25-490 リレー

Last-modified: 2007-03-18 (日) 15:31:06

概要

作品名作者発表日保管日(初)
リレー系作品
「なんかしらんが一年のはじめからやり直すことになってしまった 」
25-490氏、493~494氏、500氏、506氏、509氏、537氏、555氏、562氏、889氏06/11/0406/11/12

作品・スレの流れ

 なんかしらんが一年のはじめからやり直すことになってしまった。
 俺だけ一年分の記憶があるらしい。
 他の皆には記憶がない。
 分ってしまうんだから仕方ない。

 

「えー、キョンって渾名で呼ばれてました。宜しくお願いします。
 ……それと、宇宙人とか未来人とか異世界人とか超能力者が居たら友達になってください」
 ざわつくクラスメイト。
 どうやら冗談ととってくれたみたいで、軽い笑いが起きた。
 しかし、笑わなかった奴が約一名。
「東中出身涼宮ハルヒ! 私は普通の人間には興味がありません。
 この中に宇宙人や未来人や異世界人や超能力者が居たら私の所まで来なさい! 以上!」
 記憶よりも若干苛ついた声で叫ぶハルヒ。
 すまんね。台詞とっちまって。
「いきなり天丼か。やるな、お前」
 俺の呟きにどっと沸く笑い。
 そして俺を怒心頭な顔で睨みつけるハルヒ。残念だがそれくらいでは怯まないね。

 

「ちょっとアンタ」
「何かな。は……涼宮さん」
 ハルヒ、と言いそうになった。あぶないあぶない。
 いきなり喋りかけるなよ。吃驚するだろ。
「さっきのアレ、本気だったの?」
 以前とはまるっきり逆だな。
 それは俺の台詞だぞ、ハルヒ。仕返しか?
「お前こそ本気だったのか?」
「質問に質問で返さないでよ。私が先に聞いたのよ、まずアンタが答えなさい」
 やれやれ、お前らしいな――と肩をすくめそうになって、また慌てた。
 こほん、と咳払い。真剣な顔のハルヒに、俺も真剣な顔をした。
「居ないって分かってる。けれど、心のどこかで居て欲しいって思ってる。半分本気ってところかな」
 本当はむちゃくちゃ近くに三人も居るんだけどな。
 俺の言葉をどうとったのか、ハルヒは「ふうん」と呟く。その心理は分らない。
 ただ、何となく合格でも不合格でもないわね――そう言ってるような気がした。お前はどうなんだよ、と聞く。
「私は居ると思うわ」
「そうか。……うん、その方が面白いもんな」
「アンタ、変な奴ね」
「そうかな」
「そうよ。……もしかして、何処かで会ったことある?」
 俺がジョン・スミスだと言ったら面白そうだったが、流石に言うわけにはいかない。
「奇遇だな。俺もそんな気がしてた」
 けれど確かな記憶は無いけどな。
 そう言って、誤魔化した。ハルヒは暫く考え込む素振りをしていたが、やがて視線を窓の外に移した。
「確かな記憶は私にも無いわ。気のせいだったみたい」
「そうか」
 それで会話は終わった。
 ハルヒの横顔には、嬉しそうな、残念そうな、そんな複雑な感情が浮かんでいた。 

 

俺は一計を案じた。
SOS団をハルヒに先んじて結成。
団長はもちろん俺。団員その一が長門でその二が朝比奈さんだ。
腕章もメイド服も用意して準備万端。
部室でハルヒが文芸部の仮入部しに来るのを待つ事一週間。

 

ある日の放課後。いきなりドアがバーンと開いた。
「一年五組の涼宮ハルヒ。文芸部に仮入部に来ましたー!!」
残念ながら、我々は文芸部ではない。SOS団だ。
「なにそれ!?って又あんた?なんなのいったい!!」
俺が団長の○○だ。
SOS団の目的は宇宙人と未来人と超能力者を探し出して一緒に遊ぶことだ。
今なら特別に団員その三に加えてやってもいいぞ?
「何ですってーぇぇぇぇぇ!!!!」
ハルヒの顔がみるみる真っ赤になっていく。
メルトダウン5秒前・・・って感じだが・・・ヤバイ!やりすぎたか?
朝比奈さんが横で真っ青になってるのが見なくてもわかる
長門は相変わらず無表情だったが
「・・・・・・ふ ざ け る な ー ! ! ! ! ! ! !」
ハルヒの怒りのオーラに思わず俺は尻餅をついた。

 

と、ここで目が覚めた。どうやらベッドから転がり落ちたらしい。
今のは何だ?夢か?ハルヒによって世界が作り変えられたのか・・・
勿論確認するすべは俺にはない。普段の日常と変わった事は何もなかったし。
「キョン!謎の転校生を紹介するわ!」100万ワットの笑顔がそこにはあった。
やっぱりSOS団団長はハルヒでいい。
ただ一つだけ、
何故か古泉一樹は顔はあざだらけ、手には包帯を巻いて松葉杖をついて登場した。

 

 

そして4時限目が終わり、昼食の時間が来た。
後ろの席がガタッと鳴った。ハルヒが何処かへ行こうとしている。
「何処に行くんだ?」と聞くと、ハルヒは「学食」と一言。
「一緒に行かないか?」と聞いたら「好きにすれば」と長門ばりに簡潔な回答が来た。
この頃はホントに誰に対してもそっけなかったんだなぁと懐かしんでみる。
弁当は持っては来たものの、今はハルヒと行動を共にして居たかったので忘れたフリをしてみる。母さん、スマン。
食堂に移動し、大勢の食堂組がざわめく中オレとハルヒはトレイをとりお目当てのメニューを乗せた後、
ハルヒに「こっちだ」と声をかけ、丁度空いてた長テーブルにハルヒと向かい合って昼飯を食べる格好となった。

 

続き頼む

 

 とくに会話もなくもくもくと食べる。
 以前はあまり学食に来なかったが、少し後悔した。
 なかなか値段の割には美味い。ボリュームもある。お茶も飲み放題だ。
「……」
 先に喰い終わったハルヒは、頬杖をついて俺に視線を向けている。
 難しい顔だ。数学の問題を解いているような――いや、こいつは数学なんてスラスラ解くんだろうが。
 話がずれた。とにかくハルヒは思案顔だ。そんな顔で俺を見つめてやがる。 
 何なんだ。恥しいな。喰いにくいぞ。
 そんなメッセージを返す視線に込めたら、ハルヒが口を開いた。
「ねぇ」
「なんだ?」
「どうして私についてきたのよ、アンタ」
 ごもっとも。初対面の女子と昼食を共にするなんて普通じゃない。
 軽い男だと見られただろうか。
 だったら嫌だなぁ、と思いつつ、考える振りをしてから返答する。
「面白そうだったから、かな」
「何が」
「いや、涼宮さんが。中学時代の武勇伝、色々聞いてたからさ」
 そう言うと、ハルヒは意外な物を見るような顔をした。
「やっぱりアンタって変わってるわ」
「そうか?」
「変な奴だとか、頭がオカシイとか、そういう私の話も聞いたんでしょ」
「そうだな。絶対拘わるなとか何とか」
「だったら! どうして私について来たのよ、おかしいわよ、アンタ」
 きっと俺を睨んでくるハルヒ。
 何だ。訳が分らない。その理由はだからさっき言っただろうが。
「だから、面白そうって思ったから」
「ウソ」
「嘘じぇねぇ。ついでに言うとナンパとかそんなのでもない」
「……本気?」
「大マジ」
 真剣な顔で頷いた俺を見て、ハルヒは憐憫に近い表情を浮かべた。
 俺のことを頭のかわいそうな子だとでも思っているんだろうか。心外な。
 何時までも気がつかないかもしれんが、お前は面白い事をひき付ける強力磁石かつ、面白い事や厄介事を生み出す神秘工場なんだぞ? 
 ソレを自覚されたら大変なんだけどね。
「本当に、変な奴」
 再再度つぶやくハルヒ。
「お前に言われたかねーよ。
 ……面白いことはな、待ってても来ねぇんだ。だから俺は自分で探してんの」
 言い切って、ぐびっと茶を飲み干す。
 ご馳走様、と挨拶をして、トレイを持ち席を立った。そのまま返却口へ行く。
 食堂からの出際。
 ちらりと視線をやれば、何か衝撃を受けたような表情で固まるハルヒの姿があった。

 

 良いね。かなり面白いぜ、その顔。

 

 それからは特に何事もなく過ぎた。
 俺なりに隠れて色々とやったが、概ね以前と同じだ。
 以前と違う事といえば、たまにハルヒが、
「で、見つかったの? 面白い事」
 と聞いきて、俺が、
「いや。残念ながら」
 と答え、
「そう。見つかったら私にも教えなさいよ」
 という感じ締まるという会話が何度かあったくらいだ。
 そんなやり取りだけでも谷口やらには驚きもののきらしく、
「キョン。涼宮だけはやめとけ」
 などと忠告されたりしたが、これは以前どおりなのでどうでもいい。

 

 そういうわけで一ヶ月ほど過ぎた。
 さて、そろそろか。
 休み時間、俺は椅子に横向きに座り、後ろの席のアイツに声をかけた。
「曜日で髪型を変えるのは宇宙人対策か?」
 月曜日が素敵で金曜日が酷いことになるアレだ。
「……何時気がついたの」
「三週間目かな。で、成果は?」
「無いわよ。うっさいわね。……そういうアンタが曜日でネクタイ変えるのは何なのよ」
「異世界人対策。成果はないけどな」
 不思議なことに異世界人だけとは会っていないんだな、これが。
 もしかしたら俺が気がつかないだけで、ハルヒの近くの誰かがそうなのかもしれないが。
「ほんっと、つまんないわね」
 ハルヒはふん、と鼻を鳴らした。
 あからさまに不機嫌そうだ。古泉は忙しいに違いない。
 そんな古泉を助けるのはついでにして、俺は始まりのピースをはめ込むことにした。
「全部の部に仮入部したってのは本当か?」
「どれもこれも普通で最低だったわ」
「だろうな。正直こんな田舎の公立高校じゃな」
 俺の言いぐさにハルヒはむっと眉を顰める。
 会話を打ち切りそうな雰囲気だ。まぁ、待てって。
「初日に言ったろ、俺」
「何をよ」
「面白い事は自分から探すもんだって」
「そんな事言われなくても分かってるわよ」
「だから――」
 窓から風が吹き込んだ。
 ハルヒの髪の毛をさらさらと揺らす。キレイだなと思った。
「――俺は自分で作ることにした」
 ハルヒの顔が変わる。
 1ワットだった表情が急速充電。ヒューズが吹き飛ぶ勢いだ。
 そうだ。それだよ、お前はやっぱりそうでなくっちゃな。
「それっ! それだわっ! 何で気がつかなかったのかしら……やるじゃない、アンタ!」
 叫びながら噴火の如く立ち上がるハルヒ。
 勢いが良すぎて椅子がすっとんだ。
 叫びに加えてガタン、という大きな音にクラス中の視線が俺たちに集まる。……俺たち?
「アンタ、名前は?」
 おいおい。今頃それかよ。まぁ楽しそうだから良いけどな。
「みんなはキョンって呼んでる」
「分ったわ、キョン。私はハルヒで良いわ! 普通じゃないと思ってたけど、予想外よ、キョン!」
 何時の間にやら俺はハルヒ的予想ガイだったらしい。
 光栄なのかそうでないのやら。顔が綻んでしまうってことは、俺は喜んでいるんだろう。
「で、どんな部活よ。内容如何によっては加入してあげてもいいわよ! 部長も任せときなさい!」
 それって乗っ取りって言うんじゃないか?
「うっさいわね。さっさと教えなさいよ」
 まぁ部長はお前しか考えられないんだがな、と心の中で呟く。

 

「名前はまだ決まってないし、部員は俺一人だけだけど……主な活動内容は、
 宇宙人や未来人や異世界人や超能力者を見つけて一緒に遊ぶこと――だな」
 お前の台詞をとりっぱなしですまないな、ハルヒ。
 俺の話を聞いたハルヒは、目を瞑り、ふるふると肩を震わせ、そして大きく息を吸い込んで、
「完璧よっ!!」
 ずびっと俺を指指して、120ワットはあろうかという笑顔を浮かべた。
 思わずくしゃみが出たぜ。

 

つづきたのむ

 

その日からオレはあのハルヒの目前で言った自分で面白い事を探す名目の元、色々試してみる事にした。
まずは帰りに近くの薬局からハードスプレーとワックス、トリートメントを買ってきて慣れないオシャレの下準備を行っていた。
月曜はオールバック、火曜はいつものザンバラ、水曜はソフトモヒカン、木曜は前髪だけを寝かせたパンク風逆立て、金曜は七三分けって具合に、
ヘアスタイルを変化させていった。そう、かつてハルヒが実践した髪型七変化だ。幸いそれなりに長さや量はあったのでファッション誌に乗ってるような髪型はあらかたオレでもできた。

 

それと、なるべくオレはハルヒと行動を共にするよう努め、毎日という訳ではないが食堂で一緒にランチを頻繁に摂るようになった。
ハルヒがつまらなそうで居心地の悪そうな態度は最初と変わらないが、口数も少しづつ増え、少しづつ言葉を交わす様になっていった。
それが噂になるのも時間の問題のようで特にハルヒの中学時代を知ってる人間にとっては衝撃な事この上なかっただろう。
一ヶ月ほど経った頃だろうか。
いつものようにオレとハルヒが食事のテーブルに付こうと席を探すと、それまで普通に食事をしながらダベっていたグループがオレとハルヒを見つけるや否や食事の手を止め、「どーぞ」とテーブルを空けてくれた。
君達よ、オレとハルヒをヤクザやマフィアのボスか何かと勘違いして無いかい?
そんな事を思いつつオレとハルヒが譲ってくれた席でいつものように二人でランチを貪っているとハルヒが食事の箸を進めながらチラチラとオレの方を見てきた。
ちなみに今日のオレの髪型は真ん中分けのストレートなボブスタイル。この一ヶ月の間でいつもまにか髪がそれなりに伸びて来たらしい。今度、切ろうかな?校則にも引っかかってるし。
珍しくハルヒの方から声をかけてきた。「ねえ、あんた」
一呼吸置いてハルヒの台詞。

 

「曜日で髪形を変えるのってさ・・・・もしかして宇宙人対策?」

 

「いや、これも異世界人対策の一種だ。ネクタイだけじゃ足りんと思ってな」
「天丼ね」
 こいつ、よっぽど勘に触っていたのか、入学式の時の俺の台詞をまだ覚えていた。
 次からはあまりからかい過ぎないようにしよう。……後が怖い。

 

 そんな感じでしてやったり、といったニンマリ顔でこちらを睨んでいたハルヒだったのだが、奇妙なことにその顔つきは俺の髪を見るごとに次第に歪んでいき、ランチを食べ終わった途端、
「さ、行くわよ!!」とか言って突然俺のネクタイを引っ張ってどこぞへと連れ出し始めやがった。
「ちょ、ちょっと待てハル、い、いや涼宮、いきなり何だ!? てか俺の(最後のお楽しみにしていた)蟹クリームコロッケ!」
 当然の如く猛抗議する俺。
「五月蝿いわねぇ、たかがコロッケのひとつやふたつで」
 いいや、よくない。お前だって学食の日替わりコロッケがそれはもう絶品の味だというのはよく知っているはずだ。
 その中でも特にこの曜日の蟹クリームコロッケは俺とハルヒがこれを食べなきゃ人生やってらんないと共感しあうほどの美味さ!
 これを食する間だけは不思議がどうこうとか何もかも忘れてその味に酔いしれる許可を得られるのである。
 まあ、それを俺が知ることが出来たのは、ハルヒ、お前のおかげになるのだが。

 

 いやいや、だからといってこの問題(主に蟹クリームコロッケ)は見過ごせん。
「離せって、おいハルヒ!」
「いやよ。アンタは今からあたしと早退して、髪を切りに行くの」
「なんでだよ!」
 そこで突然ハルヒは俺のネクタイを離し、今度は襟を掴んで俺の顔を自分の方に無理矢理寄せる。
 何の対抗措置も取れぬままハルヒに髪の毛をぐしゃぐしゃいじられる俺。
「アンタねえ、髪型変えるのに整髪剤に頼るだなんてまだまだ半人前ね。そんなんじゃ宇宙人も異世界人も超能力者も寄ってこないわ。せいぜい超能力者が限界ね」
 イキナリ何をわけのわからんことを。お前にとって超能力者とは他の不思議属性よりレベルが低いのか?
 だいた「それにあんまり整髪剤使ってると、ハゲるわよ」

 
 

オイラはもう限界だ。次を頼む。
ちょっと洋食店に駆け込んで来るよ|ω・`)ノシ

 

オレの蟹クリームコロッケ・・・・・オレの蟹クリームコロッケ・・・・・・オレの蟹くr(ry
どうやらオレは茫然自失としているらしい。先ほどハルヒのハゲるわよがエコーをしながらオレの頭を螺旋状に回転しながら彷徨っているので他事を考えて紛らわそうとしているのだが、やはり置き去りにしてきた我が愛しの蟹クームコロッケが忘れられない。
当のハルヒはというと、片手で俺を何処かへと引き摺りながらもパックの牛乳をストローで飲みながら歩いている。オレには蟹クリームコロッケを与える暇さえくれないくせにこいつときたら・・・・。
まあ、今に始まった事じゃないが。
「安心しなさい、あたしも一緒に髪の毛切りに行くから♪」

 
 

続き頼む。

 

まあ色々とあって、二人して美容院に行き、髪を切った。
そこでの悶着は今は割愛だ。概ねいつものパターンなんでね。

 

さて翌日だ。
ハルヒはやっと俺の見慣れた髪型、リボン付のカチューシャを着けている例のやつになった。
ただ少し違うのは、それがあの中途半端なポニーテールもどきだと言うことだ。
髪を切った後、ついポロリと白状してしまったのだ。だがまさかホントにしてくるとは、驚きを隠せないね。
「どお?驚いた?」
ハルヒはクックと笑いながら、驚かされてばかりじゃあいられないからね、と笑った。

 

さて突然だが、大問題が発生した。
いきなりどうした、と思うだろう。俺もだ。そもそもあいつらのことをすっかり忘れていた。
そう俺たちを除くSOS団のメンバーだ。
古泉はともかく、なぜ朝比奈さんや長門のことを忘れていたのか。
午前の授業もサボり、ともかく俺は文芸部部室へと急いだ。そして俺は今度こそ愕然とした。
そこはただの空き教室だった……。
まさか……冗談だろ?長門。
頭が急にくらくらしてきた。まともに立ってもいられない。くそ!どうなってる?俺がハルヒときゃっきゃうふふしているうちに廃部になっちまたのか?
俺はハッとすると、今度は全力で走り出す。そうだ今は授業中じゃないか。
急いで、それでいて静かに、長門がいるはずのクラスをそっと覗き込んだ。
いない。どこにも。あいてる机さえも。一体これはどうなっているんだ?

 

そもそもなんで今頃になって俺は焦りだしているんだ……。

 

そうだ朝比奈さんは?まさかあの地上に舞い降りた愛・天使さまも存在してないんじゃなかろうな?
だが嫌な予感は的中する。二年すべてのクラスを見て回ったがそこに朝比奈さんの姿は見つけられなかった。
そしてモチロン古泉も。古泉どころか誰一人転校すらしてきていない。

 

この世界に居るのは俺とハルヒだけ。ここは……どこなんだ?
唐突に足元が崩れ落ちる感覚──落ちる!と思ったときにはすでに俺の体は落下していた。

 

気がつけばそこは部室だった。
いつものSOS団のアジトであるところの文芸部部室だ。
ド、ドリームだったのか。今までのことは?
「やぁっとお目覚めね?」
うおっ!顔が近いんだよハルヒ!
「随分とお疲れだったようですね」
「……おはよう」
「キョン君、なかなか起きてくれないから心配してたんですよぅ」
順番に古泉、長門、朝比奈さんだ。なんとはなしにホッっとする。
あれは夢、だったのか……?おいどうなってる。誰か説明してくれ。
「いえ部室に着いたら、あなたが机に突っ伏して寝ているものですから。なんだか起こすのも忍びない、そういう雰囲気だったのですよ。一応、起こそうとしたのですがね」
古泉がいつものニヤケ顔で、トウトウと語る。
「朝比奈さんや長門さん、涼宮さんが揺すっても全然起きないものですから、少々心配していた……というしだいです」
「俺が眠っていた時間はどれくらいだ?」
「だいたい3時間くらいかしら?」
ハルヒが割り込んで答えた。なぜか元気が無いような、そんな声で。
3時間ね。なんだか一ヶ月は寝てた気がするよ。
「バカいってないで。さ、帰るわよ」

 

俺はぼんやりとしながら、帰路につく。途中古泉が色々と語りかけてきたが、終始生返事な俺に呆れたのか無理に話そうとはしなかった。
いつの間にか、一日が終わる。
なんだか疲れた。今日は早めに寝よう。考えても分からないことはもう仕方ないさ。明日になればまた何事も無かったように一日が始まるのだろうさ。

 

だがそうは問屋が卸さなかったようだ。
翌日教室に行くと、ポニーテールももどきのハルヒが居た。
「おはよっキョン!不思議は見つかった?」
こりゃまた素晴らしい笑顔だ。反則的なまでに似合ってやがる。
今更ながら日付を確認すると……やっぱり時間が巻き戻っている。
どうなってるんだ。ここは夢の世界かナニかか?
ハルヒと俺、二人だけの世界。俺は心の奥でこんな世界を望んでいたのだろうか?
なんか唐突に落着いてきたな。これが当たり前のような気がしてきたぞ。
……とりあえず、SOS団だけは発足しておくか。

 
 

エライことしちまった俺(f^^)  
続き頼む

 

「その不思議の事なんだが」と言うと、ハルヒは「何々?」と爛々とした目で俺に顔を近づけ、次の言葉を興味津々の表情で待っていた。
こういうのをwktkした状態って言うんだろうか。
「さっぱりだ、一人ではやはり限界が出てきた。」とい言うとハルヒはまた無関心げな表情に戻り、なぁ~んだと沈んだ表情になりかけた。
だがこれで終わりなワケでは当然なく、「だかお前と組む。オレとお前の二人で不思議を見つけよう。その為の土台の目星は付けてある」と呼びかけると、
ハルヒは一転、真剣な表情にシフトしていった。よくよく表情が変わるヤツだな、今更ながらに考えてるとハルヒが食いついてきた。

 

「詳しく聞いてあげても良いわ、話しなさい」

 
 

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 何がそんなに嬉しいのか、妙にニコニコ顔のハルヒ。
 一方の俺はといえばハルヒの片手を掴んでずんずんと旧校舎棟に向かっているところだ。
 目指す場所は文芸部室――もっとも、今はただの空き部屋だが――があった場所に決まっている。
 当然だろう? 我らがSOS団の活動拠点に相応しい場所といえば、あの場所以外に俺は考えられない。
 まずはあそこに腰を据えて、俺にとっては不思議に過ぎるこの世界の動向を探ろうという魂胆なのだ。

 

 果たしてここは俺が望んだ夢の世界なのか、ハルヒが望んだ新世界なのか、それとも――?
 ま、そんなことより何より、俺自身が早くあの古巣に帰りたかっただけなんだけどな。
 だからなのだろう、俺がハルヒと同じような顔になっているのは。

 

「へえー、こんな誰も使ってない無人の教室があったなんてね。あんたにしちゃお手柄よ」
 ここまで先導してやった恩にしては随分と軽い礼だなこいつ。
 動くのが面倒だから教室で喋りたいとか言って愚図ついてたお前を、こうして無理矢理にでも連れて来てやったは誰だと思っているんだ。
 ここから先の話はあんまりにも胡散臭すぎて、クラスメイトにどんな目で見られてしまうかわからんというのに。

 

 やれやれ、さあどこから話すべきか。
 まだ何も始まっていないこの広々としたSOS団部室で、ポニーテールと一緒にクルクル回るとびっきり笑顔の団長様に。

 
 

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本リレー作品は未完です。