55-46

Last-modified: 2015-10-08 (木) 22:51:45

54-513に投下されたネタの続きになります。
キャラ崩壊、ヘンなノリ等あるので苦手な人は気を付けてください!

 
 

~4~
それは今から十数年前のおはなし。
カムイ「クロムにいさんクロムにいさん!」
嬉しそうにクロムの部屋へと駆け込むカムイ。
クロム「ん?カムイか?…そんなにはしゃいで一体どうした」
カムイ「カムイ、びゃくやのおうちでリョウマにいさんやヒノカねえさんからちょっぴりかたなをおそわったの!だから、カムイとてあわせしよっ!ほら、『ぼくとう』だってもってきたの!ね、いいでしょっ!」
クロム「カタナ…?……ああ、剣の事か。しかし、ついこないだまで姉さん達やシグルド兄さんに甘えてたお前が剣の稽古をつけて貰っていたとは…」
カムイ「めーーんっ!」
クロム「うおっ!?…お、おい!いきなり斬りかかってくるのは…!」
カムイ「ええーいっ!」
ドタン!バタン!
訓練用の木刀が何度も打ち合う。カムイがクロムから少し距離を置いた時だった。
「カムイちゃん?またお家の中で武器を振り回して遊んでるんじゃないでしょうね?」
隣の部屋から声がする。これはエリンシアの声だ。
クロム「姉さんっ!?」
この時から姉に対する意識が強かったクロムは一瞬気を取られ、身体ごと扉の方へと傾く。
その結果、クロムの頭上をねらっていたカムイの渾身の一撃は、押し入れの戸にそのまま炸裂し…
ガラガラガラ…
勢いで戸は外れ、詰め込まれていた押し入れの中身が音を立て散乱した。
クロム「うおおおぉっ!?」
エリンシア「……カムイちゃん!?」
同時に部屋の扉が開き、エリンシアがやってきた。
カムイ「え、えへへへへ…」
笑って誤魔化そうとするカムイだが、姉の目は当然笑ってはいない。
エリンシア「お兄様が帰ってきたら、その足で暗夜家にごあいさつしにいくのでしょう?支度ができたからといって暴れまわるのは許しませんよ?」
カムイ「ごめんなさい…」
エリンシア「それと、クロムちゃん」
クロム「…な、なんだ姉さんっ!」
エリンシア「押入れ、壊れちゃったわね。後でグレイルさんの工務店にでも連絡しておきましょうか?」
クロム「い、いや…姉さんの手をわ、わ、煩わせなくとも俺は平気だ!」
余程見られたくない物なのか必死に隠そうと慌てふためくクロムに察しがついたのかエリンシアはそそくさと部屋を後にした。

 

シグルド「…ただいま」
暫くして、シグルドが帰宅してきた。
シグルド「カムイ、今日はエリンシアに怒られずに大人しくしていたか?」
カムイ「……」
案の定、口を固く閉ざしている。
案の定また怒られたのだろうと察しがついたシグルドは軽く笑い、「靴を履き替えて待っていなさい」と促した。

 

~5~
シグルド「……ここから暗夜家へは…シュバリエ地区を抜けて、うーむ」
暗夜家に向かう道中、馬に乗りながら地図を開くシグルド。

 

いつの間にやら見慣れぬ地形も増え、去年買ったばかりの広域な地図はまるで役に立ちそうもない。
紋章町の大陸移動は毎度毎度唐突で厄介なものだ…。

 

そんな若干メタ的な事を考えながら馬を進めていると、じきに西洋風の造りの屋敷が見えてきた。
出入り口には見た事もない家紋……
実際に見るのは初めてだが、暗夜家だと見積もって間違いなさそうだ。
シグルド「すみませーん!兄弟家のシグルドという者ですが、どなたかいらっしゃいませんか!?」

 

……

 

返事は、ない。
外壁が真っ黒な闇色の屋敷であるせいもあって、不気味さすら感じた。
「……もし、暗夜家に御用ですかな?」
シグルド「えっ…」
シグルドが振り向いた先にいたのは、初老の男とその男に手を引かれる幼い男の子1人と女の子2人だった。
シグルド「あなたは?」
ギュンター「これは申し遅れましたな。私めは暗夜学園にて教師を勤めさせていただいております、ギュンターと申します。暗夜学園の学園長であり、この暗夜家当主に在らせられるガロン様の配下にございます。
もしや、本日お越しになられるカムイ様とその御家族と仰るのは…」
シグルド「はい、兄弟家から連絡していた者ですが…」
ギュンター「おお、そうでしたか!遠方より御出でになられたところ大変恐縮なのですが、ガロン様に急用が出来こちらにお戻りになるのが難しくなったと仰せつかってきたのです」
「…ギュンター」
その時、清流を思わせる澄んだ水色の髪の女性が屋敷の中から姿を見せた。その姿を見るなり、ギュンターと名乗る男は深々と頭を下げる。
その出で立ちから、高貴な身分にある事が伺える。
当主だというガロンの妻だろうか。

 

「我が夫、ガロンから話は聞いています。兄弟家のカムイちゃんと、その御家族の方ですね?私はシェンメイ。ガロンの妻ですわ」
シグルド「はい」
シェンメイ「……主人が留守ですので、私がお話に応じましょう。ここではなんですので中へどうぞ。…ギュンター、ご案内して差し上げなさい」
ギュンター「はっ!」

 
 

カムイ「むー、おへやでじっとしてるなんてつまんないなぁ」
シグルドがギュンターによって充てがわれた部屋で話し合いに応じている途中、カムイは子供部屋で待つ事になった。
「おまたせしましたカムイさま。こうちゃをどうぞ」
「よぅし、ジョーカーさん!おちゃだしはわたしにまかせてくださいっ!」
ジョーカー「おい、フェリシア!?よけいなことを…!」
フェリシア「はわわ~!」
紅茶を乗せたお盆が勢いよくひっくり返る。
ジョーカー「カムイさまっ!フェリシア、おめえおきゃくさんになんつーことをしでかしやがるんだよっ!」
フェリシア「すみませんカムイさま!だいじょうぶですかぁっ!?」
カムイ「うん、カムイならだいじょうぶだよ!それより、ほら」
ポシェットから取り出したハンカチで零した紅茶で濡れたフェリシアとジョーカーの手を拭き取ると、さらに熱さまシートを手の甲に貼り付ける。
ジョーカー「カムイ…さま?」
フェリシア「はわわ~!そんな、おおげさですよカムイさま!」
カムイ「あついものをこぼしたときはすぐにつめたいものでひやしなさいって、カムイ、いつもミカヤねえさんにいわれてたの。…これでだいじょうぶだね」
ジョーカー「!…カムイさま、もしやこのねつさまシートはカムイさまのあねうえが…」
カムイ「うん、そうだよ。エリンシアねえさんが、もしものときのためにいつももたせてくれるの~。でも、ヤケドはしてないみたいだね。よかった」
ジョーカー「カムイさま…わたくしめなどに、なんとおやさしいおきづかいを…」
フェリシア「はうう~、カムイさまからのおんにむくいるためにも、つぎのこうちゃはぜひわたしにいれさせてくださいませっ!」
ジョーカー「アホ!これいじょうカムイさまのまえではじになるようなマネができるかっ!おまえはジジイがくるまえにここをふいてろ!」
フェリシア「ええっ!?で、でも~!」
カムイ「ねえねえ、もしよかったらカムイも…」
ジョーカー「とんでもございません。カムイさまはどうかこちらでおくつろぎくださいませ」

 

「……ジョーカー、フェリシア。なんだかさわがしいけど、なにかあったの?」

 

騒ぎを聞きつけてやってきたのは、暗夜当主ガロンの妻だというシェンメイに生き写しの少女だった。
ジョーカー「これはアクアさま。ふあんにさせるようなさわぎをおこし、もうしわけありませんでした」
先ほどまで満面の笑みでカムイに語りかけていたはずのジョーカーが、淡々と目を伏せたまま少女に告げる。
シェンメイという女性に容姿、風貌とも生き写しな事に子供ながらシェンメイの娘であろうと察しがついたカムイは、使い慣れない敬語で軽く挨拶する。
カムイ「え、えっと…カムイ、です。このおうち…うーんと、こちらにはしばらくおせわになります。どーぞよろしくおねがいしま…」
姉であるエリンシアやエイリークの口調を思い出しながら喋った為に不自然な会話になってしまったが、そんなカムイにも少女は無表情なままだ。
アクア「…そう。あなたがガロン…おとうさまがいってたカムイなのね…。わたしは、アクアよ。みじかいあいだだろうけど、よろしくね」
カムイ「アクア…さん」
アクア「…けいごはにがて、でしょう?」
カムイ「え…?」
アクア「さっきのはなしかた、とてもむりをしてるようにおもえたから。しぜんなかんじではなしてくれればいい。…そのほうがわたしとしてもうれしいし、あなたじしん、ラクでしょ?」
カムイ「たしかに…そうかも」

 

「ねえさん…」

 

そこへ駆けてきたのは、幼い少年である。彼もまたアクアと同じ髪色をしている。
カムイ「このこは?」
アクア「シグレ。わたしのおとうとなの…」
シグレ「…ねえさん。このこ、だれですか」
アクア「カムイよ。きょうだいけからいらしたおきゃくさまだわ」
シグレ「……おきゃくさま…。とうさんのあたらしいこどもってことはないですよね?」
アクア「しつれいなことをいってはダメよ。このこはきょうだいけからようしとしてわがやにきてくれるのだと…おかあさまからはそうきいていたでしょう?
うたがうようないいかたをしてはダメ」
シグレ「……」
カムイ「どうしたの?」
アクア「…いいえ。なんでもないの、きにしないで。このこはわたしににて、ときどきむずかしいことをかんがえてるのか、なにをかんがえてるかわからないようなおとうとだから…」
フェリシア「アクアさま、シグレさま、そしてカムイさま。こうちゃをいれてまいりますのでしばらくこちらでおまちくださいね」
アクア「いいえ、そのひつようはないわ。しばらくしたら、わたしとシグレはすぐへやにもどるから。カムイのぶんだけよういしてあげてちょうだい」
カムイ「え?どうして?カムイ、もっとアクアさんやシグレさんとおはなししたい…」
アクア「もうすぐマークスたちがかえってくるからよ。さあ、シグレ。わたしたちはもどるわよ」
カムイ「ちょ、ちょっとアクアさん!?…いっちゃった…」
アクアとシグレが部屋を後にしてからすぐ、ギュンターがノックと共に入室する。
ギュンター「失礼致します。カムイ様にはお待たせさせると共に退屈な想いをさせてしまい申し訳ありませぬな。
暗夜当主ガロン様の御長男に在らせられるマークス様、御長女に在らせられるカミラ様お二方がお戻りになられ、是非カムイ様とお会いしたいとの事です。さぁ、どうぞこちらへ」
ジョーカー「…では、カムイさま。われわれはこちらにてひかえております」
フェリシア「いってらっしゃいませ~!」
カムイ「(マークスさま?カミラさま?…ちょうなん、ちょうじょって…うちでいうとシグルドにいさんとミカヤねえさんみたいなひとだってことだよね…?
アクアさんやシグレさんのにいさんねえさんってことなのかな?
でも、だったらどうしてアクアさんたちはにげるようにへやからでていっちゃったんだろ…?)」

 

幼い心に疑問を抱きつつも、カムイはギュンターに連れられて大広間へと通された。

 
 

続く……?