ジェフ・アボット(佐藤耕士・訳) 『図書館の死体』 ミステリアス・プレス文庫
図書館シリーズ一作目。
平和な田舎町ミラボーの図書館館長、ジョーダン・ポティート。彼の勤める図書館で殺人事件が起こってしまう。
その容疑者にされたジョーダンは事件の真相を探るべく、被害者の手に残された、
彼や彼の母親の名前が書かれたメモを手がかりに調査を始める。
事件が進むにつれ謎が複雑になっていき、緊迫感が徐々に高まっていく。
だからこそ最後まで読み終わった時は心地よい余韻に浸れる。
この本の魅力は本編もさることながら出てくる登場人物達だろう。
彼らは実に生き生きと描かれており、普段は陽気な彼らだが、
ふとした時に語られる彼らの衝撃的な告白は読んでいて飽きさせない。
舞台となる町ミラボーは現実には存在しない。だが裏を返せばこの本の中にしか存在しないということである。
時間があれば陽気で人間的な彼らが住んでいるこの町を訪れてみてはいかがだろうか?
担当者 - モール