「GDP=消費支出+政府支出+在庫投資+貿易黒字の公式から政府支出を増やせばGDPが増える」
これは、池戸万作大先生のご主張の根幹をなすものです。
たとえばGDPが100で、消費支出が30で政府支出が30で在庫投資が30、貿易黒字が10だったとしたら、政府支出を40にしたらGDPは110になるじゃないですか!
という、シンプルな主張が池戸大先生の主張の骨子である。
反対派が、「それは恒等式で両辺が等しくなるんだよ」「一定期間(通常1年間)に、一国内の生産活動によっ て新たに生み出された財・サービスの付加価値額の合計であって、その式で経済成長はあらわせませんよ」という、頭の固い一般的な経済学者の唱えることを言っても「恒等式が何だってんですか、30+30+30+10=100なら、30+30+40+10=110じゃないですか!単純な足し算でしょう」と舌鋒鋭く論破し、彼と同様の能力が低く十分な所得をえることができず政府から無償の給付を望む人々からの大喝采を浴びている。
未確認ではあるが、彼の天才性を表すエピソードとして、彼の幼稚園時代の逸話が噂されている。
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ある日、池戸万作少年の通う幼稚園で、先生がいちごを買ってきました。いちごは10粒あって、10人の園児にひとり1粒ずつ分けることができました。
万作少年は言いました。「先生、僕に2粒わけたら、いちごは11粒になるよ!だって10=1+1+1+1+1+1+1+1+1+1なら、11=2+1+1+1+1+1+1+1+1+1になるじゃないか!」
先生は「いちごは10粒しかないから、11粒わけられないのよ」と教えましたが、「だって単純な足し算じゃないか!どうしてみんなそれがわからないのかわからない!」とわめき続けたので、先生はあきれて黙ってしまい、それを見た池戸少年は「先生を論破した!僕の言い分が正しいんだ!」と胸を張りました。
翌月のある日、いちごが安かったので、先生はいちごを20粒ずつ買ってきて、園児10人に2粒ずつ分けました。
池戸少年は「ほら、いちごを2粒ずつ分けたら、20粒に増えたじゃないか!」
先生は「前に10粒買ったのとは別なんだよ」といっても、「倍分けたから倍になったんだ!」と手足をばたばたさせて言い張ったので先生はあきれて黙ってしまい、それを見た池戸少年は「先生を論破した!僕の言い分が正しいんだ!」と胸を張りました。
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なお反対派がこの手の比喩を池戸万作大先生に言うと、大先生のファンが「従来の政府はいちごの分け方に終始してるんだ、万作大先生はいちごのふやしかたを言ってるんだ!」といった論法で擁護してくれるので、池戸万作大先生にはツイッターでの発言が非常に楽であろうと思われるが、反対派の説得のためには居心地のいいツイッターではなく、ぜひとも論文・著書にて自説を証明していただきたい。
なお、その考えでは、生産面、分配面からみた三面等価の他の式との整合性が取れないことに関して、池戸万作大先生からの説明はない。
説明はなくても経済学の教科書に書いている公式なんだから間違いはない。分からない人間は義務教育の失敗である。
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