戦争と破壊の女神。
モリアンとは人間で言う姉妹の関係である。
マハとモリアン
モイトゥラ戦争よりも遥か昔にマハは人間たちに味方をしていた。
モリアンが人間たちを支援する神であれば、マハは人間たちを結束させる神であった。
赤い髪のとても美しい女神として知られており人間の心を読むことができたため、
人間たちの不安や恐怖を取り除き、人々を奮い立たせた。
戦いにも精通しているためにマハの祝福を受けて
結束した人間たちは優れた力を発揮したという。
叶わぬ愛の末路
そんなある日、マハは人間の男を愛してしまう。
神が人間を愛してしまうことは叶わない願いであったが、
マハは諦めきれずにすべてを捨てて人間として生きることを決意した。
しかし男にはすでに他の恋人がいたのである。
心が読めるマハはそのことを知っていたが、
人間が持つ愛の力を信じて一人の女として彼を愛したのである。
だが、男はその女と婚約してしまった。
人間の愛の無力さに嘆き悲しんだマハは
世界と人間を激しく呪いながらそのまま湖に身を投げて死んでしまった。
戦争と破壊の女神
マハが身を投げた湖は大きな干ばつが起こり、
まったく魚がとれなくなってしまった。
そして湖の水はマハの髪の毛のような真っ赤な色になり、
木は枯れ果て、果実が取れなくなってしまった。
この呪いは歌として後世に伝わり、
その恐れから人間たちはマハのことを『戦争と破壊の女神』と呼ぶようになった。
そしてイメンマハの誕生
第二次モイトゥラ戦争後に功績を立てたイメンマハの前領主が
王国から湖周辺の領地を預かることになった。
呪いを収めるためにマハを一人の女として追悼し、
後世に記憶するために都市の名前をイメンマハと名づけ、
それが現在の形となった。