このページでは、ユゴーの作品の日本語訳をご紹介します。『レ・ミゼラブル』を除けばあまり多くはありませんが…。
【注意!】網羅的なリストではありません。
潮出版「ヴィクトル・ユゴー文学館」(全10巻)
様々な出版社から出ていた文庫版の翻訳を内容はそのままハードカバーにし、無駄に高い価格で出しているシリーズ。手に入るだけマシという見方もできますが…。
- 1巻 辻 昶・稲垣 直樹・小潟 昭夫訳『詩集』
- ルイ・アラゴンのアンソロジー、ARAGON, Louis. Avez-vous lu Victor Hugo ? Anthologie poétique. Paris : Jean-Jacques Pauvert, 1952と同じセレクションのようで、少し違う。選択の基準がよく解らない詩集です。『東方詩集Les Orientales』のみ全訳(小潟訳)が採録されています。
- 2巻 辻 昶 訳『レ・ミゼラブル 1』
- 3巻 辻 昶 訳『レ・ミゼラブル 2』
- 4巻 辻 昶 訳『レ・ミゼラブル 3』
- 辻訳の『レ・ミゼラブル』は非常に良い訳だと思いますが、いかんせん価格が三巻で15,000円。最近、潮文庫でも手に入るようになりました。
- 5巻 辻 昶・松下 和則 訳『ノートル=ダム・ド・パリ』
- 岩波文庫版(1956年)をそのまま採録したもの。訳語を精査すると怪しい箇所もありますが、名訳。
- 6巻 辻 昶 訳『九十三年』
- 岩波文庫版(1954~64年)の再版。潮文庫版もあります。
- 7巻 小潟 昭夫・辻 昶・野内 良三 訳『アイスランドのハン ビュグ=ジャルガル』
- 8巻 金柿 宏典・佐藤 夏生・庄司 和子 訳『海に働く人々 小ナポレオン』
- 9巻 小潟 昭夫・稲垣 直樹 訳『死刑囚最後の日 見聞録 言行録』
- 10巻 西 節夫・杉山 正樹 訳『クロムウェル・序文 エルナニ』
- 戯曲『エルナニ』『ルクレツィア・ボルジア』『リュイ・ブラース』の訳が収録されています。
潮出版「潮文学ライブラリー」
『レ・ミゼラブルLes Misérables』あれこれ
抄訳や子供用も含めれば膨大な数が出版されている『レ・ミゼラブル』の翻訳・翻案のご紹介です。原文全体はそう簡単に読めるものではないので、もし関心があればまず抄訳や漫画から触れてみて、その後全訳、原文に挑戦するのも良いと思いますよ。
全訳
- 辻 昶 訳『レ・ミゼラブル〈1〉~〈5〉』「潮文学ライブラリー」潮出版、2009年
- 豊島 与志雄 訳『レ・ミゼラブル(1)~(4)』「岩波文庫」岩波書店、1987年(改版)
- 佐藤 朔 訳 『レ・ミゼラブル(1)~(5)』「新潮文庫」1967年
抄訳・子供向け
- 黒岩 涙香 訳『噫無情〈前後篇〉』「世界名作名訳シリーズ」はる書房、2005年
- 日本文学史で名高い黒岩涙香訳の『噫無情』。「旧漢字、総ルビで新しく版を起こして時代の香りを再現し、かつ読み易く編集」とあるものの、現代の私たちから見るとお世辞にも読みやすいとは言えませんが、昔の雰囲気を楽しむ、あるいは歴史的価値を知るという意味では興味深い翻訳だと思います。
- 大久保 昭男 訳『レ・ミゼラブル―ああ無情』「ポプラポケット文庫」ポプラ社、2007年
- 豊島 与志雄 訳『レ・ミゼラブル〈上〉〈下〉』「岩波少年文庫」岩波書店、2001年(新版)
- 清水 正和 訳、G. ブリヨン(挿絵)『レ・ミゼラブル〈上〉〈下〉』「福音館古典童話シリーズ」福音館、1996年
- 岩瀬 孝・大野 多加志 訳『レ・ミゼラブル〈上〉〈下〉』「偕成社文庫」偕成社、1993年
- 塚原 亮一(訳)篠崎 三朗 金 斗鉉 (挿絵)『ああ無情―レ=ミゼラブル』「講談社青い鳥文庫」講談社、1989年