GBアレサシリーズ

Last-modified: 2023-12-16 (土) 19:46:35
ジャンルRPG

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対応機種ゲームボーイ
メディア1MbitROMカートリッジ
発売元やのまん
開発元日本アートメディア
発売日1990年11月16日
定価3,800円
書換ニンテンドウパワー
2000年3月1日/800円/F×1・B×1
判定なし
ポイント『アレサ』シリーズ第1作目
アレサシリーズ
GB版(I / II? / III?) / SFC版(I / II) / リジョイス

概要

魔王ハワードにより滅ぼされたアレサ王国の王女マテリアが、ハワードを倒すため旅に出るというのが物語の大筋。

キャラ紹介

  • マテリア
    • 主人公。ハロハロの町で育ての親・フロイドと一緒に生活していたが、自分が魔王ハワードに滅ぼされたアレサ王国の王女である事をフロイドから聞き、アレサ王国を復興して生き別れの双子の妹・エミリータを助け出すため旅に出る。
    • 攻撃力は低めだが防御力は高い。また特定の武器を装備すると魔法も使えるようになる。敵にやられるとゲームオーバー。
    • 今作では幼い外見に反してビキニアーマーを着用しており、更に後ろはTバックというサービス精神旺盛。*1
  • シビル
    • サリダの村に住む戦士。マブーテの地下牢に閉じ込められていたがマテリアに助けられ、サリダの村で仲間に加わる。
    • 攻撃力・防御力ともに高い。戦闘の主軸。
  • ドール
    • サンゴの洞窟で師匠・ウルウルと共に修業を積んでいた魔法使いの少年。マテリア達が来訪した事で仲間に加わる。
    • 彼の正体は物語の後半で明かされるとともに、後のシリーズに皆勤賞を果たす伏線となっている。
    • 攻撃力・防御力ともに低いがフォース(呪文)を使いこなす。
  • エミリータ
    • マテリアの双子の妹。ハワードに囚われている。
  • 魔王ハワード
    • アレサ王・リパートンの叔父で、かつて地下世界を治めていたがリパートンに反逆、リパートン夫妻を殺害する。そしてアレサ王国を暗黒の国・アーテラ王国に変えてしまった。
    • GB版シリーズ通してのマテリア達の宿敵となる。

特徴

  • 魔法「ファイアボール」を使いモンスターを倒すとモンスターをカプセルに入れることができ、一戦闘だけだが仲間として使うことができる。
  • イベント用アイテムは大半が店で売られている。
    • そして禁断のデバッグアイテムも存在し、使うと全員のレベルが100になるため経験値稼ぎのための戦いが無用になる…はず。
      • デバッグアイテムは後のシリーズにも隠しアイテムという形で登場し、プレイヤーの助けになる効果を秘めていた。
  • GBソフトながら、一部フォントに漢字が使用されている。

評価点

  • 今作限定だが、主人公・マテリアは特定の武器を装備する事で魔法が使える。
    • 中盤で2人旅をかなり長い間続けるため救済措置とも見て取れるが。
  • 特定武器を装備する事で出る「テクニカルヒット」も武器によっては5回連続攻撃になるなどの効果を持ち、決まると快感。
    • 前述の「ファイアボール」も一撃必殺呪文としての側面を持っておりボスにすら当たるため、難易度の高さの隙を縫うようなプレイヤー側の快感も高い。
  • 行き先に困ったとしても移動中にマテリアが「独り言」という形でヒントを喋るので迷う心配は少ない。
    • ある特定のアイテムはマテリアの独り言でヒントを得る事が獲得のフラグになっていたりもする。
  • GBソフトながら、同種のモンスターでも単純なグラフィックの使いまわしはせず、細かいオブジェクトを追加・変更する事で差別化している。
    • 武器を持ったり目の色が変わる(人型モンスター)、複数の大きさの違う球体の配列を変えて人魂のようなモンスターを表現する(ウィスプ系)など。
  • この時期のRPGにしては珍しく、8方向に移動可能で障害物を自動的に避けて移動する「ファジーシステム」まで搭載されている。移動スピードもかなり速く快適。

賛否両論点

  • パーティーメンバー全員が石化してもゲームオーバーにはならない。
    • ただし、この状態になるとマテリアのHPが0になるまで戦闘が続く。
      • 一応逃走はできる。
  • こちらのレベルが上がるとレベルが下のモンスターは(アイテムを使わない限り)出てこないので経験値・金稼ぎがし辛い。
    • 特徴で挙げたデバッグアイテムもそういう観点からするとザコと戦いにくくなるので不便。
    • もっともそこまでレベルが上がったらもう次に進んでいいという推奨レベルに達したということなので、エンカウントもなくなる親切設計と捉えることもできる。金稼ぎに関してももともと敵から入手できる金額はしれているので大きな問題にはならない。
    • 一応固定ザコとは何度も戦うことが可能である。また、敵を呼び寄せるアイテム使用することで一応経験値・金稼ぎはできる。
    • ラストフロアに出てくる最高レベルの最後のザコ敵はこちらが最高レベルになっても出てくる上、得られる金額もなかなか高額なのだが当然そこまで行ってしまえば無意味である。むしろ他の場所でもモンスターが出現するようになり邪魔である。

問題点

  • 宿屋と薬屋は入店時にランダムで閉店している。
    • ランダムなので場合によっては何度も往復して入店することになる。なんのためにこんなふうにしたんだと言いたくなる仕様である。
  • イベント用アイテムは店で売られているという都合上、武器防具を買うことを優先するとイベント用アイテムが買えず詰まる危険性もある。
    • またアイテムを売れる店自体も限られた場所にしかないため不用品を売って金稼ぎはしにくい。上述の通り敵から稼ぐことも難しい。
    • 本作の資金は基本的にダンジョンの宝箱から入手することになるが、物価が高いので武器防具をきちんと揃えていくと足りなくなってしまう。むしろ使うとHPが全快する高額の「キャンプセット」を買うために必要なもの以外極力買わないようにしなければならない。
      • 武器はせっかく買っても最低ダメージ(LVと同じ数値)しか与えられないことも多く、「テクニカルヒット」で5回連続攻撃できる武器さえ買えば十分で、あとはマテリアの最初の武器と「魔法が使える剣」ぐらいしか役に立たない。
  • 本作の敵からのダメージは敵の最大HPの10%で固定されており、防具で上がるDEFは全く意味のないステータスになっている。
    • しかも防具の大半はAGLが下がる。AGLは先攻・後攻に影響するので、装備すればするほど後攻になりやすくなるデメリットだけの存在となっている。
    • 本作には「テクニカルブロック」という確率で被ダメージを軽減するシステムが有るのだが、これが発動しても最大HPの10%固定ダメージのままである。「テクニカルブロック」は敵側にも発動する場合があり、敵側の被ダメージはしっかり減る
    • 上述にもある通り、物価が高いのにこの仕打ちは知らずにプレイしていたユーザーには大ショックであろう。
  • 物語の途中でドール(唯一デフォルトで魔法が使える仲間)が離脱し、長いことマテリアとシビル(仲間の1人。根っからの戦士系)だけで戦わなければならず苦戦を強いられる。
    • 本作は宿の値段が高額な上に満室で泊まれないこともあるというリアル仕様のため、回復魔法が使えるドールの離脱はかなりの痛手となる。ただし節約すればこの時点までに上述の「キャンプセット」を買う資金は貯まっている。
    • これを早々に解決するにはエンカウントがなくなるアイテムを使用して最後の町まで行き、「魔法が使える剣」をマテリアに装備させるという少々強引な方法がある。さらにイベントを飛ばしてドール再加入イベントを先にやってしまうという方法もある。
      • 「関所」的ポイントが、ドールが一時離脱する「ハワードの門」以降はほとんどなく、「マピスの光」(効果中は敵とのエンカウント率を0にする)や前述のファイアボールと組み合わせるとドール加入イベントを先に起こせてしまうため。
    • 全体的にフラグ管理が甘く、複数のダンジョンに同時期に入れてしまうため、攻略順を変えるとイベント的におかしなことが多々起こってしまう。そもそも長期離脱自体ゲームバランス的に問題であり、再加入後もレベル格差ができてしまうため早めにするにこしたことはない。
  • 主人公のマテリアは攻撃力もシビルほど高くなく、魔法は特定武器装備でしか使えないためいまいちな強さなのに、HPが0になって死亡したらゲームオーバー。
    • 特に序盤、サリダの村でシビルが仲間になるまでは1人旅を強いられ、バスコ地方(サリダの村がある)前の橋に立ちふさがるボス・トクマン相手に何度も倒される事もしばしば。戦闘中に回復アイテムが使えない仕様も辛いため、レベル上げで対処するしかできないゲーム最大の難所でもある。
    • シビルが仲間になるまでは最初の町でフロイドに無料で回復させてもらえるためそれを利用して「敵が出なくなるまで最初の街入り口付近でレベル上げ」を繰り返すことになりがち(新しく出てきたザコ敵は世界のどこでも出てくる仕様になっている)。敵から受けるダメージは多めなのでこの往復を何度も繰り返すことになる単純作業を強いられる。
  • 上述の「テクニカルヒット」の5回連続攻撃は一部のザコ敵も使用することができ、発動したとたんに死人が出ることになりかねない。復活のための値段も高額なため(主役なら即ゲームオーバー)、このような敵に出会ってしまったら即逃げ、レベルが一段上のダンジョンに駆け込み、新しい敵と戦うようにした方が安全である。
    • 敵味方共に5回連続攻撃はさすがにやりすぎである。変化に乏しい単調な戦闘とあわせて戦闘バランスにも問題がある。
  • 状態異常が複数あるにもかかわらずそのほとんどが実質「一定時間行動不能」と同じでありあまり複数ある意味がない。
    • 唯一違いがあるのが「混乱」なのだがこれも「ひたすら自分を攻撃する」という単調なもの。
    • このようなこともあり敵の行動パターンは限られている上に、ひたすら通常攻撃で最低ダメージばかり繰り出す敵も多く、戦闘は非常に単調である。
  • 「マテリアの独り言」でマテリアは「○○のトリデに行ってみようっと!」などとゲーム中で聞いたこともないはずのダンジョンの名前を毎回突然口にする。
    • そしてプレイヤーは毎回その言われたダンジョンをひたすら攻略していくことになる。
    • イベントアイテムが普通に町で売られていることと考え合わせてもシナリオ的にかなりのやっつけ仕事と言わざるを得ない。当然ストーリー性も薄い。
  • ダンジョン構造が後半になるほど複雑になっていき迷いやすい。洞窟では急に床からトゲが出てくるトラップが複数あり、ビクビクしながら歩かされるハメになる。
  • お金がない上に物価も高いのに敵を倒しただけでは、お金はもらえない。ダンジョンか敵の落とす宝箱から取らなければならない。
    • なのでゲーム開始後まずキャッシュディスペンサーでお金を借りなければならない。中世ヨーロッパ風の世界観の中でキャッシュディスペンサーで借金って…
  • ラスボスと戦わずエンディングを迎えてしまう
    • 本作の敵のボスであるハワードは最後にドールと共に自爆し、そのままエンディングに突入してしまうため、最終戦で戦うのはプロローグでエミリータをさらったゴールドドラゴン含む幹部ドラゴン三体である。
    • 最終戦は大量のモンスターと連続戦闘を行うというダルいもので、連戦の最後に幹部ドラゴンが1体ずつ出てくるのであって、厳密に言うと彼らはラスボスとは言えずセリフも一切ない
    • 上述の「テクニカルヒット」の超攻撃力などを考えるとハワード一人を出してもすぐ終わってしまうので(本作の最大敵HPは味方と同じ1000である)このような仕様にしたのであろうが、あまりに安直な解決方法である。
    • 連続戦闘の最後にハワードとの対決を持ってくるということもできたはずだが既に続編製作をにらんであえて対決させなかった可能性もある。次作では敵最大HPも大幅に増えよりボス戦らしさを演出できている。
  • ボス戦BGMがない。

総評

第1作目という事もあり、荒削りな部分は多く見られるが、凝ったグラフィックやデザイン、モンスターごとの細かいオブジェクトによる差別化、8×8ドット内での漢字表記、8方向移動に障害物自動避けといった当時他社がやらなかったことを先駆けてやった意欲作である。
一方で不親切なゲームシステムや単調なバトルシステム、シナリオ面でのやっつけ仕事など欠点も多くある。

システムの不親切さから起こる初見殺しの要素が、高難易度を招いているが、知っていればなんなくクリア可能であり、進めやすさは大きな長所である。

このように長所と短所が混在する尖った作品であり決して名作とはいえないが、他のゲームでやらないことをやった先進性は高く評価されるべきことであり、だからこそ後のシリーズ化に繋がっているといえる。

GBで3作以上続編の出た数少ないシリーズであり、その後舞台を一新したSFC版シリーズに至る「アレサ」シリーズの系譜はここから始まったのである。


余談

  • 現在やのまんはゲーム事業から撤退しており、本作のリメイクおよびプロジェクトEGGへの配信が困難になっているため、プレイのハードルが非常に高い。
  • 開発者の趣味なのか、キャラクターなどに洋楽由来の名前が多い。また、2からは一部のモンスターに実在の昆虫や熱帯魚の名前が採用されている。特に「チャバネゴキブリ」から始まるゴキブリシリーズはグラフィックもなかなかリアルで苦手な人にはキツいだろう。
  • ゲーム宣伝アイテム
    • ゲームの途中で「ペンタドラゴン」というモンスターが唐突に名前とアイテム名として登場するが、これは当時同社が開発を進めていたGBシューティングゲームの名前である。アレサシリーズのグラフィックとサウンドを流用しており共通点が多い。
    • 本シリーズの副産物として同時開発だったためか、本作の1年4か月後に発売という長期間の開発になっている。そのためアイテム名として3作にまたがって登場し宣伝され続けた。
  • マテリアのビキニアーマーは次作以降パッケージイラストでは見られなくなるがIIではエンディングで見ることができ、IIIではその母であるファミルザが緑色のビキニアーマー着ている。
    • ビキニアーマーというだけでも大サービスなのに、マテリアは更にTバックというそのまた上を行っているにもかかわらず、ビキニアーマー戦士キャラとしての知名度では『夢幻戦士 ヴァリス?』の麻生優子に比べて劣っている不憫な一面がある。
  • リオの洞窟にいる旅人の「だまって チップ!!」という台詞が笑える。
    ネットで話題になっていないので「スバラッキー!」ほどのインパクトはない

その後の展開

  • その後はGBで続編が2作が作られ、全てでマテリアは主人公として続投し続けた。
    • ただし次作以降では魔法も使えなくなり、「主人公なのに防御力以外イマイチの強さ」から抜けられなかった。また続編が出るたびにマテリアの服装の露出度が下がっていったので、それに不満を抱いたプレイヤーもいたとか。
    • ドールはSFC版アレサに至るまで「皆勤賞の仲間」として出演し続け、シビルはマテリアの妹・エミリータと結婚してアレサ王となり、続編では最終局面に現れおいしいところを持っていく(3作目では妻のエミリータと一緒に)とんでもない奴として名を残した。
    • 制作スタッフはさまざまな試みを盛り込んだ本シリーズに自信を持っていたのか1でハワードとの直接対決を避け、2で倒した後にさらにエンディングに続編への伏線を張るなど当初からシリーズ化への構想を盛り込んでいた。
  • 更にSFCにも展開。その後の展開はIIIの余談?にて後述する。
  • 2000年に始まったニンテンドウパワー*2では3作揃ってローンチラインナップとして起用された。
    • スクウェアとエニックスが非参入だったため、同サービスの数少ないRPGタイトルとなった。

ジャンルRPG&amazon(B000069TFN)
対応機種ゲームボーイ
メディア2MbitROMカートリッジ
発売元やのまん
開発元日本アートメディア
発売日1991年9月27日
定価4,800円
書換ニンテンドウパワー
2000年3月1日/800円/F×2・B×1
判定なし
ポイント3人目の仲間が人間と動物がメイン

概要(GB版II)

『アレサ』シリーズ第2作目。前作の弱点だった戦闘とイベントに関する問題点は改善されているが、基本システムは前作とほとんど同じである。

ハワードを倒してから数年後、主人公マテリアとドールがハワードの配下である暗黒魔導士ワーウィックの作った世界に迷い込むというストーリーが展開する。

前作にあったファジーシステム、デバッグアイテムが今作も健在。

特徴(GB版II)

  • 3人目の仲間はイベントシーンによる入れ替え仕様
    • ゲームが進行するとマテリアそっくりの少女クリスが3人目の仲間として加入するが、ゲームが進行するたびに3人目の仲間が蜂のチャプター、マックス、蛇のラビア、ペドラorスクエナorゾッピッピorトンボッポ(選択)、ジャドに入れ替わり、終盤で前作のシビルが最後の仲間として加入する事になる。
  • マテリアの独り言から相談に変更され、サブ画面からいつでも可能になった。

評価点(GB版II)

  • ハワードがラスボスとして戦える
    • 前作では戦わずにあっさりとエンディングを迎えたが、今作では戦う必要が出た。
  • マテリア、ドール、シビル、エミリータ、ベン・マルキストに専用のグラフィックが加わったことにより、前作からBGMとモンスターのグラフィック以外の使い回しがなくなった。
    • 特に前作ではマテリアのグラフィックは大昔の少女漫画のようなデフォルメされた顔(モブの店員の使いまわし)でパッケージとかけ離れたものだったが、今作で大きく改善された。顔グラフィックが追加されたドールや他の仲間との会話によりそれぞれのキャラクター性が表現され、感情移入もしやすくなった。
  • 前作では脈絡無しに「マテリアの独り言」で次の目的地を指示されて向かう、というたらい回し感のあるゲーム進行が目立っていたが、今作ではクリスの復讐に手を貸す、蜂のチャプターの嫁探しを手伝う、4人のモンスターから一人を選び仲間にする…といった多彩なストーリーが地方ごとにあり、RPGらしい物語が楽しめる。

問題点(GB版II)

  • 後戻りできない場所が出た。
    • ジェフの砦でドールが加入すると強制的にブゾン地方ヘ移動してしまい、二度とイルメルダ地方に戻る事ができなくなった。
      • やり残したことがあると後先後悔するプレイヤーも続出した。
  • ラスボス戦専用のBGMがない
    • ボス戦のBGMは追加されたもののラスボス戦もこのBGMで使われている。
  • 難関と名高い「ウストの砦」
    • 複数ある階段を特定の手順で登っていくダンジョンなのだが…。
      • 問題は正確に進むためのヒントがややこしく、階段一階ごとにヒントの指定通りに進むのではなく、分岐がある時のみヒントの指定通りに進むというもので、流石に不親切・意地悪だとする声が散見される。
    • ここの解き方がわからず投げてしまったプレイヤーも多い。

賛否両論点(GB版II)

  • 前作同様パーティーメンバー全員が石化しても戦闘は続く。
  • ワールドマップの街や砦を行ったり来たりして攻略する1に対して、本作では「地方ごとにバラバラにされた世界を旅して敵の親玉のハワードを目指す」というストーリーで、先の地方に進むと(何かと理由を付けて街に戻るアイテムが没収されるなどして)後戻りはできなくなる。攻略が地方ごとに完結するのでわかりやすいとも言えるし、世界中を自由に旅するRPGの醍醐味が薄れたとも言える。

総評(GB版II)

意欲的だが粗削りだった前作のシステムやグラフィックに磨きをかけ、「アレサ」のゲームシステムを完成させた。

ゲームとしての難点が解消され、まっとうに遊ぶことができるのは本作からであり、シリーズ化の試みは成功したと言える。


余談(GB版II)

  • 本作には前作のマテリアとエミリータそっくりである双子の姉妹チッチとサリーが登場している(小さな恋の物語?)。
    • 彼女たちはウェポンを直すアイテム「カルトジャム」を販売しており、イルメルダ地方南の海岸にいる。
  • エンディングでマテリア達のその後が見れる
    • シビルはエミリータの待つアレサ神殿に戻り、ドールはウルウルの砦に帰還、クリスはホロスの村へ、マテリアはアレサ神殿で指輪を忘れ、『あら?ゆびわがないわ…そっかァ…わすれて来ちゃったんだ!まっいっかァ、どうせ戻ってくるわ!』という展開が流れ次作への伏線となっている。
  • 物語冒頭のマテリアの「スバラッキー!」という迷台詞はしばしばネタにされている。

アレサ3

ジャンルRPG&amazon(B000069TFQ)
対応機種ゲームボーイ
メディア2MbitROMカートリッジ
発売元やのまん
開発元日本アートメディア
発売日1992年10月16日
定価4,800円
書換ニンテンドウパワー&br()2000年3月1日/800円/F×2・B×1
判定なし
ポイントパーティーメンバーが4人まで増えた
マテリア編完結

概要(GB版III)

『アレサ』シリーズ3作目。マテリアの物語完結編であり、前作で完成を見たゲームシステムを踏襲した作りになっている。

『アレサII』で宿敵ハワードを倒した主人公マテリアは、スリルを求めて新しい冒険に旅立つ。

「そうだん」システムも健在で、安定した遊びやすさを持つ。

特徴(GB版III)

  • パーティーメンバーが4人まで加入可能
    • その代わり、マテリアの父リパートン、母ファミルザが過去でのパーティーメンバーとなり、シビルとエミリータが終盤における現代でのパーティーメンバーとなる。
    • リパートン、ファミルザの性能はリパートンが前作の「3人目キャラ」と同一で魔法が使えないがマテリアより攻撃力が高く、ファミルザは魔法が使える上にマテリアとリパートンの中間の攻撃力がある。魔法が使えるキャラがパーティーに2人いることで快適になったと言えるが、マテリア、ドールの上位互換の強さを持つキャラであるため主人公カップルが割を食っているイメージが強くなった。

評価点(GB版III)

  • イベントアイテムがショップで売られることなくイベントで手に入るようになった。
    • RPGとして当たり前の仕様になったというだけだが、それだけにストーリー性を深めることができるようになった。
  • リパートンとファミルザの顔グラフィック追加
    • これにより、リパートンとファミルザの存在感がUPし、さらにリパートンとファミルザの過去を知ることができた。
      • これはファンにとってはうれしいものである。
  • 本作ではパーティメンバー全員が死亡するとゲームオーバーになる。
    • これにより、前2作より難易度が下がった。

問題点(GB版III)

  • シビルとエミリータの顔グラフィックなし
    • シビルとエミリータの顔グラフィックが削除されてしまい、素顔すら見れなくなったため、『II』を遊んだプレイヤーは残念がっていた。
  • エンディングがあっさり
    • マルキネセスを倒したマテリア達のその後が見れず、スタッフロールに移り、終わってしまう。本作だけがこのような尻切れトンボとなっており、物語の締めくくりとしては非常に物足りない。
  • ラスボス戦のBGMなし
    • 前作同様、ラスボス戦でも通常のボス戦BGMで使われている。
  • 後半「マック」という手下をけしかけてくる敵がいるのだが…。
    • 手下が全員倒されると逃げてしまい、決着がつかないまま物語からフェードアウトするという不完全燃焼な展開がある。
  • 「デスアタック」が強すぎる
    • 特定の武器で確率で発生する「デスアタック」は敵を一撃で仕留めることができる(「スーパーデスアタック」なら敵全員)。耐性を持つ敵はおらずラスボスすら一撃である。
    • しかも結構な確率で発生してしまうため、バトルを楽しむ前に終わってしまうということが頻繁に発生する。ラスボスなど会話しながら戦うため、しばしば会話の途中で強制終了である。

賛否両論点(GB版II)

  • ゲーム開始からしばらく広い街の中を探索するシティーアドベンチャー的なパートがある。
    アレサとしては新鮮な展開ではあるが、それなりにイベントをこなしてようやく本編に入るので詰まってしまうと出ばなをくじかれた印象になる。
  • ゲームの大半が暗い地下世界で展開される。グラフィックが見えづらいということはないが、砦や洞窟から出たワールドマップも地下なので少々陰鬱なムードが続く。
  • マテリア、ドールのグラフィックはIIよりさらに向上している。マテリアが90年代的な垢抜けた絵柄になった一方、ドールはかわいらしさのある少年キャラの絵柄だった前作に比べ風格が増して精悍なイケメンという雰囲気になり、IIのイメージが強いプレイヤーには少々違和感があるかもしれない。

総評(GB版III)

ゲームボーイのアレサシリーズの完結編であったため、前作よりさらに進化した部分はある。

しかし一撃死の「デスアタック」がゲームバランスを崩しており、もはやそのインパクトでのみ本作を語るものも少なくない。

この要素のせいで完結編として有終の美を飾ることができなかったが、逆にそれが印象に残るゲームとして不名誉な個性となっている。


余談(GB版III)

  • ラスボスはなんとベン・マルキストの正体「マルキネセス」。
    • その目的はなんとハワードにリパートンを殺させ、フォースをマスターするためである。
    • ストーリー的には後付け感が強いが、連続性の強い3部作の締めくくりに第1作からの味方を最後の最後にあえて裏切者とした意外性はある。
  • 序盤から隠しアイテム入手可能
    • ハロハロの町にあるストアハウスに行って木箱に触ると「パーティーメンバー全員のHPを回復するARETHA1」、「パーティーメンバー全員のレベルをMAXにするARETHA2」という隠しアイテムが入手できる。
  • バテレンの箱でドールとリパートンがオカマになってしまい、マテリアとファミルザが悲鳴を上げてしまうというコメディ要素もある。
  • 本作にも隠しアイテムとして同社ゲーム宣伝アイテム「ペンタドラゴン」が出てくるが、さらにもう一つSFCソフト「ソングマスター?」が出てくる。これらの作品は本作と発売月が近い。
    • さらに本作の二か月前に発売された「ペンタドラゴン」は主人公が友情出演して露骨な宣伝をしている。

その後の展開(GB版III)

  • CDドラマ『アレサ 魔法人形のレクイエム』も発売されている。
    • GB版とSFC版を繋ぐ話となっている。声優はマテリアが三石琴乃、ドールが高山みなみと人気声優を起用している。
  • 1993年11月26日に『アレサ ARETHA the SUPER FAMICOM』がSFCで、1994年12月2日に『アレサII アリエルの不思議な旅』がSFCで発売される形でシリーズ化されたが、SFC以降のアレサシリーズはドール以外のキャラクターと世界観が全く別物に変更された*3
  • 後にアレサ外伝として「リジョイス」が発売。やのまんSFC最終作でもあり、アレサシリーズ最終作である。こちらは悪ガキのトレノが主人公のアクションRPGで賛否が分かれるところである。ドールも登場して、SFC版のアレサI・IIでなかった魔王ハワードが猛威を振るう。

*1 ゲームボーイマガジン付録の「アレサII」漫画ではドールがマテリアを思い出して「尻出しねーちゃん」と呼んでいた。
*2 ローソンで2002年8月まで行われたゲームソフトの書換えサービス(スーパーファミコンは1997年9月30日に既に開始)。空状態の専用メモリカセットを2,500円購入して別料金で書換て入れる必要がある。スーパーファミコンほどではないものの割高な上に端末の操作がわかりにくく普及しなかった。
*3 例えば、主人公がマテリアの代わりにアリエルに、シビルの代わりにカイルにという形に変更されたという風になる。