鍛造

Last-modified: 2007-01-10 (水) 23:33:27

鍛造(たんぞう)とは、金属の塑性加工の一種。
鍛造加工された製品を鍛造品という。鍛造品は鋳造品に比べて強度に優れている。


熱間鍛造

鍛造機(エアスタンプハンマー)

材料を再結晶温度(一般的な工具材料で約1000度)以上の高温に熱して行う鍛造方法。
金型を取り付けたエアスタンプハンマーなどの鍛造機で約1000tの圧力を加え、一発で加工する。
スパナやめがねレンチは、グリップ部分よりも両端のボルトをつかむ部分の方が材料が多く必要。そのため、スパナやめがねレンチを鍛造により製造する際は、材料を無駄なく使うため、あらかじめ圧延ロールにかけて中央部分を凹ませる(自由鍛造)。

メリット

  • 材料を高温に熱するため素材の変形抵抗が小さく(柔らかい)、ただの丸棒の状態から一気に最終製品に近い形状に加工することができる。

デメリット

  • 熱膨張・収縮のため加工精度が悪く、機械加工による追加工で仕上げをしなければならない。
  • 表面にスケールが付着するなどの関係上、仕上がり肌があまり美しくない。
  • エアハンマーは怖い。昔は指を落として一人前だったとか。男の職場。

熱間鍛造による主な製品

  • ラチェットハンドル
  • めがねレンチ
  • スパナ

冷間鍛造

材料を常温で行う鍛造方法。「冷間=冷やす」のではなく、熱間鍛造に比べて冷たい温度間で行う鍛造のこと。

メリット

  • 成型制度が高いため、後加工が少なくて済む。
  • 熱間鍛造に比べて安全。

デメリット

  • 材料が固いため、熱間鍛造より自由度が小さく、複雑な加工はできない。

冷間鍛造による主な製品

  • ソケット
  • エクステンションバー
  • ラチェットハンドルのギア

温間鍛造

熱間鍛造と冷間鍛造の中間の温度域で行う鍛造方法。
熱間鍛造より仕上がり肌がキレイで、冷間鍛造より加工の自由度が高い。
しかし、冷間鍛造の技術進歩によりある程度複雑な加工はできるようになっているため、工具の製造ではあまり使われていない。