病むほど好き!

Last-modified: 2007-01-10 (水) 00:50:56

概要

作品名作者発表日保管日
病むほど好き!29-275氏06/12/2207/01/10

作品

初投稿です。
素人故にパクリにならない程度?に他のSSの文章を参考にしており、
多々未熟な点がありますが、ご了承ください。

 

 [ハルヒ視点]
 中学の頃は毎日孤独で憂鬱だったけど、高校になってからはは毎日が楽しい。
キョンのおかげでSOS団のみんなに会えた。キョンのおかげであたし生活が変わった。
いつも素直になれないけど、ホントはいつも感謝している。

 

 放課後、あたしははいつものように部室に向かった。

 

「やっほー。みんなー、いる。」ガチャリ

 

部室に入ると有希がキョンの手を握って、真剣な面持ちで見つめていた。

 
 

えっ!ちょっと待っ!!何!!これってどういう事…………!!

 

ドガシャァ!
あたしは、反射的にキョンに蹴りを入れて二人を引き離した。

 

「ちょっとキョン!有希に何してんのよぉぉー!!」

 
 

「有希!大丈夫!?キョンに変なことされなかった!?」
「…………?」

 

有希は無表情ながら呆気にとられたような顔をしていた。

 

「有希がおとなしい性格だかって やらしいことでもしようとしたのね!
有希、安心してあなたの事はあたしが守るから!
二度と襲われたりしないように、あたしがキョンきっちりと罰を与えるからね!」

 

「おい、ハルヒ!どう誤解したのかしらんが、勝手に話を進めるな。俺は何もしていないぞ。」
キョンはいつもの「やれやれ、またか」っていう感じのあきれた表情で、話す。

 

「彼の言っている事は真実。私は占いや手相に関する文献を読み、非科学的であるが、興味深いと思った。
そこで、彼に協力をしてもらっていただけ。」
有希の膝にはは手相に関する本がおいてあった。

 

有希の言葉を聴いた途端、正直、ほっとした。
「そう、、、今回は特別にっ!!許してあげるわ。でもね、キョン!有希があまりにも可愛いからって
襲ったりしたら死刑だからね!」

 
 

 今日の部活はいつもどおりだ。あたしはネットで不思議そうなものや次の企画のねたを探している。
キョンと古泉君は将棋をしていて、有希は無言で本を読んでる。メイド服のみくるちゃんは、
お茶を配ったり、適当にみんなと雑談している。
 みんな、あたしにとってかけがえのない親友だ。でも、みくるちゃんと有希は親友であると同時に恋敵でもある。
 それにしてもさっきからみくるちゃんキョンに近づきすぎね…。さりげなく誘惑しようとしてるの
かしら?キョンも男の子だし、あの胸で迫られたらイチコロかも。要注意ね……。

 

 それよりも問題は有希ね。
 有希はキョンの言うことなら何でも聞くし、普段は殆ど無表情なくせにキョンを見るときだけは、
明らかに目の輝きが違うし、時々本を読みながらキョンに視線を送ってるし、何かと理由をつけて
キョンに近づこうとするし…………。まずいわ、この娘は、あからさまにキョンを狙ってる。
それにしても、ばれてないとでも思ってるのかしら、鈍感なキョン以外ならだれでも気づくわよ。

 

 有希、さっきは邪魔しちゃってごめんね。でもね、たとえ親友であってもキョンだけは、譲れないの。
キョンに触れていいのはあたしだけよ!!

 
 

 そんな事を考えているとあっという間に時間が過ぎる。パタンと音。
有希が本を閉じて、みんなが帰る準備を始める。
「あたしはもう少しネットをやってくわ。あたしが戸締りしとくから、みんなは先に帰ってて。」

 

 みんなが帰った後、あたしは部室に残ってネットを続けていた。
しばらくして、ネットに飽きてきたので、今はただぼんやり外をと見ていた。

 

 薄暗い校舎と誰もいないグラウンド。この風景は、あの時の夢と似てる。
 今でもはっきりと覚えてるあの夢、キョンに握られた手の暖かさ。
抱き寄せられた肩の感触。奪われた唇。キョンへの思いが止まらない。
 キョンは、あたしがいつもワガママばっかり言ってるのに、見捨てないでいてくれる…。
あたしが挫けそうになっても、何度も何度も支えてくれた。キョンはあたしの理解者だ。
 キョンが居ないとつまらない。キョンが居ないと寂しい。キョンが居ないと辛い。キョンが居ないと退屈。
あたしは……もうキョンじゃなきゃ駄目……。 キョンがいないとあたしはきっと壊れちゃう…。
 もうヒツゼツに尽し難い程、キョンが好き。

 

 キョンは自分をもてない奴と思ってるけど、実は違う。
 地味だけど顔立ちは整ってるし、スタイルもいいし、
人当たりもいいし、中途半端にだらしがない服装は、結構セクシーだと思う。
 隠れファンの多さなら、学年でも20位程度にには入るんじゃないかと思う。うーん、微妙なレベルね。
でも、「この位ならあたしでも落とせそう。」と思わせるレベル、そう、丁度キョンくらいの方が、
カッコ良過ぎるタイプよりも、実際の所、寄って来る女の子は多いのだ。
 だからいつも私が、頑張ってキョンに纏わりついて、他の女を寄せ付けないようにしてる。
 コレ…キョンが知ったら、怒るかな?

 
 

ふとさっきまでキョンが座っていた椅子を見た。そこには体操着袋が置き忘れていた。
「もしかして……こ……これって、キョンの体操着。あいつって結構抜けてるのよね…………。」

 

 ラッキーな事に今日は誰も居ないし…………。やばい。どうしよう。誘惑に抵抗できない……。
体操服に顔をうずめて…………と。

 

「っすうぅぅ―――。んっ、キョンの匂いぃ。……はうっ。キョンっ……もてあますよう……。」

 

 …………って!!!  あたしってば、何やってんのかしら!!!
これじゃまるで危ないストーカーみたいじゃない!!
それもこれもみんなキョンがいけないのよ!!こんなにあたしを惚れさせるから…………。

 

 よしっ!!決めた!
今からキョンの家に押しかけて、体操着を返しに行くついでに思い切って告白しよう!
やらないで後悔するよりやって後悔する方がいいに決まってるわよね?
 あたしは一人納得し、体操着袋とカバンをとって部室を出た。
 私は一人坂道を下る。今日は天気がいいせいか、坂から眺める夕日がとってもきれいだ。
もし…もし横にキョンが居てくれて手をつないで一緒に帰れたらと妄想する。
 それだけで胸が熱くなる。

 

 キョンの家の前にきた。あたしは勇気を振り絞って、呼び出しボタンを押した。
 ピンポーンー
ドタドタ ドタドタ。ガチャリ。
 「あっハルにゃん!こんばんわー!」
出てきたのは、とってもかわいいあたしの義妹ちゃんだった。
「キョンくーん!ハルにゃんが来たよー。」ドタドタ ドタドタッ
 笑顔であたしを挨拶をした後、笑顔のままキョンを呼びに走っていった。
 かわいいなー、もうっ……。この子が、もしあたしの義妹になったら、はやりの少女漫画についてとか、恋の悩みとか、
いろんな事を話してみたいな。あたし妹がいないから、姉妹愛ってやつに憧れるのよね。キョンのお母さんはあたしの事を
気に入ってるみたいだし、妹ちゃんもあたしに懐いてる。キョンと結婚したら、絶対に幸せになれると思う。

 

しばらくして、キョンが玄関までやって来た。
 「よう、ハルヒ。どうしたんだ。いきなり訪ねててきて。」
突然の訪問に少しだけ驚いているみたいだった。

 

 「忘れ物よ。団長様自らがわざわざ持ってきてあげたのよ。有難いと思いなさい。」 

 

 「そうか。ありがとな。でも、たったそれだけの為にわざわざここに来るなんて、
お前らしくないな。他になんかあるのか?」 
そう言って、キョンは体操着袋を受け取った。

 

 「うん。実はあたしね……ずっとキョンに伝えたかったことがあるの。それを伝えたくって……
あたしね。今までキョンに伝えたくても伝えられなくて……いつもいらいらして
キョンに当たったりしてた。 でもやっぱりそんなことじゃいけないと思ったの。」

 

すーっと深呼吸をして、一気に言い放つ。
「あたしはキョンが好き。あたしが好きなんだから、付き合いなさい。
団長命令よ!断ったら死刑だからねっ!」

 

キョンは一瞬、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしたかと思うと、急に真顔になって
あたしの想像を絶する言葉を吐いた。

 

「すまん。死刑は嫌だが、お断りだ。
今まで散々下らん事で八つ当たりされたり、奴隷みたいに扱われてきたってのに、
好きだと言われて、はい、そうですかとか、普通、言うわきゃねえだろ。 脳みそ腐ってんのか?」

 

ショックのあまり頭が真っ白になる。
「そ……そんな……。嫌なら、なんで、今まで嫌って言わなかったのよ!!!!」

 

「……。SOS団に付き合ってやってるのも、お前のわがままに付き合ってのも、
そこに長門が居たからだ……。実はおれ……長門の事が好きなんだよ!!!!!!」

 

イヤイヤイヤイヤイヤイヤ嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌あああっ!! 
 嘘だ。うそだ。ウソだ。嘘だあああああああっっ!!!ーーーーー!!!!

 
 

 ガバッ。あれ、ここは布団の中。
「はぁっ……はぁっ……。なんだ……。馬鹿みたい。夢だったんだ……。」
そうよね。当然じゃない。キョンがそんなひどい事を言う筈が無いもの……。
キョンはあたしの事が好きにきまってるし……。
最近になってキョンが有希ばかり構うのは、あたしに振り向いて欲しいからに決まってる。
馬鹿ね……キョン。そんな心配要らないくらい、あたしはキョンが好きなのに……。
キョンに嫌われる理由なんて……、嫌われる理由なんて……。
「嫌われる理由……、どうしよう……。山ほど心当たりが……。」
絶望的な気分に襲われ、吐き気が込み上げてくる。
ヤバイ!早くトイレに…
「…っげぇ…、痛たた…、あれっ…、赤黒い。」
胃潰瘍を起したかも?。しばらく学校を休む事になりそうだ。
でも、そうしたら、少しはキョンが心配してくれるかな?
お見舞いに来てくれたら、うれしいな。そのときは、もっと素直にお礼が言えるといいな。

 
 

[キョン視点]
 昨日ハルヒは休みだった。ハルヒが居ない一日と言うのは何とも平和で退屈だった。
改めてハルヒは俺の平凡な生活に深く踏み込んでいたのかが分かる。
……って俺は何考えてんだ。
そんなことを考えているといつの間にか教室についていた。
とりあえず、席に座ってハルヒを待つことにするか…
しかし、ハルヒは今日も学校に来なかった。
あいつが二日連続で休むなんて珍しい事があるものだな。
そう思っていると担任の岡部が言った。
「今日、涼宮の両親から連絡があった。胃潰瘍だそうだ。幸い軽度で一日だけの入院で済んだそうだが、
まだ、しばらくは休むらしい。」

 

 授業中、いつも背中に刺さっていたシャーペンと視線が無いと少しだけ物足りない気がした。
ハルヒのやつ、色々と悩み事でもあったんだろうか。友達も少ないみたいだし、今まで
一人で無理してきたんじゃないだろうか。
 六時限目終わりの休み時間に谷口が、俺に話しかけてきた。
「キョン、涼宮の力になってやれるのは全地球上でお前しかイネーんだ。
絶対見舞いにいってやれ。いいな!」 
「ああ、そうだな……。」
 まあ、俺しか居ないかどうかは判らんが、まあいいだろう。

 

 俺はハルヒが居ないせいかいつもより退屈に感じる授業を終え、いつもの部室の前に到着した。
俺はいつも通りノックをする。
「入って」
帰ってきたのは、長門の声だった。
とりあえず俺はその言葉に従う。
ガチャッ
部屋の中を見ると、そこには長門が本を読んでいて、古泉はダイヤモンドゲームをスタンバっていた。
これもいつも通りだな。朝比奈さんはまだ来ていないようだ。
さてと、さっそく本題をきりだすとするか、
「なあ、みんなはもう知ってるかもしれないが、ハルヒの奴、胃潰瘍でもう少し休むらしい。
どうせあいつが居ないと大してすることもないし、これからみんなで見舞いに行かないか。」

 

「素晴らしい提案ですね!実は昨日から今までにない規模の閉鎖空間が発生していましてね。
僕としましては、まずはあなたが一人で行くことをお勧めします。
この世界を救うにはそれが一番です。」
古泉が俺の提案に賛同したかと思ったら、すかさず、とんでもない提案をしやがった。
しかし、今日の俺はそれに従ってもいいような気分だった。
「そうか………。世界が滅びるんじゃ仕方ねえよな……。」

 

「おや!あなたにしてはえらく素直ですね。僕達もあとで行きますから、あなたは
今すぐ涼宮さんの家に向かってください。」

 

「………………」
んっ?長門はさっきから黙っていて頷きもしない(普段は頷く)。
どうかしたのだろうか。俺は再度長門に問いかける。
「なぁ、長門、どうかしたのか?」

 

「なんでもない。」
いつもどおりにつぶやく長門は、どことなく拗ねているようにも見えた。

 
 

[長門の心情]
こちらを一瞥したあと、彼は部室を出て行った。
涼宮ハルヒが学校を休む事によって、彼と一緒に居られる時間が増えた。
それが、私には嬉しかった。
しかし、今、彼は涼宮ハルヒのお見舞いに向かっている。
心配そうな彼の顔は、いつものやさしさで満ちていた。
涼宮ハルヒはいつもそれを独占してきた。また、これからもそれを独占し続けるだろう。
それが私には許せない………。
なぜ、…涼宮ハルヒ?
 涼宮ハルヒは彼のために何もしていない。涼宮ハルヒはいつも彼に害を及ぼしている!
それに対して私はいつも彼を助けている。また、彼も私を救ってくれた!
私は彼を頼り、彼は私を頼ってくれる。
それなのに彼の愛情を受けるのは涼宮ハルヒ。
 なぜ私ではいけない!?
私は彼をこれ程までに愛しているのにっ!!!
許せない………。許せない………。許せない………。許せない………。
 そうだ、また、世界を改変すればいい。なんでこんな簡単な事に気が付かなかったのだろうか。
次は、緊急脱出プログラムなんか作らない………!
 そう考えた瞬間私の意識が遠のいていくのを感じた………。
薄れ行く意識の中で、キミドリエミリの声が………聞………こえる………。
「ごめんください。この娘、エラーを起こしてるみたいなの。
ちょっとメンテナンスをさせて下さいね。」
 そう………。私は所詮観測者………。人を愛す事はできない………。

 
 

[ハルヒ視点]
今日もベッドの上で一日を過ごしてる。
まだすこし、胃が痛いし、吐き気もする。
おまけに親父とお母さんは仕事に出かけてて、家にはあたししか居ない。少し退屈だ。
でも、今までこっそり集めてきたキョンの写真を見てると心が安らぐ………。
キョン、早くお見舞いに来ないかな……。

 

ピンポーンー

 

静寂の中に電子音が鳴り響く

 

「おーい、ハルヒいないのか」

 

あの声、間違いないキョンだ。もしかしてお見舞いに来てくれたの?
そうだ、まずは部屋かたずけないと!
部屋にあるキョンコレクションの数々を見られるわけにはいかないわ!
あたしは急いでブツを机に強引に突っ込んで、玄関まで全力疾走した。
気が付いた時にはもう玄関のドアを開けていた。

 

「よう、見舞いに来たぞ。
胃潰瘍っていっても水分くらいの差し入れはOKだよな?
リンゴジュースとか好きだったよな。」

 

そう言ってキョンはいつにも増して優しい表情浮かべ、コンビニで買ったと思われるビニール袋
を手渡してくれた。
「あ…ありがとう」
高鳴る心臓の音が、聞こえる。頭がぼおっとして顔があつい。ドキドキしながら袋を受け取る。
ビニール袋の中を見ると果汁100%のリンゴジュースが入っていた。

 

「せ、せっかく来たんだから上がっていったら、私調子そんなに悪くないし」
上がってくれなきゃ死刑だからね?お願い?お願い!一生のお願い!

 

「そうだな、ちょっと上がらせてもらうよ」
やった。OKサインキター!
今のあたしは、これまでの人生の中でも最高に幸せだと思う。これは間違いない。

 

さっそくあたしはキョンを2階のあたしの部屋に連れて行った。
あっ!せっかく来てくれたんだから、なんか出さなきゃ。
「そうだ。キョン、コーヒーかなんかのむ?」

 

「ありがとう、悪いな気使わせて。」
「いいわよ別に」
とあたしは返事をして、インスタントコーヒーをそれなりのティーセットで飾る為、
一階にある台所まで降りていった。

 
 

[キョン視点]
ハルヒが部屋を出て行った後、部屋を改めて見渡した。
装飾は全体的に少なく、あまり女の子らしい感じはしない。
本棚には教科書の他に超常現症に関する本やマイナーそうな漫画が入っていた。
そして、勉強机はつい今しがた無理に突っ込みましたって感じにノートがはみ出していた。
見ない方がいい…いや、見てはいけない…。
俺の心の中で何かが引き止めた。
けれど…俺は見てしまった…。
それはキョンノートと書かれたメモ帳だった。
そこには今までのハルヒの態度からは考えられないような文章が書かれていた。

 

一部を抜粋。
○月○日
前に座ってる奴が話しかけてきた。
へぇ、キョンって言うんだ。結構かっこいい。ちょっとストライクゾーンかすったかも。
(…待て待て、これって、最初にあった時の話か…、普通の人間は興味無かったのではないのか? )

 

○月○日
うー。キョンとデートしたいよう。
でも、あんな事を言っちゃった手前、今更デートに誘うわけにもいかないし、どうしよう。
そうだ。不思議探索という事にして誘い出してみよう。
全員を呼んで、くじ引きで班分けをすれば、怪しまれずに二人になる機会が得られるかも!
(ハルヒ…だから、あんな態度を…)

 

○月○日
夢の中でキョンと二人きり。クライマックスシーンでキョンとキスした。
最高にいい夢だった。大興奮!ってかんじかな?機嫌もすっかり元通りよ!

 

 ノートは始めの方はこのとおり、日記の形式を取っていたが、日を追うごとに内容が滅裂になり、
最近のものは15分ごとの授業中の俺の様子が書かれていた。これじゃまるでストーカーだ。
最後のページに至っては「粥…、うま…。」とだけ書かれ、文章が終わっていた。
いったい何を書きたかったんだか…。今日食べた粥が美味かったのだろうか?
しかし、ここまで愛してくれるているなら正直嬉しい、というか萌える。
俺はその時、驚いてはいたが、意外に冷静だった。
ハルヒが俺に思いを寄せている事くらい、二人で閉鎖空間に入ったときからきづいていたし、
無意識の内に自分の思いにも今、気付いた。それならもう迷う事なんかないよな………。
ミシッ、ミシッ………足音が聞こえてきた。そろそろノートを戻すとするか。

 
 

[ハルヒ視点]

 

「お待たせ。」
とあたしは返事をして、ベッドに腰をかけたキョンの近くに座る。
頭がぼおっつとして、顔があつい、火が出そう。
何か喋んないと間が持たないのに、何も考えられない。どうしよう。

 

「どうしたんだおまえ、さっきから視点が定まっていないというか、挙動不審だぞ。」

 

「えっ?なっなんでもないわよ、ただ昨日、胃潰瘍でヘモグロビンが少し低下しただけだから。
ちょっと頭がぼーっとしてるの。」
そう言い放って立ち上がると、視界が揺れ足元がふらついて
頭が動いたときあたしはキョンの腕の中に抱きかかえられていた。

 

「おい大丈夫か、病人なんだからベッドで横になって、ゆっくりしとけ。」

 

と、あたしを抱えていた腕を背に回す。
心臓がうるさいくらいに脈うっている。 気がくるいそう。
もうだめ、我慢できないよ。
キョンに抱きつきたい!キスしたい!もちろんそれ以上のこともしたい!

 

その後はもう呆けたを通り越してまともに動かなくなった頭でキョンの言うことを
生返事を返しベッドに寝かしつけられた。

 
 

[キョン視点]
「ねえキョン。あたしのことどう思ってる?」
ベッドに寝たハルヒは、涙を浮かべ、いつもの態度からは想像も出来ないような弱弱しい声で
俺に尋ねてきた。俺の答えはもう決まっている。素直に好きだと答えてやろうと思った。
しかし、俺が答えるよりも早く、泣きながらハルヒは続けた。
「やっぱり答えないで!もう解ってるから……。
あたしってキョンの優しさに甘えてばっかりだし……、ワガママばっかり言ってるし……、
何度も何度も支えてもらったのに…、素直にありがとうも言えないし……。
こんなあたしのことを良く思ってないのはわかってる。
でもあたしはキョンが好きなの……。迷惑なのは分かってる。
キョンがいないとあたしきっと死んじゃう…。
だからお願い…あたしを好きになってよ……。
キョンが望むなら、みくるちゃんみたいになるから…。
わがままも言わないから……。だから……!!」
 泣いてるハルヒはそりゃあもう反則的なまでに可愛かった。
俺の理性はとうに臨界点を超えている。
 気が付いたらハルヒを思いっきり抱きしめて、キスをしていた。
「ちょ、ちょっと! ビックリするじゃない。」
気が付いたら笑顔のハルヒがそこに居た。すごく嬉しそうに見えた。
「あ!すまん。お前が反則的なまでに可愛かったから……。
順序が逆になったが、言わしてくれ。
俺もお前の事が好きだ。」
「ありがと……。」
 ハルヒはそっと俺の背中に手をまわしたと思ったら、とんでもない事を口走った。
「今なら親もいないし……、せっかく二人きりだから、ねっ、しよ!」
「えっ!…………。」
俺があっけにとられていると、
声を震わせる、目尻に涙を溜めて、さらにぎゅっとしがみ付いてきた。
「したくないの?」
これでもかってくらいに甘えてくるハルヒの要求に
抵抗する術は俺には無かった。兎に角、ハルヒのデレは
破壊力が超新星爆発なみだった。