「不思議戦隊SOS」 (91-73)

Last-modified: 2008-06-05 (木) 23:26:52

概要

作品名作者発表日保管日
「不思議戦隊SOS」91-73氏08/06/0508/06/05

作品

主題歌        
不思議戦隊SOS(太陽戦隊サンバルカンの替え歌)歌・涼宮ハルヒ 推奨年齢30歳以上
 
あたしがもしもいなければ 世界はたちまち消えてゆく
花は枯れ、鳥は空を捨て、人は微笑み無くすでしょ?
あたしたちは希望の星よ 幸せを守る炎よ
ハルヒ、ユキ、ミクル ハルヒ、ユキ、ミクル
あたしたちの魂は萌えてるの
FOLLOW THE ME CATCH THE ME
不思議戦隊SOS
 
物語冒頭から意味のわからん曲が流れて申し訳ない、ここは市内にある遊園地のアトラクション広場
舞台では小学6年の女の子2人があやしげな黒い全身タイツに身を包んだ連中に囲まれ「タニグチモグラー」と証するモグラ怪人に捕まってしまった。
女の子の大きな方は(高校生ぐらいにしか見えない)悲鳴をあげ泣き出した、
小さいほうは(とても6年生には見えない)緊張感なく笑っている
暗黒少年剣士クニキーダは「この子達は僕らが頂いた!」と無邪気な笑みを浮かべ観客の子供たちを脅す。
「あっははは!あっ笑っちゃだめっさ、よいこのみんな大きな声でSOSを呼ぶにょろよ」
と全く危機感のない司会の髪の長いお姉さんが子供たちに問いかける
子供たちが必死に大声で叫んだ。
「SOSたすけて!」
「ケケケ!無駄だ誰も助けになんてこない、もう終わりだ」
谷口、いやタニグチモグラーはノリノリで更に子供たちを脅す。そのとき場内のスピーカーにニヤケハンサムの声が響いた。
「長官命令、不思議戦隊SOS出動せよ!」
俺がコックを捻ると一斉に舞台裏のボンベからスモークが噴出した。
「そこまでよ!」
観客席の子供たちが後ろを振り向くと、そこには3人のきわどいコスプレをした少女達が立っていた。
(せっかく、舞台でスモーク炊いたのに後ろから出てきちゃ意味ないだろ!)
「不思議戦隊SOS参上!」
赤い服をきた団長ならぬリーダーが見得を切りお約束の自己紹介
「あたしたちが来たからにはあんたらの好きにはさせないわ!あたしはリーダーのハルヒ」
どんなときでも自分の好きなようにしかさせないリーダーだけどな、恥ずかしげもなく両手を広げ鷲のポーズをとる
「ユキ・・・」「シャーク・・・」
マイク越しでも聞き取れない小さな声で青い服の少女は棒立ちのまま答えた。
「み、み、ミクルですう」
本人はパンサーのつもりであろうが控えめに口元で手首を曲げたすがたは可愛らしい仔猫であった。
その童顔とはアンバランスな豊かな胸は黄色いコスチュームによってさらに強調され子供たちではなく、おとうさん達の目を釘付けにした。
なんで、こんな事になっちまったんだろ、話は数日前にさかのぼる
 
「皆さん、GWに僕のアルバイトを手伝っていただけませんか?」
部室で今、古泉がとんでもない事を言い放った。一見普通の会話だがこいつのバイトを知ってる人間には信じられん発言である。
碁盤越しに俺が怪訝な視線を送ると、更ににこやかなスマイルを返す。
「古泉君、どんなバイトなの?」
ほら見ろ、食いついてきた。このところの平和で穏やかな日々に退屈してきた団長はブラックバスのようにルアーに喰らいつく
「ええ、いつものバイトとは違うのですが、僕の親類で遊園地の支配人がいまして」
またそれか、どうせ「機関」がらみのハルヒ様接待だろご苦労なこった。
「遊園地にできた食堂のお手伝いですよ、連休明けまで新規のバイトが来れないのでピンチヒッターですね」
古泉にしてはまともな提案だ、また殺人事件推理ごっこなんてごめんだぜ、俺の財政状況も危機的状況だしな
「もちろん!いくわよ、なんか楽しそうじゃない、みんなもいいわね」
特に断る理由はない、古泉がなにを企んでるかはしらんが、いつもの如く俺も巻き込まれるなら自分から行ってやる
「1人より2人がいいわふたりより5人が良い、そして勇気もそれからバイト代もそれだけ強くでかくなるのよ!」
100ワットどころかプラズマのような笑顔でハルヒは拳を突き上げた。
 
「キョン!速く皿洗って」
「あのキョン君ライスもお願いします」
「つり銭が不足している、速やかに補充を要請する」
「すいません、サラダの盛り付け15個お願いします」
「わかったが、一度に言われても全部はできん!」
こんな調子で数日が過ぎて行った。このカレーショップ「サファリ」は大繁盛で休む暇もない
俺たち5人は額に汗して労働の尊さを身をもって体験していた。
「店長」の腕章をしたハルヒは時給ではなく売上の結果でバイト代が決まる制度を遊園地にごり押しし、毎日売上ノルマを課した。
本来金には無頓着だが「だって目標があった方が楽しいじゃない」と言い放ち達成すれば大喜び
できなかった日は、売れ残りのカレーを全員で食べながらの反省会(長門はカレー好きなのか何倍もおかわりした)
それなりに充実した日々であった。三人の美少女ウエイトレスがサービスし
オープンキッチンのイケメンシェフが50種類のスパイスを調合し3日間かかって作ったカレーも絶品、大好評を博していた、
俺は裏方のコック見習い兼皿洗いだったが・・・
最終日を前日に控え、ランチタイムも終わって一息ついたその時、思わぬ団体客がやってきた。
「やっほーみんな!頑張ってるじゃないかっ」
「おい、キョン当然サービスしてくれるよな」
「キョンも大変だね、でもうらやましいな」
鶴屋さん、谷口、国木田この3人は来場を予想したが、なんでおまえがここにいるんだ
「だって、ミヨキチがキョンくんのところでカレー食べたいって言うから・・。」
「すいません、お兄さんお邪魔でしたか」
いやそんな事はないけど、事前に言ってくれればいいのに、その時冷たい視線を感じた。なぜ睨む?ハルヒ
「ごめん、ごめん、うちが誘ったのさ、二人とも連休にどこも行ってないみたいだからさ」
そこをつかれると弱い、恒例の母の実家里帰りは俺のバイトの為中止になり妹はすねていたのだ
ハルヒ店長の独断で皆にタダでカレーを振舞う、少しは遠慮しろ谷口、大盛り頼んでおかわりとはふてぇ野郎だ
しばらくすると、食材を補充に行っていた古泉が戻ってきた。
「やあ、これは困りましたね」
「どうしたんですかぁ?古泉君」
「支配人から話を聞いたのですがね、戦隊物のアトラクションのみなさんが食中毒で倒れちゃって最終日の公演ができないんですよ」
「今からじゃ代役も立てられないし、子供たちも楽しみにしてるからなんとかしたいと悩んでました」
嫌な予感がする、間違いなく的中するだろう朝比奈さんも同じ事を考えていたのか顔色が悪い
そのとき、お約束と言うべきか、予想できる災害と言うべきか、まあなんだいつもの暴走が始まった。
「古泉君、大丈夫よあたしたちが代わりに出るわ、いいわよね、みんな」
やっぱりそうきたか、古泉がバイトに誘った時点で何事もなく終わるとは思ってなかったが
「ありがとうございます、涼宮さん子供たちもきっと喜びますよ、サファリのスタッフは何とかしますから」
何故かその時サファリで働く新川さん、森さん、多丸さん兄弟の姿が頭に浮かんだ
「ハルにゃん、めがっさ楽しそうじゃないかっ、参加させてよ」
「もちろんよ、鶴屋さん、司会をお願いするわ」
「ハルにゃんあたしとミヨキチも出てもいいかな?」
「あの・・お願いします」
「うん!そうだ、悪役にさらわれる女の子の役で良い?」
どんどんと話は進んでゆく、しかしその場から逃げ出さんとしていた人影が二つあった
「あんた達どこ行くの?」
ハルヒにみつかった谷口と国木田はいたずらを母親にみつかった子供のように凍り付いている
「ちょうどいいから、悪役で出さしてあげるわよ、感謝しなさい」
抗弁などできるわけもなくしぶしぶと了解する2人、ざまあみろこうなりゃみちづれだ
その後サファリは臨時休業し俺たち全員は舞台裏でミーティング兼衣装合わせを開始した
ショーの内容は本来の戦隊物ではなく「不思議戦隊SOS」となり、ハルヒの即興で考えたシナリオを
長門がパソコンで清書してゆく、衣装部屋に入るとなぜか女性用の戦隊コスチューム(結構きわどい)ある
赤は鷲、青は鮫、黄色は豹をイメージさせる髪飾りが印象的だ、ハルヒはすぐにそれに眼をつけ自らリーダー赤を選んだ
長門は青、朝比奈さんは黄色、そのコスチューム正直たまりません
国木田は衣装の中から暗黒剣士を選び、古泉は高田総統チックな軍服とサングラス、谷口はハルヒの強制でモグラ怪人の着グルミとなった。
その他の悪役や裏方は古泉の知り合いのアクションスクールの生徒がやってくれるらしい
(予想はしてたけど俺は雑用その他)
打ち合わせはそのまま夜10時まで続き解散となった。
「すいません、妙な事にまきこんでしまって」
「最初からこれが目的だったんだろ、おまえも大変だな、明日はせいぜい楽しませてもらうぜ」
かくして物語は冒頭にもどる
 
「あれ?きのうカレー屋さんにいたお姉ちゃんだよねパパ」
なんてこった、連休パスをもっていれば期間中は何回も来場できるのだ、気づかれても仕方ない
子供たちがざわつき始めたとき、古泉長官が舞台に上がった。派手な軍服をきたサングラスの長官はアドリブを効かせて
「彼女たちは普段はカレー屋の店員ですが本当は世界を大いに盛り上げるための特殊部隊
不思議戦隊SOSの隊員なのです!」
古泉が普段の作り笑いではなく、心の底から楽しそうだった。舞台に上がったらさっさと人質助けろなどとはつっこまない
「おのれ!SOS邪魔をするのか、かかってこい」
タニグチモグラーが叫ぶとSOSの3人は脱兎の如くかけだし乱闘となった。
そのどさくさにまぎれて人質と司会を救出し長官が舞台裏に戻ってきた。
「いやあ、楽しいものですね、ついつい本気になりましたよ」
「おまえが本気になるのは構わんが映画撮影の時の事わすれたのか?」
「大丈夫ですよ、涼宮さんはこれをアトラクションだとはっきり認識してますから」
「だと良いが・・」
「舞台をみてください、子供たちも彼女たちも楽しんでいますよ」
舞台の上で3人が戦っている。ハルヒはダイナミックな動きで雑魚たちを倒し(無論寸止めだが悪役スタッフが見事だった)
ユキは華麗なステップで敵の攻撃をかわすと合気道のような技で投げ飛ばしてゆく
そして我がエンジェル、ミクルは「ふえぇ~」とか「ひゃあー」とか叫び半べそかきながら逃げ回ったりしゃがんだりして敵を相打ちにさせてゆく
何気なく昨日ハルヒが作った基本設定に眼を通したら背筋が凍った。
 
イーグル・ハルヒ、普通の女子高生だがその運動神経と美貌を見込まれて古泉長官にスカウトされSOSの一員となる。
 
ありがちな設定だが問題は残りの4人だ
シャーク・ユキ、外見は地球人だが実はこの銀河を統括する銀河警察の地球派遣員、そのことは長官以外誰も知らない、改心した元魔法使い
 
パンサー・ミクル、この時代の人類の危機を救うべく未来からやってきた、元戦うウエイトレス、古泉長官とは過去に遭遇している
 
不思議戦隊長官・古泉イツキ、世界を守る秘密結社「機関」の幹部で長官、未来からやってきたミクルの助言に従い「不思議戦隊SOS」を設立する
普段はカレー屋サファリのマスターだがサングラスをかけると不思議戦隊の長官に変貌する。実は超能力者
 
サファリのコック見習い・キョン、不思議戦隊の事は何も知らない、リーダー・ハルヒに思いを寄せているが相手にはされていない
 
最後は全く完全無欠のフィクションであるが、この設定は洒落にならない、もしかしたら全て知っているのかハルヒ?
さて、舞台の上では雑魚が一蹴された。残るは暗黒少年剣士クニキーダとモグラ怪人タニグチモグラーのみ
「さすがにやりますね、ここはひとつ一騎打ちといきませんか?リーダーさん」
そのショタ顔で既にお母さんたちのハートをしっかり掴んだ暗黒少年剣士は無邪気な笑顔を浮かべ剣を抜いた。
「望むところよ!かかってらっしゃい」
俺が舞台裏から、なにやら怪しげな剣をハルヒに渡す。ハルヒは上段の構えを見せた
何でもこなしてしまう運動神経の持ち主ハルヒと顔に似合わず剣道初段の腕前をもつ国木田の殺陣は一進一退の攻防を見せた。
多分両者本気で戦っている。じゃなきゃあんなリアリティはでないだろ、観客席は興奮のるつぼと化し、必死に声援を送った。
激しい戦いの末ハルヒはクニキーダの剣をたたき伏せ勝利を収める。クニキーダは
「やりますね、次はこうはいきませんよ」と二枚目悪役の常套句を口にし舞台から去っていった。
「さあ、残るはあんた1人よバカモグラ」
「誰がバカモグラだ!こうなればこの遊園地を全て爆破してやる」
「そうはさせないわ、2人ともあれをやるわよ」
「ひゃ・・ひゃい」「了解した」
「何をする気だSOS!」
「必殺、SOSボール!」
俺が赤、青、黄三色に塗装されたバレーボールを朝比奈さんに投げるそれをなんとかレシーブして
長門がトスをあげた、そのボールめがけて助走をつけたハルヒが飛び上がり強烈なスパイクをタニグチモグラーに叩き込む
そのボールをまともにうけたモグラ怪人は「おのれSOS・・」と最後の言葉を吐き
次の瞬間スモークと花火が盛大に使われ舞台が見えなくなった。本来ならめでたしめでたしで終わるのだが
俺が最も恐れていた、いやそれ以上の事態が発生した・・・
 
スモークと花火の煙が晴れると待っていたのは子供たちの歓声ではなかった。
「どこだここは?」
俺とユキ、ミクルの3人は気が付けば色のない空間にいた。まわりの景色はどうみても遊園地ではなく、どこかの採石場だ
「閉鎖空間・・」
長門それは本当か?自分で言っておいてなんだがそれ以外は考えられん、古泉どこに居るおまえの出番だぞ
「通信が入ってますよキョン君、じゃなかったリーダー」
朝比奈さんあなたまで何を言い出すのですか?
「手首・・スイッチ・・・」
なに?よく自分の全身を見てみれば真っ赤なコスチュームを身に着けている。ハルヒ達と違い男性用で頭はフルフェイスで覆われている
頭には鷲のレリーフ、胸にはみんなとおそろいのSOS団の紋章ワッペン、意味がわからないし笑えない、嫌な予感は的中したが・・
手首のスイッチを押すと古泉長官と連絡がつながった。(こうなりゃ俺もノリノリだ)
「大丈夫ですか、みなさん」
「大丈夫なわけないだろ!なんで閉鎖空間に俺たちがいなきゃならんのだ?」
「申し訳ありません、僕の考えが甘かったようです。そこは閉鎖空間の一種ですが厳密にいえば多少の違いがあります」
「ここは涼宮さんの夢がつくりだした閉鎖空間です。彼女は怪人を倒したとは思ってないようですね」
「なぜそんなことがわかる?」
「涼宮さんはおそらく戦隊シリーズに詳しかったからですよ、通常でしたら普通サイズの怪人を倒したら」
「倒したら終わりじゃないのか?」
「残念ながら違います。」
ドッスーン!ドッスーン!と地響きと共に巨大な生物の足音が聞こえる
「普通サイズで倒された怪人は巨大サイズになって襲いかかってきます。」
おそるおそる振り向くとそこには50メートル以上に巨大化したタニグチモグラーが立っていた
「その巨大怪人を倒せなければ、神人の時と同様に世界が滅ぶと推察できます」
「おまえが倒せ!出番だろ」
「残念ながら、それは無理です涼宮さんが望んでいるのはあなた達が怪人を倒す事ですから」
「どうやってあの馬鹿でかいのと戦えと言うんだ!あと、なんでハルヒの代わりに俺が戦わにゃならんのだ」
「なるほど、そういう事ですか・・」
「通常、戦隊物は5人一組ですが過去に3人だった作品があるのです。しかもその作品は途中で主役が交代しました。そのイメージが強いようですね」
「なんで、俺に交代なんだよ!頼むかわってくれ」
「無理ですよ彼女はあなたが主役になって世界を救うことを望んでいるのです。今対抗手段をもってそちらに着きますから武運の長久を祈ります」
通信は切れた。
空にはガンダムに出てきたジオンの戦闘機のような飛行機が20機ほど編隊をくんでおり
爆弾を落としてきやがった。
俺はミクル隊員を抱え逃げ回る、ユキは巨大怪人と鬼ごっこ中このままじゃマジで世界が滅ぶ
爆煙に覆われた空に稲妻が走った。何処からかミサイルが飛んできて次々と戦闘機を撃墜する。
また、通信が入った
「お待たせしました。これが不思議戦隊がほこる巨大空中空母「シャミセンバルカン」です」
航空力学上飛べるわけのないずんぐりした機体の三毛猫型巨大飛行物体が空の彼方からやってきた
敵戦闘機を全て撃墜し着陸したシャミセンバルカンに俺たちは何とか逃げ込んだ、そこで待っていたのはサングラスをかけた古泉長官だった。
「話は後です、今すぐあなたは大型戦闘機「コスモ・シャミ」に搭乗してくださいお2人は大型戦車「ブル・シャミ」へ急いでください!」
コクピットは懐かしの特撮物に出てきそうなレトロな機器がところ狭しと並んでいる電話なんて黒電話の受話器を塗装した物だ
シャミセンバルカンの口が開き、そこから大型戦闘機と大型戦車が発進する。
「これであの巨大怪人と戦うのか?」
「そのままでは不利ですから右端のレバーを押しながら「合体!グランドクロス」と叫んでください。」
「叫ぶ意味あるのかよ!」
「お約束ですから、お願いします」
「聞いての通りだ、いくぞみんな!」
「了解した」「わっわかりましたぁ!」
「合体!グランドクロス」
絶叫とともにレバーを倒すと俺の飛行機は上半身に、戦車は下半身に変形し合体して巨大ロボットになった。恐るべしハルヒ脅威のメカニズム
「これが我々の最終兵器SOSロボです」
戦いは激烈を極めた、操縦はもっぱらユキ隊員がやっていたがなかなか決着はつかない
ミクル隊員は泣き喚いているし、俺もあまりの揺れに車酔いならぬロボット酔いにかかり吐きそうだ、このままじゃこっちがくたばる
「このままじゃきりがない、一気に決着つける必殺技はないのか?」
「ある・・SOS剣ハルヒ殺法十文字斬り、私の動作をまねして技の名前を一緒に叫ぶ必要がある」
俺はユキ隊員の目を見た、初めてだこんなに楽しそうな目をみるのは、形のよい唇の端が歪んでいる
「許可を・・」
答えは決まってる、せっかくユキも楽しんでるんだ
「よし!やっちまおう」
「そう・・・」
「SOS剣ハルヒ殺法十文字斬り!」
額のSOS団の紋章から剣が飛び出しそれでタニグチモグラーを十文字に斬りつけた。斬られた怪人は大爆発を起こし俺は衝撃で失神した。
 
気が付いたらそこは舞台裏だった。舞台ではノビたタニグチモグラー(多分、中の人もノビている)を踏みつけハルヒが勝ち名乗りをあげている
「よいこのみんな!悪は滅びました。世界を大いに盛り上げる不思議戦隊SOSをよろしくね」
朝比奈さんは座り込んで呆然としており、長門は平然と立っていた。
「ごくろうさまです。見事世界は救われました」
後ろを振り向くと古泉が衣装のままそこにいた。
「急に話しかけるな、息を吹きかけるな、顔が近いんだよ」
「失礼しました。先ほど森さんから連絡が入りまして僕は多分大目玉ですよ」
軽く溜息をつきサングラスをはずした。その目は相変わらず笑っている
「支配人が大変喜んで、バイト代にボーナスつけてくれましたよ、後で取りに行ってください」
そういい残し古泉は去っていった。
ショーは大成功で幕を閉じ、3人はサイン攻めにあって大変だった。長門が驚いた表情なんてはじめて見たよ
事務所には不思議戦隊SOSについて問い合わせが殺到した。テレビ局の人間までいたらしい、勘弁してくれ
俺達はバイト代を貰い遊園地を出た。長門は宇宙刑事について調べたいと言い残し1人で帰った
朝比奈さんと鶴屋さんはこれからふたりバイト代をもってショッピング、谷口と国木田はバイト代をもって速攻で帰った。
妹はこれからミヨキチの家にお呼ばれらしい、帰るときは迎えに行くから連絡しろ。
そして俺とハルヒだけが残った。
「楽しかったか?ハルヒ」
「う~ん楽しかったけど肝心のロボットバトルができなかったのは残念だわ、いろいろ想像したのに」
「どんな想像だ?」
「納得できないのよ!あたしじゃなくてあんたがリーダーになって敵を倒すの、我ながら信じられない想像したわ」
「だから罰として、バイト代で夕飯おごりなさい!」
「なんでそうなる!」
「あんたは楽な裏方だったじゃない!ショーの設定も」
「やれやれ、わかったよ何が食べたい?」
「行ってから決めるわ!こっちよキョン」
俺の手を握り締め走り出したハルヒの笑顔はまるでプラズマの様だった。
 
エンディングテーマ
笑顔はプラズマ (若さはプラズマの替え歌) 歌・串田アキラ
 
(プラズマ プラズマ)
1人より 2人がいいさ
2人より 5人がいい
力も夢も そして勇気も
それだけ強く でかくなる
 
いつもわがまま あいつ
いつも無口な  あいつ
いつもかわいい あいつ
 
萌え上がる 萌え上がる 笑顔はプラズマ
どんな時も どんな時も 頼れる仲間さ
(1・2・1・2・3)
行こうぜ 行こうぜ SOS
  
 
応援ありがとうございました。来週のこの時間は新番組「宇宙刑事YUKI」をお送りします
お楽しみに
  
おわり