とつきのGoTY2020

Last-modified: 2020-12-31 (木) 13:31:08

とつきのゲームアワード2020

ノミネート作品

ローション侍

Steamページ

これはクソゲーに見せかけた、スピード感あふれる良アクションゲーム。
ぜひ1面TAをやって欲しい。
ところであれだけ推したのにフレンド欄に全然名前が無いが?

クラブ・スーサイド

公式HP

アンチロマンス×自殺×陰キャを題材にした、かなり尖ったコンセプトの乙女ゲーム。
5人の『死にたい』男の子達の1週間に、1人の『死にたくない』女の子が寄り添い続けるのがメインストーリー。
それぞれの死にたい理由、死ぬまでにしたい事、家族関係等が美しくも薄暗い音楽と共に描かれいる。

メインの開発者が2人にもかかわらず、50枚以上のスチルと20種類のエンディングという十分なボリューム。
エンドロールで作詞家、作曲家、ボーカル、イラストレーター、シナリオライターに同じ名前が見えた時は驚愕した。マルチがすぎる。
文章は『陰キャ』としての仕草や話し方が丁寧に描かれている点がとても良かった。最高。

当然自殺がテーマというだけあり、攻略対象が死を選択するエンディングが存在する。
その死にゆく理由は当然『死にたくない』主人公=プレイヤーにとっては「どうして?」と思ったりもしてしまうが、彼らにとって生きづらい理由が丁寧に描写されているのでその最期も1つの選択肢として綺麗に収まっている。また「あなたのおかげでもう未練は無い」と言わんばかりの笑顔でお別れされたりするのでもうどうしようもない。生きづらいよね、仕方ないよね。
一方で、ほんの少しのきっかけで彼らは生き続けたのかもしれない、とも思う構造をしており更に胸を抉ってくる。

そんな中で個人的に最も気になったキャラクターが舞渕明陽。
百合好きな彼が頻繁に発言する「百合になりたい」という言葉、多少なり百合を嗜むオタクなのでその発言は百合好きとして少し不自然では?と思ってしまう。しかしこのオタクと陰キャへの知見が深い製作者が何も考えずその発言をさせるはずがない。
百合に光を見て、自身を対照的に『醜い』という舞渕の最後は、その容姿や声の耽美さと合わさって衝撃的であまりに印象に残るものだった。
また彼のルートはほんの一時百合になる(幻覚)。乙女ゲームなのにあまりに美しい百合だったんだよ(幻覚)。

追加ストーリー有りのiOS、アンドロイド版が出るようなのでぜひ。

ガレリアの地下迷宮と魔女の旅団

公式HP

前人未倒の未知なる地下迷宮を舞台に、一人称視点で進んでいくDRPG。
前作『ルフランの地下迷宮と魔女の旅団』とはストーリー上繋がりは無い。(たぶん『魔女と百騎兵』と同様、数多世界の1つ)
プレイヤーは『降霊灯』というランタンの姿となり、ユリィカの探索を補助し、人形兵を導き、広大な地下迷宮を進んでいく。

ディスガイア同様原田たけひと先生デザインの汎用キャラクターからパーティーを編成するので、キャラメイク好きとしては最高に嬉しい。
特に腰の細い男性キャラが多いのが100億点。
前作と比べて倍以上にビジュアルが増えているのも嬉しい。
探索はキャリーオーバー(経験値を次の戦闘に持ち越ししてボーナスをつけるシステム)で緊張感を持ちつつ遊べ、戦闘も沢山の人形兵が居るにも関わらずテンポが良いのでとても楽しい。
個人的に好きなのがモンスターデザイン。不気味でグロテスクなのに繊細さを感じるタッチで描かれている。こういうキャラデザできるようになりたい。

しかしシナリオはディスガイアと異なりとにかく重い。終始不穏。
日本一で女の子をひどい目に合わせるタイトルといえば『夜廻り』や『ホタルノニッキ』あたりがよくあげられるが、魔女の旅団シリーズも別ベクトルで酷いと思う。じとっとした嫌さ。
非道徳的で、差別、暴力、容姿、性的な部分に関する言及も多いため、たぶん不快な人はとことん不快になってしまう可能性がある。(実際前作は友人にオススメしたものの暴力描写がダメだったりした)
じゃあ何が魅力的なのか?そんな世界で生きるユリィカを始めとした女の子達である。
醜く歪んだ世界の中で、必死に生きようと、目的を達成しようとする女の子達の姿はあまりに尊い。
どこが『愛と勇気の冒険譚!』だと思ったが、女の子達の行動時の要因の1つは間違いなく愛だし、その行動を起こせるのは間違いなく勇気。
原田たけひと先生の可愛らしくポップなキャラクターデザインでそういう世界観なので、そのギャップがとても好き。
今作はまだ途中なので不明だが、前作はしっかりと百合だったのでそういうのが好きな人は前作もオススメ。
美しさだけを追求した『耽美』とは別の、エゴや非道徳的な中に見える『耽美』さのあるゲームだと私は思う。
あとたぶんシナリオライターは嘔吐とお漏らしが好き。私は嘔吐が好き。

ちなみにプレイヤーである降霊灯に与えられた選択肢は是と非と沈黙のたった3択。プレイヤーの感情がシナリオに介入していく事の無いタイプのゲームだと思う。その中で少しずつシナリオの全体像が見えてくるし、降霊灯がシナリオを解き明かす鍵となっていく。
そんな構造がとても良い。壁になって女同士の密やかな感情を見守りたいし、食堂のおばちゃんになって男同士の特別な感情にきっかけをあげたい。

かなり癖の強い作品ではあると思うが、私はとてもとても好き。クリアしていたらたぶんGoTYだった。
ただ50時間経ってもエンディングが見えないので引き続きゆっくり楽しみつつ進めます。

深世海 Into the Depths

公式HP

探索型アクションゲーム。所謂メトロイドヴァニアになるはず。

まず衝撃を受けたのがサウンド。
YouTubeで『水中音 ASMR』と検索してもピンと来るものが無かったのに、このゲームはまさにこれだー!!という音をしていた。
こだわりのサウンドはまさに水の中にいるようで、響くような音楽と合わさってとにかく美しい。
ボコボコという泡の音や、オブジェクトを破壊する音は癖になる。
時折登場する歌唱有りの曲は『深海言語』と呼ばれる創作言語で歌われており、世界に1人残され言葉を必要と無い主人公が唯一触れる音としての言葉という点がとても良い。
詳細は公式がブログにまとめているのでそちらをぜひ見て欲しい。こだわりがすごいので。
サントラも出てるよ!
深世海 Into the Depths 音のちょっとだけ深い話 其ノ壱 音制作 全体編

背景には深海の魚たちだけでは無く、かつて人々が地上で生活していたと思われる廃墟が点在している。
もう深海好きかつ廃墟好きとしてはたまらない。
現代的なビルもあれば神社のような建物もあり、深くにもぐればこんな所に人が居た形跡が!?と思わせる要素もある。そんなん好きでしょ。
美しい音楽を聴きながらのんびり探索するのもとにかく楽しい。珍しい深海の生物や人類の遺物等を集めるコレクション要素も有り、隅々まで探索したくなる。
デメニギスも居たので見つけた時は嬉しかった。

アクションは深海を漂うような独特の操作感で慣れるまでは難しい。
無重力では無いので、落下でのダメージを受ける事もあるのが緊張感があって良い。落下した際のガコンッという衝撃や、画面や空気ボンベの割れる演出はひやっとする。
途中で入手する潜水艦からは酸素を供給する管も伸ばせるが、そこまで長くは無いので途中で切り離す必要がある。それが何というか、へその緒を切り離された赤子が安全な母体から外界へ出ていくような感じが恐怖感と開放感があって私はとても好き。

最優秀賞

深世海 Into the Depths

10時間程でクリアできる手軽さも良いし、美しい音楽も癖のあるアクションもとても楽しいゲームだった。
世界観、音楽、アクション、キャラクターも好きな要素が詰まっている且つ、切ない世界観な反面癒し要素も多かったのでこちらをGoTYに選びました。
ラスボス前からエンディングにかけてもとても切なく美しかったのでぜひ。
エンディングは2パターンあるので両方見比べて欲しい。感情になる。
言葉を発しない、表情も見えない主人公が深々とお辞儀をする姿や、仕草や行動に感情を見せる瞬間が良いんですよ……。趣深い……。

12月31日のRTA in JapanでもEasy Any%でレースされるようなので楽しみ。

総括

ローション侍以外はストーリーに『しんどい!!』となるゲームでした。
正直言葉にしづらい感情が多いので、どう表現すれば良いかがわからなかったです。
しんどい、やばい、最高、感情の4つの言葉で全部納めたい。
でもそういう気持ちを得ながらエンディングにたどり着いた時のカタルシスが良いんですよね。

2020年に出たゲームでは、ライザ2、ぷよテト、ドーナドーナがまだ未着手なので年越えたらゆっくり遊んでいきたいです。楽しみ!!
あと引き続きバカゲーやクソゲーも探索していきます。カートレーサーは9時間遊んだみたいです。

番外

ツイステッドワンダーランド

https://twisted-wonderland.aniplex.co.jp/

今年一番金と時間を費やしたゲーム。
キャラクターの顔が良い。
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正直ストーリーに関しては9割くらい「何か足りない」「ちょっとさむい」となってたりするんですが、のこり1割がドストライクで刺さったりして抜け出せずに居る。ケイト・ダイヤモンドの式典服ストーリーを読め。
主人公である監督生は存在はしているがなんかもうモブ1くらいの立ち位置。むしろ居ない方が綺麗に話まとまらか?って気すらする。
しかし二次創作は男装女監督生受けでやっているため、基本は幻覚を見ている。私の中では監督生はちゃんと存在してるし良い感じの行動してる(幻覚)
フォロー1人(公式垢・ミュート済み)のついったアカウントで活動していますが、来年も厄介オタクにはならないよう色んな距離感や発言考えて続けていきたいですね。
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