開島氏

15世紀以前

この一族の歴史は江戸時代以前まで遡る。
古い文書(おそらく14世紀頃)からこの一族の存在が確認される*1が、14世紀以前にこの島に開島氏に関係した物が存在しないため渡来してきたものと思われる。
渡来してきた甲岡氏(開島氏)は現在の開島館?の地に甲岡館を建てる等、植民を進め後に初代当主となる甲岡(平島)寄氏*2は名字を開島へ変えた。

繁栄

14世紀半ばに平島寄氏は麻の栽培を始め、領域内交易を奨励。平島氏は繁栄の時を迎えた。人口は急速に増え、麻の栽培も盛んとなった。この頃の平島氏について書き綴った文書には
「平島の街は常に麻畑を見ることになり、常に麻の匂ひし、民は皆気にも違へきべく浮かれたりき。」
(平島の街は常に麻畑を見ることになり、常に麻の匂いがして、民は皆気でも違えたように浮かれていた。)
と書かれるほどだった。
また4代当主平島金氏は島内商業を成功させ、莫大な富を蓄えた。

最初の家督争い

14世紀半ば*3に平島金氏が亡くなると、金氏の長男平島氏時と長女平島氏明どちらを5代当主とするかを巡り1370年まで続く家督争いが始まった。
平島氏時が当初優勢だったものの、1369年の末に甲岡峠(平島館と吉良川を結ぶ峠)で氏明の奇襲を受け亡くなった。
こうして5代当主として平島氏明が就任した。