本記事はVer. 2.0(2019/9/5~)を基準にしています。
不定期配信のイベントなどで内容が一部異なることがあります。
TETRIS 99
【てとりす ないんてぃーないん】
| ジャンル | パズル+バトルロイヤル | &amazon(B07T95QTCW) |
| 対応機種 | Nintendo Switch | |
| 発売元 | 任天堂 | |
| 開発元 | アリカ | |
| 発売日 | ダウンロード版: 2019年2月14日 | |
| シーズンパスコンプリートパック: 2019年5月10日 | ||
| パッケージ版; 2019年8月9日 | ||
| 定価 | ダウンロード版: 無料 | |
| シーズンパスコンプリートパック: 1,000円(税8%込) | ||
| パッケージ版: 3,148円(税抜) | ||
| 判定 | 良作 | |
| ポイント | テトリスがバトルロイヤルゲーム化 Nintendo Switch Onlineの料金のみで好きなだけ対戦できる | |
| テトリスシリーズリンク? | ||
概要
世界的に有名なアクションパズルゲーム『テトリス?』。
『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』や『FORTNITE』に代表されるバトルロイヤルゲーム。
これはその両作を融合させた、オンライン対戦テトリスの新しい形である。
2019年2月14日のNintendo Directにて事前告知もなく突如発表され、ダイレクト終了後に即日配信が開始された。
『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online?』と同じく、有料オンラインサービス「Nintendo Switch Online」に加入することで無料ダウンロード~オンライン対戦への参加までが可能となっている。
開発は『テトリス・ザ・グランドマスター』シリーズなどで日本にその名を轟かせたアリカが担当しているが、仕様は『テトリスDS』で定着したガイドライン(いわゆるワールドルール)のものを踏襲している。
特徴
- 99人でのバトルロイヤル
- 全世界から集まった99人で同時にプレーする。最後まで生き残って頂点の「テト1」となることが目的。
- 画面構成は中央に自分のプレイフィールドがあり、両サイドに7×7で並んだ他プレイヤーのフィールド情報が表示される形となっている。
- 「2ライン以上を消す」「連続でラインを消す(REN)」「Tブロックを回転ではめ込んでラインを消す」ことで、生き残っているプレイヤーの誰かにラインを送り込んで攻撃することができる。
- 他のプレイヤーがゲームオーバーになると、最後にラインを送ったプレイヤーは「KOバッジ」(以下バッジ)が1つ手に入り、これが一定量を超えるほど攻撃の威力も上がっていく。
- バッジを持っているプレイヤーをKOした場合、相手が持っていたバッジもまるごと奪うことができる。
- また、自分を狙っている人数が多いほど攻撃の威力も高まる。この場合に限り、1ライン単発だけでもラインを送れるほどの強烈な効果がある。
- 攻撃は左スティックを操作して対象を選ぶことができる他、右スティックの上下左右で作戦を決めて自動的に行うこともできる。
4つの作戦、そして「相手の盤面を見極めての手動狙い」を状況に応じて適宜切り替えていくことが「テト1」への道につながる。- なおアナログスティックの割り当ては反転可能。
- とどめうち
- 最も高く積み上がりゲームオーバーになりかけの相手を優先して狙う。バッジを入手しやすい反面、バッジねらいの相手やカウンターから狙われやすくなる。
- 盤面の状況をあまり考慮しないため、縦穴を高く深く開けている(テトリス待ち)相手にも狙いを誘導されやすく、カウンターのカモにされやすい。
- バッジねらい
- 最もバッジレベルの高い相手を優先的に攻撃する。
- 首尾よく倒せば大量にバッジを手に入れられるが、攻撃を受けたとき(特にカウンター時)のリスクが高い。
- カウンター
- 自分を狙っている相手全員に攻撃を仕掛ける。対象が複数人いても、攻撃力は分散しない。
- 積み上がりブロックやバッジが多く、多数の相手に狙われている状態だと爆発的な威力を発揮する。
- ランダム
- 最初に指定されている作戦で、生き残っている相手を無作為に狙う。
- 余りブロックを積んでいないプレイヤーにも攻撃が分散するのでバッジは入手しにくいが、その分カウンターも受けにくい。
- 誰かからライン攻撃を受けた場合は一旦フィールド左側のブロックメーターにストックされる。一定時間たつか、ラインを消し続けている限りはせり上がることがなく、こちらがラインを送ることで相殺もできる。
また、最初のうちは攻撃を受けてからラインがせり上がる*1まで多少時間の余裕があるが、残り50人を切り始めるとピースの落下速度とともにその余裕も短くなる。
終盤になるとほぼ全く猶予がなくなるため、バッジによる攻撃アップなども相まって一度に10ライン以上先に送った方の一撃で決着がつくことに。 - 対戦が終わると順位や倒した人数に応じた経験値が手に入り、一定以上に達するとプレイヤーランクが上がっていく。
- 時折開催されるイベント
- イベント開催時には順位の数字にある程度反比例したポイントが加算され、それが100ポイントに達すると特典が付与される。優勝すれば一発でゲットできる。
- 初回は優勝することが絶対条件だったが、2回目以降は優勝できなくても回数を積み重ねれば特典をもらえるようになった。
- これまでに特典として登場しているのは「マイニンテンドーゴールドポイントの抽選権」「本作のプレー画面を変更できるスペシャルテーマ」の2種類。
スペシャルテーマはこれまでに「ゲームボーイ版テトリス」「スプラトゥーン?」「ファイアーエムブレム 風花雪月」「スーパーカービィハンターズ」が登場しており、設定すると画面表示のみならず、音楽や効果音もそれぞれのテーマに沿ったものになる。 - Ver. 2.0ではデイリーミッションが追加され、得られるチケットとの交換で入手できるテーマも用意された。
- こちらも任天堂の人気タイトル「スーパーマリオブラザーズ」「ゼルダの伝説」「ドンキーコング」をモチーフにしたものがある。
- なお、上述の過去イベント物の救済は現状行われていない。今後のイベント復刻待ちか・・・。
- また、Ver. 2.0ではプレー回数など様々な条件によるエンブレムも追加されている。一部の条件はVer. 2.0以前に達成したものでも達成とみなされる。
- イベント開催時には順位の数字にある程度反比例したポイントが加算され、それが100ポイントに達すると特典が付与される。優勝すれば一発でゲットできる。
- 有料ダウンロードコンテンツ
- 2019年5月10日よりオフラインでのプレーを可能にするDLCが登場。2つセット*2で1,000円(税込)。
- 当日から提供されているのは「CPU98人とのバトルロイヤルとなるCPUバトル」「150ラインもしくは999ラインを目指すマラソン」の2つ。
- CPUバトルは相手の強さと自分のバッジ所持数を指定してプレイ可能。
- マラソンモードはスコアとタイムの両方が記録される。
150ラインは開始レベルを指定可能。999ラインは終盤で20Gを体験可能。
- Ver. 2.0ではオフラインでのマルチプレイモード「もちよりバトル」「シェアバトル」も登場。
- 前者はローカル通信で8人まで+穴埋めCPUで計99人。
- 後者は1画面で2人エントリーとなる以外はCPUバトルと同様。相手CPU98人を協力して蹴散らすことになる。
- オフラインモードは買い切りながら、Nintendo Switch Onlineの利用権がなくてもプレー可能。
評価点
- Nintendo Switch Onlineに加入していれば好きなだけ遊べる
- 何といっても月額だけでテトリスが遊べるのが良い。基本無料タイトルにありがちなスタミナ要素やガチャは一切無く、Nintendo Switch Onlineの料金だけで好きなだけ遊べ、全プレイヤーが完全にフェアな条件で対戦できる。
- 快適なマッチング周り
- マッチング開始から99人集まり試合が始まるまでにかかる時間は大体20秒前後、長くてもせいぜい30秒程度で、長時間待たされることがほとんど無い。
- 試合終了後の再戦も、一旦メニュー画面へ強制的に戻されるというようなことはなく、結果画面からそのまますぐにリマッチが可能。
- 良好な操作感
- 『テトリス・ザ・グランドマスター』シリーズをはじめとした過去の名作テトリスを手掛けたアリカが制作協力しており、テトリスとしての操作性の良さはお墨付きと言える。
- オプションのハードドロップ操作にはON・OFFに加えて、Joy-Conボタン向け・Proコントローラー十字キー向けという細かい調整の選択もある。
- 高い戦略性
- 「テトリス」と「バトルロイヤル」を組み合わせるという一見豪快なコンセプトながら、上述の4+1の作戦の存在により高い戦略性と駆け引きを生み出している。例えば…
- 「とどめうち」作戦では弱った相手を狙うことでバッジを獲得しやすいが、バッジを沢山持っていると「バッジねらい」の標的になったりする。
また、ピンチ状態の相手は「とどめうち」で狙われるほど攻撃力も上がるので「カウンター」で思わぬ反撃を受ける可能性がある。 - 「バッジねらい」ではバッジを所持し攻撃力の上がった強敵を標的にするため、「カウンター」で手痛い反撃を受ける可能性があるが、その分勝ったあとの見返りも大きい。
強敵を早いうちに潰してテト1を目指す、上級者向けの作戦であるといえる。 - 「カウンター」は自分を狙っている相手全員に等しく攻撃するため、「とどめうち」「バッジねらい」プレイヤーへの牽制としても使える。
さらに追い込まれて「とどめうち」による集中砲火を受けている際は飛躍的に攻撃力が上がるため、うまいこと窮地をやり過ごすうちに相手を次々と倒していけるようになっている。
序盤からわざとブロックを高く積み、「とどめうち」プレイヤーを大量に誘ったところで大量消しでまとめて返り討ちを狙う上級者もいたり。 - 手動狙いは積み方が整っている相手を避けられるので、上述の「カウンター」を利用して他作戦をカモにするプレイヤーを回避しやすい。
ただし、ゲーム後半におけるブロックとライン攻撃の速度アップで不利になりやすい。 - このように、シチュエーションや腕前により作戦を切り替える事で、テト1への道に近づく事ができる。
「ランダム」作戦でプレイしてもそれなりに渡り歩く事ができるので、慣れないうちはこれでプレイし続けることになる。
- 「とどめうち」作戦では弱った相手を狙うことでバッジを獲得しやすいが、バッジを沢山持っていると「バッジねらい」の標的になったりする。
- 「テトリス」と「バトルロイヤル」を組み合わせるという一見豪快なコンセプトながら、上述の4+1の作戦の存在により高い戦略性と駆け引きを生み出している。例えば…
- 演出面
- 他のプレイヤーを攻撃した時や周りのプレイヤー間で攻撃が行われている時など、光のエフェクトが出て画面を演出してくれる。集中砲火を受けている際に「カウンター」で大量のプレイヤーを攻撃すると、数多くの光のエフェクトが出て、眩しくそして圧巻である。
- 相手を倒すと「BOOM!」とコミック風のエフェクトと共にKOのボイスが鳴り響く。「カウンター」で複数人の相手を倒すとその分だけボイスが連続で鳴るので、決まるととても爽快。
- 試合中のBGMはデフォルトのテーマであれば、試合開始から残り10人になるまではGB版テトリスでもおなじみの『コロブチカ』。残り50人を切るとアップテンポなアレンジに切り替わり、残り10人になると『熊蜂の飛行』をアレンジしたものになる。
- いずれのBGMも評価は高い。『熊蜂の飛行』は上述の鎧袖一触の状況と相まっていい意味で焦燥感を煽られると評判。
賛否両論点
- 対戦相手が誰かは結果が出るまでわからない
- マッチング相手の情報は、プレー中はフィールド・バッジレベル・攻撃先以外は一切開示されない。相手の素性がわかるのは結果が出た後で、それもプロフィールに設定した名前とプレイヤーランクのみ。
- 仲間を募って協力して味方を勝たせる、と言ったプレイをさせないためと思われる。同じバトル中にどこに仲間がいるかがわかれば味方同士の潰しあいを避けるだけでかなり有利になってしまう。
- 脱落した後もその先の観戦は可能。自分よりあとに脱落したプレイヤーも順位表にだんだん名前が追加されていく。
順位表に表示されているKOマークは、黄色いものはプレイヤーが倒した相手を、赤いものはプレイヤーを倒した相手を表している。
- マッチング相手の情報は、プレー中はフィールド・バッジレベル・攻撃先以外は一切開示されない。相手の素性がわかるのは結果が出た後で、それもプロフィールに設定した名前とプレイヤーランクのみ。
- 「カウンター」時の演出が場合によっては眩しい
- 前述の「カウンター」で大量のプレイヤーを攻撃した際、出現する光のエフェクトが過剰気味となって画面がかなり眩しくなる。派手で美しい一方、視認性に影響したり、目に優しくないという声も見られる。
- これについては、現状設定をエフェクトを変更したりする手段はない。前述の「スペシャルテーマ」を使用中でも光のエフェクト関係はそのままとなる。
- 前述の「カウンター」で大量のプレイヤーを攻撃した際、出現する光のエフェクトが過剰気味となって画面がかなり眩しくなる。派手で美しい一方、視認性に影響したり、目に優しくないという声も見られる。
問題点
- リリース当初はオンラインでのバトルロイヤル特化のソフトだった
- オンラインでのバトルロイヤルに特化したゲームであり、当初はそれ以外のプレーモードが用意されていなかった。
その後2019年5月10日にオフラインでのプレーに関するDLCがリリースされ、多少は他の形式でのプレーもできるようになっている。- 初回のDLCで初めてCPU相手に練習するモードが提供され、Wi-Fiのない環境での練習が可能になっった。
- オンラインでのバトルロイヤルに特化したゲームであり、当初はそれ以外のプレーモードが用意されていなかった。
- オンラインでフレンドなどと任意に対戦できるモードがない
- ローカル通信による「もちよりバトル」や1画面で行う「シェアバトル」が近いが、そちらでも純粋に集まったプレイヤー同士の対戦をすることはできず、強制的にCPU込みの計98~99人によるバトルロイヤルとなる。
総評
これだけのためにNintendo Switch Onlineに加入してしまっても十分と言えてしまうレベルの中毒性を誇る。
「Nintendo Switch Onlineの料金のみでプレーできるソフト」であるという点では『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online?』などと双璧をなしており、その重要なポジションで破綻なく仕上がっている。
余談
- 当初はダウンロード版のみだったが、パッケージ・ソフトカード版が2019年8月9日発売。
価格はオフラインモード関連のDLCも含めて3,148円(税抜)と、Nintendo Switch Onlineの年間利用権(2,400円(税込))込みで同額となっている。