ふたりだけにひろがる空 (120-933)

Last-modified: 2009-11-30 (月) 23:58:42

概要

作品名作者発表日保管日
ふたりだけにひろがる空120-933氏、948氏09/11/2909/11/30

作品

ハルヒ:夏来たときは、ごったがえしてたけどね。季節はずれだと、こうも人がいないものかしら? 
キョン:こんなもんだろ。冬の海水浴場なんて。……寒くないか?
ハルヒ:寒いのと人気(ひとけ)がないのが、好きになったの。誰かさんのおかげでね。
キョン:……。
ハルヒ:いい天気ね、キョン!
キョン:……。
ハルヒ:い・い・お・て・ん・き・ね、キョン?
キョン:……そうだな。
ハルヒ:こら、キョン、こっち向きなさい。
キョン:……ああ。
ハルヒ:ちゃんと目を見て。
キョン:……。
ハルヒ:何、ぼうっとしてんのよ?
キョン:ぼうっとしてるのは、いつもだ。
ハルヒ:そうだけど……そうじゃなくて!
キョン:実感が……わかなくて、な。
ハルヒ:何の?
キョン:おまえがいなくなること。
ハルヒ:別にいなくならないわよ。
キョン:それはそうだが……。
ハルヒ:一年なんて、あっという間よ。
キョン:……そうだな。
ハルヒ:あたしたちは、何にも変わらないわ。
キョン:……ああ。
ハルヒ:何よ、自信がないっての?
キョン:自信とか、そういうことじゃない。
ハルヒ:今じゃISSの現在位置とか船外温度だって、グーグルで探せるのよ。
キョン:……。
ハルヒ:あんたの真上を飛んでるときは、ちゃんと手を振るわ。
キョン:……。
ハルヒ:あんたもそうするの!油断せずに備えなさい!
キョン:……わかった。
ハルヒ:ったく、無理すんな!
キョン:って、どっちだよ! 
ハルヒ:どっちもこっちもないわ。
キョン:無理なんかしてない。素直じゃないだけだ。
ハルヒ:だったら素直になんなさい!
キョン:どの口で言うんだ!?
ハルヒ:この口よ……。
キョン:……。
ハルヒ:………。
キョン:………。
ハルヒ:……たった1年よ。
キョン:……長いな。
ハルヒ:……短いわよ。今のキスに比べたら。
キョン:……。
ハルヒ:だまるな!余計、恥ずかしいでしょ!
キョン:……すまん。
ハルヒ:会いたくなったら! どんな手を使っても帰ってくるわ。地上まで何万キロあろうとね!
キョン:おまえが言うと本気に聞こえる。
ハルヒ:あたしはいつだって本気よ。
キョン:ああ……そうだな。
ハルヒ:やっと笑ったわね。いつも通り、しまらないけど。……あんた、らしいわ。
キョン:ほっとけ。
ハルヒ:ん。じゃあ、行って来る!
キョン:ああ、行って来い。待ってる。
ハルヒ:うん。
キョン:ちゃんと待っててやる。
ハルヒ:わかってる。
キョン:なんにも心配するな。
ハルヒ:こっちのセリフよ。
キョン:ああ。だが、おれは多分、心配する。
ハルヒ:そうね。あんた、だもんね。だったら、あんたは思う存分心配してなさい! それから……
キョン:何だ?
ハルヒ:……それから、その、帰ったら! そう、帰ったら、さっきの続きをするから! 首洗って待ってなさい!
キョン:ああ。待ってる。
ハルヒ:いってきます。
キョン:いってらっしゃい。
 
 
 
 

スレの流れ (948氏)

しかし何だ。ハルヒの乗っている宇宙船を上から見下ろすってアングルは
ありえないだろう
 
「どうです?「機関」が購入したソユーズ。狭いのは問題ですが、まがりなりにも
 宇宙船です。無重力空間も乙なものでしょう?」
 
お前は良いよ。普段から赤い玉で飛んでいる変態だからな。俺は空に浮くのに慣れていない。
ほら見ろ。朝比奈さんはさっきから壁に激突ばかりしている。
 
「キョンく~ん。恐いですう。この時代の宇宙船はまだまだ「禁則事項」でよく「「禁則事項」ですよ。(ごつん)痛!」
 
その禁則事項の内容は聞きたくないですね。
 
で、あれだ。
 
「長門は中に入って来い。セーラー服で宇宙遊泳はシュール過ぎる」
 
「・・・・・・」
 
何か言えよ。
 
「・・・大丈夫。不可視フィールド展開済み。遮音フィールドは不要なため・・・・
 
分かった。楽しんでくれ。
 
しかしチート過ぎるが、いつまでも宇宙滞在とはいくまい。明日は会社だ。
ハルヒの乗った宇宙船との短いランデブーは終わりとなり、帰還シーケンスに入る。
 
 
さて俺はハルヒが帰ってから宇宙の自慢話を聞かされる訳だが、俺も殆ど体験済みとなる。
上手く感動できるだろうか?ん?どうした?
 
「パパ。もう帰るの?」
 
娘だ。学校で両親の職場訪問の宿題を受けたらしいが、これは限度を超えているだろう。
宇宙初の家族旅行。例によってあいつだけ知らないがな・・・
 
落ちなしend