前書き
とりあえずの投稿です。あまりにも架空戦記の投稿がなされないので、きっかけになればいいと思い投稿します。
そのため誤字、脱字その他様々な問題が出ると思います。そしてほぼ思いつきのため未だ完成していません。なにか良い案がありましたらぜひ教えていただけると幸いです。
また不定期に編集しますのでご迷惑をかけると思います。あらかじめ謝罪いたします。(ペンネームA150)
【世界】
基本的に地球と同じだがオーストラリアほどの大陸がアルマティア大陸として存在しアルマティア統一連邦共和国が存在する。
【列強各国の状況】
列強は八国ありアメリカ合衆国、イギリス連合王国、フランス共和国、ソビエト社会主義共和国連邦、ドイツ共和国、イタリア王国、大日本帝国、アルマティア統一連邦共和国である。
◇アメリカ合衆国(米)
第一次世界大戦で多くの将兵が死傷し多額の支出があったため、海外に基本的に関わらないモンロー主義を採用している。
ただ太平洋において日本及びアルマティアを仮想敵とし、特にアルマティアとは南米での勢力争いで敵対している。
◇イギリス連合王国(英)
広大な植民地を持つが先の大戦において国力を消耗したため植民地に独立の気運が広まっている。
仮想敵として太平洋方面で日本,アルマティア、欧州方面でソ連,ドイツ,イタリアがいる。
◇フランス共和国(仏)
先の大戦において国内が戦場になり勝利したとはいえ多大な犠牲を払い国内の政情が不安定化している。
仮想敵としてソ連,ドイツ,イタリアがいる。
ソビエト社会主義共和国連邦(蘇)
先の大戦中に共産革命が勃発しロシア帝国の後継国家として誕生した。他列強からは距離を取られている。
仮想敵は日本。
◇ドイツ共和国(独)
第一次世界大戦に敗戦し多額の賠償金とインフレによって国内が荒廃し、軍隊も制限をかけられた。
近年民族主義者の活動が活発化している。
◇イタリア王国(伊)
先の大戦でドイツ帝国を裏切り連合側として参戦したが、多大な犠牲を払ったにもかかわらず得た利益が少ないと不満がある。
仮想敵はフランス,イギリス。
◇大日本帝国(日)
先の大戦で連合国側で参戦したが、その際中国利権の拡大を図ったため諸外国から疑念を抱かれた。
アルマティアとは有色人種の国家同士として友好関係を築いている。
仮想敵はアメリカ,イギリス,ソ連。
◇アルマティア統一連邦共和国(呼)
南米大陸とオーストラリア大陸に挟まれた位置に存在するアメリカに対抗できる国力を持つ。チリ,アルゼンチンと防衛協定を結んでいる。
距離を理由に第一次世界大戦には参戦せず各国に駐在武官を送っていた。
仮想敵はアメリカ,イギリス。
一次大戦に参戦しなかったことで研究開発が進んでおり兵装も近代化している。
編集の方針
年表形式で戦争全体を書いて大きな海戦の内容を書いていくことにします。
すべて書くのは流石に無理。
要望があればコメント欄へ。
艦名メモ
アメリカ
空母:エンタープライズ,サラトガ,レンジャー,エセックス,ヨークタウン,イントレピッド,ホーネット,フランクリン,タイコンデロガ,ランドルフ,レキシントン,バンカー・ヒル,ワスプ,ハンコック,ベニントン,ボクサー,ボノム・リシャール,レイテ,キアサージ,オリスカニー,レプライザル,アンティータム,プリンストン,シャングリラ,レイク・シャンプレイン,タラワ,ヴァリー・フォージ,イオー・ジマ,フィリピン・シー,リプライザル,コーラル・シー
戦艦:アーカンソー,アイオワ,アイダホ,アラバマ,アリゾナ,イリノイ,インディアナ,ウィスコンシン,ウェストバージニア,オクラホマ,オハイオ,オレゴン,カリフォルニア,カンザス,ケンタッキー,コネチカット,コロラド,サウスカロライナ,サウスダコタ,ジョージア,テキサス,テネシー,デラヴェア,ニュージャージー,ニューハンプシャー,ニューメキシコ,ニューヨーク,ネバダ,ネブラスカ,ノースカロライナ,ノースダコタ,バージニア,バーモント,フロリダ,ペンシルベニア,マサチューセッツ,ミシガン,ミシシッピ,ミズーリ,ミネソタ,メイン,メリーランド,モンタナ,ユダ,ルイジアナ,ロードアイランド,ワイオミング,ワシントン
重巡:ペンサコラ,ソールト・レイク・シティ,ノーザンプトン,チェスター,ルイヴィル,シカゴ,ヒューストン,オーガスタ,ポートランド,インディアナポリス,ニュー・オーリンズ,アストリア,ミネアポリス,タスカルーサ,サンフランシスコ,クインシー,ヴィンセンス,ウィチタ,ボルティモア,ボストン,キャンベラ,クインシー,ピッツバーグ,セントポール,コロンバス,ヘレナ,ブレマートン,フォール・リバー,メーコン,トレド,ロサンゼルス,シカゴ,オレゴン・シティ,アルバニー,ロチェスター,ノーザンプトン,ケンブリッジ,ブリッジポート,ノーフォーク,スクラントン,カンザス・シティ,タルサ,デ・モイン,ニューポート・ニューズ,ダラス
軽巡:バーミングハム,セーラム,オマハ,ミルウォーキー,シンシナティ,ローリー,デトロイト,リッチモンド,コンコード,トレントン,マーブルヘッド,メンフィス,ブルックリン,フィラデルフィア,サヴァンナ,ナッシュヴィル,フィーニクス,ボイシ,ホノルル,セント・ルイス,ヘレナ,サン・ディエゴ,サン・ファン,オークランド,リノ,フリント,ツーソン,ジュノー,スポカン,フレズノ,クリーブランド,コロンビア,モントピーリア,デンヴァー,サンタ・フェ,バーミンガム,モービル,ヴィンセンズ,パサデナ,スプリングフィールド,トペカ,ビロクシー,ヒューストン,プロヴィデンス,マンチェスター,ヴィックスバーグ,ダラス,マイアミ,アストリア,オクラホマ・シティ,リトル・ロック,ガルヴェストン,アムスターダム,ポーツマス,ウィルクスバレ,アトランタ,デイトン,アムスターダム,タラハッシー,ニュー・ヘイヴン,ハンチントン,デイトン,ウィルミントン,ファーゴ,バッファロー,ニューアーク,バッファロー,ヤングズタウン,ファーゴ,ハンチントン,ニューアーク,ニュー・ヘイヴン,ウィルミントン,タラハッシー,シャイエン,チャタヌーガ,ヴァレーオ,ヘレナ,ロアノーク,ウースター,ヴァレーオ,ゲーリー
日本
空母:赤城,加賀,蒼龍,飛龍,翔鶴,瑞鶴,大鳳,神鳳,準鳳,雲鳳,冲鳳,赤龍,白龍,雲龍,天城,葛城,阿蘇,生駒,鞍馬,鳳翔,龍驤,瑞鳳,祥鳳,大鷹,雲鷹,冲鷹,飛鷹,隼鷹,龍鷹,海鷹,神鷹
戦艦:陸奥,岩代,出羽,磐城,常陸,安房,信濃,武蔵,甲斐,駿河,三河,若狭,能登,飛騨,遠江,伊勢,伊賀,紀伊,志摩,山城,摂津,和泉,河内,因幡,石見,隠岐,美作,安芸,周防,長門,伊予,土佐,日向,薩摩,大隅,扶桑,金剛,比叡,榛名,霧島
重巡:古鷹,加古,青葉,衣笠,妙高,那智,足柄,羽黒,高雄,愛宕,摩耶,鳥海,最上,三隈,鈴谷,熊野,利根,筑摩,伊吹,釜臥,桑畑,吹越,梵珠,東光,八塩,栗駒,荒尾,安達太良,磐梯,金峯,飯森,竪破,八溝,高鈴,加波,筑波,那須,吾妻,雲仙,蔵王,吉野
軽巡:天龍,龍田,球磨,多摩,北上,大井,木曽,長良,五十鈴,名取,由良,鬼怒,阿武隈,川内,神通,那珂,夕張,阿賀野,能代,矢矧,酒匂,大淀,仁淀,五ヶ瀬,雄物,四万十,高瀬,十勝
アルマティア
空母:
戦艦:
重巡:ノイシュタット,エルベンシュタット,グリムシュタット,フローレンシュタット,シルバシュタット,ヴォルフブルク,ドレンブルク,リッターブルク,クラインブルク,シュワルツブルク,ハイリヒドルフ,フェルンドルフ,ブロックドルフ,ローゼンドルフ,ヴィルドドルフ,
軽巡:ルミナ,セレスト,ノクティス,アストリア,エメラルド,テンペスト,シャドウリーフ,サンドフロー,タイダルスピア,ミスティヴェイン,ルーンフロウ,エシュリア,ドラゴスロート,サンレイド,ブラックヴェイド,シルバーブレイズ,ハーモニア,ゴールデンウェイク,ブルーム,エバークリア,ハートリーフ,フラッシュタイト,レイヴィングロー,サンダーヘッド,アイアンフロウ,クラッシュフォールズ,デプススパイラル,タイタン,シャドウフロウ,スターカスケード,ムーンリフレクト,サーペントリバー,ディアヴァインスプリング,クリムソンウェイク,ダスク,グラスリフレイン,フロストエッジ,ハーヴェスト,ヴェイル,グリム,オーヴィン,フィン,アルク,ヴィライル
年表
| 1922年 | 各国の海軍を制限するためワシントン海軍軍縮条約が締結された。 ・英,米,呼:日:仏,伊の戦艦及び空母保有比率は5:3:1.67とする。 ・巡洋艦の個艦排水量は1万t以下で備砲は5インチ以上8インチ以下。合計排水量は制限無し。 ・戦艦の個艦排水量は3万5000t以下、合計排水量は米英呼52万5000t,日31万5000t,仏伊17万5000tとし、備砲は16インチ以下。 ・空母の個艦排水量は2艦のみ3万3000t、その他は2万7000t以下、合計排水量,米英呼13万5000t,日8万1000t,仏伊6万tとし、備砲は8インチ以下。 ・太平洋に面する本土付近以外の領土の要塞化禁止。シンガポール,オーストラリア,ニュジーランド,カナダ,ハワイ諸島,アラスカは除外。 |
|---|---|
| 1923年 | 3月フランス、ルール地方を占領。7ヶ月後撤退。 |
| 4月イタリアでムッソリーニが首相に就任。 | |
| 1930年 | ロンドン海軍軍縮条約締結。 |
| ワシントン海軍軍縮条約の内容を踏襲しつつ、巡洋艦以下に制限が課せられた。 | |
| 1933~1941年 | ヒトラー首相就任、翌年総統に就任。 |
| ドイツ、ラインラントに進駐、オーストリア併合、3ヶ月後チェコスロバキアのズデーテン地方割譲、1ヶ月後チェコスロバキア解体チェコを併合しスロバキアを傀儡化。 | |
| 独ソ不可侵条約締結。メーメル地方がドイツ領に。ベルリン・ローマ枢軸同盟締結。 | |
| ドイツ、ポーランドにダンツィヒ要求。ポーランド拒否。ドイツ宣戦布告(1939)。 | |
| ソ連ポーランドに侵攻。バルト三国併合。冬戦争開始。 | |
| ドイツ、デンマーク,ノルウェー,ベネルクスへ侵攻。 | |
| アルマティア、チリ,アルゼンチンとアルマティアチリアルゼンチン防衛協定(ALCARDEAアルカレデア)を締結 | |
| アルマティアはアメリカとの対立が深まり日本と同盟(枢軸未参加)開戦は1941年 | |
| 1942年 | オセアニア方面は1942年中頃までにオーストラリア大陸,ニュージーランドを残し制圧。 |
| 4月13日珊瑚海海戦。世界初の空母戦が行われた。 | |
| 1943年 | 8月28日アメリカ軍アルマティア、セレスト州サンウェールにエセックス,ヨークタウン(Ⅱ),イントレピット,サラトガ,エンタープライズの五隻を中心とし爆撃を敢行。 |
| 9月14日報復として、アルマティア軍空母3隻戦艦5隻を中心にハワイを強襲。 | |
| 10月3日ドイツ、スターリングラード占領。 | |
| 10月6日ミッドウェー海戦。アメリカ軍アルマティア、フレムベル共和国ウラリディラ島に上陸。 | |
| 11月21日アルマティア軍ウェーク島占領。 | |
| 1944年 | 5月日本中国方面での攻勢に成功するも硫黄島を失陥。本土にB29襲来。 |
| 6月ドイツ、スターリングラード放棄。ウクライナへ撤退。フィンランド、ソ連と講話。 | |
| 8月イタリア内戦状態に。ドイツ、ポーランド,ルーマニアまで撤退。 | |
| 1945年 | 2月ルーマニア降伏。同年6月ノルマンディーに連合軍上陸。ポーランドで大規模な反乱発生。オストプロイセン放棄、旧ドイツ国境まで後退。 |
| 6月5日ドイツ残存艦隊でイギリス海峡に突入し上陸の妨害を画策。失敗。潜水艦と沿岸警備用の駆逐艦およそ30隻を除き壊滅。 | |
| 8月24日アメリカ、ハンブルクに新型爆弾投下。 | |
| 11月8日ソ連、ベルリンを占領。9日ドイツ降伏。 | |
| 12月13日名古屋市をアメリカが空母16隻からなる機動部隊を派遣し爆撃。 | |
| 12月30日アルマティア軍ロサンゼルスに上陸。日本軍インパール作戦により部分的にインド国境の突破に成功。 | |
| 1946年 | 2月2日アメリカ軍ロサンゼルスに上陸したアルマティア軍の補給線の寸断のために日本方面から空母10隻を引き上げ、東太平洋艦隊に編入し空母24隻戦艦7隻を中心とした艦隊でアルマティア軍空母21隻戦艦12隻を中心とする艦隊と交戦。 |
| 5月12日各国で厭戦気分が蔓延し各国政府に講話を求める大規模なデモが発生。各国が講話を模索し始める。 | |
| 6月15日各国首脳がイギリス艦艇で輸送された通信機を介して講話内容のすり合わせを始める。 | |
| 8月1日各国停戦命令を発令。 | |
| 8月15日終戦。ハワイ,オワフ島真珠湾に各国の保有する中で一隻ずつが派遣され講話条約に調印。 |
海戦
珊瑚海海戦
【参加艦艇】
◇アメリカ
・空母:ヨークタウン,エンタープライズ,レキシントン,サラトガ
・戦艦:ワシントン,サウスダコタ
・重巡洋艦:ミネアポリス,ニューオーリンズ,アストリア,チェスター,ポートランド,シカゴ
・駆逐艦:フレッチャー級駆逐艦25隻
◇大日本帝国
・空母:瑞鶴,翔鶴,祥鳳
・戦艦:金剛,扶桑,山城
・重巡洋艦:妙高,鳥海
・軽巡洋艦:阿武隈
・駆逐艦:吹雪型駆逐艦3隻,暁型駆逐艦4隻,陽炎型駆逐艦3隻
◇アルマティア
・空母:H・ファルケンベルク,K・アイゼンハルト
・戦艦:エメラディア
・重巡洋艦:エメラルディア
・軽巡洋艦:ヴィライル
・駆逐艦:クルガー級駆逐艦13隻
【戦闘経過】
1942年4月アメリカはオーストラリアとの連絡路を確保するため南方で稼働できる戦力を結集し第6任務部隊として、珊瑚海へ進軍。日呼連合軍はこれを阻止するためにニューギニア沖及びニュジーランド沖に展開していた日第四艦隊及び呼第七艦隊を用いて迎撃した。
1942年12日ブリスベン沖で偵察任務についていた呼海軍潜水艦S244が米第6任務部隊の出港を発見。
1942年13日6時12分二式飛行艇が米第6任務部隊をポートモレスビー南東810kmで再発見。
1942年4月13日、南太平洋。蒼い海原の彼方に、嵐のような緊張が広がっていた。
「珊瑚海は我々の掌中にある!」
日本艦隊の司令官である井上成美は、全艦に向けて強気の言葉を放った。彼の計画は、オーストラリアとアメリカを結ぶ補給線を断ち切り、連合軍を太平洋南部から追い出すことだった。
「ここで敵艦隊を叩き制海権を盤石なものにするぞ!」
アルマティア艦隊の司令官であるホイットモアは全艦を鼓舞した。
一方、アメリカ艦隊のフレッチャー提督は、部下たちに冷静な指示を送る。
「敵は強大だが、制空権を握ればこちらに勝機がある。全艦、備えろ。」
夜明け前、零式艦上戦闘機のエンジン音が響き渡った。「翔鶴」と「瑞鶴」の艦隊が発進したのである。偵察機が敵艦隊の位置を報告し、最初の攻撃が始まった。
「敵艦隊視認!方位130、距離200!」
報告を受けたパイロットたちは、緊張の中で機体を操縦する。珊瑚海の上空は急速に騒然とし、蒼い空に黒煙が立ち上る。
「目標敵空母!降下!降下!降下!」
九九式艦上爆撃機の編隊が、アメリカの空母「ヨークタウン」「レキシントン」を目指して突っ込む。弾幕が降り注ぐ中、1機が撃墜され、さらに2機が炎上。しかし、1機の爆撃機が正確な攻撃で「ヨークタウン」の甲板に爆弾を投下した。甲板が爆発し、黒煙が立ち昇る。その後次々に爆撃が命中し大爆発を起こした。
「敵機がこっちに!助けてくれ!」
「クソッ。被弾した!うわぁぁ!」
「後ろに敵機が!ぎゃぁぁぁ!」
九七式艦上攻撃機の編隊が低空を飛行して雷撃を敢行しようとするがアメリカの直掩機が集中して攻撃したため多くが撃墜され、40機いた攻撃機が28機まで減少していた。
「こっちは残りの空母をやるぞ!」
残った機がアメリカ空母「エンタープライズ」「サラトガ」にそれぞれ2編隊計4編隊に別れ突貫する。
その時呼第7艦隊の攻撃隊が遅れて到着し「サラトガ」と重巡に攻撃を開始した。
「艦攻への対空砲火を分散させろ!降下開始!」
「ミネアポリス」と「ポートランド」に急降下爆撃が命中し、大きな火柱が上がる。
「敵を撃ち落とせ!」
「敵魚雷投下。」
「取舵!」
「別の編隊接近!魚雷投下されました!」
「サラトガ」艦橋内で次々報告が上がる。
一編隊の雷撃を回避した直後にもう一編隊が魚雷を投下。「サラトガ」右舷に魚雷3本が命中し急速に速力が落ちる。
「被雷!浸水発生。」
ボイラーが2基しか使えません。」
「速力は。」
「ボイラーが2基しか使えません。4ktまでは出せますが...。浸水がひどく長く持ちそうもありません。」
「そうか...。エンタープライズに通信『我、航行不能。艦を放棄する。』総員退艦!」
両軍全力での攻撃が展開される。零戦の編隊が空を制しようとするが、アメリカのF4Fワイルドキャットが果敢に迎撃を仕掛けた。
「敵機、6時方向!注意しろ!」
零戦のパイロット、鈴木中尉は叫びながら機体を急降下させた。背後から銃弾が雨のように降り注ぐが、巧みな操縦でかわしつつ、彼は敵の爆撃機に接近する。照準を合わせ、引き金を引くと、火花が散り、敵機が炎を上げて墜落する。
「空母に近づけるな!撃ち落とせ!」
駆逐艦や巡洋艦から猛烈な対空砲火が火を吹き、敵機を迎撃する。
直掩機が必死に迎撃するがアメリカの攻撃隊が日本の空母「翔鶴」に接近。
「敵機直上!急降下ぁ!」
「急げ!撃ち落とせ!」
「回避!回避!」
対空砲火の嵐をかいくぐりながら、SBDドーントレスの急降下爆撃が成功し、「翔鶴」の甲板に大きな火柱が上がった。
「消火急げ!誘爆するぞ!」
「低空右舷30度敵機!突っ込んできます!」
「おもぉぉぉかぁじいっぱい!」
「翔鶴」の船体が軋みながら旋回を行う。
「直掩は何をしている!」
「敵機魚雷投下!駄目です避けきれません!」
「衝撃備えぇぇ!」
「翔鶴」の右舷後部にアメリカ雷撃機が投下した魚雷が一発命中し、巨大な水柱が上がった。
「敵編隊を視認。降下する。迎撃を開始せよ。」
各隊長機が翼を左右に振って僚機に伝えた後眼下の攻撃隊に向かって降下し引き金を引き爆撃機を撃墜した。
MA175艦戦32機がアルマティア艦隊に向かって来るアメリカ編隊120機の迎撃を行い86機を撃墜。
「総員対空戦用意!」
空母2隻を守るため全艦の対空兵装がアメリカ編隊に向けられ、一斉に火を吹き空が黒煙で埋め尽くされる。
その中を生き残ったアメリカ機が通過していき「H・ファルケンべルク」に近づいていく。
「左舷魚雷!」
「H・ファルケンベルク」の左舷後部に対空砲火をくぐり抜けてきた雷撃機12機が投下した魚雷3発が命中したが1発が不発で被雷したことによる水柱は二本だけだった。
「スクリュー破損!20ノットまで低下します!」
「舵破損!直進で固定されました!」
「左舷より浸水発生!すでに左舷第三二水密区画まで浸水!」
「H・ファルケンベルク」艦橋内で被害報告が上がる。そんな中雷撃機に遅れた急降下爆撃機6機が爆撃を行い3発が飛行甲板に命中した。
「第一エレベーター破損!使用不能!」
「着艦誘導装置破損!」
「至近弾により右舷に浸水発生!傾斜回復!」
敵攻撃隊全機が攻撃を終え引き上げていく。
「油断するな!被害状況を報告しろ!」
「駆逐艦「ファルク」、「ヘルガ」が沈没。「K・アイゼンハルト」が大破し速力が15ノットまで低下し着艦不能。」
「攻撃隊が帰って来ました!」
アルマティア艦隊北方よりアメリカ艦隊への攻撃から帰還した艦載機が現れた。
「修理可能な機は本艦へ。その他は付近に着水後搭乗員は駆逐艦へ収容せよ。」
「偵察機より報告。『東経20、南緯160、地点A3。敵戦艦2小型艦複数見ゆ』」
「エメラディアに駆逐艦4隻を付け向かわせろ。今敵艦隊とまともにやり合っては空母が沈んでしまう。」
「それは囮になれということですか!」
「第二次攻撃隊も向かわせる。沈める必要は無い。空母が離脱する時間を稼げ!」
「了解!」
戦力の大半を失ったアメリカ艦隊は戦艦部隊を分離し殿とすることで日呼連合艦隊を突破しようとしてきた。
「右砲戦45度、向かってくる敵戦艦。」
「扶桑」艦長の古村啓蔵が艦隊に指示を出す。
「扶桑」「山城」「金剛」の35.6cm砲が照準を開始する。
「敵は14インチ砲戦艦だぞ!撃ちまくれ!」
「サウスダコタ」艦長のトーマス・ガッチが声を張り上げる。
米「サウスダコタ」「ワシントン」の16インチ砲が一斉に火を吹く。
日「扶桑」「山城」「金剛」が先頭の「ワシントン」を目標に定めて打ち始める。
巨大な水柱が両艦隊に上がる中、「サウスダコタ」の放った砲弾1発が「山城」に命中した。
「第4砲塔被弾、旋回不能!」
「まだまだこれからだ!打ち返せ!」
「敵駆逐艦接近してきます!」
「副砲全力射撃!追い払え!海面から目を離すな、魚雷を見逃すなよ。」
「山城」の艦橋で怒号が飛び交っていた。
その時、「扶桑」の放った砲弾2発が「ワシントン」に命中した。
「カタパルト全壊!後部艦橋大破!」
「軽傷だ!構わず打ち返せ!」
「ワシントン」の放った砲弾が「山城」の第四砲塔基部に再び命中。
「直ちに弾薬庫に注水!急げ!」
弾薬庫に注水が開始され始めたその時、装薬が誘爆し船体が真っ二つに折れ「山城」が轟沈した。
「山城轟沈!」
「クソッ!敵を取るぞ。打ち続けろ!」
戦艦同士が激しい砲撃戦を開始し1時間たった頃呼第7艦隊から分離した「エメラディア」率いる駆逐艦4隻を擁する艦隊が合流。
「やはり苦戦しているか...。この艦の主砲は38cmだが十分16インチ砲艦にも十分対抗可能だ。確実に沈めてやれ!」
「エメラディア」が砲撃を開始する。
「敵戦艦一隻増加!アルマティア軍です!」
「一隻でも多く撃沈しろ!空母を逃がすぞ!」
「敵弾接っk!」
「ワシントン」の艦橋に「金剛」の放った砲弾が命中し艦長以下司令部要員全員が戦死した。
その後「サウスダコタ」に呼第7艦隊より飛び立った攻撃隊が殺到し爆弾直撃8発至近弾5発に魚雷3発命中により大破させ撤退させた。
その後日呼側が偵察機を飛ばすも米残存艦隊を発見できなかったため両軍が海域から離脱したことによって海戦は幕を下ろした。
「我々は勝利した!今は祝おう。ただし敵は未だ健在である!油断はするな!」
「翔鶴」から「瑞鶴」へ移動した日第四艦隊司令官の井上成美は艦隊の将兵たちに告げた。
「戦術的には我々は勝利した。それは祝おう。しかしこちらも損傷を回復させるまで時間がかかるだろう。」
呼第7艦隊司令官ホイットモアは勝利を祝いつつもこの結果を冷静に見ていた。
「諸君よくやってくれた。これでしばらく膠着状態を維持できるはずだ。犠牲は大きいが、我々は立ち止まらない。この海を、祖国を必ず守り抜く。」
米第6任務部隊司令官フレッチャー提督は「エンタープライズ」の艦橋で宣言した。
「それに新型艦も就役し始める頃だろう。この海での犠牲は忘れないが一矢報いることができるはずだ。」
各国損害
◇アメリカ
・沈没:戦艦「ワシントン」、空母「サラトガ」「ヨークタウン」、重巡洋艦「ミネアポリス」「ポートランド」、駆逐艦5隻
・大破:戦艦「サウスダコタ」、空母「レキシントン」
・中破:空母「エンタープライズ」、重巡洋艦「アストリア」「シカゴ」、駆逐艦8隻
・小破:重巡洋艦「チェスター」、駆逐艦3隻
・航空機:210機
◇大日本帝国
・沈没:戦艦「山城」、空母「祥鳳」、重巡洋艦「妙高」、駆逐艦4隻
・大破:戦艦「金剛」、空母「翔鶴」、駆逐艦2隻
・中破:戦艦「扶桑」、重巡洋艦「鳥海」、軽巡洋艦「阿武隈」、駆逐艦1隻
・小破:空母「瑞鶴」
・航空機:120機
◇アルマティア
・沈没:軽巡洋艦「ヴィライル」、駆逐艦2隻
・大破:空母「K・アイゼンハルト」、駆逐艦1隻
・中破:空母「H・ファルケンブルク」、重巡洋艦「エメラルディア」
・小破:戦艦「エメラディア」、駆逐艦5隻
・航空機:100機
【参加艦艇】
アメリカ
・空母:エンタープライズ,ホーネット,ワスプ,レキシントン,エセックス,
・戦艦:ノースカロライナ,サウスダコタ
・重巡:ノーザンプトン,チェスター
・軽巡:アトランタ,サン・ディエゴ,ジュノー,クリーブランド,コロンビア,モントピーリア,デンバー
・駆逐艦:フレッチャー級40隻
大日本帝国
・空母:赤城,加賀,蒼龍,飛龍,翔鶴,瑞鶴
・戦艦:大和,長門,榛名,霧島
・重巡:最上,熊野,鈴谷,利根,筑摩
・軽巡:川内,阿賀野,矢矧
・駆逐艦:特型10隻,陽炎型12隻,秋月型5隻
アルマティア
・空母:M・リヒトホーフェン,E・ヘルマン,O・クラウス
・戦艦:エルドリア,ラガーナ
・重巡:ノイシュタット,エルベンシュタット,グリムシュタット,フローレンシュタット,シルバシュタット
・軽巡:ルミナ,セレスト,ノクティス
・駆逐艦:クルガー級30隻
1943年10月6日日呼連合軍は空母9隻というかつて無いほど強大な戦力を結集しミッドウェー沖での決戦に備えていた。
日本艦隊・赤城艦橋
「ミッドウェー島の攻略はこの作戦の第一歩だ。」
南雲中将は艦橋で部下たちに語りかけた。彼の目は冷静だが、ミッドウェーを確実に攻略し、アメリカ艦隊を壊滅させる決意がにじんでいる。
その時、航空参謀が駆け寄った。
「南雲長官、呼艦隊のフォーゲル中将から通信です。呼艦隊は予定通り、南東方向から敵艦隊の側面を狙うとのことです。」
南雲は小さくうなずいた。
「今のところ作戦通りだな。こちらは正面から叩く。」
アルマティア艦隊・リヒトホーフェン艦橋
「ここで敵残存艦隊を殲滅する。気を引き締めろ。」
フォーゲル中将は艦隊全体に告げた。
数分後通信士が告げる。
「フォーゲル閣下、南雲中将は予定通りミッドウェー島へと攻撃を開始するようです。」
「直掩機をいつでも発艦できるように甲板に待機させておけ。」
フォーゲルはさらに命令する。
「こちらの位置を知らせるな。まだ攻撃の時では無い。自粛するように。」
アメリカ艦隊・エンタープライズ艦橋
「日本艦隊の空母は6隻、さらにア艦隊がいる可能性もある。」
フレッチャー提督はレーダー情報と偵察報告を慎重に分析していた。
「我々が優勢なのはレーダーによる索敵と防空能力だ。だが、敵がこれほどの戦力を投入してくるとはな……。」
「提督、勝てるでしょうか?」
一人の参謀が問うた。フレッチャーは冷静に言った。
「勝てるかどうかではない。我々は勝たなければならない。」
6月4日午前4時30分、主力艦隊から発進した零戦と九九式艦上爆撃機がミッドウェー島を襲撃。滑走路、燃料タンク、防空砲台が次々と爆炎に包まれた。島の守備隊はP-40戦闘機で迎撃したが、制空権は完全に日本軍が握っていた。
同時に、呼艦隊の「M・リヒトホーフェン」、「E・ヘルマン」、「O・クラウス」から発艦した艦載機が、アメリカ艦隊の南東方向に進撃。アメリカの護衛艦艇が一部移動した隙を突き、空母「レキシントン」を発見した。

「目標、敵空母1、護衛艦3!」

無線に叫んで急降下した編隊長機に続いてLI40艦上爆撃機が急降下を開始。爆弾3発が「レキシントン」の飛行甲板に命中し、炎上させた。

更に米艦隊に艦攻隊も同時に突入して「ジュノー」を撃沈。
フォーゲルがリヒトホーフェン艦橋で命令を叫ぶ。
「敵艦隊が混乱しているうちに敵艦隊へ接近!敵艦隊の目をこちらへ向けさせろ!戦艦部隊を前方へ!急げ!」

「エンタープライズ」と「ホーネット」から発進したドーントレス急降下爆撃機が、日本空母「加賀」と「瑞鶴」を襲撃。爆弾2発が「加賀」の甲板を直撃し甲板で発艦準備中だった艦爆に誘爆し大炎上。総員退艦が命じられた。

一方、「瑞鶴」には魚雷が命中し、艦体が傾き始めた。しかし艦載機の運用は続けられ、「瑞鶴」の航空隊は再び反撃の準備を整えた。
「赤城」と「加賀」から発艦した九七式艦上攻撃機が、空母「ワスプ」に集中攻撃を仕掛ける。激しい防空砲火の中、魚雷が艦尾に命中し、「ワスプ」は航行不能に陥る。
しかし「ノースカロナイナ」と「サウスダコタ」の強烈な対空砲火により戦艦及び重巡洋艦は無傷で乗り越える。

呼艦隊からの攻撃も再開され、「M・リヒトホーヘン」の艦載機が空母「ホーネット」に命中弾を与える。甲板が炎に包まれ、「ホーネット」艦内で航空魚雷に誘爆、第2エレベータが吹き飛んだ。乗員が総員退艦を開始。
午後、日呼軍は空母戦力を無力化されたアメリカ艦隊に対し、戦艦部隊を投入。「大和」、「長門」、「エルドリア」、「ラガーナ」が進撃し、アメリカ艦隊の残存戦力への攻撃を強めた。
「目標敵戦艦!斉射準備!」
「大和」の艦橋で指揮官が冷静に命じた。46cm砲弾がアメリカ戦艦「ノースカロライナ」に命中し、艦首を粉砕。「ノースカロライナ」は戦闘不能となる。
「山城の敵討ちだ。撃ちまくれ!」

「長門」がアメリカ巡洋艦「サン・ディエゴ」や「ノーザンプトン」を砲撃。砲弾の嵐が巡洋艦を直撃し、次々と沈没させた。
負けじと「サウスダコタ」が反撃し、駆逐艦が巡洋艦の援護の下、日呼戦艦群に迫る。

「戦艦に近づかせるな。特型の力の見せ所だぞ!」
日呼側も巡洋艦の砲撃支援を受けながら駆逐艦の迎撃を開始する。
「サウスダコタ」が「長門」の副砲と「エルドリア」の煙突及び後部艦橋に命中弾を出し、破壊に成功し駆逐艦数隻を撃沈するものの圧倒的な戦力を持つ日呼側が徐々に駆逐艦を撃沈していき、ついに「サウスダコタ」に「大和」の砲撃が命中し「サウスダコタ」を大破させ撃沈寸前まで追い詰めたがそれでも「サウスダコタ」は抵抗を続け重巡「ノイシュタット」を撃沈。その直後残っていた弾薬が火災により誘爆し轟沈した。

夕方、アメリカ艦隊の撤退を確認した呼艦隊司令のフォーゲルは無線で南雲に連絡した。
「南雲中将殿、側面攻撃は成功しました。敵空母2隻を撃沈、駆逐多数撃破。」
南雲は短く答えた。
「これで勝利は確実だ。」
各国損害
アメリカ
・沈没:空母「レキシントン」「ホーネット」「ワスプ」、戦艦「サウスダコタ」、重巡「ノーザンプトン」、軽巡「ジュノー」「サン・ディエゴ」、駆逐艦16隻
・大破:空母「ワスプ」、戦艦「ノースカロライナ」、軽巡「アトランタ」
・中破:軽巡「クリーブランド」「コロンビア」
・小破:空母「エセックス」、駆逐艦7隻
・航空機:250機
日本
・沈没:空母「加賀」「瑞鶴」、重巡「熊野」「利根」、軽巡「川内」、駆逐艦10隻
・大破:戦艦「榛名」「長門」
・中破:戦艦「霧島」、重巡「最上」「筑摩」、軽巡「矢矧」、駆逐艦7隻
・小破:空母「赤城」「飛龍」「蒼龍」「翔鶴」、戦艦「大和」、重巡「鈴谷」、駆逐艦8隻
・航空機:300機
アルマティア
・沈没:重巡「ノイシュタット」「エルベンシュタット」、軽巡「ルミナ」、駆逐艦14隻
・大破:戦艦「エルドリア」
・中破:空母「E・ヘルマン」重巡「グリムシュタット」「フローレンシュタット」「シルバシュタット」
・小破:空母「O・クラウス」戦艦「ラガーナ」軽巡「セレスト」「ノクティス」、駆逐艦16隻
・航空機:250機
【参加艦艇】
イギリス
空母:ヴィクトリアス
戦艦:ロドニー,キング・ジョージ5世,デューク・オブ・ヨーク,テメレーア,ウォースパイト
軽巡洋艦:シェフィールド
駆逐艦:トライバル級8隻
アメリカ
空母:レンジャー
戦艦:マサチューセッツ
駆逐艦:シムス級5隻
ドイツ
戦艦:フリードリヒ・デア・グローゼ,ポンメルン,テルピッツ,グナイゼナウ
重巡洋艦:アドミラル・ヒッパー
軽巡洋艦:ケルン
駆逐艦:Z23級5隻,Z31級7隻
1945年6月5日 午前2時、ドーバー海峡
月明かりがわずかに波間を照らす静かな海。イギリス海軍の戦艦「ロドニー」の艦橋では、艦長ジョン・ウェザビー大佐が海図を睨んでいた。
「敵の動きは?」
「現在のところ、異常なし。しかし、レーダーにかすかな反応があります。霧の中に……」
「嫌な予感がするな」
言い終わるか終わらないかのうちに、遠くの霧の向こうで閃光が走った。
「敵の攻撃だ!」
「どこからだ!?」
観測士が叫ぶ。
「ドイツ艦隊です! しかも……見たことのない戦艦がいる!」
霧の中から現れたのは、ドイツ海軍の最後の切り札。
ドイツ艦隊司令官、ハンス・レーマン提督は通信を送る。
「ここにいるのは、ドイツ海軍の誇りだ。我々は死んでも敵を突破する!」
そして、新鋭戦艦「フリードリヒ・デア・グローセ」の主砲が火を吹いた。


「ロドニー」のすぐ近くの海面で巨大な水柱が上がる。
「まさか16インチ砲か!」
連合国艦隊は、かつてない強敵と対峙することになった。
「全艦、反撃開始!」
イギリス艦隊の主砲が一斉に火を噴く。
「ウォースパイト」の15インチ砲弾が「グナイゼナウ」の艦橋を直撃し、大火災が発生。

「グナイゼナウ、損傷!」
しかし、ドイツ艦隊はひるまない。

「主砲発射!」
「ポンメルン」が放った砲弾が「デューク・オブ・ヨーク」の船体を貫通。衝撃で艦橋の窓が砕ける。
「今のところ、砲撃戦では決定的な打撃を与えられていない……」
アメリカ海軍のジェームズ・ハリントン艦長は、戦況報告を聞きながら眉をひそめた。
「フリードリヒ・デア・グローセは損傷を受けていない?」
「確認できません。霧が濃く、詳細な視認は難しいですが、先ほどの爆煙の向こうで依然として砲撃を続けています。」
「ならば、航空攻撃しかないな。」
彼は即座に判断を下し、通信士に命じた。
「雷撃隊を発進させろ!目標敵戦艦!」
「了解!TBF アヴェンジャー、発艦準備!」
甲板では、雷撃機TBF アヴェンジャーが次々とエンジンを始動させた。搭乗員たちはヘルメットを被り、最後の点検を終える。
「目標はドイツ戦艦だ。奴の装甲は厚いが、魚雷を集中させれば沈められる!」
「行くぞ!」
レンジャーから、第一攻撃機30機が発艦した。
攻撃隊がドーバー海峡上空へと進む。雲の切れ間から、戦場がはっきりと見えた。
海面では「ロドニー」や「キング・ジョージ5世」が砲撃を続け、ドイツ艦隊も反撃している。
「目標視認!敵戦艦、進行方向130度!」
「対空砲火に注意しろ!」

通信の直後、ドイツ艦隊が航空機の接近に気づいた。
「敵機接近!」
「対空砲、射撃開始!」
「フリードリヒ・デア・グローセ」,「ポンメルン」が対空射撃を開始し、周囲の水面が弾ける。
「回避!散開しろ!」
アヴェンジャーの編隊が高度を落としながら、次々と雷撃体勢に入った。
「第一小隊、雷撃開始!」
最初の5機が高度を下げ、魚雷を投下。
「魚雷、投下!」

水面に落ちた魚雷が一直線にドイツ戦艦へと向かう。
「回避運動!」
「フリードリヒ・デア・グローセ」が速度を上げ、右へ回頭。
その瞬間、最初の魚雷が外れた。
「ちくしょう、回避された!」
「第二小隊、続け!」
後続の5機が魚雷を投下。
「敵艦、回避行動継続!」
「しかし……今回は避けられないぞ!」
魚雷の一本が艦首右側の防郭装甲に命中。
爆発が発生し、水柱が上がる。
「命中!しかし砲撃を続けています!」
「畜生、あれが新鋭戦艦の耐久力か!」
「まだ終わっちゃいない。もう一度行くぞ!」
ドイツ艦隊の対空砲火が激しさを増す。
「ケルン」の対空砲弾がアヴェンジャー1機に命中し、機体が炎上した。
「やられた……!」
「パラシュート確認!」
「大丈夫だ、脱出した!」
一方「ポンメルン」に向かった編隊も攻撃を開始した。
「左舷に集中しろ!砲撃を止めさせるぞ!」
アヴェンジャー10機が一斉に降下を開始する。
「敵機接近!」
「撃ち落とせ!ここで止まるわけにはいかん!」
強烈な対空砲火がアヴェンジャー編隊に向けられ2機が被弾し撃墜された。
「敵を取るぞ!全機魚雷投下!」
8機が一斉に魚雷を投下し1本が艦中央に、2本が艦後部に命中した。
だが、敵艦隊の防御は強固だった。
「敵いまだ健在!」
「くそっ……こいつは本物の怪物だ!」
「応戦しろ!やつを止めるんだ!」
「テメレーア」の16インチ砲弾が「ティルピッツ」に直撃。
「ティルピッツ、大破!航行不能!」
「もう終わりだ……」
ハンス・レーマン提督は歯を食いしばる。
「砲撃を続けろ!」
41cm砲弾が「キング・ジョージ5世」の艦橋に直撃。しかし、致命傷にはならなかった。
「撃ち返せ!!」
「ロドニー」の砲弾が「フリードリヒ・デア・グローセ」の弾薬庫を貫いた。
巨大な爆発が起こり、艦が真っ二つに裂ける。
「敵戦艦沈没!!」
「戦艦部隊が活躍しているのだ。我々航空隊も活躍しなければならない!再度攻撃隊を発艦させよ。」
ヴィクトリアスからバラクーダ雷撃機が20機再びなおも抵抗を続けている「ポンメルン」に向かって飛び立った。
「敵機接近!ただその...対空砲がほとんど破壊されており2cm機銃が数丁しか残っていません。」
「もはやこれまでか...。だが逃げ帰ってスカパ・フローを再現するわけにはいかん!最後まで抵抗するぞ!生きている砲すべてで敵戦艦へ砲撃せよ!」
「ポンメルン」の41cm砲4門,15cm砲2門が「ウォースパイト」へ向けて放たれた。
「敵弾接近!」
「まだ砲撃できるのか!総員衝撃に備えよ!」
41cm砲弾が「ウォースパイト」の舷側装甲を貫き、第二主砲弾薬庫で爆発。「ウォースパイト」は艦首が船体と分離しながら沈んでいった。
「ポンメルン」に残っていた機銃に兵士が集まり向かってくるに銃口を向けていた。
「総員突撃!引導を渡してやれ!」
バラクーダが一斉に降下し魚雷を投下していく。
「ポンメルン」が対空射撃を行うも全く当たらず魚雷17本を次々に命中し船体が急速に傾き沈没した。
戦場には、沈みゆく艦と黒煙、そして傷ついた連合国艦隊と海に浮かぶ両軍の兵士だけが残った。
「勝ったのか……?」
ジョン・ウェザビー大佐がつぶやく。
「いや……ただ、生き延びただけだ」
続いて駆逐艦に救助を命令し、両軍の生き残りの救助が開始された。
各国損害
イギリス
沈没:戦艦「ウォースパイト」、駆逐艦3隻
大破:戦艦「デューク・オブ・ヨーク」「キング・ジョージ5世」
中破:軽巡「シェフィールド」、駆逐艦4隻
小破:戦艦「ロドニー」
アメリカ
沈没:駆逐艦2隻
大破:駆逐艦1隻
小破:戦艦「マサチューセッツ」
航空機:1
ドイツ
沈没:戦艦「フリードリヒ・デア・グローゼ」「ポンメルン」「テルピッツ」「グナイゼナウ」、重巡「アドミラル・ヒッパー」、駆逐艦10隻
大破:軽巡「ケルン」、駆逐艦1隻
【参加艦艇】
アメリカ
空母:
コメント
- 投稿ありがとうございます。時間をかけ腰を据えて執筆して頂いて問題ありません。拝読させて頂く中で、読みやすくなるよう、いくらか編集させて頂くこともあるかも知れません。作品の進行を楽しみにしています -- 編集ボランティア 2024-11-14 (木) 01:49:49
- ところで、作者様のペンネームを前書きのところにでも記載して頂けるとありがたいです -- 2024-11-14 (木) 01:53:11
- ペンネーム(暫定)ありがとうございます -- 編ボラ 2024-11-25 (月) 21:26:37
- 作者様、編集局/第3編集(架空戦記図書館)をご覧ください。 -- 編ボラ 2024-12-01 (日) 12:06:03
- ありがとうございます。 -- 2024-12-03 (火) 22:32:22
- 1933年を整理してみてくださいませ。 -- 編ボラ 2024-12-12 (木) 19:57:02
- ノ -- 2024-12-13 (金) 10:30:42
- 長くなってきましたので、「折り畳み」を導入してみました。 -- ボラ 2024-12-18 (水) 08:13:06
- 久々に様子見に来たら画像入ったりで進化している -- 編鯔 2025-03-08 (土) 02:00:23
- しばらく他の小説をみて学習してきます。(具体的にはカルロ・ゼン氏の幼女戦記) -- A150 2025-04-24 (木) 22:49:51

