アナタの願いもみんなの願いも誰かの幸せであり不幸でもある。
でも、自分の願いを、失わないように。
ここは望まれた楽園。
ゆっくりリラックスしてお楽しみ下さい。
作絵
あらすじ
母親を失ってからの記憶がないアスカ。
ある日、突然不思議な夢を見て、本当の願いを意味する『願鍵』の存在を知る。
記憶と願いを探す好奇心旺盛なアスカだけの物語。
そこには思いがけない出会いと別れがあった。
願鍵は沈んだ
【とあるニゲラの花園にて、】←【】の中は現在地が書かれます()
??「おや、ここに人が来るなんて珍しいですね。」
??「せっかくいらっしゃったんですから少し、お話していきませんか?」
??「あ、申し遅れました。」
悪夢の使い「私、 悪夢の使い と申します。」
悪夢の使い「ほら、そこへお座り下さい。」
悪夢の使い「━━今から語るお話は、昔々かもしれないし、遠い未来かもしれない、もしくはただの夢に過ぎないお話です。」
悪夢の使い「それでは語るとしましょう。『願鍵は沈んだ』」
━━━夢を見た。
不思議な夢だった。
私の頭上に輝く鍵があって、さらに上に大きな鏡が私と鍵を真っすぐ写している。
鍵はゆっくりゆっくり、鏡に近づいて行く。
なにを思ったか、私は鍵を拾おうとした。
でも、見えない壁があって進めない。
鏡に鍵が触れる直前。
見知らぬ誰かが鍵を拾ってくれた。
いや、知っていた。
その子を私は知っていた。
なのに・・・その子は迷いのない目で言ったんだ。
『ごめんね。』
アスカ「っえ?」
私は布団の上で裏返った声を上げた。
アスカ(夢か・・・。)
まだ夢の余韻を感じてふわふわしている。
そこで気づいてしまった。
今、お金を持ってないということに。
ドタドタと下の階から騒がしい足音が聞こえて来る。
きっとアパートの管理人だ。
アスカ「やっばい!逃げろ~!」
お気に入りの帽子とお母さんの形見のケープを羽織って部屋から飛び出した。
長い廊下の果てに管理人が見えた。
アスカ「失礼しましたぁ~~~~!!!!!!!」
管理人「待てええええええええええ!!!!!!」
駆け出す私、追いかける管理人。
ピンチだというのに、ちょっとおもしろがってしまっている自分は幸せだと感じた。
でも、その日は少しいつもと少し違った。
鍵が浮いている。
街を行く人の隣に人それぞれ違う形の鍵が浮いてるのだ。
少し気になったが、逃げるのに必死でその日は気にする暇がなかった。
【別の宿A】
アスカ「よし、今日はここで寝泊まりしよう」
アスカ「えっと受付しなきゃね」
アスカは受付へ向かった
受付の方「部屋は〇〇号室です。ご利用ありがとうございます。」
アスカは目を疑った
受付の方の横に輝く鍵が浮いているからだ
あれは受付の方が浮かせているのだろうか
触れるのだろうか
何の鍵なのだろうか
探究心、好奇心がアスカの胸を満たす
アスカ(そうだ!思いきって聞いてみよう!)
アスカ「えーっと・・・」
受付の方「なんでしょう?」
アスカ「隣に浮いてる鍵って何の鍵なんですか?!」
受付の方「・・・っえ?」
受付の方「申し訳ございません、何のことでしょう?」
受付の方「鍵とおっしゃいましたが、私、只今は何の鍵も持っておりません」
え?
え?え?え?え?え?え?え?
やばいやばいやばいやばい絶対引かれたじゃん!!!!!!!!!!!!
なんでよぉ!こんなにはっきり浮いてるのにいい!!!!!!!!!!
アスカ「な、な、な、な、な、な、な、なななななななななんでもありません!」
アスカ「部屋ありがとうございますうううううぅ()」
逃げろ
あの冷たい目から逃げろ
こちらを見るあきれた視線から逃げろ
部屋にダッシュ!布団にダイブ!気分はダウン!
ああ、なんか疲れた~
そりゃあ、朝から管理人と鬼ごっこしてたもん
布団最高・・・!
もう起きれない・・・!
おやすみ。
イラスト
コメント
- ページ制作参考『うたたね』 -- そああろ。 2024-05-23 (木) 20:38:56
- うわあああああああああああああ!!!!!かっこいいいいいいいいい -- コムギ 2024-05-24 (金) 15:33:26
- 悪夢の使いって…もしかしてムマさん?() -- コムギ 2024-05-24 (金) 15:56:56
- ムマさんだと思う() -- えくれあ。 2024-05-24 (金) 16:12:56
- うわあああああああああああああ!!!!! -- コムギ 2024-05-27 (月) 19:53:43
- 続きまってまあああす! -- コムギ 2024-05-27 (月) 19:53:52
- かわいい() -- コムギ 2024-06-15 (土) 06:26:25
━━アナタの願いは何ですか?
どんな人も願鍵を持っています。
アナタの願鍵がずっと輝き続きますように。