Blog/近鉄8A系新型一般車両導入による車両置き換え予想

Last-modified: 2024-05-10 (金) 17:47:40

2024年5月10日、近鉄より2024年10月 奈良線・京都線で新型一般車両がデビューします!~2025年度には大阪線・名古屋線・南大阪線にも新型一般車両を投入します~とプレスリリースがありました。
8A系」を名乗る新型一般車両の詳しい仕様等は上記PDFよりご確認いただくとして、こちらでは新型一般車両導入による従来車両の置き換えについて予想していきます。

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新型一般車両の各線区への導入年度・導入予定両数

この予定両数から予想した置き換えられる可能性がある従来車両を各線区、形式ごとに解説します。

奈良線系統

8000系
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8000系は2024年5月現在4両×7本の28両が在籍しています。
2024年度に導入予定の8A系で大多数か全車両が置き換えられる可能性が高いですが、在籍する全編成が省エネ改造(抵抗制御→界磁位相制御化)を行っているため、後述する8600系の置き換えが優先される可能性や、8810系や9200系を大阪線へ転属させることを優先する場合2024年度のうちに形式消滅しない可能性も考えられます。
とはいえ全車が製造から55年程度経過した古い車両なので2025年度には全廃されていると予想します。

8400系
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8400系は2024年5月現在4両×6本、3両×6本の42両が在籍しています。
4両編成車はやはり置き換えの可能性が非常に高いと言えますが、8000系と同じく全車省エネ改造済みであることや、8000系と8400系の4両編成は合計で13本なのに対し2024年度に導入予定の8A系が12本であり、4両編成車でも最低1本程度は2025年度まで生き残るかもしれません。
3両編成車については主に田原本線のワンマン列車で活躍しており、奇数両数ゆえに直接置き換えることはできず、一掃するのであれば同線列車の2両編成化をして1233系列などをワンマン化改造する必要があるもののそもそも2024、2025年度に導入予定の8A系が全て4両編成なので直ちに全車置き換えとはならなさそうです。

8600系
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8600系は2024年5月現在4両×19本、6両×1本の82両が在籍しています。
今年3月に落雷を受けて故障したX61が4月のうちに廃車陸送されたことが記憶に新しいですが、この廃車がやけにスピーディだったことから、もしもX61の故障がなければ8600系ではなく8000系か8400系のうちの1編成が元々3月のダイヤ変更による運用減を理由として廃車される予定だったのではと考えることもできます。
X61ではなく8000系か8400系が1編成廃車されていたら両形式の4両編成は12編成となり、2024年度のうちに8A系で全車置き換えも可能になっていたので近鉄はこれを狙っていたのかもしれません。
話が脱線してしまいましたが、8600系は4両×15本と6両のX69については抵抗制御のままとなっており、これらは2024年度や2025年度に置き換えられる可能性があるため注意が必要と言えそうです。
また、4両編成のX67は現在中間付随車として元1010系モ1062のサ8177を組み込んでおり、この1両のみ車齢がやや高いため先行して廃車し3両編成化を行い、田原本線用の8400系を1編成程度置き換える可能性もなくはないのかもしれません。
6両編成のX69についても阪神や京都市営地下鉄に直通できない6両編成車という特殊性ゆえ、導入予定の8A系は全て4両編成ではあるものの必要両数の減車等で対応して優先的に置き換えられることも考えられそうです。

大阪線系統

2410系
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2410系は2024年5月現在2両×18本、4両×2本の44両が在籍しています。(4両編成の中間車はここでは2430系ではなく2410系としてカウント。1200系に組成されたク2590形は含めず)
大阪線には2025年度に新型車両が4両×2本導入予定のほか、奈良線に導入予定の8A系は2024、2025年度合わせて4両×21本に及ぶため、全てを8000系列の直接置き換えに充てずに4両編成の8810系の一部や9200系を大阪線に転属させる可能性が十分に考えられます。
この場合、4両編成のAG29,30については中間車を2両脱車・廃車して2両編成化する可能性があります。
なお、Tc車のク2510形とT車のサ2550形にそれぞれ低用量の空気圧縮機を搭載していることからサ2550形のみを脱車した3両編成化→名古屋線への転属は困難と考えられます。
2両編成化した場合でも置き換える車両が抑速制動のない1810系H26,27であれば名古屋線への転属が考えられますが、この場合AG29,30改めW29,30が転属しなくとも大阪線所属のVVVF車を転属させた方が名古屋線のイメージアップに繋がりそうです。
また、置き換える車両が特に車齢の高い2410系W12,13の場合は玉突きの形ではあるものの2410系同士の置き換えと言えそうです。

2430系
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2430系は2024年5月現在2両×4本、3両×7本、4両×4本の45両が在籍しています。(名古屋線所属車両と1810系から編入した4両編成の中間車も含む。1200系に組成されたモ2450形は含めず)
先述の通り大阪線への新型車両導入に加えて8810系、9200系の大阪線転属があれば2430系でもAG31~33,43の4編成は中間付随車を脱車・廃車して3両編成化する可能性があります。(2430系はTc車のク2530形に大容量の空気圧縮機があるためT車を抜いた3両編成化が可能)
大阪線所属だった3両編成車は今年3月をもって全て名古屋線に転属したことから、後述の名古屋線3両編成車の置き換えはこの方法で行われると予想していますが、AG33と43については中間付随車のサ1970形が1979年製造と比較的新しく、早い段階で脱車とはならないかもしれません。

2610系
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2610系は2024年5月現在4両×17本の68両が在籍しています。(名古屋線所属車含む)
初期の6編成については製造から52年以上経過しており、元々急行用のクロスシート車だったことから走行距離が嵩んでいる可能性があり、一部は置き換えの可能性も考えられます。
大阪線導入予定の新型車両がトイレ付きであれば直接2編成の置き換えが可能なほか、名古屋線導入予定の4両×3本もトイレ付きの可能性が高いため、同線から別のトイレ付き4両編成を3編成大阪線に転属させれば単純計算で初期6編成のうち最大5編成の置き換えが可能です。
また、今年3月に何故か2800系AX17トレードの形で名古屋線に転属したX17が直接置き換えられることも考えられそうです。

名古屋線系統

1000系
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1000系は2024年5月現在3両×3本の9両が在籍しています。
残存編成はモ1000形がB更新未施工、モ1050形とク1100形が車齢55年以上の元1810系である上に抑速制動がないことから置き換えの優先度が非常に高く、先述の2430系3両編成化→名古屋線転属により2024年度か2025年度のうちに形式消滅が予想されます。

1010系
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1010系は2024年5月現在3両×4本の12両が在籍しています。
1000系と同じく全編成が抑速制動なしですが、トップナンバーのT11以外はB更新と湯の山線のワンマン運転対応改造が施されており、T11のみ編成単位でB更新未施工なことから1000系と並んで優先的に置き換えられる可能性が大です。
遅かれ早かれ2430系の4本あるAG編成が全て3両編成化・G編成化されて1000系3本とT11の4編成が置き換えるものと予想します。

1810系
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1810系は2024年5月現在2両×2本の4両が在籍しています。(2430系に組成されたサ1970形は含めず)
先に述べた通りこの2編成は抑速制動がなく、その上6両編成の急行列車の名古屋方2両に充当される機会の多さから走行距離が伸びており、検査周期も3年程度で回帰となることから2両編成車としては置き換えの優先度が非常に高いと言えます。
置き換えはやはりAG29,30の2両編成化により大阪線から2両編成のVVVF車を転属させて行われる可能性が考えられます。

南大阪線系統

6020系
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6020系は2024年5月現在4両×8本、3両×18本の86両が在籍しています。
南大阪線には2025年度に新型車両が4両×3本の12両導入予定で、独立した狭軌線系統なので単純に4両編成車が置き換えられたり比較的新しい4両編成からサ6160形を脱車・廃車して3両編成化し、初期の3両編成車も廃車の対象とすることが考えられそうです。

以上大雑把ですが新型一般車両導入による従来車両の置き換えについて予想しました。
マニアの予想なので「大ハズレ」となることもあるかもしれませんが、ここで紹介した形式の記録は優先した方が良いと言えるので参考にしていただければと思います。