ダ・ヴィンチ・コード

Last-modified: 2009-10-13 (火) 23:05:40
 

ダン・ブラウン(越前敏弥・訳) 『ダ・ヴィンチ・コード』 角川書店

 

宗教象徴学者ロバート・ラングドンが活躍する、シリーズ2作目である。
前作、『天使と悪魔』もそうだったのだが、まさに宗教ミステリといえるもので、詰まっている知識の量には愕然とする。
専門的な言葉だけを詰め込んでいるのではなく、わかりやすく説明されているのも、のめりこめる要因であろう。
また、こういった難解な主題をもつ本にありがちな、ストーリーを途切れさせてまで薀蓄を語る、といったことがこの本には無い。
ストーリーを語る上で、解かなければならない謎として、薀蓄を語る。
絶妙にバランスがとれているのだ。また、スピード感があり、謎や驚きが次々と出てくるので飽きることが無い。
それゆえに、少し食傷気味になるかもしれないが……。
ま、それはともかく、様々な魅力的な謎、事件の真相、黒幕の正体、
次々と明かされる事実に振り回され、そして驚愕のラスト!
興奮冷めやらず、である。久々にすばらしい本に出会った。
こういった主題への興味の有無に関わらず、お勧めしたい1冊である。

 

著者は、3作目を執筆中であるということで、今から待ち遠しくてたまらない。

 

担当者 - アッシュ