差し歯の種類

Last-modified: 2010-12-13 (月) 16:43:10

保険適用

保険の金属冠(銀歯)

歯冠部分全体が金属で出来ている、いわゆる「銀歯」です。
保険では「金銀パラジウム合金」と「ニッケルクロム合金」の2種類が、クラウンに使用できる金属として指定されています。

保険で差し歯を作る場合には、基本的に前から4番目以降の歯はすべてこの金属冠(銀歯)になります。

◆保険の銀歯のメリット◆

  • 保険適応なので安価。
  • 強度が強く、強い力がかかる部位にでも使用できる。

◆保険の銀歯のデメリット◆

  • 金属なので見た目が良くない。
  • 時間が経つと金属が錆びて溶け出し、歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどを引き起こす可能性がある。

◆保険の銀歯の料金◆

約3000~5000円。(保険適応3割負担の場合)
※上記の金額は、虫歯を削る料金、義歯本体の料金、装着料、補綴物維持管理料(2年間保障)などを合計したものです。

硬質レジンジャケット冠

歯冠部全体が「硬質レジン」という
歯科用のプラスチックで作られています。

一応保険適用可能ですが強度的に問題があるので最近はあまり使用されていません。

◆硬質レジンジャケット冠のメリット◆

  • 保険適応なので安価。(奥歯には適用されない)
  • 色が歯に似ているので見た目が良い。
  • 金属を使用していないため、金属アレルギーなどや、金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色の起こる可能性がない。

◆硬質レジンジャケット冠のデメリット◆

  • 時間が経つと変色する。(見た目が悪くなってくる)
  • 強度が強くなく、(奥歯など強い力のかかる部位には向かない場合がある。)
  • 汚れ(プラーク)が付きやすい。
  • 保険は奥歯には適応されない。
    (ただし、歯科医師が噛み合わせの力に耐えうると判断した場合に限り小臼歯まで可能)

◆硬質レジンジャケット冠の料金◆

約3000~5000円。(保険適応3割負担の場合)
※上記の金額は、虫歯を削る料金、義歯本体の料金、装着料、補綴物維持管理料(2年間保障)などを合計したものです。

硬質レジン前装冠

硬質レジン前装冠とは、中身は金属(金銀パラジウム合金など)で、外から見える部分にのみレジン(硬質プラスチック)が貼り付けられている差し歯です。
保険で前歯の差し歯を作る場合には、ほとんど、この硬質レジン前装冠になります。

◆硬質レジン前装冠のメリット◆

  • 保険適応なので安価。
  • 色が歯に似ているので見た目が良い。
  • 中身が金属なので強度が強く、ほとんどの部位に使用できる。

◆硬質レジン前装冠のデメリット◆

  • 時間が経つと義歯の部分が変色する。(見た目が悪くなってくる)
  • 裏側から金属が見える。
  • 時間が経つと金属が錆びて溶け出し、歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどを引き起こす可能性が高い。
  • 保険は奥歯には適応されない。

◆硬質レジン前装冠の料金◆

約5000~7500円。(保険適応3割負担の場合)
※上記の金額は、虫歯を削る料金、義歯本体の料金、装着料、補綴物維持管理料(2年間保障)などを合計したものです。

保険適用外

オールセラミッククラウン

オールセラミッククラウンは、歯冠部分全体がセラミック(陶器)で出来ている差し歯です。
オールセラミッククラウンを使用する際の歯の根の治療を行った場合には、土台としてファイバーコアと呼ばれる白い土台を用います。

◆オールセラミッククラウンのメリット◆

  • 非常に見た目が良く、ほとんど変色はしない。
  • 汚れ(プラーク)が付きにくい。
  • 金属を使用していないので、金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色や金属アレルギーなどが起こる可能性が低い。

◆オールセラミッククラウンのデメリット◆

  • 保険外の治療なので、値段が高い。
  • 割れやすい。
  • 歯を削る量が比較的多い。
  • 天然の歯より硬いため、周囲の歯やかみ合う歯を痛めることがある。
  • 仮止めで様子を見ることができない。
  • 将来的に歯茎が下がって、歯と歯茎の境目が見えてくることがある。
  • 術者のテクニックによる見た目・持ちの差が出やすい。

◆オールセラミッククラウンの料金◆

約8~15万円。(保険外の治療なので大体の相場です)

 

オールセラミッククラウンを使用する際の歯の根の治療を行った場合には、
土台としてファイバーコアと呼ばれる白い土台を用います。


メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)

メタルボンドとは中身は金属で、外から見える部分にのみセラミック(陶器)を貼り付けた差し歯(被せ物)です。(陶材焼付鋳造冠とも呼びます。)
見た目が良く変色せず、強度も強いので非常によく使用されています。

メタルボンドセラミックスクラウンは、その試用する金属により大きく分けて2種類あり、ゴールド系(金合金、白金加金などの貴金属を使用)とシルバー系(パラジウム合金、コバルトクローム合金、ニッケルクローム合金などの、銀歯の材料を使用)に分けられます。

ゴールド系(ゴールドセラミックスクラウン)は、 歯並びを揃えたり(クイック矯正)、ブリッジ(強度的に強くする場合)にするのに適しています。ゴールドセラミッククラウンを使用する際の歯の根の治療を行った場合の土台は、ゴールドコアを使用します。

シルバー系(スタンダードセラミックスクラウン)は、 小臼歯・大臼歯(奥歯)を白くするのに適しています。スタンダードセラミッククラウンを使用する際の歯の根の治療を行った場合の土台には、金銀パラジウム合金で作られたシルバーコアを用います。

◆メタルボンドのメリット◆

  • 色が歯に似ているので見た目が良い。
  • 中身が金属なので割れにくく、ほとんどの部位に使用できる。
  • 中身の金属に貴金属を使用すれば、金属が溶け出すことによる歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可--能性が低くなる。(ゴールド系)

◆メタルボンドのデメリット◆

  • 保険外の治療なので、値段が高い。
  • 中身の金属を使用した場合は、金属が溶け出すことによる歯ぐきの変色、金属アレルギーなどを引き起こす可能性もある。(シルバー系)
  • 色調はオールセラミッククラウンより劣る。
  • 裏側からは金属が見える。
  • 将来的に歯茎が下がって、歯と歯茎の境目が見えてくることがある。

◆メタルボンドの料金◆

約8~15万円。(保険外の治療なので大体の相場です)

ハイブリッドセラミッククラウン

ハイブリッドセラミッククラウンとは、セラミック(陶器)とレジン(硬質プラスチック)を混ぜた材料で作られた差し歯です。

◆ハイブリッドセラミッククラウンのメリット◆

  • 色が歯に似ているので見た目が良い。
  • 硬すぎないので、周囲の歯や噛み合う歯を痛めることがない。
  • 金属を使用していないので、金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどを起こす可能性がない。

◆ハイブリッドセラミッククラウンのデメリット◆

  • 保険外の治療なので、値段が高い。
  • 色調はオールセラミッククラウンにより劣る。
  • 時間が経つと変色する。
  • 噛み合わせの状態によっては、割れることがあるので、使用できないことがある。
  • 将来的に歯茎が下がって、歯と歯茎の境目が見えてくることがある。
  • 術者のテクニックによる見た目・持ちの差が出やすい。#br

◆ハイブリッドセラミッククラウンの料金◆

約4~12万円。(保険外の治療なので大体の相場です)

ゴールドクラウン

ゴールドクラウンとは、「金合金」や「白金加金」等の貴金属を使用した被せ物です。
白金加金(PGA合金)は金合金にプラチナを加えたもので、色が銀色に近くなります。
(白金加金は現在、最も良い歯科用金属であると考えられています)

◆ゴールドクラウンのメリット◆

  • 金属なので強度が強く、ほとんどの部位に使用できる。
  • 適合が良く二次的な虫歯になりにくい。
  • 金属もほとんど錆びる事がないので、金属の溶け出しによる歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性が低くなる。

◆ゴールドクラウンのデメリット◆

  • 保険外治療となるので、値段が高い。
  • 金属なので見た目が良くない。
  • 歯科医院によっては、保険外の場合でも金銀パラジウム合金のような保険の金属を使用している場合がある。(保険を一切取り扱っていない歯科医院に多い)

◆ゴールドクラウンの料金◆

約4~12万円。(保険外治療となるので大体の相場です)

ジルコニアセラミッククラウン

ジルコニアセラミッククラウンは、メタルボンドの内面に使う金属の代わりに、人工ダイヤにも用いられる、ジルコニアを使用したものです。
しかし、まだ新しい素材なので長期的な予後の報告が無いとか、治療費が高いなどの問題点があります。

◆ジルコニアセラミッククラウンのメリット◆

  • 色の見た目が良い。
  • マスキング効果に優れているため、土台の金属が透けて見えない。
  • ジルコニアは割れにくく、ほとんどの部位に使用することができる。
  • 金属を一切使用しないので、金属アレルギーや金属が溶け出すことによる歯ぐきの変色、などの心配がない。
  • 仮止めで様子を見ることができる。
    (オールセラミッククラウンは基本的に仮止めができません)

◆ジルコニアセラミッククラウンのデメリット◆

  • 保険外の治療なので、値段が高い。
  • 色調はオールセラミッククラウンには劣る。
  • 歯を削る量が比較的多い。
  • 天然の歯より硬いため、周囲の歯やかみ合う歯を痛めることがある。
  • 将来的に歯茎が下がって、歯と歯茎の境目が見えてくることがある。
  • ジルコニア自体が割れることは非常にまれだが、ジルコニアを覆っているセラミック(陶器)の部分が割れることがある。

◆ジルコニアセラミッククラウンの料金◆

約10~20万円。(保険外治療となるので大体の相場です)





<参考文献・URL>
医療・健康情報サイト-体験談.com-入れ歯・差し歯について
歯科医/歯科情報の歯チャンネル-クラウンについて