【でぃーう゛ぁ すとーりー1 う゛ぁりとらのほのお】
ジャンル | SLG/ACT |
対応機種 | PC-8801mkIISR以降 |
発売・開発元 | T&Eソフト |
発売日 | 1986年11月 |
定価 | 7,800円 |
配信 | プロジェクトEGG:2020年1月28日/617円(税5%込) |
判定 | ゲームバランスが不安定 |
概要
- ディーヴァシリーズ1作目。
- 他のシリーズ同様。SLGとACTを組み合わせた構成となっている。
ストーリー
辺境星系スートリの司政官ルシャナ・パティー。彼は、帝国宇宙軍総司令官シヴァ・ルドラの巨大人工有機体「ヴリトラ」の攻撃により婚約者を失ってしまう。復讐を誓うルシャナ。わずかに残った残存艦隊をまとめ、帝国軍を駆逐しつつ「ヴリトラ」の行方を捜すのだった。
システム
- 戦略フェイズ、艦隊戦フェイズ、惑星戦フェイズの3つのフェイズから構成されている。
- 戦略フェイズ
- 各惑星の開発、造船や艦隊の移動、戦闘指示ができる。
- 艦隊戦フェイズ
- 15×10のエリアが表示され、左側が自軍、右側が敵軍エリアとなっている。自軍エリアに艦船を配置後、戦闘は自動で行われる。各艦の攻撃が終わるとターン終了。再び艦船の配置が可能となる。どちらかの全滅、撤退、もしくはターン上限に届くと戦闘終了。
- 惑星戦フェイズ
- ロボット「ドライビング・アーマー」に乗り込み戦闘を行う。ゲーム自体はサイドビューのロボットSTG。左右へ自由に移動が可能。艦隊の規模と兵装レベルにより、耐久力、オプション装備、支援の回数が決まる。
- 各惑星の重力が違い、ジャンプの高さに影響する。
- 戦略フェイズ
- 星系外へ艦隊を送ると、パスワードが表示される。それにより、他のシリーズへ艦隊を参加させられる。
問題点
- 難易度が高い。
- 序盤がかなり厳しい。収入も乏しくなかなか国力を増強できない。また敵の占領にランダム要素が強く、比較的防御レベルの高い惑星が、そう規模の大きくない艦隊に占領される場合がある。序盤に占領されると、リプレイせざるを得ないほど。
- そもそも本作では、各艦隊は敵の勢力範囲だろうが自由に航行できるシステム。敵が奥地の重要惑星を直接攻撃しにくるなどが発生する。
- このため、戦略的重要拠点という概念が通用しない。戦略ゲームとしては、ゲーム性に難がある。
- 惑星戦でのロボットSTGの出来が今一つ。
- ジャンプ中に制御できない。判定が大きめ。敵は左右から現れるのだが、振り向きが遅い。これらが戦闘を厳しくしている。
- アクションゲームに不向きな機種なため、操作自体に難がある。
- 補給用のエネルギーがあるのだが、出現してから20秒で消えてしまう。エネルギーが出現するタイミングと場所は戦闘開始前に設定するため、そのタイミングで受け取らないと無駄どころか窮地に陥る。かなり計画的な戦闘が必要。
- この惑星戦の出来の悪さも、難易度を上げている大きな要因。惑星戦は艦隊レベルを最大値まで育てない限り、手を出さない方がよい。
評価点
- 艦隊戦はシンプルながらも、中々面白味がある。
- 艦種は戦艦、巡洋艦、OM艦、ミサイル艦の四種類。左ほど強い。これらの並べ方が、勝敗を分ける。
- 惑星の開発もシンプルだが遣り甲斐はある。
- 税収の増加や、防御力も最大レベル近くになると偶発的な占領という事は滅多に起こらないので、手塩にかけた分だけの見返りはある。
- マニュアルは充実。
- ストーリーが、ちょっとした読み物になっているほどのボリューム。ただゲーム上では、その深い物語が表現される場面に乏しいが。
賛否両論点
- 難易度は高いが、攻略できない訳でもない。
- 実は惑星開発にわずかでも費用をかけると、税率90%でも反乱が起きない。これを利用し、国力を増強できる。
- ただ、システムの穴を突くような方法を利用しなければならない点は、あまり褒められたものではないだろう。
- 実は惑星開発にわずかでも費用をかけると、税率90%でも反乱が起きない。これを利用し、国力を増強できる。
総評
深い設定に、多くの機種に渡るシリーズの融合、さらにシステムもSLGとACTを組み合わせたものと、非常に意欲的な試みの本シリーズ。
だが本作は、純粋にゲームとして見ると出来がいいとは言い難い。特にACT部分は難があり過ぎる。SLG部分も雑な面が見え、しかも攻略方法が逆にその雑な点を突くというのも皮肉にも思える。
目指す志に、クオリティが追い付いていない感があるゲームだ。もっとも、遊べないという程悪くもないが。