釣具/糸

Last-modified: 2021-11-22 (月) 12:35:44

釣りで使う糸。
実際に魚の重さをダイレクトに支える、どんな釣りにもなくてはならない最重要釣り具の一つ。

役割による分類

道糸

リールに直接巻き取られ、仕掛けとリールとを繋ぐ糸。仕掛け全体の中では最も長くなる。
現代で用いられている材質は主に4種類であり、用途によって選択される。

力糸

道糸の先端に結合する、道糸よりも強度の高い糸。
主に投げ釣りで使われ、重さのある仕掛けを投げた瞬間の強い衝撃を吸収させ、重みで道糸やハリスが切れないようにする役割がある。
「テーパー糸」と呼ばれる、道糸側が細く、仕掛け側へに行くにつれて太くなっているものが市販されているが、道糸より十分に太いラインを直結するだけで代用可能な場合もある。
一般に10~15mほどの長さで、材質は主にナイロンまたはPEである。

ショックリーダー

道糸の先端に結合する、道糸よりも強度の高い糸。
こちらは、力糸とは違い魚の引きによる糸切れを防止する役割が主で、主にルアー釣りで用いられる。
一般に0.5~1m程度で、材質は主にフロロカーボン、まれにナイロンが用いられる。
なお道糸がフロロカーボンやナイロンの場合、ある程度の太さがあれば道糸への直結で事が足りショックリーダーを必要としない場合もあるが、
エステルラインやPEラインを用いる際はほぼ必須である。

ハリス

針に結んでつなぎとめておく糸。
最も伸びの良いフロロカーボンが用いられることが多い。
サビキや胴突きなど、仕掛けの本幹となる糸にさらに針の付いた糸が複数結合されている仕掛けの場合、
道糸側につなぐ本幹を「幹糸」、そこから枝分かれし針に直接繋がっている糸を「エダス」などと呼び分けることもある。

材質の種類

現在用いられているのは主にナイロン、フロロカーボン、PE、エステルの4種類である。

ナイロンライン

ナイロンという合成繊維でできた糸。
開発されてから90年近く経つ歴史のある合成繊維で、最も安価であり、また適度に伸びを有し扱いやすい。
一方、吸水性を持つという特徴があり劣化しやすく、最適な性能を維持するのに求められるまき直しサイクルは非常に早い。

フロロカーボンライン

ポリフッ化ビニリデン製の糸。
「フルオロカーボン」というと炭素とフッ素の結合を持つ化合物全体を指す言葉でいわゆるフロンガスなども含まれるが、
ポリフッ化ビニリデンは化学的に安定な樹脂であり、フロンガスなどとは全く異なる物質である。

ナイロンに比べて比重が非常に重く、擦り傷に強く、また吸水性がなく劣化しづらい。
伸縮性や直線強度はナイロンより低いがPEよりはあるため、アタリをとりつつ魚の重さにも耐えやすい面がある。

PEライン

ポリエチレン製のライン。
ポリエチレンはスーパーのレジ袋などと同じ材質。
ラインの性質もスーパーの袋に似ていて、水より比重が軽く引っ張りに非常に強いが、切り傷には非常に弱く、少しでも切り傷がつくとそこからあっという間に裂けていく。
強度を増すため、細い繊維(原糸)の編み込みによって作られている。
コストパフォーマンスに優れた4つ編みと、コストがやや高いが同じ太さでより強度に優れる8つ編みの2種が主に用いられている。
12本編みのものも市販されてはいるがコストが高く、実用範囲ではふつう8つ編みでも十分であり、製品バリエーションが少なくあまり用いられていない。

ナイロンラインに比べ、同じ引っ張り強度でも糸を大幅に細くできる点が最大の特徴。
なおかつ比重はフロロカーボンなどに比べて非常に軽く、道糸全体を大幅に軽量化できる。
以上の性質から仕掛けの遠投に最適であり、同じ強度のナイロンラインに比べ飛距離を大幅に(場合によっては数十メートル程度)伸ばすことができる。
このラインの登場により、投げ釣りが飛躍的な進歩を遂げたとされる。

エステルライン

ポリエステルの一種でできたライン。
釣りで「エステルライン」といった場合、ふつうポリエチレンテレフタレート(PET)製の糸を指す。
(「PE」と「PET」は、名前は似ているが性質が全く異なる別の物質である。)
PETはペットボトルのPET。つまりペットボトルを糸状にしたものと考えるとわかりやすい。
性質もペットボトルと似ていて、頑丈で引っ張っても伸び縮みせず衝撃をダイレクトに伝えるという点はPEラインに似ている。
しかし水より比重が高く潮流の影響を受けにくい点がPEとは決定的に異なり、またPEに比べて巻き癖がつきやすい、瞬間的な引っ張りに弱いなどの大きな欠点も有する。

水中で潮流の影響を受けにくく適度なテンションを保てることから、軽い仕掛けで繊細なアタリを取りに行くライトソルトゲームに特化しており、特にジグヘッド単体でのアジングで現在主流になっているラインである。
ただし遠投には向かず糸自体の扱いも簡単な方ではないことから他の用途にはあまり向いておらず、汎用性は低い。

※細かいことを言うと、化学の世界では「ポリエステル」はエステル結合という構造の繰り返しでできた化合物全体の総称で、PEもこれに含まれる。
つまり化学的には「PEラインもポリエステル製ラインの一種である」ということになる。
しかし釣りの「エステルライン」は慣習的にPET製ラインを指す語として用いられ、PEラインのことを「エステルライン」と呼ぶことはまずない。