中野一花

Last-modified: 2024-04-22 (月) 23:43:49

待ってて

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中野一花は五つ子姉妹の中で一番“掃除”という言葉と縁の遠い女だ。すっかり見慣れてしまった妹達でさえ呆れるほどに、室内は散らかった服や下着などで滅茶苦茶。ゴミ部屋と呼ばれてもおかしくないレベルだ。しかも一花は全裸じゃないと眠れないという、思春期男子を興奮させる性質の持ち主。
今晩も色々あった(主に寝る前のトラブルで)一花は部屋の中で唯一、聖域と化している布団の上に寝転がり、そのまますぐに眠りについてしまった。
しかし、今回ばかりは一花も素直に眠れなさそうだ。常について纏う寝苦しい暑さ。季節も夏だからか、夜になっても気温はそこまで下がらない。だが、彼女を苦しめているのが“気温”による熱ではないと本人がよーく理解している。

「う、うぅん・・」
「あん・・んぅ・・」
「やぁ、くぅ・・・」
「はぁ・・はぁ・・」

聞こえてくるのは呻き声。それも色気満載の声色で・・。我慢できず、一花はパチリと両目を開ける。同じタイミングで頑張って布団を共有していた残り九人の一花も目を開けていた。

「「「「「「「「「「やっぱり眠れないね」」」」」」」」」」

元を辿れば自分を含めて姉妹全員が増殖してしまった原因は一花にある。それに同じ自分という存在を追い出して布団を独占する勇気も彼女にはなかった。
だから十人でなんとか収まろうと努力した。成功はしたが、少しでも身体がぶつかれば押し出されるぐらいギリギリ。しかも肌と肌がずっと密着し、豊満な胸は他の自分の背中に押し当てられ、そのまま形を崩してしまっている。おかげで快感が嫌でもきて、睡眠に集中できない。背中に当てているだけで、こうも強く意識させられるのだ。向かい合ったまま乳合わせをしてしまっている一花達は、一体どれほどの快楽を得ているのだろうか?
そんなこともあり、また十人が一ヶ所に集まっていれば体温が上昇するのは当然。せっかく風呂に入ったというのに、一花の白い柔肌からは大量の汗粒が噴き出してきていた。
身体を起こした十人は、向かい合いながら口を開く。

「でも、なんだか不思議な感じ」
「うん。五つ子で、自分と同じな妹が四人もいるっていうのに,それ以上に瓜二つな存在が現れたら、さすがにビックリするよね」
「それに十人もいるんだから,これじゃあ私達,五つ子姉妹じゃなくて十つ子姉妹になっちゃうね♪」
「増えたみんなを合わせれば五十人姉妹だよ?」
「一卵性の五十人姉妹・・・絶対に世界で私達が初だよね」

自然と始まる自分同士の会話。遠慮がいらないため、話しはスムーズに進んでいく。

「ホントに増殖しちゃうんだから、案外ネットの情報ってバカにできないね」
「自分が増えるなんて、それこそ映画やドラマでしか実際に見られないと思ってたよ」
「でも、仮に私がそんな映画への出演が決まったら,一発合格間違いなしだね。だって実際に経験してるんだから♪」
「「「「ホント、ホント!」」」」

同じ笑い声が重なって室内に響き渡る。
ところが一花の自分自身を見る目は、どこか野獣のようになっていた。本人にも理解できておらず、心臓の鼓動がさっきから全然治まらない。
熱は顔にまで届き、頬が赤く紅潮していく。

(な、なに考えてるの私!?)

慌てて十人は顔を逸らす。どうしてか自分を見ていると、身体が疼いて仕方ないのだ。同じ顔をしている妹達と比べられても、他人から“可愛い”と褒められる顔、運動はあまりしていないが曲線美が美しい女体、妹達と同じサイズの大きな胸、雪のように真っ白な肌など“中野一花”という少女を見るだけで冷静さが失われていくのだ。
上昇する体温の所為で口元が渇いてくる。

(もしかして私って・・。いやいや!いくら何でも自分相手に・・で、でも胸の苦しみがどんどん強くなってくる!自分を制御できない!!!)

突如、一花が感じる自分相手への性欲。間違っている、おかしいと分かっているはずなのに、身体は意思に従ってくれない。次第に一花達は理性が低下していってしまった。
チラリと潤んだ双眸で九人を見つめ、言い訳するように言葉を発する。

「「「「「「「「「「こ、これはただの好奇心なだけ!もしかしたら明日には一人に戻っちゃうかもしれないから、今のうちに普段できないような体験をするだけ!決して私にそんな趣味があるわけじゃない!!!」」」」」」」」」

ただでさえ彼女は長女という立場上、しっかりしないという自己信念がある。なのに、それが露出狂だけでなく自分とエッチしてしまうほどのナルシストなんてバレたら、どれだけ冷めた目で見られるか分かったものではない。最悪、妹達と暮らすことさえ難しくなるかも・・。
そんな危険を承知で、一花は突然に芽生えた性欲に従う。

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「「んちゅっ、くちゅ・・」」
「「んはぁ・・んちゅっ・・」」
「「ああっ・・ちゅぱっ、・・」」
「「れろぉ・・」」
「「ふぁ、あん・・」」

暗闇の中、淫乱な空気に満たされる。それぞれ二人一組になった一花同士のペアが五組、自分とのキスに熱中していた。言うまでもなくファーストキス、それもきっと恋をした素敵な男性とすると思っていた初めては、斜め上を突っ切って自分自身という結果で終わった。
キスは勿論のこと、性行為だって未経験の一花。それはきっと彼女だけでなく五つ子全員が同じはず。だから緊張したのは当たり前として、どうやって気持ちよくなればいいかさえ、彼女達はド素人なのだ。
しかし、案外勢いでやってみると上手くいくもの。最初のうちは緊張もあって触れる程度の軽いレベルだった。それも自身の唇の感触を知った段階で必要がなくなる。もはや性欲のまま、好きなようにキスを続けていくうちに、一花達はディープな領域へと到達してしまっていた。
相手の頬に両手を添え、舌を相手の口内へと送り込む。ビクビクと痙攣が止まらず、また相手の吐息が鼻に当たって口臭が漂ってくる。舌を動かす時に発せられる声は卑猥であり、喜びの色も濃く感じ取れる。
動いた舌が唾液を纏って動く。動けば動くほど、絡めば絡むほどに唾液は垂れ落ちていく。淫らな水音が鳴りやまず、一花達の動きはどんどんスピードアップ。激しい動きに舌が痛くなることも関係なしに、彼女達はひたすら気持ちよくなる目的に一心不乱だ。
しばらくディープキスを続けていると、急に一花達がキスをやめる。顔を放した彼女達は、虚ろな表情で他の自分と目を合わせ、ポツリと呟く。

「「「「二人でやるより・・」」」」
「「「「「「みんなでやった方が、気持ちいいよね・・」」」」」」

訊ねた言葉は異口同音したことで、独り言の疑問に変わってしまう。彼女達はペアを解除すると、十人共円陣を組むように集まる。腕が密着し、胸が重なるほどに近距離まで接近した状態で、左右の一花の腰に腕を回す。すると反対側から伸びてきた別の一花の手と指が触れ、絶対に外れないように強く握り合う。

「「「「「んんっ❤」」」」」
「「「「「胸がぁ、押しつぶされてぇ、気持ちよくなってくるよぉ❤❤」」」」」
「「「「「やぁん❤動かないでぇ~❤乳首が擦れて、身体がビクビクしちゃうの~❤❤」」」」」

彼女の胸はただでさえ大きいのだ。そんなレベルの双丘が十人分、一ヶ所に密集すればどんな事態が起きるかなど想像できるだろう。円の中に生まれたのは、例えるなら肉のゴムボールだ。ニ十個の乳房がくっついた姿は一つの塊に等しく、プルプルと震えているのが弾力の強さを教えているみたいだ。
だが、おかげで一花達は快感地獄に飲み込まれてしまった。固定されているから離れることはできない。ちょっと身をズラしただけで、胸が小さく揺れる。それにより弾力のある彼女の胸は電動マッサージのような振動を起こすのだ。また乳首が擦れるため鋭い刺激もおまけ付き。
これだけなら別に気にする程ではない。問題なのは現状、一花達が密集していることだ。一人が胸を揺らせば、その振動は瞬く間に九人全員にまで連動してしまう。すると感じた九人も身体を動かし、振動を他の自分へと送る。十人が一斉に動くことで、一人の一花が感じる快感レベルはざっと十倍。耐えるには不可能なレベルだ。しかも喘いでしまうことでまた身体を動かしてしまい、永遠に終わりがなくなってしまった。

「「「「「もうだめぇぇぇぇええええええ❤❤」」」」」
「「「「「気持ちいいいのおおおおおおーー❤❤気持ち良すぎて、頭がおかしくなってくりゅううううう❤❤」」」」」

もう一花達にまともな考えをする思考能力は期待できそうにない。快楽を求めるだけでの変態娘に成り果ててしまったのだから。
もっと気持ち良くなりたい、という一心で彼女達は前屈みの態勢になり、密集している胸と同じように顔をぶつける。額同士が当たろうと、鼻が潰れようとお構いなし。とにかくできるだけ近づこうと無理やり距離を縮めた十人は、限界地点から頑張って舌を伸ばす。

「「「「「「「「ちゅぱっ、れろっ・・んっ、あん、・・ぺちゃ、くちゅっ・・んぁ~❤」」」」」」」」」」

伸びた十枚の舌が胸の上で激しく求め合う。十人がそれぞれ自由に動き、舌先に当たった感触を頼りに、どの自分かも分からず螺旋状に絡みつく。時には先ほどみたいに二人ずつで、時には一人を相手に九人で話し合ってもいないのに協力したり、時には十人で一つになろうと重ねたり・・。
喘ぐ声も十倍。色めく声、水音が興奮を促し、淫乱な空気が体温を上げていく。ディープキスと胸合わせ、二種類の快楽の影響は下半身の股間へと集中する。痙攣の全てが秘部に注がれ、震えの止まらない膣から愛液が溢れて出くる。ちょっと出ただけで、異臭は彼女達の鼻腔を刺激した。

「「「「んぁ・・やばっ、もう・・❤」」」」
「「「うん。もう、限界が近い、ね・・❤」」」
「「「だからみんなで・・❤」」」
『みんなで仲良く初めてを果たそう!!同じ中野一花同士、仲間外れなしで!!』

必死に強めていた秘部への力を徐々に抜いていく。緩んだことで、塞がれていた通路が開通し、溜まっていた愛液が一気に流れ始める。
愛液が体内をものすごい速度で移動しているのを感じ取りながら、彼女達は涙目で天井を見上げ、

『あ、ああああああああああああああああああああああ❤❤❤❤』

恍惚な嬌声を解き放った。矢先に放出した愛液が下半身を濡らしていく。十人が一気に放ち、自分も他の自分も見境なくびしょ濡れ。これではどの一花が、どの一花にかけたのかすら判別するのは難しい。
出し終えた瞬間、極度な脱力が一花達を襲う。小鹿のように震えていた両足での踏ん張りが限界を迎え、愛液で汚れてしまっている布団の上に座り込む。

「「「「「「「「「「んちゅ、ちゅぱ・・あむっ・・わたしぃ・・❤❤」」」」」」」」」」

惚けたまま一花達はキスを続ける。より一層増した、自分自身への愛情を再確認するために・・・。

「ふふ。今晩だけで、私達色々と経験し過ぎだね♪」
「初めてのセックス、初めての絶頂・・どれも女優としてはスキャンダルコース間違いなしだよ」
「でも、相手が自分自身なら、セーフでしょ♪」
「まさか性行為がこんなに気持ちよかったなんて、なんでもっと早く経験しなかったんだろ?」
「お母さんも、保健体育の実技については教えてくれなかったよね?」
「まあ、いいじゃん!もう経験したんだし、気持ちいいって答えも得たんだから♪」
「これなら私達、もしも女優の仕事失敗してもAV女優の方でやっていけるかもね」
「その時は自分同士のセックスを大勢に見せる形で?」
「なにそれ、とっても興奮してくるね❤」
「変態❤」

姿を確認していなければ、彼女達の会話は性行為後の感想に聞こえてくるだろう。ところが彼女達は今、横向きに寝転がったまま他の自分の秘部に顔を近づけていた。
秘部はさっき出したばかりなので、愛液で濡れており匂いも凄い。ちょっと嗅いだだけで、すぐに愛液が漏れてきそう。

「「「「「「「「「「んじゅっ❤じゅぱぁ❤・・くちゅっ❤ぺろぉっ❤・・しゅけべぇ~❤・・ぺろっ❤れろぉ❤・・」」」」」」」」」」

口で吸いつき、舌で舐め続ける。濃厚な味が舌を通して喉へと送られ、舐めれば舐めるほどに、味の美味しさも増していっているみたいだ。相手を犯せば、同じタイミングで自分も犯される。
円で繋がっている十人は犯し犯されるシチュエーションを満喫しながら、新しい経験を会得していくのであった。

『ああん❤私ぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい❤❤❤』

十分後、一花達が二度目の絶頂を迎えたのであった。
この時彼女は知らなかった。まさか自分が自分自身とセックスを楽しんでいる時、他の姉妹達も同じことをしていることに・・。

にの編へ続きます