶしっ!」
ノイン 「眩しいッ! カメラが完全に光に包まれました!!
目を凝らしていただけにこのダメージは甚大だぁっ! 思わず揺らめいた所へ……所へ……?」
エルフ 「カメラの回復までしばらくお待ち下さい」
エーディン「あーんど第7の武器、ヴォーパルスナイパー1番2番撃てぇーーーーーッ!!」
ミデェール「レスター様、お覚悟下さいっ!!」
デルムッド「何っ!?」
レスター 「来るぞッ!」
ノイン 「カメラ回復ッ!! 一方、メインカメラをやられたデルムッド選手、スローダウン!
そして、そこへ間髪いれず、エーディン&ミデェール両選手が水鉄砲を撃つ撃つ撃つ!!」
エルフ 「それにしては地味な攻撃ですね……」
ピューッ ピューッ……
デルムッド「フン、そんな攻撃!」
レスター 「待て、デルムッド、これは……」
ノイン 「そうです、あのエーディン選手が、そんな生ぬるい攻撃で満足するはずがないっ!
この水鉄砲は……ああっ!? タイヤが! チェーンが!」
デルムッド「何だとっ!?」
ノイン 「固まってるぅーーーーーーーーーっ! これはこれはこれはァッ、水鉄砲の中身は瞬間接着剤!
何と恐ろしい瞬間地獄、瞬間地獄少女! もはや、能登脳!」
セーラ 「殺りおった…」
ドロシー 「まさに殺人狙撃手…」
230
ノイン 「第6第7の必殺武器を惜しみなく使った聖戦のかぐや姫魔術師、エーディン選手!!
これで必殺武器は打ち止めっ! 1番台終了ぉ~!!」
エルフ 「一応、必殺武器は使い果たしましたが、それもフェイクである可能性もありますわよ」
ノイン 「あったらあったで、なかったらなかったで何ともかんとも悩ましい、謎の必殺武器!
カントも悩ましい絶対理性主義! 絶対理性チルドレン!!」
セーラ 「まだブラギマジックが残ってるからね」
ドロシー 「ピットで装備を補給した可能性もありますしね」
ノイン 「ユングヴィのチルドレンと言うには、いささか歳を取りすぎた感のあるエーディン&ミデェールペア、
必殺武器を失ったのと引き替えに、サーキットの帝王、レスター&デルムッドペアの駆る
フェニックスアローを再起不能にしたかっ!?」
デルムッド「ダメだレスター、完全にやられた」
レスター 「そうか……ふ、ふふふ……!」
デルムッド「レスター?」
ノイン 「カリスマ総長・デルムッド選手、今、フェニックスアローのサドルを外してレースを終えます!
悪夢のレース2周目、プリンツェーッサ、世界ひろし号、SDL551バゼラート、黒王号と共に
コースを去ります、レスター&デルムッドペアのフェニックスアロー!」
セーラ 「残るは4チームか……」
ドロシー 「もう全員消えそうな勢いですね……あれ、レスターさん?」
~山岳コース登り~
デル
レス──┐
└→ミデ
レスター 「……いけない人ですね、姉上は。そろそろお仕置きが必要でしょうか」(ヒュン!!)
ミデェール「(ガキィン!!)うわっ!?」
ノイン 「うおっと!! レスター選手、謎のユングヴィ城に向けて矢を発射っ!
矢が謎のユングヴィ城の後輪スポークに挟まって……あああああっ、こけたぁっ!!」
ズザザザザザッ!!
セーラ 「うわ、痛そ~」
ミデェール「痛たたた……エーディン様、大丈夫ですか?」
エーディン「ええ、何とか。レスターも往生際が悪……っ!?」
ノイン 「謎のユングヴィ城、転倒っ虫のサンバっ!! 豪快にすっ転びましたッ!!
おおっと、レスター選手、マシンから別の弓を取り出し……構えたぁっ!!
倒れたエーディン&ミデェールペアに更なる一撃を加えるつもりかあっ!?」
レスター 「ちょっと、おいたが過ぎたみたいですね……姉上」(ニコッ)
デルムッド(ヤバいっ! この笑顔はマジでキレたサインだ……!)
ミデェール「レスター様? 何か目が笑ってないんですけど!?」
エーディン「鬼……鬼が来るわ! ミデェール、逃げるわよっ!!」
レスター 「逃げても無駄です、大人しくして下さい」(シュッ!!)
ドッカァァァァァンッ!!!!
エーディン・ミデェール「「アアアアアァァァァァーーーーーッッ!!」」
ノイン 「爆発っ!? 地面に着弾した矢が爆発したぁっ!! 芸術も科学もリア充も爆発だぁーーーっ!!
ちなみに、わたくしの好きな爆発は田中佐藤鈴木爆発であります!」
セーラ 「田中佐藤はともかく、鈴木はダメ! 伏せ字を使いなさいっ!!」
ドロシー 「それはそうとレスターさん、何か人が変わってますよ!? もしかして、あれが彼の本性ですか!?」
エルフ 「その可能性は否定できません。それに、あの武器は…」
ノイン 「知っているのか、エルフ解説員!?」
エルフ 「あれは爆炎の弓と言って、炎の力を宿す魔法弓です。パルティアとはまた違いますよ。
手元の資料によりますと、矢は命中すると凄まじい爆発と炎によって目標を焼き尽くし、
更に目標を中心とした半径30mは焦土と化す……らしいのですが、
実際はヌルファイアー程度の威力しか無く、爆破半径も2~3m程しかない未完成品だそうです」
セーラ 「ヌルファイアー……? いや、あれどう見ても神器クラスの威力あるでしょ!?」
ドロシー 「…ですよね。他に考えられるのは使用者の魔力ですけど……まさかっ!?」
231
エルフ 「ラナ選手……もとい、ラナオウがシスターらしからぬ力を持っているように、
その兄であるレスター選手は弓兵にあるまじき魔力の持ち主なのです。
それこそ、進む道を間違えたんじゃないかというぐらいに」
ドロシー 「魔法系の父だと魔力がカンストしかねませんからね。
妹は力がズバ抜けているのに対して、こっちは魔力がズバ抜けていたんですね」
セーラ 「普通の奴かと思ってたけど、やっぱりこいつもユングヴィ家の人間だったか」
レスター 「私はラナと違って、普段は牙を隠しているからな」
デルムッド「余程の事が無い限り、その牙を剥く事はないんだが……エーディンさん達も気の毒に」
ノイン 「レスター選手、よくぞあのリア充共を爆発させてくれた!
褒美としてオ○ーナを買う権利を与えようと思っているのはわたくしだけでありましょうか?」
エルフ 「そんな喪女のノインさんより、レスター選手には後ほどオ○ーナの購入権利証書が与えられます」
レスター 「いらんわっ!!」
ノイン 「え? ちょっとエルフさん、何言ってるの? わたくし、喪女なんかじゃありませんよ?
皆からは『ノインって、もうちょっと可愛ければモテるよね』とか言われてるんですよ?」
エルフ 「それは全然ダメなのでは……?」
ノイン 「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! そんな悪い子達にお仕置きを与えるべく、
レスター選手がエーディン&ミデェールペアの前に立ちはだかりますっ!
わたくし、あの満面の笑顔にはむしろ、恐怖すら感じられるのですが……」
エルフ 「わたくしもですわ。何かこう、ドス黒いオーラが漂っているような……」
レスター 「さて……ミデェールさん、最後の祈りは済みましたか?
我々のマシンを接着剤で固めたりしなければ、その命を散らす事もなかったでしょうに……」
ミデェール「ひえええええっ! ごめんなさい、ごめんなさいっ!!
エーディン様に逆らうと、恐怖のアレが待っていますので仕方なく……!」
エーディン「ミデェール、余計な事は言わないで!」
レスター 「姉上……天国のご先祖様に夜露死苦」
エーディン「あ……こ、来ないでっ!! いやああぁーーーっ!! 助けてぇぇぇーーーっ!!」
デルムッド「……南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。迷わず成仏……」
ノイン・セーラ・ドロシー「「「*3ガクガクブルブル」」」
エルフ 「た、只今レスター選手がエーディン&ミデェールペアをお仕置き中ですので、しばらくお待ち下さい」
……
…………
………………
レスター 「……またつまらぬものを正してしまった」
エーディン・ミデェール「「コ…ノ……ヒト……デナ……シー……」」(バタッ!!)
ノイン 「……み、身も世もない悲鳴と、本職の魔道士ですら起こせない程の魔力の収束と爆発が
連続して起こった光景にわたくし、心の底から戦慄しております……」
セーラ 「怖かった……今までで一番怖かったわ……」
ドロシー 「お仕置きとは思えないような爆音が何度も響き渡りましたからね……
もしかして、ラナオウ以上に怒らせたらいけない人なのかも知れませんよ」
エルフ 「生かさず殺さず……慈悲アミーテ無限地獄に近いものを感じましたわ。
一応死んではいないようですが、これは言うまでもなくレース続行不可能ですわね」
ノイン 「こ、ここまでレースを荒らしてきた謎のユングヴィ城がここでまさかまさかのリタイアであります。
サーキットの女帝の夢は、謎のユングヴィ十字陵の崩壊と共に終わりを告げるっ!」
ファバル 「エーディン姉さん……無茶しやがって」
ブリギッド「はぁ、レスターを甘く見たのがあいつの敗因だねェ」
ジャムカ 「ユングヴィ家の人間って、一体何なんだ?」
アレク 「知らねえよ。とりあえず……残ったの俺達だけだよな」
ベオウルフ「みてえだな。奴ら、勝手に消えていったぜ」
ジャンヌ 「あはは……私みたいなのが残っちゃっていいんでしょうか…?」
リタイア フェニックスアロー レスター&デルムッド
謎のユングヴィ城 エーディン&ミデェール
続く