ルールの補足

Last-modified: 2009-01-11 (日) 01:14:24

第1部 基本ルール(TRB2002より抜粋)(2002/06/17)

7-4 使用の手順
 使用は、以下の手順で進行します。〔1〕~〔3〕を『使用の宣言』、〔6〕~〔8〕を『使用の解決』と呼びます。
〔1〕使用するカード1枚の内容について「宣言をおこなう時期」「対象([9]参照)」「代償([10]参照)」「使用条件」のすべてが適切であるかどうかを確認します。どれか1つでも適切ではない場合、手順〔2〕以降の宣言をおこなえません。
〔2〕使用するカード1枚を指定し、内容を公開し、宣言します。このとき、対象も宣言します。使用するカードがカード種類に該当する存在ではない場合、そのカード種類に該当する存在となります(例:手札の戦闘スペル・カードの使用を宣言した場合、その「戦闘スペル・カード」は「戦闘スペル」になります)。
〔3〕使用にともなう代償の支払いを宣言します。宣言された代償は、以降「使用の手順」が終了するまで、他の『使用の宣言』の代償にはなりません。
 効果や条件に「ダイスを振る」ことがある場合には、すべてのダイスを振ります。
 効果や条件に選択肢がある場合には、任意の効果や条件を選びます(例:「種族名:好きな種族名」の場合、使用するプレイヤーが任意の「種族名」1つを宣言します)。
〔4〕直前に『使用の宣言』をおこなったプレイヤーの対戦相手が「1つの『使用の宣言』に対応する『使用の宣言』」をおこなうことができます。『使用の宣言』をおこなわない場合、その対戦相手が『使用の宣言』をおこなうことができます。
「2人のプレイヤーが続けて『使用の宣言』をおこなわない」状態になるまで、この手順を繰り返します。
〔5〕おこなわれたすべての『使用の宣言』に対して逆順処理で『使用の解決』をおこないます。
「すべての『使用の解決』が終わる」まで、この手順を繰り返し、その後、手順〔9〕に移ります。
〔6〕『使用の宣言』で宣言した代償を、すべて実行します。宣言時の代償の一部あるいはすべてを実行できない場合でも、残りの代償をすべて実行します。
〔7〕手順〔6〕で『使用の宣言』と同じ代償を実行できた場合、使用された効果がゲームに影響を与えます。効果を適用する対象が適切であるかどうかを判定します。その他、行動が実際にゲームに影響を与えるための条件があれば、ここで判定します。「ランダムになにかを選ぶ」ことがある場合にはすべてランダムに選びます。
 手順〔6〕で『使用の宣言』と同じ代償を実行できなかった場合、使用された効果はゲームに影響を与えません。
〔8〕状態を確定させます。
〔9〕「使用の手順」を終了します。

第2部 ルールの補足(TRB2002より抜粋)

1.カードの補足

1-1 効果の表記
1-1-1 「適用」という表記
「効果が発揮され、ゲームに影響を与えること」を「効果の適用」とよびます。

1-1-2 「その後」という表記
「Aする。その後Bする」という表記のカードは、「A」の内容が適用されない場合、「B」の内容が適用されません。

1-1-2-1 「さらに」という表記
「さらに」という表記は、「その後」という表記と同義です。

1-1-3 「nまで~」という表記
「nまで~」という対象または代償の数を規定する表記の効果を使用したとき、「第1部[7-4]行動の宣言の手順」と照らし、手順〔2〕と手順〔7〕とで対象の数が異なる場合や、手順〔3〕と手順〔6〕とで代償の数が異なる場合があります。
 この場合、代償の数が異なった場合は、「代償は不適切である」と判定し、効果は発揮されませんが、手順〔3〕で宣言した代償を可能な限り最大限に実行しなければいけません。
対象の数が異なった場合は、対象が1つ以上存在していれば「対象は適切である」と判定し、手順〔7〕の数で可能な限り最大限に効果を発揮します。

1-1-4 複数の対象/代償を持つ表記
 複数の対象または代償を持つ効果を使用した場合、「第1部[7-4]行動の宣言の手順」と照らし、手順〔2〕と手順〔7〕とで対象の数が異なる場合や、手順〔3〕と手順〔6〕とで代償の数が異なる場合があります。
 この場合、代償の数が異なった場合は、「代償は不適切である」と判定し、効果は発揮されませんが、手順〔3〕で宣言した代償を可能な限り最大限に実行しなければいけません。
対象の数が異なった場合は、対象が1つ以上存在していれば「対象は適切である」と判定し、手順〔7〕の数で可能な限り最大限に効果を発揮します。

1-1-5 「すべての~」と「n枚の~」という表記
「すべての~」という表記があった場合、宣言時に、~に該当するカード/状況が存在しない場合でも、「適切な対象が存在する」とします。
「n枚の~」という表記がある場合、宣言時に、~に該当するカードがn枚未満しか存在しない状況は「適切な対象が存在しない」とします。
 ただし、それがカードの補充に関する効果の場合には「適切な対象が存在する」とし、[1-1-5-2]の処理をおこないます。また、ユニット0体の集合はパーティではないため、「パーティ1つのすべてのユニット」に影響する効果を、ユニットが存在しないパーティに対して使用できません。すべてのユニットが「~の対象にならない」という効果を受けている場合も、これと同じ扱いをします。そのようなパーティに対しては、「パーティ1つのすべてのユニットに影響する~という効果」の使用を宣言できません。
 このルールは効果・代償のいずれにも適用されます。

1-1-5-1 「n枚破棄する」という表記
『「手札/山札をn枚破棄する」という効果が発揮されたが、手札/山札にはn枚未満しかカードがない』という状況のときには、すべての手札/山札を破棄します。この場合、たとえ手札/山札のカードがなくなっており、0枚のカードを手札/山札から破棄したとしても「効果が発揮された」とみなします。
 カードの破棄が「代償」としておこなわれる場合は、指定された枚数のカードを破棄することができなければ、その宣言を実行できません。

1-1-5-2 「n枚補充する」という表記
『「カードをn枚補充する」という効果が発揮されたが、山札にはn枚未満しかカードがない』という状況のときには、すべての山札を手札に補充します。この場合、たとえ山札のカードがなくて、0枚のカードを手札に補充するとしても「効果が発揮された」とします。
 また、「カードをn枚まで補充する」という効果が発揮された場合は、山札を引く前に補充する枚数を宣言します。
 カードの補充が「代償」としておこなわれる場合は、指定された枚数のカードを補充することができなければ、その宣言を実行できません。

1-1-6 「対象~がaの場合、対象~をbする」という表記
「対象~がaの場合、対象~をbする」という表記は、対象~がaという条件を満たしていなければ、対象~にbという効果は適用されないことを表します。対象~が複数の場合、aという条件を満たした対象~にのみ、bという効果が適用されます。

1-1-7 「a/b」という表記
 「a/b」のように、『/』で区切られる表記は、2種類の意味があります。「a/b」が、[1-1-6]やカードの使用条件に用いられる場合には、『a/b』は『aまたは(or)b』という意味です。「a/b」が、発揮される効果の内容に用いられる場合には、『a/b』は『aと(and)b』という意味です。

例1:「ユニット1体が対象。対象ユニットが「進軍タイプ:飛行/長距離飛行」の場合、死亡させる」という効果の場合、対象は「進軍タイプ:飛行または長距離飛行」のどちらかであれば、効果を発揮します。
例2:「ユニット1体が対象。対象ユニットを「攻撃力:+2/防御力:+2」する」という効果の場合、効果が発揮されると、対象は「攻撃力:+2と防御力:+2」の両方の効果を適用されます。

1-1-8 カード・テキストの省略
 カードのテキストは、以下のとおり省略されることがあります。

1-1-8-1 「対象~がaの場合、bする」という表記
「対象~がaの場合、bする」という表記は、「対象~がaの場合、対象~をbする」という表記と同義です。
「~の場合」の後には、対象が省略されて表記されることがあります。
例:《ウィンド・カッターME》の『対象ユニットが「進軍タイプ:飛行/長距離飛行」の場合、【竜巻】で死亡させる』という表記は、『対象ユニットが「進軍タイプ:飛行/長距離飛行」の場合、対象ユニットを【竜巻】で死亡させる』という表記から対象を省略したものです。

1-1-8-2 「対象~をaに変更する」という表記
「対象~をaに変更する」と言う表記は、「対象~がaでない場合、対象~をaに変更する」という表記と同義です。対象~がすでにaの場合には、「対象をaに変更する」という効果は適用されません。

例1:《ワイト》の「レベルドレイン」をより適切に表記すると『ユニット1体が対象。対象ユニットが「レベル:1」でない場合、対象ユニットを「レベル:1」に変更する』という効果です。すでに「レベル:1」のユニットを対象に使用しても効果は適用されません。
例2:すでに行動完了である《サキュバス》を対象に、レベル3までのユニットを行動完了にする《ヒュプノシス》が効果を発揮しました。この場合、《サキュバス》はもとから行動完了であるため、《ヒュプノシス》の効果は適用されません。
例3:《モスマン》の「毒蛾の鱗粉」をより適切に表記すると、『パーティ1つのすべてのユニットが対象。対象ユニットが「レベル:1D以下」以下で行動完了ではない場合、行動完了にする。その後、この効果で行動完了になった対象に【猛毒:3】ダメージを与える』となります。
よって、後攻側《モスマン》が、先攻側パーティに「毒蛾の鱗粉」を使用しても、先攻側パーティのユニットはすべて行動完了であるため、「毒蛾の鱗粉」の「対象ユニットが「レベル:1D」以下で行動完了ではない場合、行動完了にする。」という効果は適用されません。したがって、「毒蛾の鱗粉」の「その後、【猛毒:3】ダメージを与える」という効果も、「[1-1-2]参照」に従い、適用されません。

1-1-9 「好きな~」という表記
 「好きな~」という表記は、「プレイヤーが選んだ任意の~」という意味です。「好きな~」を含んだ効果を使用するときは、第1部[7-4]手順〔3〕のときに「好きな~」を宣言します。
例:「種族:好きな種族名」という表記は、「好きな種族名」という種族ではなく、プレイヤーが選んだ任意の種族名をさします。

1-1-10 「この~」という表記
「この~」という表記は、その表記がなされたカード1枚をさす表記です。
「~」には「ユニット・カード/地形カード/アイテム・カード/戦闘スペル・カード/儀式スペル・カード/召喚術師カード」のいずれかのカード種類が記されています。あるいは「ユニット/地形/消耗品/装備品/戦闘スペル/儀式スペル/召喚術師」などの、そのカードの状況を特定する表記がなされています。

例1:「手札にあるこのユニット・カード」という表記は、その表記がなされたカードが「手札にある」状況の「ユニット・カード」でなければならないことを表します。カードの状況が適切でなければ、表記された内容も適切ではありません。
例2:「この装備品」という表記は、その表記がなされた特殊能力をユニットに与えているアイテム・カード(装備品)1枚をさす表記です。《日蝕のオーブ》により獲得する特殊能力「月光吸収」には、「この装備品を破棄することが代償」と表記されています。この場合「この装備品」とは、「月光吸収」を持つ《日蝕のオーブ》をさします。
例3:《ヘカトンケイル》が《日蝕のオーブ》を2つ装備しています。このとき「月光吸収」で代償として破棄するのは、効果を発揮させる側の「月光吸収」を《ヘカトンケイル》に与えている《日蝕のオーブ》のみです。1度の「月光吸収」の使用宣言により、2枚の《日蝕のオーブ》が破棄されることはありません。

1-1-11 「ユニットが~する」という表記
 宣言するのはプレイヤーです。しかし、ユニットが効果の発生源となる場合や、プレイヤーがユニットを進軍させる場合に、「ユニットが使用する」「ユニットが進軍する」という表記がなされることもあります。

1-1-12 「~したユニット」という表記
「~したユニット」とは、「第1部[7-4]手順〔2〕」で「~」を宣言したユニットです。
「~したユニット」であるかどうかを問われるのは、「第1部[7-4]手順〔5〕」の対抗連鎖の処理中です。
「~したユニット」は、対抗で代償が実行できなくなったり、使用したカードが打ち消されたとしても、対抗連鎖の処理中は「~したユニット」です。

1-1-13 「ランダム」という表記
「ランダム」とは、無作為のことです。
 公開情報から何かをランダムに選ぶ場合、公開情報をいったん非公開情報にしてから選び、選び終わってから再び公開情報に戻します。

1-1-14 「~フェイズの前に」という表記
「~フェイズの前に」という表記は、「~フェイズ」および「~フェイズより前の手順」が存在しない場合にも効果を発揮することを表します。
 この表記の効果が同時に複数適用される場合、そのカードのプレイヤーが、任意の順番に効果を発揮させます。複数のプレイヤーが同時にこの表記の効果を発揮させる場合、「第1部[24-1]」に従います。

1-1-15 「~フェイズの開始時に/~フェイズの終了時に」という表記
「~フェイズの開始時に/~フェイズの最初に/~フェイズの終了時に/~フェイズの最後に」という表記は、「~フェイズ」が存在しなければ効果を発揮しません。
 この表記の効果が同時に複数適用される場合、そのカードのプレイヤーが、任意の順番に効果を発揮させます。複数のプレイヤーが同時にこの表記の効果を発揮させる場合、「第1部[24-1]」に従います。

1-1-16 「アイテムの効果」という表記
「アイテムの効果」とは、「消耗品の効果」と同義です。

1-1-17 「未使用と消費と回復」という表記
「アイテム:X」および「スペル:X」のn枠を代償とし、以降その他の代償とできなくすることを、『「アイテム:X」をn消費する』『「スペル:X」をn消費する』と表記します。
消費されていない「アイテム:X」および「スペル:X」のn枠は、「未使用」の状態と表記します。
消費された「アイテム:X」および「スペル:X」のn枠は、回復することにより、再び未使用の状態となります。

1-2 内容の異なる同名カード
 能力や出現頻度が異なるカードであっても、「カード名」が同じであれば、同じカードとして扱います。このとき、「第3部 カード解釈の公式見解」に挙げるすべてのカード・データ及びカード解釈が適用されます。ただし、「第3部 カード解釈の公式見解」に挙げるカードが、本書の発表以降にカードセットに収録されるなどして新しいデータで公式に発表された場合と、新しい解釈が公式に発表された場合、最新のカード表記およびカード解釈に準じます。

1-2-1 「出現頻度:ハート」の同名カード
「出現頻度:ハート」とそれ以外の出現頻度の同名カードが存在する場合、「同じカード名」で「違う内容」のカードと扱います。
 このため、「出現頻度:ハート」と、それ以外の出現頻度の同名カードは、合計で3枚までしかデックに組み込むことができません。

1-2-2 その他の情報の読み替え
「第1部[1-2][1-3][1-4][1-5][1-6][1-7]」各項の最後にある「その他の情報」については、出現頻度に関わらず、読み替えをおこないません。
例:フレーバー・テキスト、イラストレーター名、イラストレーター名の左右にある色玉([1-3]参照)は、カード名が同じであっても、読み替えをおこないません。

1-3 カードセット
1-3-1 イラストレーター名の左右にある色玉
「イラストレーター名の左右にある色玉」は、そのカードが属するカードセットを表します。その色玉が同じ場合、同じカードセットとします。

1-3-2 どのカードセットにも属さないカード
「イラストレーター名の左右にある色玉」がないカードは、ゲーム上では「どのカードセットにも属さない」とします。「イラストレーター名の左右にある色玉」があっても、「出現頻度:ハート」と「出現頻度:三日月」のカードは、どのカードセットにも属さないとします。