埋めネタ「あたし達付き合うことになったから」 (89-984)

Last-modified: 2008-05-20 (火) 03:27:20

概要

作品名作者発表日保管日
埋めネタ「あたし達付き合うことになったから」89-984氏08/05/1908/05/20

作品

これは俺とハルヒがようやくお互い素直になり、というより俺が、まぁ、なんだ、うまくはめられたというか、誘導させられたというか。
そういう訳で正式に付き合い初めてから初めて登校した教室での話である。
え?告白の話はしないのか、って?
恥ずかし過ぎるのでここでわ割愛させてもらおう。と言ってもこれから話す話も充分恥ずかしい話のような気もしなくもないのだが。
 
 その朝、俺は告白したこともあり妙にテンションが高め、高揚気味だったりして少し早めに家を出て学校へ向かったが、いくらテンションが高かろうとハイキングコースをそのハイテンションを保ちながら登ることは出来ず、逆に少し遅刻気味で地獄坂を登りきった。校門前で同じく若干遅れ気味の谷口と合流し、教室の扉を開けて入った時事件は起きた。
 
 もちろん犯人は涼宮ハルヒその人である。
 
 教室に入って数歩歩いた俺は、
「キョーーン!!」
の一声で谷口の横を吹っ飛び、「ぐぁっ」と呻き倒れることと相成った。
倒れた俺の上にはハルヒが居た。いや、正確には俺を抱きしめて、居た。
「遅っいのよ!バカキョン!」
苦しいっての。まぁ、嬉しいんだが。
「分かった、分かったから一度離してくれ、立てない」
「あ、ごめん」
そう言ってハルヒは離れたが俺がよろよろと立ち上がると今度は俺の腕に自分の腕を組み直して叫んだ。
「みんっなー!!聞きなさい!」
いや、その先はこの状態を見れば言う必要は無いと思うぞ。うん。
「いいから黙ってなさいあんたわ。」
すみません。
あぁ、ちなみに横にいたはずの谷口は口を開け、目を見開いてただ呆然とアホ面をしていた。ついでに今更ながら、坂で会った時には何時ものことなのであえて言わなかったが、チャック、開いてるぞ谷口。
さて、谷口はどうでも良いとして隣の満面の笑みを浮かべた俺の彼女は一体何を言うつもりなのかね。
…まぁ、何でも良いか、こいつが嬉しそうにしてるなら、な。

続きっぽい埋めネタ

朝からさんさんと太陽が輝いていたある日のこと。
学校に着いた俺はハルヒに飛び付くように抱きつかれ、落ち着けよとちょっと惜しいな、なんてことを考えながらハルヒを引き離した。いや、腕は組んだままなのだが。
照れ隠しのように黒板上の時計を見れば40分まであと5分の35分であった。
遅刻寸前だな。
続いて横を見れば嬉々とした顔のハルヒの横顔が見える。その爛々と輝く黒い瞳は、既に来ていた大多数のクラスメイトに向けられていて、そのクラスメイト達の視線もこちらに集中していた。
そんな中、ハルヒはすぅと一息吸い
「みんな聞いて頂戴!」
大声でそう叫んだ。俺と腕を組んだままに。
そして、
「あたし達付き合うことになったから!!」
と、更に声の大きさと高さを上げ再び叫んだ。
あまり大きな声を出すな、耳に響く。
しかしそれで終わらずハルヒの突然の宣言から数秒置いて今度は俺の耳へ黄色い歓声が届いた。
「きゃぁーー!!」
女子の悲鳴にも似た声だった。何なんだ一体、そんな不思議な事か。俺とハルヒが付き合うってのが。
しかし今になってなんというか恥ずかしくなってきたぞ、おい。
「何言ってんの?今更」
いや、確かに今更なんだが。
と俺がシドロモドロしていると国木田が声をかけてきた。
「キョン、とりあえずおめでとう」
「お?おぉう」
って何焦ってんだ俺。
そんな俺に微笑を向けた後ハルヒに向かって聞いた
「涼宮さんもおめでとう。で、」
「何?」
と笑顔のハルヒが聞き返す。
「どっちから告白したの?」
「は?」
と俺。
おい国木田何を言いやがる。どうした熱か?頭痛いのか?救急車呼んでやるぞ。
「これ大事なんだよキョン。熱無いし頭痛い訳じゃないから遠慮しとくよ。で?やっぱりキョンから?」
そうかそれは良かった。友達が正常で良かったよ。うん。
「じゃ、この話はこれで…「キョンよ。」
「そう俺が…っておい!何普通に話して…」
「きゃぁーー!!」
俺の抗議は再び起こった奇声にかき消された。
人のセリフに被せるな。
そして何だお前ら、何故樋口さんやらが飛び交ってるんだ。
そんな俺の疑問に国木田が答えた。
「いつくっつのか、どっちが告白するのかっていう賭けをやってたみたいだよ。」
人を賭けのダシに使うな。それに賭けは良くないぞ。賭けは。
しかしそんな俺の突っ込みを無視し国木田は
「ちなみに僕は谷口と賭けたんだけどね。」
と、一旦そこで言葉を切り俺とハルヒの後ろ、ドアの所で色々開けながら固まっていた谷口に微笑を向け
「僕の勝ちみたいだね谷口」
しかし、谷口は国木田の言葉が終わる前に「ごゆっくりぃぃぃ!!」と言って走り去った。
「はぁ…」
ちなみにハルヒは泣きながら祝福する阪中やニヤニヤ顔の佐伯やらと何やら話している。
そんなクラス全体が高テンションの中、
「あの~お前ら、ホームルーム始めたいんだが…」
と、控え目に岡部から声がかけられた。
どうやらとうに40分は過ぎてたらしい。
やれやれだ。
あ、谷口は遅刻です先生。