テアトール

Last-modified: 2022-01-07 (金) 23:53:36
~第7510幕~

(門番が村の門扉に寄りかかっている。そこに旅人が通りかかる。)
ポルティエ:おお、そこの麗しき旅人様よ立ち止まってはくれないか!そう、そこの貴方だ
ポルティエ:何にもない村だが、村総出で歓迎してあげよう
(門番は村の宿屋に旅人を招き入れる)
ピヤー:やあ、ようこそ旅人よ。この村に来るとは珍しき。さてさてどんなお人かな?
(巡査が帳面を見て首を振る)
サンディカ:貴殿のような物好きは、今日じゃあ?
サンディカ:昨日じゃあ?人、しめて?人てとこだ。
(村人が集まってくる)
ピヤー:やあやあ鎮まれ皆の衆、よってたかって見ちゃ可哀想だ、この旅人はここが何なのかもご存知で無いようだ
(聖職者が進み出る)
シューペルマルシェ:ならば私が説明してご覧じよう
シューペルマルシェ:正しい始まりは私も知らぬ、世界が何かなら私も知っている。
シューペルマルシェ:事実は単純、ここは舞台、我らは役者
シューペルマルシェ:即ち私の役は、聖職者
ポルティエ:私の役は、門番
ピヤー:私の役は、村長
サンディカ:私の役は、巡査
村人:我らの役は、村人
ピヤー:貴方の役は、何かな
ポルティエ:病気の母の下に行く、旅人か?
サンディカ:商談に行く、旅人か?
シューペルマルシェ:巡礼をしている、旅人か?
(突然人が踊りながら飛び込んでくる)
グロシスト:いやそのどれでも、無いだろう
グロシスト:私の役は、道化師
グロシスト:旅人あんたの役は、世界の旅人だろう
グロシスト:自分でわかってるはずだ、いやわかってないか?
グロシスト:まあいいそんなことはどうだって
グロシスト:どっちにしろ俺らは役者!
(道化師が手を叩く)
村人:我らは役者!
グロシスト:台本に従うだけの人形!
(道化師が手を叩く)
村人:我らは人形!
グロシスト:幕が落ちれば違う役!
(道化師が手を叩く)
村人:幕が落ちれば交代!
グロシスト:一生役者!
(道化師が手を叩く)
村人:我らは一生役者!
グロシスト:外の奴らから見りゃ阿呆!
(道化師が手を叩く)
村人:我らは阿呆!
グロシスト:確かにそうだ、ただ
村人:君達も同じようなもんさ!

~第7510幕終~