SSTO設計技術

Last-modified: 2017-07-16 (日) 23:28:07
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このページでは、いわゆるスペースプレーンを中心に、より良いSSTOを造るための知識やテクニックを皆さんと一緒に検討・紹介していきたいと思います。
色々試したことの備忘録を兼ねて…

翼型

KSPの翼パーツの翼型ってどんなんだろうってお話です。

 

まず、KSPでは各パーツの寸法データとして、長さ・幅・高さとそれぞれの面の先端から一番幅のある部分までの長さを与えられています。
他に翼パーツには、翼面積、動翼パーツには最大可動角、作動速度があります。
これを覗いてみると、KSPの翼パーツは多分全て少なくとも形状的には対称翼、迎え角ゼロでは揚力を生まない翼型だと思われます。
ロケットの安定翼にも使うパーツなんで、迎え角ゼロで変に揚力が発生しても困りますしね。

 

で、確認の実験。

 
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同じロケットを2つ用意して

 
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北側のロケット(1枚目左手)の「Small Delta Wing」だけ、2度傾けます。
翼を傾けても重心位置はピクとも動きません。あくまで取り付けた座標にあるものとして扱われます。

 
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南側のは真っすぐのまま。

 
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画面奥が北側、翼に迎え角を付けたロケットです。

 
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迎え角を付けたロケットだけ西に進んでいきます。

 
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迎え角ゼロのロケットは進路も真っすぐ。別の翼パーツでも結果は変わりません。

 
 

何度もロケットを上げていれば当たり前の結果に何をいまさらという内容ですが、
KSPの翼は対称翼なのが確認できました。
もっと言えば、計算上は単なる平板として扱われているんだと思います。

 
 
実験1回目誤った結論を導いてしまったため没

ついでに、胴体パーツも見てみます。

 
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試したのは「Mk1 Liquid Fuel Fuselage」。翼の時と同様、北側のロケットだけ翼の時と同じ向きに2度傾けてます。

 
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翼ほどではありませんが同様曲がっているように見えますが、実は左側が手前の角度をつけていないロケットです。
タンクを傾けた奥のロケットは東に。

 
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SASを2つに増やしているんですが、どんどん逸れていきます。誤差の範囲じゃないですね。

 

と言うことで、タンクは翼と同じ向きに傾けると逆方向に揚力が生じるようです。
ちょっと意外な結果でした。

 

このパーツだけ特殊なのかと思って「FL-T400 Fuel Tank」も試してみましたが、同じ結果でした。
翼面積が設定されているMk2パーツは後日改めて試してみたいと思います。

どんな理屈でこうなるのか、解る人いたら教えてください。

 
 

翼に迎角を付けずに機体を作成すると、飛行時に揚力を得るために機体全体が迎角を取るように飛ばしますが、その状態では胴体は下向きに揚力を生んで翼で生じた上向きの揚力の一部を相殺してしまっていることになります。
機体設計時から翼に迎え角を付けた方が良いってことですかね。

 

1回目の実験でおかしな結果が出たのでもう少しきちんと確認してみました。

 

結論を先に書くと、先の実験では発射後の試験体にプローブを搭載していなかったために、発射直後からSASが機能していませんでした。
試験体では、空力中心が重心より後方にあります。
その結果、傾けたタンクから発生した揚力で機体下部が画面上右方向に押され、機体が左に傾いて進行方向も左に逸れてしまったということでした。
ん~、単純なミスだ…乙

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今回の試験には4機用意しました。一番手前は前回の物同様、タンクの傾きを2°から5°に増しています。
手前から2,3,4番目は、発射後もSASを作動させるようにプローブを追加しています。
2番目が傾き5°でノーズコーンなし、3番目はノーズコーン付きで傾きなし、一番奥はノーズコーン付きの傾き5°です。

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一番手前のSASが効いていない機体は左に傾いてぐんぐん逸れていきます。

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画面一番左側がタンクを傾けていない機体です。右側の2機は傾けたタンクから発生する揚力で右に進んでいきます。
今回の試験では、空力中心と重心がずれているので左に傾こうとするのをSASで抑えている状態です。
ノーズコーンを付けた機体の方が空力中心と重心が近いため、左に傾こうとするモーメントが小さく、更にノーズコーンの生じる揚力も多少寄与して一番右に行っているのでしょう。

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こんな感じに少しタンクの位置を上げて空力中心と重心を近づけると。

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こんな風にきれいに大きく傾けた機体ほど進路も曲がっていきます。

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プローブで傾かないようにしても。

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こんな感じ。

 

ということで、胴体パーツも翼パーツに比べると小さいながら同様に揚力が発生しています。
翼型が対称翼なら、揚抗比は単純に迎角が小さくなるほど小さくなりそうですが。
これはどんな風にしたら試せるかな。

Edit by 緑の本多

 
  • 意外な結果ですね。もしかしてSAS追加で重心が上に移動して、働き方が逆(エレベータ的なもの)になった・・・というのはありえませんか? -- FR? 2016-09-17 (土) 17:52:15
  • たぶん原因はタンクをラジアルマウントしてるせいかと。天面の空気抵抗の方が大きいため、翼で言うと「逆方向に88°傾けた」感じになってるんじゃないかと思います -- たかみ? 2016-09-17 (土) 18:45:19
  • 追試してみました。結論は上記の通り、試験体の設計ミスでした;;。 -- 緑の本多? 2016-09-17 (土) 23:13:00
 
 

翼平面形

 

次は翼平面形のお話です。まずはこの辺で勉強して、と。
翼平面形(Wikipedia)
KSPではどうなっとるんかいな、と。

で、いろいろ試してみた。
んだけど…

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ん~、差し当たりこの辺のモジュラー翼パーツだと差が無いな。
ツマラン…。

てことで、続く。