作ってた武器のあれやらこれやら①

Last-modified: 2018-12-05 (水) 01:14:43

はじめに

12月に入り、ロングヘアの私には過ごしやすい季節となって参りました。
ただし乾燥、てめーはダメだ。
皆様は如何お過ごしでしょうか。

さて、閑話休題。
アドベントカレンダーの発表物として事前に発表してた武器製作の思い出話(設定やら工作の云々)を記すと致します。

武器というのは、イカよろWikiの個人ページにも置いてあるアレです。
地味に名前がついてたり、装飾するのに色々やってたりするんですねアレ。
そんな制作物に纏わるお話を、1つずつ思い出しながら筆を執ると致しましょう…。

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武器作りに活躍した工具・塗料の皆様

蒼と紅の二挺拳銃

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実は一番気に入ってる一品

処女作である、つがいの双銃のお話。

製作当時に「ファンタジックなデザインで夫婦銃作りたい」と考えた結果、「風の帝皇と炎の皇妃の力を込めた大口径銃」というコンセプトが定まり、このような形になりました。あの頃の私元気だなぁ。

蒼の右手用拳銃には「ErnstStuRm」、紅の左手用拳銃には「EdelFlamme」などと彫ってあったりします。
いかにも、って感じにするために文字フォントをGregorian FLFにしてあります。

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見たことあるじゃろ?

それぞれの意味合いは独語で「峻厳なる疾風」、「高貴なる灼炎」とかそんな感じ。なんで独語にしたかといえば、選択した第二外国語が独語だったから。かっこいいじゃん?

ちなみに「StuRm」とRが大文字になってる理由は、最初綴り間違えて「Strum」って彫ってたからなんですね…後で気づいて修正した結果なんですワ。その後「激しい怒り」を意味する「Rage(ラージェ)」って言葉もそこに込めることにしました。後付設定で大勝利。

さて、細かい設定周りは置いといて(どっかで書ければいいですね)、こいつをどう作ったかというお話に移りましょう。

パーツの加工やら塗装

私の作るものは既成品をベースとした外装カスタムガンであります。ある程度は既存の外装パーツを組み合わせるなどで実現可能でしたが、イメージした外見にしようと思うと、加工は避けては通れない道でした。

グリップにフィンガーグルーブ(指がしっかりフィットするようになる溝や段差)やクリスタルシェイプの埋め込み等を行うことは予め心に決めておりました。
ですが、ベースとなる品のグリップの表面は滑り止めのためのシボ加工が施されています。
コイツは邪魔だ…
なので、全部削り落とすところから始めました。

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すっかり丸裸

やったことは単純、地道にサンドペーパーをかけていただけです。ただ、二挺分の加工をする必要があったために結構な時間を要した記憶。

削り終えた後はパテを使ってのフィンガーグルーブとサムレスト(グリップを握り込んだ際に親指を置いておける溝・段差)の形成作業に入ります。
しかし、当時の私は何をトチ狂ったのか、ポリパテとエポパテの2種類を用意していました。
結果、右手用にポリパテ、左手用にエポパテを使ってフィンガーグルーブを形成しました。何も処女作で実験と一発勝負をせんでもいいだろうに。

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ペタペタ盛って硬めて削って

ポリパテを盛って硬化した後は削りまくり。
一息ついて、クリスタルシェイプを埋め込むための窪みをリューターで空けます。またひたすら削るお仕事。

窪みを彫り終えて、塗装。クリスタルシェイプを樹脂形成剤で貼り付け、その反対の面に紋章っぽい蒔絵シールを貼り付け…

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旧家の部屋の汚さがバレる

ようやく1本目のグリップが完成。
グリップの塗装には、下色にタミヤカラーのピュアホワイトを吹き、その上からパールホワイトを吹いてあります。キラキラ輝く白銀のグリップが出来上がり。(この当時は綺麗だったけども、手垢でどんどん汚れていく羽目に)

もう一本のグリップにも同じ加工を施していきます。
今度はエポパテの出番。成形後、硬化を待ってまた窪みを彫ります。その後はまた塗装してクリスタルシェイプと蒔絵シールの貼り付け。

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この時点で加工難度と仕上がりが段違い
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黒に赤は映えるもの

もう一方も出来上がり。
こちらは下色につや消しのマットブラックを吹き、その上から半つや消しのセミグロスブラック、最後にパールクリヤーを吹きました。
これで滑り気のある質感を持った、夜の帳のようなグリップとなるのです(当社比)。

これらのグリップに、ダークステンレス(右手用)、メタルブラック(左手用)でそれぞれ塗装したフレームパーツ、金属製マグウェル(マガジンの挿入口を広げるパーツ)を組み合わせておきます。無くなると困るからね。

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マグウェルもそれぞれのイメージカラーに合わせたものを用意

フレームとグリップを繋ぐネジはメタリックグリーンで塗装してあります。帝皇と皇妃の目の色イメージ。

この後はスライドの加工を行っていきます。大まかには、銃の名前を彫る、塗装する、蒔絵シールを貼り付けるなどを行います。

しかし左手用の銃に関しては、上記に加えて大きく形を変える必要があります。
大抵の拳銃は、発射した際に薬莢が排出される口がスライドの右手側に空いています。
実際は両手で構えて撃つのだからそのデザインで何ら不都合はありません。

しかしコイツは二挺拳銃なのです。
右手と左手それぞれで構えることが前提なわけです。
このままでは左手に握った銃を発砲したとき、放り出された薬莢は右腕に向かって飛んでいきます。熱された薬莢で腕を灼きかねません。

これじゃあ格好つかないのです。
なので排莢口を逆にしてしまうのです。

まずは反対側に新しく口を開きます。
一部はリューターで穴を空け、大体のところはプラモ加工用のノコギリで切り開くという作業。

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なんだかんだABSって硬いのよね

口が空いたら、次に本来空いていた排莢口や、新しい排莢口を作る際にリューターで空けた跡を「プラリペア」という造形補修剤を使って塞ぎます。
合成樹脂の粉と専用の液体を混ぜることで、硬化するとアクリル樹脂と化す代物です。

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盛っては硬化を待ち、盛っては硬化を待ち
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完全に元の口を塞ぎ、硬化が完了したら表面をサンドペーパーで均していきます。地道に削っては洗い、削って洗いを繰り返して…

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豚野郎様が見てる

排莢口を反対側に移すことに成功しました。
余談ですが、暫くした後に成形した部分のスライド内部側を散々削りました。盛り上がった部分ががっつり中の動作部に干渉していたのです…

左手用のスライドをサンドペーパーで削る段階で、角張った部分を落とし、丸みを帯びるように加工しました。左手用は女性的なイメージを持たせたかったのです。皇妃だしネ。

その後、銃の名前をリューターで彫り、塗装を行います。
右手用はダークステンレスを下色にしてメタリックブルーで塗装。
左手用はメタルブラックを下色に、メタリックレッドで。
文字にはメタルゴールドを入れて金文字化。これで塗装が完了しました。

塗装色のイメージについては、「蒼穹に臨む白銀の剣を携えた王」と「闇夜に揺らぐ灼炎を手にする妃」とかそんな感じで決めてました。

この時、鏡面仕上げにするべく、塗装後はサンドペーパー(2400番→4000番→6000番→8000番の順)で水研ぎし、最後に液体コンパウンドで磨いていきます。これで物が映り込むほどの仕上がりに。
塗装面が乾ききった後、それぞれの銃のイメージに合った蒔絵シールを貼り付けます。

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スライドの仕上げ直後

スライドの中身に入っている、ガスガンとして動作させるためのパーツを組み込み直し、先に作り置いたフレームと組み合わせ、最後に銃口のフロントパーツを取り付けて全工程が終了しました。ワーパチ。

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凶暴なお口
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バレル先端がフロントパーツに隠れてる様が好き
(この見えてるアウターバレルも純正のものから金属製に換装済み)

振り返ってみて

改めて工程やらを書き出してみると思ったより量が多かったので、1回の記事で書けるのは1つの品だけとなってしまいました。写真資料が昔のSDカードに残っていたのは大変幸運でした。クラウドに上げてなかったもんだから、最初「やべえ資料少ねえ」って慌てたもの。

思えば「創作系サークルに所属してる割には自分自身の成果物がねーなぁ。最後ぐらいなんか作ってみたいなぁ」とか考え出したのが、その後武器製作を行うきっかけでした。そんぐらいの情熱はあったんだなあ。あと思ったより私は器用だったのを自覚したのもコレのせいかもしれません。

設定ノートもまた残しておきたいものですね。結局当時は文書化をしなかったので…。

また書くことがあれば、次は別の武器についてか、詳細な設定周りの話になりそうです。